OLYMPUS OM-D E-M1 (12-40mm/F2.8 PRO)  (その3:使用編A)

OLYMPUS E-M1 (Black) 12-40mm/F2.8 PRO レンズキット

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OLYMPUS E-M1 (12-40mm/F2.8 PRO) (その2:使用編@) の続きです。

前回、色々と使い勝手上の不満点を述べていますが、全体としては画質やレスポンスの点では十分満足を感じているのも事実です。
しかし、例えばSONY最新のα77Uなどと直接比較しているわけではありませんし、満足度の多くは「新機種だから」ということからきているとも言えなくもないかもしれませんね。
マイクロフォーサーズ特有の「システムとしての小型軽量」というのが、最も満足感が高いのかもしれませんが、ボディの小ささからくる操作性の悪さと、オリンパスのデジカメ特有の「操作性や設定の癖」が不満の大半であることも確かです。

操作性や設定についてはファームウェアのバージョンアップで順次改善が図られている点はOM-Dシリーズの大きな美点の一つといえますね。
ある程度想定の限界はあるとはいうものの、ここまでFWの更新だけで機能アップできるようにHWが準備されていたのも素晴らしいですが、後続機種の開発の中で煮詰まってきた操作性の改善だけでなく、機能アップまで図られているのは驚きです。
(個人的には、新製品発売までの開発期間に実装できなかった機能を、後々もちゃんと継続して開発する姿勢には羨ましさを感じる…って、ちょっと身につまされる(^^;)

【Ver.3.0→4.0での改善点の検証】

なんていうと大袈裟ですが、改善に期待していた部分に限定して確認を行ってみました。

・設定メニューのカーソル位置記憶
このクラスのカメラなら、前回開いたメニュー位置を記憶しているのが普通だと思っていたが、逆に記憶できないのがこんなに不便とは思わなかった(^^;

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・ピーキングカラーの選択肢が4色に増加。(気持ちとしては表示のされ方の改善も期待)
これは、予告の表現が微妙だったので、ちょっと心配でしたが期待通りです。
選択可能な色が4色になったのはどうでもよくて、はっきり言って邪魔だった「ピーキング背景の輝度調整」がoffに出来ることと、ピーキングレベルが「強・標準・弱」の選択可能になったことが嬉しい。

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・電子シャッターモード搭載、低振動モードの機能アップ
これは、買ってみて判ったことですが、このカメラってレリーズ時に「基本は必ず先幕が一旦閉じる」動作をするんです。(α77はデフォルトが電子先幕で、基本的に何の制約もなく撮影可能なんですが…ミラーのアップダウンは無いものの、これでは昔の一眼レフのライブビューモードみたいでイマイチですね。)
Ver.3.0では「低振動モード」を選択すると、電子先幕シャッター動作が設定できたのですが、シャッター速度が1/320以下の場合という制約があるばかりでなく、先幕自体は毎回動作しています。
初めは動作がおかしいのかと思った(^^;
「低振動モード」の目的は先幕が動作したときの振動で微ブレが発生するため、振動が収まってから電子先幕が作動するというものでした。あくまで「低振動」であって、レスポンスは低下するという本末転倒なものです(^^;
(このシャッター機構の、先幕と後幕がシーケンシャルにしか動かないことからくる制約ですね。)
まあ振動といっても、一眼レフのミラーアップや先幕動作の振動に比べれば可愛いもんでしょうけど、最近では多くの一眼レフも「ライブビュー撮影時」に限っては「電子先幕シャッター」が使用可能ですよね。
だったらPanasonic機のように、完全な電子シャッターも使えるようにすればシャッター幕自体が動作しないから良いんじゃないの?と思っていました。
今回のファームアップで、一応は「完全電子シャッター」が選択可能になりました。
しかし、基本は「静音撮影」であって、フラッシュが使えないなどの制約はあります。(これは電子シャッター時は他機種もみんな同じかな?)
低振動モードと同様に、シャッターを切ってから露光開始までの時間を0〜30秒の間で設定することが出来ますが、これは天体写真やライブコンポジット撮影などの際にケーブルレリーズを使用できないケースなどを想定しているのかな?

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その他、実際に未確認(未経験)なのは
・4Kタイムラプス動画機能の搭載。
・深度合成モード、フォーカスブラケットモードの搭載

【使い勝手向上のための設定変更】

これまでの中で不満として挙げていた以下の2点ですが、設定で解決出来ました。
・ボディ側にAF/MF切り替え専用ボタンやレバーがない。
・60oマクロレンズ側のフォーカスリミットダイヤルを使って「1:1」の位置にフォーカスを持って行くと、勝手にMF→AFモードに切り替わってしまう。

カスタム設定で「レバー機能」にてAF方式を割り当てできます。

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この設定で、例えばレバー「1」のポジションで「AF-S」、レバー「2」のポジションで「MF」と設定することで、瞬時に切り替え可能です。
さらに、レバー機能が有効になっていることでマクロレンズ側のフォーカスリミットダイヤルを使って「1:1」の位置にフォーカスを持って行っても、勝手にMF→AFモードに切り替わってしまうことはなくなりました。
以前書いた「親指AF」的な使い勝手も含めて、かなり理想に近付いた感じですね。

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設定で「AF/MF切り替えレバー」として使用。(左) これで1:1にしてもMFが維持できます(右)

【アルカスイス互換ブラケット】

ライブコンポジットやタイムラプス動画もちょっと楽しそうなので、三脚との親和性を高めるためのグッズを探索した結果判ったことですが、最近では中華製の様々なアクセサリーが出回っているんですね。
以前から「SIRUI」や「BENRO」といったメーカーの三脚は定評がありましたが、「SUNWAYFOTO」などもかなり高品質な印象です(が、値段も上記のメーカー並み?)。
その他の有象無象なメーカーでは、三脚や雲台のように動く製品は心配な印象も持ちます。
逆に、Amazonの評価などでは単なるクイックシューベースなどはそれなりの出来のようにも見受けられましたので、モノは試しにクイックシューベースなどを注文してみました。
アルミダイキャスト製のシューベースなどは、見た目や仕上げは二流ですが、材質や寸法・精度の面では特に不都合を感じませんでした。

で、こちらのL型クイックリリースブラケットも購入してみました。
中国から直送されてくるため2週間ほどの納期でしたが、驚いたことに(失礼)精度や仕上げ、取り付けにも不安なし(^^)

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天地が拡大して、予期せずグリップ性も向上。右側のL型の部分は取り外し可能です。

E-M1専用設計で、グリップの部分までしっかり形状が作ってあるため収まりは非常に良くできています。
素の状態ではグリップを握った状態で小指が余ってしまうのが、これを取り付けることで小指の付け根まで使って握れるようになるために、三脚不使用の場合でもメリットがありました。
肝心の三脚へのクランプですが、特に不具合もなくしっかりクランプできます。
ただし、グリップ先端部に位置決めボスがあるため、グリップ形状の延長を優先し、グリップ付近ではクランプすることは出来ません。
縦位置でのクランプは、金具にケーブルレリーズなどのアクセサリーポートアクセス用の切り欠き?があるためか、締め付けた際に剛性感に若干の差を感じます。
(ぐらつきは感じないが、60mm以上の幅のクランプで使用するのがお勧めかしら)
全体としても工作の見栄えやアルマイト処理も良く、2000円少々で購入できるものとしては非常に満足感があります。
プレート自体にも三脚ねじ穴があって、ねじ式の雲台に固定することも可能ですが(位置的におバカなのか?不必要にHLD-7接続端子部を避けているため)小型の雲台では後ろ側がうまく乗らないので、このねじ穴を使う機会はなさそうですね。

それにしても、マイクロフォーサーズ機って、アルカスイスのクランプ幅よりもボディが薄いんです(^^)

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ボディ幅の範囲で左右はグリップに干渉しない範囲なら、どこでもクランプ出来ます。

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縦位置でのクランプ(左) 不必要にも、HLD-7のコネクタを避けて三脚ねじ穴が変な位置に…(右)

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あれれ??

------- その4 へ続く -------