ishida式の南沢山・横川山 登山
2014年12月27日(土) 低調だった今年の登山の締めくくりは、やっぱり慣れ親しんだ山が良い?。

昨年来、やれ「不調」だの「意欲が湧かない」といった台詞の多いishidaです。
年の暮れも近づいてきましたが、今年は単独で行った山は1回も無しという有様で、他人の登山情報を見るのも嫌で、ヤマレコなどもまったく見ていませんでした。

夏休みの奥さんとの東北遠征や、母と姉を伴っての盛岡訪問はとっても楽しくて、出迎えてくれた従姉のお陰でとっても癒されました。
しかし、普段の精神状態は浮き沈みも大きくて(他人から見ると元気に見えるらしいのですが)そもそも事前に何かを計画することがストレスにもなっていました。
(現金なもので、お出掛けしない休日に天気が良いと何だか損した感じがすることもあります。)

で、12月中旬以降の大雪を受け、K氏のお誘いで12月21日(日)にきそふくしまスキー場へスキーにお出掛けして、ちょっと気分が上向きに。
都合良く、あと1週間でお休みだし…ということで、久し振りに雪を踏んで歩きたくなって、まだ交換していなかったエブリちゃんのタイヤを大急ぎでスタッドレスに履き替えました。

いつも前置きが長いですが…

当日はAM3:30に起床して朝食後に出発、途中で買出ししつつ南信州は阿智村の「ふるさと村自然園」に向けてエブリちゃんを走らせます。
山に向かう道中の気温は、稲武で−6℃、平谷で−10℃と低いのですが風はなく、弱い冬型の去り際だった昨日に比べると、今朝の霧氷の発達はちょっと期待薄かしら?
道中の国道では雪はほとんど見えず、根羽から登りに入ったところでやっと路肩に雪が見えてきました。でも、ほぼ路面には残ってはおらず、走行には影響ありません。

路肩の雪も全く融けておらず、昨日の昼間も氷点下だったようですね。

 

昼神温泉から清内路峠方面に進み、国道からふるさと村自然園へと曲がると、やっとふかふかの乾いた新雪の上を走ります。
先行の車は無いようで、真新しく見える轍も低温の成せる業で、実際は昨日以前のもののようです。

乾いた新雪にタイヤをとられながら駐車場に滑り込むと、やはり先行車は無く、10cmほど積もった新雪の上にUターンしたような轍があるだけです。
それでも、登山口には昨日〜数日前に新雪を踏んだ足跡が一人分?ついているようです

軽く追加の朝ごはんを食べ、登山の準備に入ります。

 

雪の量からすると、18日前後の大雪のあと若干気温の高い時期をはさみ、更に10cmほどの新雪が積もった状態のように見えます。

新雪の状態からスノーシューで行ったほうが楽チンと考え、登山口からスノーシューを履いて出発することにします。(勝手知ったる山なので、ishida式の判断ということで(^^;)

スノーシューのセットが終わったところで後続の方の車が入ってきました。

「横川山まで行きますか?」と聞かれましたが、今回は体調(体力?)不安もあるので、なかなか明確にお答えできないのが悲しいところですね。

すぐに追いつかれそうな予感を持ちつつ出発しますが、驚いたことに登山道に入って100mほど進んだところで先行者の足跡はUターンしていました。
ここからはまっさらな新雪を踏んで歩きますが、普段ならうれしいはずの新雪歩きも今日の気持ちには少し重たい気が…雪はさらさらで軽いけど(^^;。

支尾根上に出ると、予想通り吹き溜まった雪でトレースは消え、25インチのライトニングアッセントでも15cmくらいは沈み込んでしまう状態です。
途中までは、大雪の後でしっかり踏まれていてルートが判り易いかなと思ったのですが、意外にもこの1週間はほとんど人が入っていないようですね。

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朝の空をバックに駐車場を出発。(左) 尾根筋に出ると、西風で吹き溜まった雪の量が増えます。(右)

 

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抜けるような青空をバックにヤドリギの緑が映える。(左) 木の表面の地衣類が不可思議な模様を見せます。(右)

 

初めは風が無くていいなと思ったのですが、尾根では西風が吹きつけて気温の低さを実感します。
吹き寄せられた雪でトレースも消えがちですが、逆に中間点の手前の急登にはしっかり雪が着いていて、スノーシューがよく利きます。
いつもより少し遅めの中間点通過ですが、とりあえずこの雪の状態とゆっくりめのペース配分のお陰でか、まだまだ疲れは出ていないようで一安心。

そういえば、後続の方にもまだ追い付かれていないし(^^;

沢コース分岐を過ぎると傾斜も緩みますが、尾根が近い辺りでは新雪の量も増え、トレースはほとんど埋まってしまっている状態のところも多々あります。

 

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中間点先のピークで朝日に輝くダケカンバ。(左) 尾根が近いところではルートが完全に埋まっています。(右)

 

ここまでほぼノートレースだったのですが、途中でなぜか左の沢筋からわりと新しい(数日前くらい?)つぼ足の足跡が登山道に合流、100mほどで右手の尾根方向に向かっていました。登りか下りか不明ですが、片道分のこの足跡って何??

(結局、下山までこの足跡の続きには出会いませんでした…)

 

最後の支尾根を越える辺りではルート取りを間違いそうになるような箇所もありますが、とりあえず積雪期に10回以上は来ているお陰で迷いなく進めました(^^)。

でも、雪の量も増えてきているせいか(実は単なる体力不足か)何となく足が重くなってきた気が…。
しかし、途中の梢の上部に輝く霧氷が見え、山頂付近の霧氷にも期待が持てそうな予感にちょっと気持ちが上向きになりました。

 

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明るい森は気持ちが和みます。(左) 山頂が近付くと、いよいよ霧氷が見えてきます。(右)

 

木々の向こうに富士見台のピーク、続いて横川山と恵那山が見えてくると、周りの木々にも着氷が見られるようになり、南沢山の山頂はもうすぐそこですね。

写真を撮りながら振り返ると、ちょうど後続の方が追い付いてきたようです。
山頂直前で視界が開け、富士見台、横川山、恵那山が居並ぶ景色は、いつ見ても感動します。

遠望する横川山には、しっかり着氷したモンスターが並んでいるのも確認できます。

そのうえ、例年なら激しい風が吹き付けてくる南沢山の山頂も、今日は非常に穏やかです。

 

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いつもの風景ですが、いつ見ても感動します。

 

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朝日に輝くモンスターたち。(左) 雪原のシュカブラと中津川、笠置山。(右)

 

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山頂に居並ぶモンスターと横川山、恵那山。

 

後続の方にご挨拶すると、やはり南沢山には何回か来られている様子です

お互いに、この好条件に喜びつつ、「横川山まで行けるかな?」なんていう気持ちはどこかへ行ってしまい、「これは行くしかないな。」という(いつも通りの)現金なishidaになっていました。
後続の方は、横川山までの間は写真撮影しているishidaに気を遣って、先行することなくコース取りしていただいたようで感謝です。

 

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居並ぶモンスターたちの歓迎を受けつつ進みます。

 

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クラスト層が風で剥ぎ取られたシュカブラ。(左) 風の無い場所では霜柱状に雪が成長?(右)

 

南沢山の高原状の台地上と横川山の北斜面には、これまでこの周辺では見たことが無いくらいに発達したモンスターたちがお出迎えしてくれました。

大雪の後で気温の高い日があったお陰で雪面も締まっていて、スノーシューでは殆んど沈まない場所もあるくらいです。

 

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昨日までの激しい風をうかがわせる荒々しいモンスターたち。

 

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いよいよ横川山への登りにかかります。

 

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横川山上部の斜面にはモンスターたちが並びます。

 

しかし、やはり今年のishidaの体力不足は顕著なようで、横川山への登りにかかったところで化けの皮が剥がれてしまいます。
右足を踏み込んだところで大腿四頭筋にピクピクと痛みが出てきてしまいました…つまり、足が攣ったっていうことです(^^;

登りながら太腿を伸ばし、だましだまし(さらに写真撮影で立ち止まるのに助けられて)進み、崩壊地の立ち枯れ木群の先の急斜面に取り付くまでには何とか痛みが治まりました。

 

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前日までの激しい風で成長した「エビの尻尾」。(左・右)

 

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吹き抜ける風による着氷で、木々の上部だけが白くなっています。

 

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崩壊地上部の立ち枯れ木群。

 

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それぞれの表情を見せる木々は、いつ見ても見飽きません。(左・右)

 

お出迎えの木まで登れば、モンスターたちの居並ぶ(プチ)樹氷原が見渡せます。
ここまでも、後続の方は写真撮影でなかなか進まないishidaのペースに合わせていただき、感謝です。

 

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樹氷原を見上げる。(左) お出迎えの木まであとひと頑張り。(右)

 

ここからは、抜けるような青空の下、周辺の景色とモンスターたちの競演をお腹いっぱい楽しみます。

 

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雪庇の向こうに富士見台がお出迎え、やっと横川山到着です。

 

モンスターたちの競演を楽しみつつ、いよいよ横川山の山頂に到着です。

岐阜県からみえたという後続の方とお礼方々お話したところ、やはりこの山には冬も含めて何度か訪れているそうです。

図々しく「ishida式」のHPも宣伝してしまいました。(更新は滞りがちですが(^^;)
そのまま下山されるとのことで、お互いの安全を祈願しつつお別れします。


ishidaは(時間は早めですが)お昼ご飯の時間とし、斜面の南側に陣取ってお湯を沸かして「超定番」のカップヌードルでお腹を満たします。

ちなみに、風は無いので日差しが心地よいですが、気温はずっと氷点下でした。

 

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横川山から見る御岳、乗鞍、穂高。

 

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いまだに水蒸気の噴煙を上げる御岳。今までに無い感情が沸き起こりますね…

 

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岐阜の方に撮っていただいた、感慨に耽るishidaの後姿。(何も考えていないカモ?)

 

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中央アルプスもいつも以上に白く見えます。

 

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富士見台も穏やかなスノートレッキング日和かな?

 

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雪庇の向こうには南アルプスの稜線。

 

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今日は南アルプスの稜線がすべて見渡せます。

 

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今日はいつも真っ黒な恵那山も白く見える。

 

貸し切り状態の山頂でお腹も満足、景色もお腹いっぱい楽しめました。

が、やはり氷点下の世界ですからじっとしていると寒いし、樹氷が落ち始める前にうろついておこうということにして、まだお昼前ですが撤収にかかります。

いつものように(プチ)雪庇の下に回り込んで見上げると、この1週間前後の降雪が少なかったのか殆んど張り出しが見られませんでした。


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雪庇(というほどでもない)の向こうに富士見台を望むいつもの構図。

 

そのまま登山道へは戻らずに北斜面の(プチ)樹氷原へと下り、居並ぶモンスターたちの間を抜けて写真撮影に励みます。

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尾根上のモンスターたち。(左・右)

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今日はモンスター達が主役ですね。

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元の樹形が判らないくらいに成長しています。

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今日はこういった構図が多いですが、ご勘弁ください(^^;。

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立ち枯れ木群の脇に出て台地を望む。

立ち枯れ木群の脇に出て元の登山道に戻ると、つぼ足のトレースが重なっています。
先ほど下山した方が途中でスノーシューを外して歩いたのかと思いましたが、よく見ると登り方向の足跡のようです。
樹氷原を下ってきたので、登ってきた人とすれ違わなかっただけのようで、鞍部まで下って振り返ると、お出迎えの木の辺りを下って来る人影が見えました。
それにしても、見ればトレースもかなりズボズボ沈み込んでいるし、スノーシューもワカンも無しでここまで来たというのはかなりの体力の持ち主のようですね。
(後で写真で見ると、ストックさえ持っていない様子なので、単に装備不足なのかも…)
のんびり写真を撮っていれば、そのうち追い付かれるかな?と思いましたが、やはりペースが上がらないようで、その後は姿を見ることはできませんでした。

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立ち枯れ木群を振り返る。左手に下山して来る登山者が見えます。

 

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トラバースしてきた樹氷原を振り返る。

 

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なんだか諸星大二郎の「妖怪ハンター」に出てきたような…

 

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こちらはゴジラ対ビオランテみたい。ゴジラ(左) ビオランテ(右)

 

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娘に見せたら「かまくらだね!」って言ってました(^^)

 

南沢山の山頂手前のモンスターの脇を進み、モンスターたちに最後のお別れ。

まだ午後1時前だし、何となく体調もよくなった気がして去りがたい気持ちもありますが、体力的にはまだまだ余裕が感じられませんね。

適当に水分補給して、下山にかかることにします。

 

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最後にもう一度お別れして下山します。

あとは順調に下山、午後1時42分には駐車場に到着、一路昼神温泉を目指します

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えぶりちゃんの待つ駐車場へ。(左) 「ふるさと村自然園」内の道路状況。(右)

国道から、お気に入りの「阿智の里 ひるがみ」へ右折しようとしたら、「車両通行止め」の看板が。
赤い吊橋が老朽化してきたためでしょうか?温泉街まで進んで遠回りして到着です

いつも通りのいいお湯で、疲れも軽減(まだ3時間近く運転が…)。
でも、2時間40分で自宅に到着できました。

今回は急な思い付きで、おまけに体力不足も露呈した山行でしたが、何だかishidaもだんだん元気が出てきた気がする…(のは単なる気のせい?)

------------------------------------今回の行程-----------------------------------------

自宅4:05〜食料調達〜6:40ふるさと村自然園登山口

登山口7:30---8:45中間点(沢分岐)8:55---9:55南沢山山頂10:00---10:15鞍部---10:40横川山山頂

横川山山頂11:35---11:55鞍部---12:20南沢山山頂---12:57沢分岐---13:42登山口

登山口13:53〜14:12阿智の里ひるがみ15:00〜自宅17:40