ishida式の大川入山登山
2013年2月28日(土) 久し振りに訪問したお馴染みの山。今シーズンの登山はこの山域に集中?

沈んだ心によく効く(と思われる)休日のお楽しみの効用ですが、効き目が切れるのも早くて…
2月のうちにもう一度お出掛けせねば…と思っているうちに月末です。

週末の天気をにらんでの目的地は、今シーズン「南沢山・横川山」「富士見台スノーシュー」「恩田大川入山」と続いて、またまた同じ山域の「大川入山」です。
やっぱり、この山域は自宅からのアクセスが良いのも魅力の一つ?

 

午後9時頃に仕事にけりをつけて天気予報を確認すると、週末の天気は「土曜日は晴れですがだんだん下り坂、日曜日は本格的な雨」という予報でした。
三河地方では、気圧の谷が通過したのかお昼頃の雨の後に急激に気温が低下しています。
「日曜に天気が崩れるなら、土曜日がチャンス。それに霧氷も期待できそうじゃん。」という気がして、急な思い付きですが登山に行くことを決意しました(^^;
登山用具は出しっぱなしなので、10時過ぎの帰宅でもすぐに準備完了。

当日はAM4:00の目覚しで飛び起き、軽い朝ご飯の後で出発です。
空は一面薄雲が広がっていますが、これは日の出とともに消えてしまうものだよね。
前日に奥さんに聞いていたハスラちゃんの燃料が少なめなのが気になりますが、とりあえず片道もてばOKだよね。
しかし、燃料計のバーグラフの減りが思ったよりも早く、根羽で燃料警告、平谷の道の駅手前でいよいよ最後のバーグラフが点滅し始めました(^^;;;;;
針じゃない燃料計って、感覚が分かんないので良くないぞ…といいつつ、これでは最後の治部坂の登りは不安です。
道の駅で朝食タイムとして、お向かいのガソリンスタンドが開くのを待つかと思って、おにぎりを食べつつ−8℃の駐車場から歩いて開店時間の確認に向かいました。
時間も7時近いのに誰もいないし、開店時間は何処にも書いてない代わりに「2/28は決算のため12時に閉店します」との貼り紙があります。
これでは帰路に給油することも出来ません。
仕方なく、もう一度根羽まで下って、国道沿いのガソリンスタンドで給油することにしました。(開いてて助かりました「根羽SS」)
ちょっと場当たり的な対応で時間のロスでしたが、これで平谷・治部坂への登坂路では心置きなくハスラちゃんのスロットルを全開にできました。

治部坂峠に着き、いつもの「きくいも茶屋」前の駐車場へ入ろうと思ったら除雪されておらず、道路から20cmくらい段差ができています(^^;
デンソーリゾートこまくさの前でUターンしようと思ったら、ちょうど登山道のほうにに入って行く人を見掛けました。
除雪された雪で林道の入り口が土手のようになってしまって、入り口が分かり難いようです。

向きを変えて、道路の東側の駐車場にハスラちゃんを止め、自分も登山の準備にかかります。
今回は直前に大きな降雪はなくて雪も締まっているようなので、スノーシューは車に置いていきます。
ちょうど続いて駐車場に入ってきた方も登山装束のようだったので出発前に声を掛けたところ、目的地は同じく大川入山だそうです。
国道を渡って登山道のほうに向かうと、しっかり踏まれて固まった上にうっすら積もった新しい雪の上に、2〜3人の足跡が見えます。

 

年末からの積雪の量はかなり多いようですが、登山道はよく踏まれていてまるでボブスレーコースのようになっています。
(前回のあららぎからのコースに比べてると、やはりこちらから大川入山に入る人数の差は歴然ですね。)

 

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登山道はよく踏まれています。(左) 下山時の写真ですが、水場の橋にもこんなに雪が。(右)

 

水場の橋を渡り、少し登って杉の木の尾根に取り付くと、しっかり踏み固められたうえに凍りついた雪で歩き難くなります。
先行の足跡を見るとそのまま登って行ったように見えますが、「少しでも疲労を軽減するために積極的に道具に頼る」のがishida式です。
普段は1.5kgのアンクルウェイトを着けているので冬靴とアイゼン程度の重さには慣れています(が、そのお陰で体力がついているという訳ではありません…(^^;)。
夏は杉の木の根っこで歩きづらい尾根ですが、積雪のお陰で歩き難さはないのは良いですね。
横岳への稜線に出る手前で、登山口で見掛けたお泊り装備らしき単独行の方に追いつきました。
日帰りですかと聞かれ、「せっかく奈良から来たので、自分は天気は下り坂でも山中でお泊りの予定です。」とのことでした。

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横岳へ続く痩せた尾根。(左) 切れ落ちた斜面上から中央アルプス。(右)

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浪合の集落と南アルプス。

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まだまだ遠い「大川入山」が姿を見せます。

横岳に続く痩せ尾根に出ると西側に大川入山が見えますが、いつもながら端正な姿に感心するとともに「まだあんなに距離があるんだ」と思わせます。
尾根上を吹き抜ける北西の風はとても冷たく、露出した肌を切るような寒さを感じます。

 

切れ落ちた崩壊地の縁の急斜面を過ぎ、南東にカラマツの斜面ガ開けてくると横岳はもうすぐそこです。
横岳のベンチは完全に埋まっていますが、標柱の出方からするとここでの積雪は50cmくらいのようです。
横岳の先は南側の展望が開けて、見晴らしの良い小ピークからは更にこれから向かう大川入山、中央アルプスや伊那谷、その向こうの南アルプスも望むことができます。
先行2名の足跡も、一人はスノーシュー(ishidaと同じ25インチのライトニングアッセントみたい)に替わっています。

 

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春風の悪戯ですね。

 

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尾根越しに見る大川入山はまだ遠い。

 

尾根道が樹林帯に入ると古い踏み跡が交錯する場所も多々ありますが、これまで何度も来ているし赤テープも付いているので不安感無く進めます。
ただし、「大川入山まであとおよそ2km」の看板の先と「舞鶴のコル」のすぐ先辺りには間伐のためらしきピンクテープ(何年も前からあるけど)が登山道よりも下の木にたくさん付いているので、そちらに入らないように注意が必要ですね。

木々の間から見える大川入山との標高差はまだまだ大きいですが、山頂部の木々は真っ白に見え、霧氷帯になっているようなので期待は高まります。

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春山の装いの2km看板のあるピーク。

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舞鶴のコル(最低鞍部)付近。日差しが射し込んで幾何学模様?

でも、最低鞍部の手前の2連続ピークの辺りからは、今シーズンはこれまで感じたことの無いふくらはぎのだるさが一気に増大し、息も切れてきてしまいます。
今シーズンはずっとスノーシューでの登山で、スタンスが楽だったため気付かなかったのかもしれませんが、やっぱりこの1年間の体力の低下が著しかったみたいですね。
最低鞍部の「舞鶴のコル」付近でザックを下ろして小休止し、行動食もとって最後の登り(まだまだここからが長い)に備えます。

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コルからの登り。右側に流れすぎないように注意。

鞍部からはしばらく樹林帯の急登ですが、古い踏み跡が交錯して赤テープから外れているので、テープの示す方に軌道修正。
(これは、古い踏み跡が下山時に急斜面を避けたためかしら?)
今日の先行の人は、この硬い急斜面もスノーシューで上手にこなしている様子です。
それにひきかえ、ishidaはステップワークのとり易いアイゼンながら、体力消耗でヘロヘロになりながら急斜面を抜けて、やっとこさで北東方向が開ける場所に到達しました。
右手の斜面に向かって雪庇が張り出した尾根上部の樹冠に霧氷が見えるようになりました。

 

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雪庇の張り出した尾根上部に出ます。

 

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治部坂高原スキー場のある「蛇峠山」と、これまで辿ってきた横岳から続く尾根。

 

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前方の尾根上にやっと霧氷が見えてきます。

 

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いよいよ霧氷帯へ突入します。

 

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広い斜面では、踏み跡を外して歩きます。

 

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今日一番の急斜面です。

 

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谷を隔てた1795mピークの尾根。

 

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急斜面に取り付いて霧氷帯に突入!で気持ちは上向きましたが体力的な疲れは隠せず、写真撮影の為に立ち止まるのも休憩を兼ねている体たらくです。

山頂直下は夏に笹原の広がる急斜面ですが、先行の踏み跡を外したほうがかえって歩きやすいくらいでした。
写真撮影もしているとはいえ、疲れも加わって急激にペースが落ちているため、後ろの方からは人の声も聞こえてきました。

 

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1795mピークの尾根には、この山域では珍しい雪崩が発生していました。

 

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今日のクリスマスツリー。

 

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今日もカメラ2台体制でカメラをとっかえひっかえしながら山頂直下まで来ると、山頂から先行の人(スノーシューの人)が一人で下ってくるのと出会いました。
ご挨拶して先へ進むといよいよ最後のあとひと登り、やっとこさ標高1908mの大川入山山頂に到着です。
山頂にはもう一人の先行者の姿は無く、ワカンを装着した足跡がさらに西の方に向かっています。
恵那山の眺めを見るのを兼ねて西へ向かうと、規則正しいワカンらしき足跡がずっと先まで続いているのが確認できました。
本日のトップの単独行の方、どうやら縦走の様子です。
(後で写真を確認すると、横岳と最低鞍部の中間辺りで10:20頃に撮影した大川入山山頂部の写真には、既に山頂に続く一人分の足跡が確認できたのでずいぶん早い行動だったんですね。)

 

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先行者の姿のない山頂。後ろは1795mピーク、背後に焼山。

 

山頂西側からは2月7日に行った恩田大川入山の隣にお馴染みの恵那山、少し靄に沈んでいますが左肩に白山、右手には御岳、乗鞍、穂高連峰が見えています。
以前に来たときよりも積雪は格段に多いのですが、笹原の踏み固められていない雪原の下に隠れたクラスト層は意外に薄くて、写真撮影の為に周囲を歩き回っていると、時々太腿まで踏み抜いてしまうこともあります。

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前回行った「恩田大川入山」と、背後の「恵那山」。

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山頂から見下ろす格好の1795mピーク。

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南方の眺望は本宮山まで?今日は海は見えません。

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先回歩いた恩田大川入山に続く尾根と御嶽。

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山頂西側は霧氷が花盛り。

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落ちそうで落ちません。(左) 霧氷も様々な姿を見せてくれます。(右)

写真撮影を終えて山頂に戻ると、ちょうど奈良の方ともう一人の単独行の方が一緒に到着していました。
お話しながらお昼の準備をしていると、駐車場で会った単独の方も到着です。
昼食中には更に2パーティが到着し、ずいぶん賑やかになりました。
登山中は冷たい風に悩まされた感がありましたが、山頂は穏やかで、春のような日差しが降り注いでお昼寝日和になっています。


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穏やかな日差しの山頂。後ろは茶臼山。

 

食事を終えたishidaを含む単独行の4人は三々五々に下山にかかります。
上空には薄雲もかかってきていますが、南アルプスの展望もまだまだ十分です。
冷たい風も収まってきて、日差しのある場所では雪も少し緩んでいますが、まだまだ総じてアイゼンの効きも良好です

 

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花盛りの霧氷ともそろそろお別れ。(左) 今日初めての登場ですが、中身はお疲れ。(右)

 

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中央アルプスもまだまだ鮮明。

 

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茶臼山と霧氷。枝と霧氷の間に隙間があるように見ええるのは、根元が氷化しているため。

 

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「蛇峠山」の眺めの良いポイントからもう一度。

 

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もう一度、「大川入山」。

 

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最後に南アルプスも。「赤石岳」と「聖岳」。

 

先行して下っていかれた人の後ろ姿もチラチラ見えましたが、結局追い付くことなく下山しました。
今日はいつもにも増して「体力使い切った」感が強く、下山時は片付け仕事のような感覚まで沸いてきてしまいました。

今日は早く帰宅したかったので、いつも以上に疲れた体ですが温泉には寄らず、思うように走らないハスラちゃんに鞭を入れて帰宅しました。

 

そういえば、富士山も見えるはずだったのに、確認するのを忘れてまし(^^;。
自宅で確認したら、上河内岳と茶臼岳の中間辺りにチラッとだけ、富士山の山頂部が見えていました。

 

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富士山、見付けました!…帰宅してからだけど(^^;

 

--------------------- 今回の行程 ---------------------

 

自宅 4:50 〜 (買出し・平谷道の駅) 〜 7:20 Uターンして根羽で給油 〜 7:45 治部坂高原駐車場

 

駐車場 8:00--9:05 横岳 --10:10 あと2km看板 --10:30 最低鞍部 10:40--11:55 大川入山山頂 

 

大川入山山頂 13:10--13:35 最低鞍部 --14:35 横岳 --15:10 治部坂高原駐車場

 

治部坂高原駐車場 15:25 〜 17:40 自宅