【 ishida式のマクロ撮影の機材と使いこなしH 】

これまでishida式のマクロ撮影機材とテクニック等について書いてきました。 前回は望遠マクロレンズについて書きましたが、またまた物欲に耐え切れず導入した望遠マクロレンズについてのあれこれです。 ishidaの場合は物欲に弱いという人間の特性だけでなく、マクロ撮影をライフワーク(?)としているため、マクロ機材については色々と拘りが強いんです。 特にishida式のマクロ撮影ではマニュアルフォーカス時の操作性については強い拘り(単なる個人的な好みともいえるけど…)があります。 実際にはミノルタ・コニカミノルタ・SONYのAマウント機を使用していた時代にはそもそも機械的に結合したフォーカスリングが当たり前だったため特にそんなことは気にせず使えていたのでした。 SONY製カメラの主流がEマウント移行してゆく動向を見てフォーサーズマウントへの乗り換えを模索した時には、レンズ資産だけでなくフォーサーズ一眼レフの小さなファインダーとオリンパスの50mmマクロレンズが電子フォーカスだったこともネックになり、その時は乗り換えを断念しました。 (当時のフォーサーズ機は「一眼レフ」なのに、レンズが電子フォーカスのものが大半で、電源を入れないとフォーカシングができないものがほとんどだった…) フォーサーズの後継規格として登場したMFT機の場合はそもそもミラーレスのため、電源を入れなければファインダーさえ真っ暗だというのも、レンズ交換式カメラとしてどうなの?とも思ったしね…
その後に導入したSONY「α77」(測距用の固定ミラーはあるものの、カメラの機構としてはライブビューファインダーを備えたミラーレス機)を導入して使い込んでいるうちに、電源を入れないとファインダーも見えないということ自体には慣れてしまったため、ミラーレスのMFT機への移行の意識的なハードルは下がりました。 当時はまだMFT機には一眼レフ的なスタイルのものは選択肢が少なかった(Pamasonic
G1のみ)が、試しに登山の際のお供として使うコンパクトカメラ的な位置づけで「Panasonic
GF-1+14-40mm」を導入したところ、思った以上にしっかりした「写真機」になっていてちょっとMFT機を見直しました。
その後の「E-M5」や「E-M1」シリーズといった「ちゃんとファインダーを覗いて撮るカメラ」の登場やEVFの進歩もあり、意を決して(?)AマウントからMFTへのマウント移行を断行しました。 購入したのは「E-M1+M.ZD
12-40mm F2.8
PRO」レンズキットでしたが、レンズ側が「絶対位置対応」のフォーカスリングを備えており、感覚的には機械式のフォーカス駆動に近かったためほとんど違和感は覚えませんでした。
しかし、追加で購入したマクロレンズ「M.ZD 60mm F2.8
Macro」を使ってみてびっくり… MF時に目測で狙った位置にフォーカスを持ってゆくことができず、慌ててフォーカスリングを回すとワンテンポ遅れて高速移動、ゆっくり回すとまだるっこしい微速移動となり、回転角とフォーカス移動の感覚が掴み辛いことこの上ないです。 AFで追えないようなケースとしてよくある、2〜3m先を遊弋しているチョウとか速度を変えながら迫ってくるトンボなどに目測で素早くピントを持ってゆく…というような操作は完全に不可能です。 無限遠や最短撮影距離のストップもないし、即座に等倍位置にフォーカスを持ってゆくのもスイッチ操作で行わないとまだるっこしい… フォーカスリングも無意味に幅がありすぎて、レンズをしっかりホールドしようとするとリングが微妙に回ってしまい、ピント位置がずれてしまうことも多々発生します。 描写性能は素晴らしく、全てAF任せにすれば、フォーカスも速いし、フォーカス位置を拡大表示してくれるAFポイントスコープ機能なんかもけっこう快適に感じたけど(^^; そんなわけで、MFの撮影頻度が高いishidaとしてはPROレンズで採用されているような「絶対距離に対応したフォーカスリング」を持たないMFTネイティブなレンズたちはちょっと使いづらくてなかなか馴染めないのでした。
MFTで使用可能なマクロレンズに関しては、旧FTマウント用としてSIGMAが販売していたものをマウントアダプタ経由で使用することは互換性に支障はありませんが、選択肢は時代的にデジタル化初期の旧世代のレンズしかありません。 マクロレンズについてはその@やそれ以降で紹介済みですが、MFT移行後を簡単におさらいすると
【 OLYMPUS M.ZD
60mm F2.8 Macro
】 MFTネイティブな中望遠系マクロレンズで、小型軽量、低価格ながら描写性能は非常に高く、前述の「電子フォーカス」のネガティブな面とやけに細く見える外観さえ気にしなければ優秀なレンズ。 (AFをメインに使う前提なら、システムの軽量コンパクトさも享受できて快適。) 使用時はカメラのメニューで「電源ON/OFF時のフォーカス位置リセット」は必ず「OFF」にしておかないと電源ON/OFFの度に無限遠に移動してしまって、最初はかなり困った(^^) レンズ側には等倍位置までフォーカス移動させる回転式のスイッチが装備されているが、操作すると勝手にMF設定がAF設定に切り替わってしまうのも不可解だった。(ボディ側のFnレバーにAF/MF切り替えを設定すれば回避可能) マクロに消極的なPanasonicに対し、「バクテリアから宇宙まで」を標榜するOMDSとしては他に撮影倍率1.25倍の30mmレンズ、撮影倍率2倍の90mm
PROレンズもラインナップしており、90mmが登場するまではMFT用のマクロレンズのフラッグシップと言っても良かった。
【 SIGMA Macro
105mm F2.8 EX
DG フォーサーズマウント 】 60mmでは最短撮影時のワーキングディスタンスが短くてライティングも制約が多いため、もうちょっと望遠系のレンズが欲しいなと思って中古で購入したもの。 FTマウント用のレンズだが、既存のレンズをFTマウントに換装して商品化したため設計的には古臭くて、今となっては珍しい(?)全群繰り出し式のマクロレンズ。 APO入ってない(^^;ながら写りはシャープで高解像の描写性能は秀逸と思うが、「ジジ〜〜カッシャン」という感じの電磁絞りの駆動音やいかにも遅い動作レスポンス、円形絞りではない、逆光に弱いというのはちょっと残念だった。 全群繰り出し式のお陰で収納時はコンパクトで、MFで使うぶんには操作性も良好だがAF/MF切り替えがスイッチとフォーカスリングの2本立て(ボディ側も切り替え必要)という操作性がネックに感じる。
【SIGMA APO Macro
150mm F2.8 EX DG HSM フォーサーズマウント
】 これも更に長いワーキングディスタンスを求めて中古で購入したもので、105mmと同様に既存のフルサイズ向けのレンズをFTマウント化したものだが、ベースの製品にならってAPO仕様、HSM(超音波モータ)によるAF駆動となっているためフルタイムマニュアルも可能だがAF駆動の速度は遅く、合焦の動きに何となくバックラッシュ感もある。 MFの操作性はフォーカスリングとレンズ移動機構間に減速系が入っているのか「何か遠くのものを間接的に動かしている」ようで、細かい操作はやり辛く感じて感触はあまり良くない。 150mmとはいえ何となく拡大率が中途半端で、描写自体も想像していたほど「カリカリシャープ」な描写ということはないが、絞りは9枚羽根の円形絞り、APO仕様なだけあって長焦点ながら色収差は良好に補正されている印象だが、何となく描写性には「ちょっと惜しい」感があるカモ…。
【 TAMRON
90mm F2.8 Di Macro VC USD (F004)
EFマウント 】 キャノンEFマウント品をマウントアダプタ「Commlite AEF-MFT
(AF)」を介して装着。 いわゆる「タムキュー」と呼ばれる銘レンズの系譜で、最新型が発売になって格安となっていたF004型を新品で購入したもの。 超音波モータ(USD)によるAF駆動、手振れ補正機構(VC)も搭載されているが、レンズ側のVC自体は動作するもののボディ側と協調しないためレンズ側の手振れ補正機能はOFFしてカメラ側の手振れ補正のみで使用し、マウントアダプタ経由の動作はC-AFにも対応していない。 描写性は最高!ダイレクトマニュアルフォーカス可能、MF時の操作感もまずまず良好。
【 Laowa 100mm
F2.8 2x Ultra Macro APO EFマウント 】 これはそのDで紹介していますが、色々とユニークなレンズを販売している中国のレンズメーカー「Laowa」製レンズで、EFマウント用のみ電磁絞り・Exifデータに対応しており、ネットなどのレビュー記事では描写性には定評があり「TIPA
WORLD AWARDS 2020」も受賞している。 MF専用レンズながら、「2x」の名前通り「孤高のレンズ単体で撮影倍率2倍」というスペックを達成しているが、総金属製の鏡筒も含めて外観はスリークでややあっさりめ、高級感はない。 鏡筒内側にはレンズ先端ギリギリまで前玉を繰り出すカム溝が切られており、直接手で触れるくらい機構が丸見えのため水滴やごみの侵入などに対して何の保護もなくてかなり不安を覚える造りだが、メーカーサイトで購入したらサービスで保護フィルターが添付されていた(^^; 絞り込むと玉ボケにはエッジが見えるが、絞り羽根は9枚のため不快ではない。 MFの操作感覚は滑らかでバックラッシュも感じないが、フローティングで前・後群を繰り出すたのカムの負荷が大きいためかフォーカスリングを指先で操作できるような軽さはなく、さらに遠距離では回転角が少なすぎてピント合わせはなかなか難しい。 システムとしての全長は長めだが、MF専用を厭わなければ解像感も高くて「TAMROM
90mm」に匹敵するくらい秀逸な描写のレンズだと思う。
【
Canon EF 180mm F3.5L Macro
USM 】
 Canon EF 180mm
F3.5L マクロ USM 2020年6月に中古で購入です。
ishida初の(^^;Canon製レンズで、名前に付く「L」とレンズの赤いハチマキは高性能の証し。 解像力も高くてダイレクトマニュアルフォーカスの操作感も秀逸、今の目で見るとLレンズながらF3.5というスペックは微妙に感じるものの、お陰でそれなりにコンパクトなのは利点ともいえる。 中古で購入したが、外観はそこそこ使用感やスレ傷あり、付属品はレンズと三脚座・前後キャップのみで元箱はおろかレンズケースやフードも欠品していたので、フードなしで保護フィルターのみ装着して使用中だが、逆光でも変なゴーストやコントラスト低下は少なめと感じる。 解像感も非常に高いがやや硬い描写に見え、明暗境界やデフォーカス部のパープルフリンジは目立つ。 三脚座はレンズをボディから外さないと着脱できないタイプで、内面の摺動材も激しく摩耗して動作感が不良だったため3rdパーティ製のアルカスイス対応の三脚座に交換している。
【 TAMRON SP AF 180mm
F3.5 Di MACRO EFマウント 】
 TAMRON SP AF 180mm
F/3.5 Di MACRO(B01E)2023年9月に新品で購入。
一時の気の迷い(?)で購入したのかも…しかし、定価ではCanon製レンズの半分以下ながら同等の仕様というだけでなく実際の描写性もほとんど負けていない気がするので、先にこのレンズを買っていたら、おそらくCanon
180mm
F3.5Lは買っていなかったと思うし、今現在では遠征時にはどのレンズを持って行くかは非常に悩むところ(^^; フォーカスリングを前後にスライドさせてAF/MFを切り替える機構を持っており、レンズ側にはAF/MF切り替えスイッチのようなものは一切無い。 MF時の操作感は滑らかで秀逸ながらAF駆動には古臭いDCモータを採用しているため今の感覚ではジージーうるさくてやや興醒め、疑似円形絞りで玉ボケのカクカク感はCanon
180mmに比べれば控え目に見えるが、7枚羽根のため期待したほど丸くはない…。 解像力、色収差とも良好だが、拡大するとCanonに比べてやや柔らかめで線が太い描写には感じる。 三脚座はマグネシウム製とのことで、ボディに装着したまま着脱可能なタイプなのは○です。 フードを付けたままフィルター枠を回転できる「FEC機構」も装備するが、実際にこのレンズでPLフィルターを使うかは…?
【 SIGMA APO Macro 180mm F2.8 EX DG
OS HSM EFマウント 】
 SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS
HSM(EFマウント)2024年3月に中古で購入。
際限なき物欲の魔力により召喚された、考え得る限り究極のラスボス的望遠マクロレンズ。 生産終了となったのは知っていて2023年辺りには中古価格も頻繁にチェックしていたが、意を決して購入しようと考え始めたら、生産終了を知った転売ヤーによる投機バブルか(?)突如として中古・新品とも価格が急激に高騰、へそくりでは買えない価格になってしまったため購入意欲が一気に減退。 購入を再考中に「TAMRON
SP AF 180mm F3.5 Di
MACRO」をポチってしまったが、その後も未練がましくAmazonの密林を彷徨っていたらちょうど良い出物が…
このレンズは180mmの焦点距離でF2.8を達成した望遠マクロのフラッグシップを標榜し、マクロレンズとして必須の撮影倍率1:1に加えてAPO/OS/HSMといった考えられる仕様は全部乗せだが、前任機の「APO Macro180mmF3.5 EX HSM」に比べてサイズ・重量・価格も大幅アップ。 150mm
F2.8がやや拍子抜けの描写だったこともあって、今回はかなり期待が高かった。 ミラーレスの場合、F3.5とF2.8の違いは一眼レフのようにファインダーの明るさには関係ないが、解放F値F2.8という「見栄」だけでなく、ピント位置の「見え」具合いには差があると思うので有難い。 とはいえ、どっちみちレンズのOSをOFFして絞り込んで使うなら、重くて手ブレしやすいF2.8よりも軽量なF3.5レンズのほうが撮影の歩留まりが良いのでは…という気持ちも湧いてくるけど(^^;;; (C社やN社のボ手振れ補正の無いディならレンズ側にOSが搭載されている恩恵に与れるが、強力なボディ内手振れ補正を持つOM-Dシリーズのユーザーならではの贅沢な悩み?) 絞りも9枚羽根の円形絞りのため絞り込んでもほぼ円形を維持して玉ボケもきれいだが、AF駆動は150mm同様に静かながら合焦時の動きにカクカク感があり、MF時の感触もあまり良くない気がする。 あと、細かいところだがSIGMAあるあるで、標準添付されているレンズキャップは内・外ともつまみ難いし外周にバリもあって安物感を感じる。(逆にTAMRONのレンズキャップはすごく良いと思う)
【 各レンズの仕様比較
】
|
Canon 180mm
F3.5L |
TAMRON 180mm
F3.5(B01E) |
SIGMA 180mm F2.8 |
レンズ構成 |
12群14枚 (UD×3枚) |
11群14枚 (LD×2枚) |
14群19枚 (FLD×3枚) |
重量(三脚座含む) |
1090g |
985g |
1640g |
サイズ |
φ82.5×186mm |
φ84.8×167mm |
φ95×204mm |
最短撮影距離 (レンズ先端より) |
48cm (24.5cm) |
47cm (25cm) |
47cm (22cm) |
フィルター径 |
72mm |
72mm |
86mm |
最大倍率 |
1:1 |
1:1 |
1:1 |
絞り枚数 |
8枚 |
7枚(疑似円形) |
9枚(円形) |
発売時期 定価(税別) |
1996年 220000円 |
2003年 98000円 |
2012年 216000円 |
購入時期 購入価格 |
2020年6月 60400円(中古) |
2023年9月 39800円(新品) |
2024年3月 95000円(中古) |
 左から「TAMRON SP AF 180mm F3.5」「Canon EF 180mm F3.5L」「SIGMA APO Macro
180mm F2.8」
購入した「SIGMA APO Macro 180mm F2.8 EX DG OS HSM
EFマウント」はもちろん(^^)中古品で、前述のように中古市場の価格が高騰して中古でも新品並みの価格となっていたが、最近はやや落ち着いてきたのかそれとも偶々なのか、Amazonの密林を徘徊中に「非常に良い」評価で過去の相場と同等(諭吉さんが10人以下)のものと遭遇し、慌てて捕獲しました。 (実際にはN社Fマウント品なら中古相場はEFマウント品よりかなりお安いが、Fマウントは他社製ボディにマウントアダプタ経由で使うには制約や相性問題が多いため購入対象とは考えていない。) 同時にもうちょっとお高いもの(諭吉さん9.85人)も出品されていたが、ishidaが注文した翌朝に見たらそちらももう無くなっていたので、誰かが「お気に入り」か「あとで買う」リストに入れていて、ishidaが購入してお知らせが届いたため慌ててそちらを購入したってことでしょうか? その後で楽天などで検索しても、まだまだとんでもない値段のものしか出てこないんですけど…
 ちなみに楽天で検索した2024年3月の中古販売価格の例。以前の倍近く、一部は定価より高いんじゃないの…
ちなみに、「非常に良い」評価にもかかわらず商品説明には「使用に伴う小スレや使用感などがある」とか「レンズには使用に差し支えないスレや小ごみがある場合がある」みたいに書いてあってちょっと不愉快な感じを受けたが、実際に届いたものは元箱は擦れていたもののレンズ本体には全く傷はなくて付属品も欠品なし、レンズ側のフード取り付け部にやや使用感が見受けられるのと、フードの何箇所かと三脚座下面に擦れ傷がある程度で概ね評価通りの良好なものでした。(疑ってゴメン)
当然ながらリング式の三脚座が標準装備されますが、当時のSIGMA伝統の「ボディに付けたまま着脱可能」なヒンジ式のものなのは嬉しい。 (SIGMAも現行ラインナップはだいたい三脚座のみを取り外す方式に変わっているようです) ただ、リングの表面のマットなゴム調の塗装仕上げは鏡筒の質感とは違う感じで、何となく旧世代の全面マット仕上げだった頃のレンズの意匠のままなのでは?(アルマイトではないため剥げ易いし…) また、三脚座のフットと90度ズレた位置に開閉ノブがあるが、カメラリュックなどに収納する際にフットの位置をグリップ側に回転させた場合にはノブが下側に来てしまうのはちょっと扱い辛いかも。
これまでのishidaのシステムで最重量レンズだったOMDSの「M.ZD
100-400mm F5-6.3
IS」の重量が1325g(三脚座含む)なので、更にそれよりも重いレンズということになり、レンズ単体(フード含まず・三脚座含む)1640gにマウントアダプタの重量166gも加わって、使用時の実際の重量は1806gとなりますが、OMDSの純正レンズ「M.ZD
150-400mm
F4.5 PRO」の1875g(フードなし)よりはやや軽量なレベルです。(本レンズも前後キャップ無し・フード+三脚座を含む重量は1728g+マウントアダプタ166gだと1894gと更に重量級) 逆光耐性に自信がないのか、それとも絶対的画質の追及か?他のレンズではあまり見ないAPS-C機で使用する際に取り付ける「フードアダプタ」と称するフード延長パーツも同梱されています。 でも、装着するとあまりに長大なためわざわざこれを使おうというケースは想定できません… (これは社内の品質規格を満足させるために必要だったのかな…なんか身につまされる) そもそも、逆付けに対応するためか付属のフードもめちゃくちゃ太くて嵩張るので、他の180mm
F3.5のレンズ群とはバッグやザックに入れる際の携帯性にはかなり差が出てしまうのは必至です。 聞くところによると、昔のSIGMA製レンズは硝材のコバ(レンズ外周の断面)が黒塗装されておらず、逆光時の内面反射でコントラスト低下しがちと言われていました。 (確かに手持ちの「Macro
105mm
F2.8(FTマウント)」では、逆光時のカブリっぽいコントラスト低下はかなり顕著に感じた。) 本レンズの場合はどうなっているのかよく判りませんが、マウント側から覗いてもコバが光って見えるというようなことはありません(^^; ただ、フルサイズに対応したイメージサークルを持つレンズをマウントアダプタ経由で取り付けているのでアダプタ自体の内面反射の可能性も否定できず、現状は不利な使い方だと思います。
 レンズとしては「SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM |
Sports」とほぼ同じサイズ感。
 フードを付けるとさらに巨大なレンズに見える。
実際に持ち出して試写してみた限りでは、とりあえず描写的にはかなり優秀であることの片鱗は見えましたが、被写界深度も浅くてシビアなだけでなく、大きくて重い(特に前側に重心があるため)取り回しが大変なレンズというのも実感しました(^^; ボディ側の手振れ補正を生かすためにレンズ側のOSはOFFとしていますが、試しに「レンズ側の手振れ補正優先」にしてみると、OM-Dシリーズの強力な手振れ補正能力との差は一目瞭然でした。 描写性や使い勝手などの詳細は、2024年シーズンの本格始動を待って使い込んでからレポートしてゆこうと思います。
 まずは春先に登場する「オナシカワゲラの一種」です。E-M1U F8 1/250sec ISO640
 中央部を700×700Pixelに切り出し。なかなかシャープだと思う。
 等倍で撮影した小型の「ハエの一種」。E-M1U F8 1/250sec
ISO640
 中央部を700×700Pixelに切り出し。被写界深度は極めて浅い(^^;
 冬枯れの「カラスザンショウ」。E-M1U F2.8 1/3200sec ISO200
-0.3EV
 中央部を700×700Pixelに切り出し。さすがに開放ではちょっと甘さを感じるのね…
 絞りをF4.5まで絞ればシャープになり、以降は安定する。
 絞りの変化による玉ボケの違い。F5.6まではほぼ真円を維持し、以降は若干エッジが見えるがカクカク感はない。
------- ishida式のマクロ撮影の機材と使いこなし、いったいどこまで続く…(^^; ------- |