SONY α77  (番外編:金環日食観測)

----SONY α77(その1:導入編)はこちら----

今年2012年最大の天体ショー「金環日食」、直前まで天気予報が気になっていましたがなんとか無事に観測、撮影することができました。

撮影機材は「α77+APO 100〜400mm」、事前にNDフィルター(ND-100000)だけでなく、三脚取り付け治具も作成して試写を済ませておきました。
三脚座の無い(^^;APO 100〜400mmを三脚に取り付けるためには、三脚取り付け治具みたいな物が必要なので、急遽製作しました。
(これまでは基本的に手持ちの用途でしか使用していなかった。)
これは、カメラブレ防止という意味ではなくて純粋に「重量バランス」のためです。

フリーツインプレートDX E-6045(エツミ)にクイックシューベースQRA-3(ベルボン)、自作のゴム製レンズ受けを取り付け、プレートの三脚ネジ部にFX-34Q用クイックシュープレートを取り付けてあります。

エツミのフリーツインプレート DX E-6045はダイキャスト製プレートに移動可能な三脚ネジが2個と三脚ネジ穴(大・小)が装備されたものですが、お値段が安い割に信頼の日本製、造りもしっかりしていてお買い得です。

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DX E-6045+QRA-3に自作ゴム製レンズ受け、中央下にあるのがFX-34Q用クイックシュープレート。

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三脚取り付け(実際は先にカメラ側に付ける)。(左) カメラ取り付け状態。(右)

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液晶モニターの可動範囲が広いので便利です。

前日までの天気予報では南岸を気圧の谷が通過するため、海沿いほど雲が広がるとのこと…
しかし、日曜夜の予報では内陸部だけでなく、愛知県沿岸部も晴れ間の予報です。
大移動は避けて自宅での観測・撮影としますが、とりあえずは移動も考慮した体制(?)で臨むことにしました。

自宅での5月21日の朝はAM4時前に空を確認すると「曇り」、5時前から晴れ間が一気に広がって来て、天気予報どおり(^^)V
移動に備えてケースに入れていたカメラをセッティングし、ポータブルカーナビでワンセグ放送受信しながら撮影をしようと準備しているうちに、予想外に?東側から雲が移動してきました。
高い位置の雲は西から東に移動しているようなのに、低層の雲は反対向きに移動しているようです。
第一接触が始まった頃には、東からの厚い雲が太陽を隠しはじめてしまいました。

急遽、晴れ間の方向に移動を決断、田原市〜伊良湖岬方面に向けて車を走らせました。
しかし、どんどん晴れ間が狭まってゆく様子で、堀切から伊良湖ビューホテルを見ると、かろうじて朝日が当たっている様子。
大急ぎで恋路ヶ浜駐車場に滑り込んだのが7時20分頃でした。
海岸側の遊歩道に陣取り、三脚セット、カメラセットすると無情にも雲が…

時折りのぞく雲の隙間からの太陽は大きく欠けているのが判ります。
雲のフィルターのお陰で、NDフィルター付きでは却って暗すぎて光量不足の状態です。
NDフィルターを取ったり付けたりしながら撮影を始めました。

金環食状態になる頃にはずっと薄い雲が掛かり続けていましたが、なんとか第2接触は見ることが出来て感激です(^^)

その後は第3接触時は雲が濃くてはっきり見えませんでしたが、ずっと濃い雲が掛かり続けることもなく、明るさの変化が激しくて露出調整が忙しいながらも撮影はそれなりに出来て有難かったです。

愛知・静岡県境付近の海岸では、初めは雲が掛かっていたが金環前後はちょうど雲が切れた(会社での情報)そうです。また、奥三河の設楽町では金環直後(^^;に曇り(これも会社での情報)、豊橋駅周辺では金環終了直後に雲間から見えた(次女情報)そうですが、ishida家自宅周辺は金環中は全く見えなかった(奥さん情報)とのことです。
山梨にいる長女は甲府駅北口での観察会に参加、雲はあったがほぼ通して金環状態が見えたそうです。

 

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5/19に試写した太陽。(左) 5/21に自宅で撮影を始めたら雲が掛かり始めました。(右)

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移動して伊良湖で撮影を始めたら再び雲が(^^;(左) しかし、第2接触前に薄くなってくれました。(右)

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第2接触間近。(左) 第2接触時、ベイリービーズも現れました。(右)

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ほぼ均等にリング状態。(左) 第3接触も近付きますが…。(右)

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ちょうど雲が濃くなってビーズは確認できません。(左) 再びリングが欠け始めました。(右)

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時折り雲が濃くなる時はあるものの、、順調に推移。

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黒点もはっきり見えてきます。(左) 第4接触の寸前です。(右)

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伊良湖水道を通過する太平洋フェリーの定期便「きそ」。後部甲板に観測(見物?)中の人たちが見えました。


今回初めてアニメーションを作成してみました。Flashが無効な場合はうまく見えないかもしれません。

元々このカメラで金環日食を、とか狙っていたわけではありませんがライブビューできるカメラであれば光学ファインダーを覗く必要がなく、ピントや露出の確認も容易です。
特にこの「α77」の場合(そもそも一眼レフではないので)常時ライブビューであるだけでなく、ライブビュー撮影時の使い勝手が良いのと、フリーアングル液晶のお陰で三脚撮影時でも画像の確認がしやすいのが利点です。
今回は雲の影響でめまぐるしく露出が変わったのですが、その都度露出を変更しながら撮ることが出来ました。

今回感じた利点(α77に限りませんが、すべてを兼ね備えているのはこのカメラだけ?)

・マニュアル露光時にファインダー/液晶モニタに露出(実際には予測)が反映される。
・ピント拡大機能やスマートテレコンでのファインダー/モニタ画像拡大が容易。
 NDフィルターを装着したまま、撮影しなくてもピント合わせ・確認が可能です。
・ファインダーを覗いても太陽光で目を傷めることがない。
・フリーアングル液晶で画像確認しながらの撮影が容易。
・電子先幕シャッターのお陰でブレにくい。
・クイックリターンミラーが無い(ミラーショックが無い)のでブレにくい。
・中級機の証し、1/8000秒シャッターのお陰で露出調整の幅が広い。

特に中級機以上ではフリーアングル液晶のようなものは邪道のように思われているフシもありますが、ライブビュー撮影や動画機能を搭載しているなら、装備して当たり前なんじゃないでしょうか?

----SONY α77(その2:使用編@)はこちら----