(ishida式の趣味に特化した…) マクロ撮影の薀蓄 

【 ishida式のマクロ撮影の機材と使いこなしC 】

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写真を見ても、このレンズを持っている人にしか判らない変化です(^^;

第1回は機材についてが主体、第2回でマクロ機材の使いこなしのテクニック、第3回では単なる新機材の紹介(導入の言い訳?)を述べてきました。
今回はCOVID-19の影響で到着が遅れていたアクセサリーが届いたので、おまけで紹介します。

これまでもよく出てくる「ebay」でのお取り寄せですが、「Canon EF 180mm F3.5L マクロ」の「アルカスイスタイプの三脚座」を注文してみました

今回購入したレンズは中古品とはいえ純正で標準装着されている三脚座はちゃんと付属していましたが、手振れ補正の無い望遠マクロのためか、かなり三脚での縦横切り替えを多用されていたようでリングの内側のガイドピンと接触する部分がとても摩耗していました。
おかげで回転させたときの「ゴリゴリ」感がひどくてあまりにも不快です。
それに、一般的には純正品は三脚ねじ穴だけが装備されていて、アルカスイスタイプの雲台に取り付けるためにはシュープレートを下駄履きさせる必要があって、これも嵩張るし不便です。

そこで、以前から社外品の三脚座をよく目にしているいつものAmazonの密林を徘徊してみましたが、100oマクロ用は対応する社外品がそれなりに見付かるのですがこのレンズに対応するものが見付かりません。
キャノンのオフィシャルHPで調べると、180o用と100o用で兼用できるものが販売されていますが、外径が細くて取り付け方法が違う100oに使用する際には内側にアダプターリングをかませるようになっています。

困った時のebay頼みで探してみると、マイナーレンズとはいえ流石にサードパーティー品がふんだんに販売されているキャノン製品、けっこう何種類かが販売されていました。
純正でも機種専用ではなくて数種ある汎用品の一つなので、いわゆる「Canon TRIPOD MOUNT RING B (B)」という形式のものがそれに相当するもののようです。
ebayでは白いLレンズにマッチする白いリングのものでいい感じの価格のものがありましたが、やっぱりマクロレンズ用なら黒でないと…ということで、ちょっとお高い物の選択(それでも純正の1/3くらいですが)になってしまいました。
他のタイプに比べてやや高価なのは、レンズ側に回転させる際のガイドピンがあるタイプの三脚座のため内側の造作がやや複雑なのと、マイナーなちょっと古いレンズ向け(最近のレンズはガイドピンの無い平面タイプのものが主流)なためのようです。

アクセサリーメーカとしてそれなりに名の知れた「JJC」からも互換品が販売されていますが、形状は純正品ほぼそのままで、アルカスイスタイプのクランプには対応していません。
そこで選択したのが「iShoot」というブランド(Amazonでも違うタイプの三脚座は販売されている)のものです。

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左が純正品「Canon TRIPOD MOUNT RING B(B)」、右が社外品「iShoot MP-E TRIPOD MOUNT RING B(B)」。

中国シンセンからの発送で、COVID-19の影響でやや取り寄せに時間がかかりましたが、20日ほどで到着しました。

現物を見てちょっと目論見と違ったのは、リング途中に蝶番があるため「レンズを取り外さなくても着脱可能」だと思っていたのは勘違いで、ねじを外してリングを開くことはできませんでした。
(CNC加工の製造上の理由で分割されているだけのようです。)

純正品はアルミダイキャスト製にNC加工、粉体塗装がされているようですが、iShootのほうはすべてNC削り出しにアルマイト処理となっています。
一見した製品の造りは、最近の中華製パーツの品質はクリアしていると思いますし、パッケージもちゃんとしています。
ただ、1ヶ所にアルマイト処理が薄くなっているところが見えます(^^;;;;;

純正品との大きな違いは(前もって判っていましたが)内側のレンズ鏡筒に接する部分の造作が、純正品は白いナイロン系樹脂+モケットとなっているのに対し、社外品は全面モケットという、やや簡易な造りになっている点です。

リング部分は、実は純正のほうがリング部が薄いため外径が小さく、装着した感じは表面処理の違いと併せてちょっとマッチング悪いかな…
全体にエッジが立っているのも何となくマッチング感だけでなくて痛そう(^^)
外径は純正:85onに対してiShoot:89.5oとなっています。

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左の純正品のほうがリング部は薄い

重量は純正が120g、iShootのほうが150gとなっており、リング部の厚みと構造の違いが重量差になっているようですね。
ただ、純正に長さ70oのクイックシュープレートを装着したら167gとなり、実使用上は逆転(^^;;;;

とりあえず、アルカスイスタイプの三脚に直接取り付け可能なのと、回転させたときの「ゴリゴリ」が無くなったので良しと考えます。
締め付けつまみ(ナット)の底面が側面の傾斜した面に対して点当たりとなっているのがちょっと設計的配慮が足りない感じを受けます。(こんなことを気にするのも職業病の一種かしら?)

写真では判り辛いけど、純正品のほうは外観は傷などでややくたびれ感が出ているのも含めてちょっとだけリニューアルしたような気分です。

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回転するつまみの座面を平面で受けていないのはちょっと雑では?…(^^;

もちろん、プレート部分にはお約束の太ねじ(3/8インチ)と細ねじ(1/4インチ)用の穴も開いているので、普通のねじ式の雲台にも取り付け可能です。

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直接アルカスイスタイプの三脚への取り付けが可能です。

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やっぱり、言われなければ分からない違い?上が純正で下が社外品です。

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今はこんな感じで収納するため、三脚座は頻繁に回転させます。

またまた余談ですが、(もう内容はWebでも公開中ですが)「身売りするといっても事業継続することが目的なので、新製品開発やサポートはちゃんとやりますよ。」「ロードマップにある150-400 PROレンズやE-M1Xの鳥認識AFなども鋭意開発中ですよ。」っていうオリンパスからのお便りにあったレンズロードマップには、100o程度のマクロレンズが新たに追加されていました。
ただ、以前にも書いたように「フォーカスバイワイヤによるマニュアルフォーカスの感触」が改善されない限りはM4/3ネイティブなレンズはちょっと…でも、コンパクトで素晴らしい描写性とか、開放F値が明るいとか、無茶苦茶安いとか、何か飛び道具があれば嬉しいかも(^^)

------- ishida式の心配とマクロ撮影の機材と使いこなし、まだまだ続く(?) -------