SAMSUNG VLUU EX1  (その2:画質編)

新型機テストの続編、高級コンパクトを標榜するからにはそれなり以上の画質と操作性が必須です。
あちこち持ち出して使ってみた結果をご報告。
ただし、直接のライバル機との比較とかいう不毛な競争は好みではありません。
比較対照はGX-100くらいしかないので、あくまでも好ましい絵が出てくるかどうかで判断したいと思います。

-----SAMSUNG VLUU EX1  (その1:導入編)はこちら-----

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F1.8が誇らしげ。シュナイダーブランドを掲げるに足る実力か?

ここで掲載しているサンプル画像は、断りの無い限り全てCorel PHOTO-PAINT X3にてトリミング無しで長辺500Pixel、JPEG(10%圧縮)としています。

使ってみた感触では、広角端での歪曲も少ないようで好印象です。
GX-100は3年以上前の機種ですから、暗所でのノイズレベルも比べては可哀そうです。
実際、高感度の大型センサー使用(自称)と謳っているだけあって、ダイナミックレンジの広さもなかなかのものと見受けられます。

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悪い習慣で、ついつい比較(^^; 広角端の樽型の歪曲 GX-100(左) EX1(右)

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GX-100の右上の隅等倍。解像は良好(ノイズ感は気になる) 絞り開放(F2.5)

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EX1の右上の隅等倍。解像感はやや落ちる 絞り開放(F1.8)

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EX1の右上の隅等倍。解像感はGX-100とほぼ同等? 1段絞り込み(F2.5)

広角端の樽型の歪曲は良く補正されていますが、絞り開放での画面四隅の解像感はさすがにGX-100がやや勝っているようです。とはいえ、EX1も絞りを1段絞り込んでやることでかなり改善され、F2.5の状態ではほぼ同等といえそうです。

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甲斐駒登山の際にPanasonic GF1にて撮影 45mm(90mm相当) F5.6 1/800 コントラスト+1

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SAMSUNG EX1にて撮影 15.6mm(72mm相当) F4.9 1/750

登山の際にPanasonic GF1と2台で撮り比べたところでは、かなり近いレベルのダイナミックレンジがあるように見えます。(GF1は味付けとしてコントラストを+1に補正しているため単純比較できませんが)

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Panasonic GF1にて撮影 14mm(28mm相当) F5.6 1/1300 コントラスト+1

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SAMSUNG EX1にて撮影 5.2mm(24mm相当) F3.4 1/1500

発色はやや控えめで好感持てますが、彩度は低めの設定のようです。
カメラのディスプレイで見ると、実際にパソコンなどで見るよりも非常に高コントラストで彩度も高く見えるので、少し注意が必要です。

---------------------------ここからは、これまでに撮った作例です。---------------------------

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バリアングルモニターを活用して自分撮り。林床もつぶれていません。(左) 明暗のきついものも自然です。(右)
5.2mm(24mm相当) F2.5 1/30(左)    5.2mm(24mm相当) F2.5 1/60(右)

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光源に対してはけっこう特徴的なゴーストが出ますが、見苦しくはないかな。5.2mm(24mm相当) F2.3 1/30

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来館者を襲う(^^)フタバスズキリュウ。広角24mmならではの構図。5.2mm(24mm相当) F2.5
 1/45

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上の写真の左上部を等倍にトリミング。ガラスの網目もちゃんと解像、明暗境界にはフリンジが出ます。

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博物館のドーム天井。5.2mm(24mm相当) F6.0 1/15 ISO320(左) ステンドグラスの下部等倍。やや濁りが見える。(右)

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宇宙人専用(?)トイレ12.3mm(56mm相当) F2.3 1/90

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宇宙人のおねいさん右ウエスト辺りを等倍に拡大。マゼンタっぽいフリンジ?

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順光の千枚田。
7.8mm(35mm相当) F5.9 1/350(左) 逆光の千枚田。15.6mm(72mm相当) F5.9 1/350(右)

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斜光で石組みの表情もまずまず。7.8mm(35mm相当) F5.9 1/350

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海岸の干割れ。5.2mm(24mm相当) F5.5 1/750(左) 風紋と海食涯。5.2mm(24mm相当) F4.4 1/500(右)

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風紋。5.2mm(24mm相当) F4.4 1/500

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せせらぎとオランダガラシ。9.1mm(42mm相当) F4.9 1/125

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逆光の中を行く二人と風紋。5.2mm(24mm相当) F4.4 1/500(左) 夕景の鉄塔@。5.2mm(24mm相当) F3.9 1/750(右)

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夕景の鉄塔A。7.8mm(36mm相当) F3.7 1/1000(左) 夕景の鉄塔B。15.6mm(72mm相当) F3.8 1/500(右)

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秋の気配@。15.6mm(72mm相当) F2.4(開放) 1/90

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秋の気配@。15.6mm(72mm相当) F6.2 1/30

使ってみての印象は、なかなかの高画質とAMOLED(有機ELディスプレイ)の見えの良さ、バリアングルモニターの装備とボタン・ダイヤル類の使い勝手など、魅力は十分あります。
登山のお供としても十分に役立ってくれそうですが、マクロ機能が物足りないのが残念です。

ただし、電源ON後や画像拡大時のズーム操作に一瞬のタイムラグがあったり、電源OFF時にデータ書き込みが終了するまでレンズが沈胴しない(キャップができない)といった部分は少し気になります。
→追記「ズーム操作のタイムラグ」ではなく、誤操作防止のロジックのようです。国産メーカーのものでも同様に電源ON直後のレバー操作を受け付けないものもありました。
メニュー自体もかなりあっさりしているため、設定の細かさでは日本製のカメラほどの親切さが無いようにも思います。(特許などで制約されているのかもしれませんが)

デジタルズームは画像補完で拡大してしまう方式しか選べないのもちょっとイマイチです。
(その代わり、表示画像を拡大してトリミングする機能を搭載)

また、撮影情報を表示させると画面下側に半透過の黒帯が現れるため、フレーミングしにくいのも気になります。(非表示にすると、シャッター速度や絞りも表示されなくなってしまう)

とはいえ、価格に競争力があれば十分魅力的な商品であることは認めざるを得ません。
(自分としては、GXシリーズにバリアングルモニターが付けば言う事無いんですが…)

----SAMSUNG VLUU EX1 (その3:活用編)はこちら-----