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今シーズンは、以前よりすがぴさんとのスノーシューツアーの企画で「富士見台〜南沢山縦走」の計画を持っていました。 昨年の単独行ではラッセルに苦しめられて散々な結果(?)だったこともあり、時期や天候、メンバーを考慮して実施したのが今回の山行です。 天候と雪の安定した時期(でも、新雪はほしいというアンビバレンツな感情)を考慮して、今回の決行となりました。
今回はすがぴさんのバイク仲間のIさんの参加もあって、3名での山行です。
浜松から参加のIさんと途中で合流、まずは2台の車で清内路の「ふるさと村自然園」に向かい、登山口に下山後の足としてIさんの車をデポします。 ここから1台に乗り換えて「ヘブンスそのはらスキー場」へ移動しました。 ゴンドラが運転開始する直前だったためか乗り場前の駐車場も空きが少なく、思ったよりも大勢のスキーヤー(一部登山者)がゴンドラ乗り場に並んでいます。 自分たちも急いで準備を済ませ、ゴンドラ乗車券(往復券しかないので片道乗車でも2000円)を購入して列に並びます。
ゴンドラで一気に高度を稼ぎ、スキーパトロールの窓口でリフト券(400円)購入と入山届けの記入、レストハウスでおトイレも済ませます。 リフトでスキー場のトップまで上がり、展望台で初めてスノーシューを装着です。
スキー場のトップから見る南アルプスと伊奈谷南部。中央は網掛山。

林道合流点手前からの恵那山。
2月の第一週が春の陽気だったため雪はそれなりに締まっていますが、最近降った新雪と低温のお陰で、雪質はとっても良い感じですね♪
空はちょっと高曇りでモノクロームな感じですが、今のところ風も弱くて寒さは感じません。 軽くパンの行動食を頬張ってから(思ったよりも遅い時間になってしまいましたが)まずは林道経由で神坂峠、萬岳荘を目指します。 林道を行く先行のグループや稜線を進むグループの姿も見えますが、パノラマコースへの分岐を登った跡や下った跡も沢山あります。(稜線の雪はかなりの量だと思うので、尾根を行く人たちはかなり難儀だと思われます(^^;)
 カーブミラーではしゃぐ3人。(左)
林道から南アルプス。手前の尾根には神坂神社からの登山道。(右)

すっかり雪で埋まった林道は眺めが良いです。(左) パノラマコースから滑り降りた跡も多数。(右)
神坂峠から萬岳荘も素直に林道を行きますが、萬岳荘の脇から神坂山へ登るルートを確認すると、誰も踏んでいない真っ新な新雪のコースが私たちを誘っています(^^; 普通に萬岳荘〜神坂小屋経由では面白くないので、ここはひとつ神坂山へ足を伸ばし、尾根伝いに神坂小屋へ辿るルートを取ってみましょう。 (とりあえず、昨年11月にishidaが調査済みのルートですから安心♪)
萬岳荘の脇から植林の間のルートを神坂山に向かって登ると、ライトニングアッセント25インチ+ishidaの装備重量でもくるぶしの上まで埋まる程度の新雪をバフバフと踏んで斜面を登ります。 途中でラッセル体験のために先頭交替〜後ろに回ったらすごくらくちん(^^)今回初めてご一緒するIさんに先頭をお任せしたら、凄いパワーでどんどん先へ(^^;;
 萬岳荘から神坂山へのルートはバージントレイル。(左)
先頭交代してスピードアップ。(右)

笹原の斜面を山頂に向かって直登します。

恵那山も姿を見せます。

神坂山の山頂は樹木のある辺り。

恵那山へと続く尾根。神坂山側から見る眺めは格別良いですね。

山頂から北の南木曽岳。背後は穂高。(左) 山頂の岩田石はほとんど埋まっていました。(右)
樹林帯を抜けて笹原の斜面に出ると、富士見台方面、神坂峠、恵那山が気持ちよく見渡せて素晴らしい眺めです。 夏道と関係なく、真っ直ぐどんどん登って神坂山の山頂に到達しました。 前回来た時には背の高い笹で藪になっていた神坂山の広い山頂部も、今回は雪原になっているため自由に歩き回れます。 山頂の「岩田石」は先端だけが雪から顔を出している状態です。(昨年の11月はこんな感じ) 朝から少し高曇りの状態だったのが薄日も指してきて、御岳、乗鞍、穂高、中央アルプス、南八ヶ岳と(一部樹木で隠れていますが)南アルプス、恩田大川入山、恵那山から神坂峠〜富士見台へ続く尾根までが見えます。
 富士見台のピーク。(左) 神坂峠との間にある笹原のピーク。(右)
 富士見台方面へは小ピークの左側を巻くように越えますが、夏道は吹き溜まりの中。

左手に恵那山、眼下に満岳荘を見ながら南斜面をトラバース。
神坂山山頂から神坂小屋の前の分岐まではなだらかなピークを超えて行きますが、夏道は雪が吹き溜まって進めそうもないので、南寄りの斜面をトラバースして進みますが、笹が顔を出していて積雪量が少なそうに見えるわりにけっこう沈みます。 落雷の遭難碑の前では地面が出ているところもあって驚きですが、これは強風で新雪が飛ばされてしまうためのようです。
 気持ちの良い斜面のトラバース。(左) ちょっとモノクロームな感じですが、雲も薄くなってきました。(右)
 あのピークの向こうが神坂小屋のある鞍部。
 2週間前に登った「恩田大川入山」。
 滑ってみたいような雪の斜面です。(左) 遭難碑のあるピークはすぐそこ。(右)
 さっき越えてきた神坂山。(左) 遭難碑とケルンのある広いピーク。(右)
 富士見台のピークが目と鼻の先に。

尾根にはかわいい雪庇。
神坂小屋付近の分岐に着いたところでちょうどお昼時、萬岳荘から直接登ってきた人たちは既に富士見台ピークを往復して戻ってきていますが、自分たちは登頂は後回しにして風の来ない東斜面の広場に陣取って昼食の時間にします。
 すがぴさん、キタ〜!(左) お腹を満たしてエネルギー充填!(右)
この時間帯であれば、とりあえず日没前には南沢山の登山口に到着できそうですね。 (とはいえ、富士見台から先のルートはほとんど踏まれていないはずなので、楽観は禁物(^^;)
普段は風の強い富士見台の稜線ですが、冬型が緩んで移動性高気圧に覆われた今日は風も弱く、ちょうど日差しも戻ってきて暖かいくらいですね。
お腹もいっぱい、ついでにIさんが持ってきてくれた本格珈琲のおすそ分けで一服して、超満足です…(^^)V
 南アルプスの眺め。青空も見えてきて、日差しが心地良い。

富士見台のピークに向けて出発。
 背後には神坂山から続く自分たちのトレースと南アルプスの絶景。
 雪庇越しに見る富士見台のピーク。
 避雷針ピークとの分岐に向けて登ります。(左) 稜線に出ました。(右)

富士見台のピークまであと少し。
 ここから見る御岳はとっても近くに見える。
エネルギー補給120%で富士見台ピークへ向けてひと登り、尾根に出ると再び御岳、乗鞍などが姿を見せ、眼下には中津川の街や遥かに白山、荒島岳、能郷白山、ちょっと霞んでいますが伊吹山や鈴鹿方面までが望めます。
最後の登りをこなして、富士見台のピークに到着っ!山頂からの遮る物の全くない360度の展望は最高ですね。
 山頂でくつろぐ先行のパーティ。
 去年も同じ写真を撮った気が…(^^;
 これから辿る南沢山へのルート。(去年の横川山はもっと青々としていた)
 清内路の谷を隔てた中央アルプス。
 激しい風に削られて荒々しい西斜面の雪面。(左・右)
これから辿る南沢山へのルートも確認でき、ひとしきり写真撮影の後、南沢山への縦走路へと進みます。 ここから先は、山頂直下に部分的に僅かに一人分のスノーシューの痕跡?(先週の男性かな??)を見ただけで、全く踏み跡のない雪原をルートファインディングしながら進みます。 山頂直下から少し西寄りに下り、北に進路をとる部分が判りにくくて少しルートを外してしまいましたが、本来の登山道が樹林に入る辺りは完全に吹き溜まりになっている状態です。 結局、少し西側の広くなっている部分を通って樹林帯を迂回して進みました。

北への銃走路へダイブします。

樹林帯を避けて一段下の雪原へ。

笹原の中の登山道を見極めて進みます。
 適度にパフパフ、気持ち良い〜。(左) 締まった雪面ではほとんど沈まない場所も油断禁物。(右)

あっ、ミニ笠置山発見!
 笹と雪と風の造形。(左) ここは昨年のほうが荒々しかった。(右)
 けっこう西寄りから回りむルートでした。
 枯れ木のオブジェ。背後は付知方面と阿寺山系。
樹林帯を抜けたところからは昨年の記憶(もう少し積雪は少なかった)と、わずかに笹の出ている部分を頼りにルートを見付けて進むことが出来ました。 この辺り、横川山から見るとずいぶん判り易そうに見えるんですが、実際に歩くとなかなか本来のルートを見付けるのは難しいところですね。(登山道を外れた笹原の中を歩くと下が空洞のところも多くて、踏み抜いて足が抜けなくなっちゃうところも多いので注意が必要ね…) 昨年は天候は良かったものの、激しい風に吹かれたのと、一人でのラッセル、笹原の踏み抜きのトリプルパンチでヘロヘロになってしまいましたが、今年は雪の状態も適度に良く、ルートファインディングも(昨年の学習効果で)良好で、快調に進めます。 横川源流への大下りでも、登山道の痕跡は希薄ですが的確にルートを選んで歩けたかな…って、自画自賛(^^)V。
横川源流部の樹林帯に入ると雪の量も一気に増え、昨年以上に急斜面をトラバースする部分が多くありましたが、沢筋に滑り落ちないように慎重に通過します。(こういう時も、ライトニングアッセントのグリップ力が活きました。)

登山道を歩けば踏み抜きもありません。(左) 横川源流へ下ります。(右)

沢の源頭部は急斜面のトラバース。(左) 見た目よりもずっと急な斜面なんですよ(^^;。(右)
 所々で膝上の新雪にアへ〜。(左) Iさんのパワフルなラッセル。(右)
 尾根道を辿ります。(左) さっき越えてきた横川の源流部。(右)

小さなコブは多数。(左) 尾根の雪はそれほど深くなくて快適。(右)
 1578mピークを越える。右端が横川山。
大下りと横川源流を過ぎた先の尾根に出たところの最低鞍部で小休止、ここからはもう一つのピーク(1578mピーク)を超えてその先ちょっと下り(^^;横川山への登りに取り付くことになります。 手前で横川山への登りを見上げるとけっこうな標高差があって、ここまでで疲れた体(と心)にもちょっと堪えるな〜。
 吹き溜まった雪の鞍部を越えるすがぴさん。
 コブを巻いて横川山手前の鞍部へ。(左) いよいよ横川山に取り付きます。(右)
少し西に傾いた日差しを背に最後の登りをこなし、予想通り大きく吹き溜まった雪のコブや雪庇を超えたり巻いたりして横川山に到着っ!!はぁ〜、疲れたっ!!!!
 手前の雪庇を巻いて山頂へ。(左) 横川山に到着っ!!(右)
 先週も来ましたが、何度来てもいいね〜横川山。

中央アルプスとまだこれから辿るルートを望む…

山頂の雪庇越しに富士見台と恵那山。

上から覗くと崩れ落ちた雪庇の残骸が。
 色々なアングルで(^^)
 降雪直後に比べると張り出しは小さめです。
 雪庇の残骸と富士見台。(左) 東の横川峠への尾根と横川の集落。(右)
山頂での写真撮影にも励み、あとはここから先、勝手知ったる(先週も来たし)道ですから、寄り道せずに巻き巻きで下ります。 先週よりも新雪が増えていますが、登山道はよく踏まれている様子です。 今日はスノーシューツアーの団体さんもあったのか、南沢山から先では登山道は「ボブスレーコース」状態になっていました。 でも、トレースと両脇の段差がすごく大きくなっていて、ストックが使い辛い…。
 南沢山で、これまで辿った山々にお別れ。(左) 登山口に到着っ!(右)
結局、登山口までスノーシューで下って、たった1台になったエブリちゃんの兄弟(Iさんの愛車)とやっとご対面。 雪を払って登山靴のまま乗っけてもらって(Iさんはちゃんと運動靴に履き替えてます)ヘブンスそのはらのゴンドラ乗り場へ向かいました。
ゴンドラ乗り場駐車場でエブリちゃんを回収し、今回は時間も遅めですが、いつもの「阿智の里 ひるがみ」で入浴して疲れを取って帰りの運転と明日のお仕事(?)に備えます。
今回は、3人パーティでの行動だったことで体力的にも余裕があり、昨年の教訓を生かした行動が出来たため時間のロスも少なく、予定通り縦走できました。
普段は単独の多いishidaですが、仲間のいる登山もいいですね。すがぴさん、Iさんどうもありがとうございました。
------------------------------- 今回の行程 --------------------------------
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5:20 自宅発〜(すがぴ家・買出し)〜7:30 ふるさと村自然園登山口 7:50〜8:25
ヘブンスそのはら駐車場
ゴンドラ発 9:10〜9:20 山頂駅・パトロール窓口〜9:40
ゲレンデトップ 9:55--10:46 神坂峠 --
--11:00 萬岳荘 --11:25 神坂山 11:35 --12:00 神坂小屋分岐大休止・昼食 12:40--
--12:58 富士見台ピーク 13:07--15:53 横川源流 --14:20 1578mピーク --15:00 横川山
15:10--
--15:35 南沢山--17:04
ふるさと村自然園登山口
登山口 17:30〜18:00 ヘブンスそのはら駐車場18:15〜18:25 阿智の里ひるがみ 19:00〜(すがぴ家)
〜21:20
自宅(走行距離 281km) |