小型三脚ますます×2 増殖中です…

「 Maesace MT-5 と Leofoto LS-223C (テーブルトップ三脚))」  

コロナ禍で自宅にいることが多くなって、「小人閑居して不善を為す」がシリーズ化の兆し…。

----------- テーブルトップ三脚 Marsace MT-5 & Leifoto LS-223C --------------

小型三脚ますます増殖中です…」で紹介したLeofotoのLS-225Cとかを海外から購入して気に入ってしまい、ちょっと最近は中華三脚沼にはまってしまった感があります…

Marsace(「マセス」、漢字では「馬小路」。)のボール雲台は以前からAmazonなどでチェックしていましたが、日本国内では三脚も含めてハクバが代理店として販売していますが現物は見たことはありませんでした。(価格を見ると、Leofotoに負けないかさらに上を行くくらいの高級路線?)
狭い(^^;室内での一脚スタンド的な用途やマクロ的な撮影用に(実はすでにアルミ製なんかは持ってるのにもかかわらず)軽量な超小型三脚を入手したい希望があって、アマゾンの商品写真で見た限りでは本製品の品質もLeofoto並みに良さそうなので実際に製品を購入してみました。
(ちょっと第三者的表現なのは罪悪感を軽減しようという心理的な圧力の裏返し?)
Amazonでの販売はマーケットプレイスのセラーだったので、現物は中国のシンセンからの発送、ちょうどコロナウィルス騒ぎの渦中でしたが何故かとっても迅速、3/28に注文して4/5に着荷しました。

実は、もう少し前に購入しようかなと思っていたら欠品となり、代わりに比較検討していたLeofotoのLS-223C(三脚単体)をe-bayで注文した後でこちらの在庫が復活、価格もぐっと安くなっていた(こちらのセラーは、為替や仕入れ状況で結構価格が変動するようです)のでダブって購入してしまった(^^;;;
Leofotoのほうは香港発送だったので先に注文したにもかかわらず、3/21に注文して香港から発送、コロナの影響でいったんオランダを経由して5/7に着荷しました。。。。。

前置きが長いのがishida式の特徴ですみません…肝心の「Marsace MT-5」のレビューですが、概ね思っていた通りの物でした。
前述の「Leofoto」は、米国の高級三脚メーカー「RRS」を非常に意識した製品を販売していますが、本製品は更にLeofotoをコピーしつつ部分的にはオリジナリティを出そうとしているように見えます。
こう書くと「なんだ、コピー商品か」と思われるかもしれませんが、よくある劣化コピー品ではなく、少なくともLeofoto同等の品質を目指している印象を受けます。
意匠やデザインはLeofotoとRRSの良いとこ取りに見えてしまうのがちょっと残念ですが、工作精度や質感も(Leofoto同等かどうかは?ですが)かなりいい線いってると感じます。

「MT-5」という型式はメーカーの創立5周年を表しているようで、パッケージや脚に貼られたステッカーにも「5 Years Anniversary Edition」とありますので、2014年創業のLeofotoと同時期に設立された会社ということですね。

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ちょっと高級感を醸し出すパッケージにも「5 Years Anniversary Edition」とあります。

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コンテンツは三脚+雲台の他に、ケース、ストラップ、固定用のテザー、調整用の6角レンチ。

パッケージには三脚+雲台+クイックシュープレートの他に、ケース、ストラップ、固定用のスパイラル型のテザー、調整用の6角レンチが含まれています。
ケースもちゃんと裏起毛され、ダブルスライダーで外部にジッパーポケット付き、付属のショルダーストラップもかなりしっかりしています。

---下記、実測を含むスペックです。---

Maesace MT-5+CB-30
総重量:772g(シュープレート含む)
三脚部:483g
雲台(CB-30):289g
縮長:210mm(三脚のみ) 290o(雲台+シュープレート面まで)
高さ:185o〜265mm(三脚のみ) 268o〜345mm(雲台+シュープレート面まで)
最大脚径:22o(2段)

Leofoto LS-223C
三脚部:538g
縮長:201o
高さ:185〜230〜301mm
最大脚径:22o(3段)

Marsace MT-5は最大脚径22oの2段、Leofoto LS-223Cは3段のため、重量や高さについては多少の差異はありますが、ほぼ同等スペックです。
脚のロックナットの操作感はどちらの製品も小気味よく、90°程度の回転でのロック/アンロックの節度感も明瞭で、開脚ストパーを引き出すと固定され、最大開脚まで開くと自動で戻る構造もほとんど同じ。
開脚ストッパーで脚の角度を固定した際のストッパーと三脚本体の当たり面が平面当たりになる構造も同じで、ロック時の剛性感も高い。
雲台取り付け座や開脚ストッパーだけでなく、三脚をひっくり返して裏側から見ると、ますますMarsaceとLeofotoの瓜二つさが際立ちます。
ただ、知名度ではLeofotoのほうが先行していますが、前述の創業時期を考えるとどっちが先行して(RRSの真似を)始めたのかはよく判らなくなってしまいました。
(一般的なトラベラー三脚なんかも、今ではどこがどこの真似をしているかわからないくらい類型化していますが…)
センターコラム部は本当にそっくりというか、Marsaceのほうが「より大きく肉抜きしました!」感を出そうとしているように感じます。
装備されている雲台取り付けねじはどちらも同じようにバネで付勢された3/8ねじが引っ込むことで1/4も取り付け可能なギミックが内蔵されています。
MT-5のほうはバネがとても弱くて、3/8ねじを使おうとすると引っ込んでしまうので、微妙にねじ込みが頼りなく感じるけど実害はなし。

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ストッパーノブを引き出した状態。お約束通り、ストッパー面は平面同士で当たります。

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3段階の開脚位置。

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Leofoto LS-223Cは3段、Marsace MT5は2段のため、仕様上は若干の差異がある。

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左がLeofoto LS-223C、右がMarsace MT-5。MT-5は、より肉抜きを大きくとってやろうという意欲が見られるが…

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左がLeofoto LS-223C、右がMarsace MT-5。基本構成は全く同じ(?)

脚のゴム足はLeofotoがゴム足とスパイクを交換するタイプなのに対し、Maesaceの場合はゴムをねじって外すとスパイクが現れる方式となっています。
個人的にはこのような方式が差し替えの手間が無くて良いが、砂や泥が付いた場合にどちらが処置し易いかは悩むところですね。
普通に考えれば、使い勝手的にはその都度交換や取り外しが不要なタイプ(ゴム部分を回して引っ込めるとスパイクが出てくるタイプ)が一番使い易い気はします。

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ゴム足とゴム部を外すと現れるスパイク。(ねじを切った時の切りカスが付いてるんですけど…)

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これはスパイク部分がねじで出退するタイプの「HORUSBENNU FX-7439TT」。

脚は脚径22mm始まり・2段脚のカーボンパイプでゴム巻きのナットロック方式ですが、これが非常に小気味良くロック・アンロックできるのには感心しました。(Leofoto同等だけど、ゴムの感触はこちらのほうが柔らかめでウェットな感じかな)
脚の剛性感は非常に高く、脚が短いとはいえ一般的なトラベラータイプとは一味違うトライアングル部の構造も相まって「びくともしない」感が漂ってくる気がするのもLeofotoのLSシリーズ同等かしら?

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ボール径30mmのけっこう立派な雲台「CB-30」と薄型のシュープレートが付いています。

付属のシュープレートは高さを抑えた薄型で、一般的なプレートよりもやや小型の脱落防止ボルトが取り付けられています。(薄型といっても、Leofotoの薄型プレートが5.1o厚なのに比べると単なる台形部だけでなく、斜面の上部分にもう少し高くなった部分があって6o厚となっているのは使い易さを考慮しているのかしら?)
以前も書いたように「アルカスイス規格」というものは公には存在しないと思われるので「概ね互換性がある」というのが実情で、メーカー毎に考え方は違うのだと思います。
LeofotoのLH-25など小型の雲台に付属のものはコンパクトカメラ用と思われるサイズで、長さも短くて高さが抑えられており、Marsace CB−30に付属のものはそれよりは大きなカメラに適合するサイズと思われます。(どちらも三脚ねじ頭は薄型で、マイナスドライバーで締め付けるタイプです。)

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Leofotoの小型雲台に付属のプレート(左)とCB-30に付属のプレート(右)

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厚さもサイズもかなり違います。

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水準器付きパノラマクランプ装備の雲台「CB-30」

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30mmのボールをロックするレバーはかなり大振り。

付属の雲台「CB-30」は名前の通り、30o径のボールを備えていますが、Leofotoの「LH-25」と「LH-30」の中間的なイメージです。
Leofotoの「LH-25」はボールのロック・リリースとパンが1レバー式、「LH-30R」は各操作部が独立して操作できるようになっており、機能的には「LH-30R」≒「CB-30」となります。
「CB-30」はボールのロック・リリースはラチェット機構付きの大型のレバーとなっているのはishidaの好みで、形状も変にエッジがたっていないのが好ましいですね。
雲台ベース側のパンとクイックシュークランプ部は四ツ手形状のノブ、クランプ側のパンはレバー形状となっており、機能で形状を分けています。
レバー形状のボールロックは締め付け具合が調整し易くて好きですが、四ツ手形状のノブについてはしっかり力が入りやすい反面、操作性的には好き嫌いが分かれそうですね。

この雲台の場合、ボールのリリース時の力量はやや重めの感触で、レバーを目いっぱい緩めてもするすると動く感触はありません。
ボールの動きに引っ掛かりや位置による力の軽重はありませんので、部品精度が悪いわけではなく、もともとそのような設定なんでしょうか。

脚の付け根の回転軸部にはお約束の摺動ワッシャーがセットされていますが、Leofotoの銅系の素材に対してこちらは一般的な真鍮製のようで、塗布されているグリスは安物の中華製品にありがちな「ネバネバグリス」で、指などに付くと松脂のように粘ってしまうのはちょっとマイナスポイント。

それにしても毎回感心する部分ではありますが、昨今の中国メーカーの勢いというか、(まずは三脚のような作って組み立てる製品に関しては)本当に年を追うごとにモノ造りのレベルが上がっているなと思わせます。

なんて言っている間に、次なるステージ(?)が…

---------- そして、次なる三脚もさらに増殖…(^^; ----------