Panasonic G8  (その1:導入編)

Panasonic G8 (DMC-G8M 12-60mm F2.8-5.6キット Black)

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相変わらずですが「趣味の世界のものに対して飽くことのない探究心」といえば聞こえがよいのですが、平たく言えば単なる物欲(デジカメ購入欲)に駆られるishidaです。

昆虫撮影の主力をマイクロフォーサーズに移行した経緯は「OLYMPUS E-M1 (12-40mm/F2.8 PRO) (その1:導入編)」でくどくど書いていますが、目論見どおりに「軽量化」や「コンパクト化」は達成できている(と自分に言い聞かせている)状況です。
2016年と2017年は、APS-Cセンサー機では実現できないと思われる装備での沖縄遠征が実現できたのは、まさにマイクロフォーサーズの(唯一の?)利点ともいえるコンパクトさが効いたといえます。

主力の「E-M1」についてはレスポンスや高感度などいくつかの不満点はあるものの、手持ちのレンズと組み合わせた描写や手ブレ補正能力の高さは他では替え難いくらいの能力を感じます。
それに、いつの間にかコンパクトカメラだけでなくミラーレスカメラのEVFで露出を確認しながら撮影することに慣れてしまっている自分に驚き。
そもそも、今の自分が一眼レフに戻ったら、露出補正がちゃんとできるか自信が無い…(^^;
一応、昔は一眼レフでラチチュードの超狭い「Velvia(ISO 50)」で写真撮ってたんですけど…
しかし、当時のような風景撮影ならいざ知らず、特に昆虫(だけじゃない生き物全般)撮影では、EVFのレスポンスさえ障害にならなければ非常に強い味方になってくれることは実感しています。

そもそもマイクロフォーサーズって「ミラーレス専用」の規格ですから、さらにC社・N社・P社などのマウントを採用しない限りは、他社機でも選択肢はEVF搭載機に限定されています。
ペンタプリズムを捨てたS社や(やる気は無いが)徐々にラインナップの増えているC社のMシリーズ、F社のうち、ボディ内手ブレ補正を持つS社のお陰か、SIGMAが再びマイクロフォーサーズ用のレンズの新作を商品化し始めたのもグッドニュースでしょうか。

また前置きが長いですが、沖縄遠征の際に感じたのが「フィールドでのレンズ交換の煩雑さ」でした
システムがコンパクトなんだから、レンズをいくつも携帯→チャンスに対してレンズ交換が煩雑→結局はチャンスを生かせず→レンズの携帯自体が無駄になる…といった悪循環も感じました。
「じゃあボディも増設して、常にレンズ2本を臨戦態勢で持ち歩けばいいんだ」という結論に…ここで発想を転換しないのがishidaのイケナイところですな(^^;;;

結局、FZ1000でかなり有効性の感じられた「4K PHOTO」が使えるPanasonic機も使ってみたいなということもあり、Gシリーズ初となるボディ内手ブレ補正が搭載された「G8」が候補に挙がります。
(これまで、レンズ側にしか手ブレ補正を持たないPanasonic本体と、レンズ側に手ブレ補正を持たないOLYMPUSレンズおよび旧フォーサーレンズなどの兼ね合いで、G7にはなかなか食指が動かなかった)
2016年後半に発売になった「E-M1 MkU」と、2017年初頭に発売になった「GH5」とも、甲乙つけがたい魅力を感じるのですが、どちらもお値段高すぎ…
そのうえ、意外に高止まりしていたG8の価格が下がってきたのが引き金になって、購買意欲が一気に高まって、そのうえ何故かレンズキットのほうが安い…??。

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2017年7月のカカク。この後さらに下落(^^;;;;;

魅力ポイントとして感じたのは

・Gシリーズ初のボディ内手ブレ補正機能の搭載。

・しっかりしたグリップと前後ダイヤルによる操作性。

・フラッシュ内蔵

・タッチパネル機能付きバリアングルモニター装備

・同社フラッグシップ機のGH4からさらに改良された「空間認識AF」

・4K動画、4K PHOTO…4Kってどうよと思っていたが、FZ1000で目から鱗。

前任機の「G7」に比べて「ボディ内手ブレ補正」「防塵防滴」「マグネシウム製前カバー」「ローパスフィルターレス」といったところが大きな進化点です。
ただ、「防塵防滴」を謳っているがシステムとしての規格等級は特に無く、個人的にはOLYMPUSに比べても造りは簡易的で気休め程度、ほとんど信用していないのです。

色々な雑念や執念が交錯する中、いつの間にか奥さんのお許しももらってポチ…2017年7月25日に自宅に配達されてきました。

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やってきました「Panasonic G8」。

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あれ?レンズキットでは…(^^) 同時にOLYMPUS 40-150mm F2.8も…

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SIGMA 150mm/F2.8 Macroと被るレンズですが、超高画質なだけでなく、やっぱりズームって便利(^^)

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外寸的にはE-M1とほとんど差を感じないが、E-M1はちょんまげ分背が高く、ボディが薄い感じ。

外形寸法等のスペックは

「Panasonic G8」
W 128.4mm x H 89.0mm x D 74.3mm 453g(ボディのみ) 715g(電池、キットレンズ含む)

「OLYMPUS E-M1」
W 130.4mm x H 93.5mm x D 63.1mm 443g(ボディのみ) 879g(電池、重いキットレンズ含む)

と、ボディ重量に大きな差異はないものの、印象としてはグリップの厚みと天地寸法が大きいG8のほうが握りやすくて軽快感があります。
重量級レンズ装着で辛く感じるのはG8も同じだけど、グリップの張り出しは大きくても幅と天地寸法が小さめのE-M1のほうは、どうしても手のひらの余り感と小指の行き場が無いことで、重量級のレンズを付けると右手が辛い感じが助長されます。

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比べるのも変ですが、似ている兄弟。もはやセンサーフォーマットとボディサイズは無関係…

「G8」ですが、全体の印象では背面の「十字キー」部分の造作と操作性が大きな不満を感じる点です。
ボタンの高さや形状にメリハリが無くてブラインド操作が大変し辛いんですが、これまで見てきたレビューなどではほとんど言及ないのは何故?
「E-M1」のこの部分もあまり褒められたものではないが、「G8」は弟分(?)の「FZ1000」と比べてもメリハリが無く、デザイナーが違うというレベルを超えて、Panasonicの操作性に対する社内基準の無さが露呈しているんでは…?
例えば、「FZ-1000」だけでなく、世代の近い「GH5」「G9」とも、スイッチ形状の統一性が無いように見えるというか、G7/G8だけがこのようなメリハリの無いボタンデザインのように見える。
(ボタンのデザインはGXシリーズに近いのかしら?でも、昔の「GF1」だってもっとボタン形状にメリハリがあったと思うぞ)

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背面右下のボタン類は、形状にメリハリが無くてブラインド操作し辛い。

また、最近のPanasonic特有のモードダイヤルと同軸の回転式の電源スイッチも「FZ1000」で慣れていますが、個人的には微妙な操作感で、やっぱり操作性と誤操作防止の両立って難しいですね。
Panasonicお得意のフォーカスモード切替とAF/AEロックスイッチがファインダー脇にあって、物理スイッチでフォーカスモードが切り替えられるのはやっぱり良いですね。

ボディ下面を見ると、何かの間違いかと思うような位置に三脚ネジ穴の位置があります。
内部構造やバッテリーグリップ端子などとの兼ね合いかもしれないが、あまりにも前寄り過ぎる位置で三脚座との接地面が少なくなってしまいそうで、強度は大丈夫かと思ってしまう。
自分の場合でも、アルカスイスタイプのクイックシュープレートを取り付ける際の位置関係から、ネジ位置調整範囲の広いプレートを選択する必要があって、汎用性に乏しい感じ。
位置的に電池蓋とは離れているので、プレート取り付け時や三脚設置時でも電池交換は出来そう。
ただ、電池蓋のロックレバーがE-M1と同じく回動式なのは、暗い場所などで操作する際にどっちに動かせば良いか訳が判らなくなってしまう恐れアリ(こんな懸念はishidaだけでしょうか?)。

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モードダイヤルと同軸の電源スイッチ。 前後ダイヤル装備はうれしい。

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三脚ネジ穴が突拍子も無い位置に…。取り付け可能なクイックシューベースを選ぶ配置だね。

ボディ側面にメディアスロットがありますが、見ての通りで特にパッキンやシールのようなものは無く、防塵防滴といっても単にリブや段差の構成でラビリンスを形成しているだけです。
電池蓋の相手側にはシール材のようなものがありますが、蓋との接触面が平面になっていないので、やっぱり「ホコリが入りにくいですよ」的な保険程度にしかなっていません。

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側面にあるメディアスロット。防塵防滴は、単なるリブ構成で、パッキンやシールは無い。
白いマークはishida式のメディアの向きを示すシールです(老眼対策)。

こういったところはOLYMPUS製品とは基本設計や思想は全く違いますが、劣っているという意味ではなく、逆にもっと防水性を高めようとすればポップアップ式のフラッシュ内蔵は諦めることになると思うのでG8の選択自体は悪くないと思うのが正直な気持ち。
(GH5やG9とかは多分もっと本格的な防水性を目指して設計した?結果、フラッシュは内蔵していないんだと想像しています)
それに、保険というより予防安全的な機能と考えれば、いくら「防塵防滴」って書いてあっても、心ある人は積極的にレンズを水に漬けたり、土砂降りの雨の中で使ったりズーミングしたりしないよね(^^;
ましてや、普通に使用中に開閉する部分やレンズ交換することがあるわけだから、いくらパッキンがあってもそこに毛羽が付いたりゴミが挟まれば防水性は破られてしまいます。
よく似た話で、自動ブレーキや各種予防安全機能を装備している車だからといって、道路状況を見ずに運転していたら何かが起きても不思議じゃないので事故は防止できないのと同じ。

相変わらず理屈っぽいishidaですが、KAKAKUなどで「防塵防滴」という言葉が独り歩きしている状況も見かけるので、ついつい色々書きたくなってしまうのは職業病でしょうか(^^;

相変わらず、最近の風潮に逆らって?USB充電には対応しておらず、従来と同じようなACプラグ付きの充電器が付属しています。
(こういうカメラをUSB充電しながら持ち歩くのは恐ろしいですけど…)
使用電池は「FZ1000」と同じ「BLC12」なので、AC充電器だけでなく社外品の予備電池やUSB充電可能なチャージャーも持っているので、出先にはこちらで対応可能なのは地味に助かる。
(最近の遠征では、カメラの台数増加に応じて周辺機材も増加傾向なので(^^;)

------- その(2) へ続く(?) -------