マルズヤセバエの一種

双翅目 マルズヤセバエ科 体長約12mm 

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「マダラアシナガヤセバエ」にそっくりに見えた。これはメス。

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すべての脚の跗節が白く、中・後脚腿節に黄褐色の色帯が4本あるが、触角と触髭は黒い。

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産卵行動中(?)のメス。

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「マエジロアシナガヤセバエ」と思われる個体。(左前脚の跗節を失っている)中・後脚の色帯は2本。

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八重山諸島でよく見掛けた「マダラアシナガヤセバエ」(左)と本種。(右)

主に山地の地上や植物上で見掛ける細長い体形のハエですが、南西諸島に生息するよく似た近縁種「マダラアシナガヤセバエ」と比べて個体数は極端に少ない印象です
ishidaも頻繁に出会うことはなく、画像もメスだけで、オスは撮影できていません。
同じく本土に生息する姿のよく似た「マエジロアシナガヤセバエ」は前脚の跗節だけが白いのですが、本種はすべての脚の跗節が白く、中・後脚の腿節の色帯も異なります。
(更には「ニセマエジロアシナガヤセバエ」なんてのもいるようです(^^;)

特に八重山諸島で見られる姿もそっくりな「マダラアシナガヤセバエ」は人家近くのちょっとした藪から森林の中などどこにでもいる印象なのに比べると、本種はishidaのフィールドにおいては意外にもレアな昆虫なのかもしれません。
ネット上でも本種よりも「マダラアシナガヤセバエ」の画像がよく出てくるくらいなので、それらを本種と見誤って「南西諸島の昆虫が本土でも見られた」「新たな分布域か?」「温暖化の影響か?」といった投稿がけっこう出てきます。
実際には触角の色(本種は触角と触髭が黒く、「マダラアシナガヤセバエ」は黄色い)や中・後脚腿節の色帯などが異なるため、知っていれば見分けは容易と思います。

また、本種と同じように名前に「ヤセバエ」と付き、里山の樹液などでよく見られる「ホシアシナガヤセバエ」や「モンキアシナガヤセバエ」については、実は異なる「ナガズヤセバエ科」に属しているということで、とてもややこしい…(^^;