三脚関連、ますます増殖中です…
「K&F CONCEPT KF-TC3134」 + 「ギア雲台 BENRO
GD3WH」
----------「買っちゃいました、カーボン三脚」「三脚、増殖中です…」の続きです。---------- 2019年2月「KF-TC3134」の雲台をギア雲台「BENRO
GD3WH」に交換しました。 「BENRO
GD3WH」は、いわゆる「ギア雲台」という分類のもので、一般的な3WAY雲台がパン棒によるパン/チルトの操作と同時にロック/アンロックも行うものと違って、三つの軸をウォームギアによって動作させる構造のものです。 最近の海外製の自由雲台の場合は「アルカスイス互換」のクイックシュー仕様が花盛りですが、3WAY雲台ではほとんど選択肢がなく、SLIK製のネジ式の3WAY雲台「SH-705」(2015年にAmazonで¥2980で購入)にアルカスイス互換のアダプターを付けて使用していました。 最初は同じBENROのアルカスイス互換3WAY雲台「HD2A」なんか良いかな…と思ったら、オールアルミ製のギア雲台がずいぶんお安いのを発見。ついついそちらをポチッてしまいました。 でも、これに限らず「e-bay」で販売されている価格と日本で正規/非正規に販売されているものやAmazon.jpでの販売価格にずいぶんな差があって驚き。 ----------2020年8月追記--------- 実はUSの「e-bay」サイトで注文しても、こういう商品の場合は実際に販売しているセラーの多くは中国や香港のショップなので、この商品も「アイテムの場所:香港」となっていました。 「BENRO
GD3WH」の実測を含めたスペックですが ギア雲台としてはコンパクトな部類だと思いますが、これまでは標準で付属した自由雲台なら付属のバッグに収まったのですが、やはりヘッドが大きくなった分収納できなくなってしまいました。 アルミダイキャスト製でありながら重量750gというのは、「Manfrotto
X-PRO ギア雲台」(メーカーが「アダプト」と呼ぶ樹脂製)と同等で、「BENRO GD3WH」によく似た「Manfrotto 410
ギア雲台」の場合は重量が1.2Kgもあります。 「BENRO GD3WH」に付属のクイックシュープレート「PU70」は、一般的なアルカスイス互換プレートによくある(ishidaの嫌いな)裏面に脱落防止ネジの突出したタイプのものですが、明るいブルーのアルマイト処理だけでなく、1/4ネジも取手とコイン溝、六角穴のフル装備、メーカーロゴのレーザー刻印まで入った高級感あふれるものです(^^) クイックシューベースは前述のようにアルカスイス互換ですが、クランプ留めノブには「P&T(Pull &
Turn) SAFETY
SYSTEM」と銘打った機構が採用されており、プレートを締め付けた状態からスライドさせて位置調整が可能な状態まで緩んだところでストップがかかります。(スライドさせて左右移動は可能だが、脱落防止が効いている状態) 肝心のウォームギアを使ったパン・チルト機構ですが、流石に全ての動作をノブの回転で動作させようとするとまだるっこしいので、回転をフリーにする機構も装備されています。 一般的なセッティングの場合、三脚のベース部などの制約がなければ、下向き90°上向き30°のチルト方向範囲の角度が可能です。 写真のようなカメラプレートの向きなら、上段が左右のロール(縦位置含む)、中段が前後のチルト、下段がパン方向になります。 前述のように、ウォーム機構は3軸ともクイックリリースダイヤルを回すことでダイヤル軸上のカムが作動してウォームギアの係合が解除され、ダイヤルを放すと再び係合されますが、歯位置が合っていないとしっかり係合されておらず、ダイヤルを回した際に「ガクン」と動いてしまうことがあります。 望遠レンズの三脚座など、縦向き(レンズの長軸方向)のアルカスイス互換のプレートになっている場合は、ボディ側のアルカスイスプレートの取り付け方向とは変わってしまい、最上段が前後のチルトで、中段が左右のチルトということになります。 安価ながらしっかりした造りで、3軸がギア動作できるというのがコストパフォーマンス高いと思いますが、全体的にギアの動作感が硬いため、望遠レンズの使用時には何となくカクカク感を感じるのと、クイックリリースダイヤルのリターンスプリングが強すぎて操作感が悪い(手も痛いし三脚まで一緒に動きそう)、チルト軸とロール軸の動作範囲が90°+30°と90°+15°と狭い(上を向けたいのか下を向けたいのかで向きを変える必要がある)というのがマイナスポイントだと思われます。 その場合でもカメラのブラケット形状とレンズ側の三脚座の向きが違ったりするとますます煩雑になるので、さらに雲台のクランプ部にスイベル機構を持たせたほうが都合が良いのではないかと… ---------- この先、さらに増殖するかも(^^; ----------
「SLIK P500BH-TI」と記念撮影。
ウォームギアのセルフロック※によって動作を停めているので、ロック/アンロック機構はありません。
(※ウォームギアからの入力で雲台は動くが、雲台側からの力でウォームギアは回らないっていう意味です)
ただ、セルフロックといっても実際にはギア間のバックラッシュによる往差やガタが発生しないようにウォームギアとウォームホイールをバネで付勢する構造も持っていると思われます。
そこで、「Amazon.jpで見付からなければe-bayで探してみよう!」みたいないつもの物欲が湧き上がってしまい、海を越えてネットの迷路を彷徨ってめぼしい物を探しました。
「BENRO」自体はAmazonなどでもわりとお馴染み感があったのですが、実は海外では既にブルーの注し色を取り入れた新世代が販売されており、アルカスイス互換というだけでなくこれまでややダサかったデザインが新世代ではちょっとイカスかも。(なんで日本で売ってないのかな?という素朴な疑問…)
(「まあ、3WAY雲台は持ってるしね…」みたいな本末転倒な言い訳もしながら)
以前はここまでの極端ではなかったと記憶しているけど…
BENROの場合は「ワイドトレード」が正規販売店で、HPで見た限りでは新世代の製品はGシリーズ自由雲台以外はまだ扱っていない様子です。
逆に、国内で正規品の流通があるものは一定の比率の値差で、国内流通のない物は価格も千差万別?
COVID-19の影響か中華セラーの価格下落が進んでおり、Amazonに本サイトへの大陸から直送するマーケットプレイスへの出品が増加、中途半端な並行輸入業者が淘汰されたためかe-bayのセラーと価格が逆転しました(^^;
参考に、並行輸入品はこんな感じ…。正規のアフターサービスが無いのにこの値段??
こちらがe-bayのセラーの一例。最近はChromeで開くと勝手に翻訳してくれちゃう。
長らく安泰だった最安値が、2020年夏に大きく変動、最安値更新(^^;
2019年1月5日に注文しましたが、日本と中国は地理的に近いとはいっても、お安い送料でチャイナポストで輸送される場合はトラッキングは可能だが梱包から中国発送までが時間がかかるケースが多くて心配もありましたが、今回は(送料込みの価格だけど)注文から到着までに9日間かかりました。
中国発送だと2週間以上待つのも当たり前な印象なので、今回はスムーズなほうですね。
しかし、価格の表示がGBPなのは会社が香港ということで理解できますが、実際の貨物はトラック情報を見ると北京からの発送ということで、IT化が進んだ昨今はワールドワイドにお金のやり取りと物流が分散しているんだなあと身につまされる思いも湧きつつ、ついつい複雑な感情が…(^^;;;;。
やってきました「BENRO GD3WH」。形状は何となく「Manfrotto ジュニア雲台
410」的な外観ですね。
KF-TC3134に取り付けた状態です。サイズ的にトップヘビーにならず一安心…(^^;
ヘッド部が変更されていますが…これで、全伸時1430mm(左) センターポール使用時1690mm(右)
重量:750g(付属プレート50g含む)
全高:109mm(雲台取付け面からシュープレート面まで)
幅:150mm(下の写真の奥行方向) 奥行:135mm(下の写真の左右)
雲台ベース径:Φ51.7mm
となっています。
本体はアルミダイキャスト製で、クイックシュープレートは「PU70」が付属。
(そもそもManfrotto製雲台の場合、独自形式のクイックシューとなっているため、使い勝手的にはちょっと微妙なんです。)
付属のプレート「PU70」は、色だけでなく1/4ネジまで凝っている。
そこからは、さらに一度ノブを引っ張ってロック解除してからクランプを開放させる方向に回転させる仕組みになっています。
締め込み用のノブとクランプレバーを装備したものを一体化させたような機能ですね。
クイックシュークランプには、P&T(Pull and
Turn)systemと呼ぶ安全機構付きのクランプ開閉ノブを持ちます。
ノブの付け根にある歯車状のクイックリリースダイヤルを右回りにひねるとウォームの係合が解除されて動作がフリーになるため、狙いの位置まで一気に動作させることが出来ます。
ダイヤルを放すとねじりコイルバネで元の位置に戻ってウォームギア機構が係合されるので、そこからはノブの回転で微調整が可能となります。
ノブの根元にあるダイヤルを右回りに回すと、雲台の軸動作がフリーになる機構を持っています。
操作部の位置関係から、(右利きの人は)普通はこの向きでセッティングするよね。
しかし、レンズによってはクランプノブと干渉するかも…(^^;;;;;;;
このセッティングだと、中段がチルトで下向き90°まで(左) 上向き30°(右)
左右のロール方向は左90°(縦位置セッティング)〜右15°の範囲の角度が可能です。
(左方向は90°じゃなくて100°くらい欲しい気がするけど…)
左右方向は上段の回転軸を用いて、向かって右90°〜左15°まで可動。
E-M1のプレートはL型なので、本当は回転させずに付け替えで良いけど説明のため…(^^)
この現象自体は機構上仕方がないことだと思うんですが、ギア雲台の故障の原因としてはこういったところが注意ポイントなんじゃないでしょうか?
ギアの材質は不明ですがManfrottoのX-PRO雲台なんかでも、機構は若干違うものの、ウォーム部の破損による故障が多いように聞きます。
(特にX-PRO雲台の場合、ウォームギアが外部に見えているため、異物の噛み込みなどのトラブルも発生しそうでちょっと屋外に持ち出すのは怖いかも…)
写真のレンズに装着している三脚座は回転させることができないので、縦位置は中段をロール軸として回転させる必要があり、三脚座の高さ分が加わってロール軸がちょっと離れすぎな気がする。
これだと、上段が前後チルト、中段が左右ロールになります。しかし、前後チルトは下向き90°、上向き15°(^^;
実際はこの向きが実用的。前後は下向き15°、上向き90°。しかし、ダイヤルが反対方向に…(^^;
少なくとも、雲台のロール軸でカメラを縦位置にするのは避けて、ボディ側にLブラケットもしくはレンズ側の三脚座で縦位置にする運用が必須となりますね。
結局パノラマクランプを追加して、こんなふうに変貌を遂げています(^^;