薬師岳への登りから見た砂払岳の眺めも大好きです。
高度が変わると砂払岳の眺めも刻々と変化します。
薬師岳山頂から見た北岳と間ノ岳(左) 南アルプスの両巨峰をバックにセルフ撮影(右)
花崗岩と砂、ハイマツに雪がミックスされた薬師岳の景観は大好きです。 ここからはなだらかな尾根をたどり、観音岳へと向かいます。 稜線は東側に多く雪が付いていて、西側は風のせいでしょうか?ほとんど雪が無い状態です。
観音岳の頂上は岩が積み重なったピークで、山頂からは360°遮る物のない展望が開けます。 やや靄がかかっているとはいえ、富士山や毛無山、南アルプス北部の峰々だけでなく塩見岳や上河内岳、笊ヶ岳、安部奥の山々、中央アルプス、御岳、乗鞍から北アルプス、八ヶ岳と浅間山、奥秩父まで見えました。 また、鳳凰三山の北端にある地蔵岳のオベリスクもここまで来ないと見えません。
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薬師岳から見た観音岳(左) 薬師の東ピークを振り返る(右)
釜無川の地溝帯を挟んで奥秩父の金峰山、甲武信ヶ岳などが見えます。
雪庇というほどではありませんが、独特の積雪です。
観音岳山頂手前から見る八ヶ岳(左) アカヌケ沢ノ頭の向こうに甲斐駒ケ岳(右)
甲斐駒ヶ岳をちょっとアップに。
観音岳山頂で今日は北岳を抜いて日本第二位の男?(左) 薬師岳の向こうに富士山(右)
ここで昨夜薬師小屋に泊まった方の話を聞くと、宿泊者は10人も居なかったとのことでした。 もともとテント泊が前提なので、これまでは薬師小屋には泊まったことがありません。 普段利用するのは鳳凰小屋か南御室小屋(テント場はこの2箇所)ばかりなのですが、小屋泊まりなら泊まってみたい抜群のロケーションですね。 山頂で十分展望を楽しんだ後、今度は地蔵岳を正面に見る「アカヌケ沢ノ頭」へ向かいます。 観音岳とアカヌケ沢ノ頭との間には大きく下る鞍部があって、勿体無いだけでなく全体に斜度がきつく、特に最下部は急斜面になっているために敬遠する方も多いようです。 観音岳山頂で会った薬師小屋泊まりの方たちも、山頂から小屋へ戻ってしまいました。 |
北岳の大樺沢の雪は少なめ(左) まだまだ時間帯が早いのでアイゼンも効きやすい(右)
観音岳から鞍部へ下る。アカヌケ沢の頭の向こうに甲斐駒ヶ岳
1週間前の降雪で雪の表面は綺麗です(左) 表面は薄いクラスト層(右)
鳳凰小屋分岐から観音岳北面。太陽に照らされて表面の氷の層が光っています。
最低鞍部手前の急斜面(左) 最低鞍部を過ぎて登りに掛かったところから観音岳(右)
稜線の東側と北側の斜面は雪の量も多くて、鞍部への下りは北斜面となるので雪面も固く締まっているためアイゼンも効きやすい状態でした。 正面に見えるアカヌケ沢ノ頭の南斜面には雪はほとんどなく、風化した花崗岩が独特の縦縞模様を見せています。 最低鞍部の手前に鳳凰小屋への下山路を分け、最後の急斜面を下ると最低鞍部です。 そこから砂と岩の多い斜面を登ると、やせた尾根の頂上が「アカヌケ沢ノ頭」です。 |
花崗岩の岩塔の間を縫って登ります(左) 斜面の向こうに地蔵岳のオベリスクが見えます(右)
いよいよアカヌケ沢ノ頭も目前(左) 雪庇越しに観音岳を振り返る(右)
アカヌケ沢ノ頭から地蔵岳。左は八ヶ岳、右は奥秩父の山々。
正面に賽の河原と呼ばれる砂地をはさんで地蔵岳のオベリスクが聳え立ちます。 背後には釜無川の谷を挟んで左に八ヶ岳、右に奥秩父の金峰山や甲武信ヶ岳が見えます。 ここからの地蔵岳の眺めもとても好きです。(実は地蔵岳のオベリスクには登ったことがありません) ここから賽の河原方面に下り、途中からちょっとズルをして観音岳との鞍部のほうへトラバースして戻りました。 しかし、すでに気温の上昇で緩み始めた雪面のトラバースは思ったよりもグリップが効かず、ちょっと歩きにくい状態になっていました。 最低鞍部に戻り、再び観音岳への登りの途中で携帯電話の電波状態を確認するためオフラインモードを解除すると、アンテナが3本立ちました。 ここから奥さんにメールと今年から甲府在住の長女に電話しました。 メール中に背後から下ってくる足音に振り向くと、昨日来お世話になっているMさんでした。 Mさんはこの後、南御室でもう1泊されるそうなのでこれまでのお礼も込めてご挨拶してお別れします。 ここで暫く休憩後、もうひと頑張りして観音岳の山頂を越えます。 |
岩塔越しに北岳(左) やれやれ、もう一度観音岳に登り返します(右)
登りの北斜面は日照角度が浅いので十分雪は締まっていますが、斜度の小さいところや南斜面はかなり緩んで歩きにくくなってしまいました。 観音岳から薬師岳の辺りからは登ってくる登山者も多く見掛けるようになりました。 今朝は行動開始が早かったこともあり、すれ違う登山者も少なくて静かな稜線歩きができた気がしますね。 |
薬師岳の東ピークの向こうの空に飛行機雲。
砂払岳から薬師岳を振り返る。朝とはまた違った眺めです。
砂払岳のピークで大休止、アイゼンを外して軽く食事にします。 太陽の位置が高くなってきたため、朝とはまた違った風景も楽しめます。 岩の上に寝転がってのんびりすると、お昼寝したいくらいのいい気持ち。 お腹も具合良くなったところで、アイゼンは手にぶら下げて下山開始します。 樹林帯の下では緩んだ雪で少し歩きにくい状態です。 樹林帯の最後の急な下りを終え、ちょうどお昼頃にテント場に到着しました。 結露していたテント内部もしっかり乾燥し、エアーキャップのお陰でテント自体は乾燥しているため撤収は楽チンです。 逆にシュラフはしっかりロフトが回復しすぎて、ザックが大きくなってしまいました。 |
荷物を撤収して南御室小屋をあとにします(左) 苺平に向けてのだらだら登り(右)
帰路は南御室小屋から苺平まで、歩き易い道をだらだらと登ります。 苺平から山火事跡を過ぎ、再び西側斜面の樹林帯に入ると凍結路面が現れます。 杖立峠手前の歩きにくい凍結した登りを過ぎたら杖立峠に到着です。歩きにくくて気をつかったせいか、ちょっとお疲れ気味。 それにしても、昨日に比べて登ってくる人の多さに驚きです。 予想通り、連休本番は登山者も多いなということで、やはりちょっと無理を言って1日早く来て正解でした。(趣味優先ですみません…)
山火事跡から、午後の日差しの白峰三山(左) 足元の悪い中、やっと杖立峠に到着(右)
しかし、杖立峠で午後2時30分をまわったくらいですが、更に午後3時になっても南御室に向かう人たちとすれ違いました。 ちょっと行動時間遅すぎでは?と、他人事ながら心配に。 途中で会った単独行の男性とお喋りしながら下って、夜叉神峠手前の最後の(気分悪い)登りを越えると、夜叉神峠小屋前に到着です。 そろそろ下山時刻も確定するので娘に電話しようとしたら、ここも携帯は圏外でした。 ちょっと休憩後、男性と別れて登山口へと向かいます。 下りに入ると何となく林道歩きのように硬い地面にちょっと辟易。そのうえ、何となく左足(靴)に違和感があります。 途中、下のほうに駐車場が見えますが、見えるとかえって遠く感じてしまいますね。 午後4時20分、やっと駐車場に到着です。
さっさと身支度を整え、下界に向かいます。途中で娘に電話し、晩飯の約束をして甲府の街を目指しました。 娘と食事後の帰路、西富士道路経由で富士ICから東名高速に乗ろうと思ったら、渋滞の表示がぞろぞろ…やはり連休と高速道路1000円の効果か? 結局高速に乗るのを止めて、国道1号線を使って豊橋まで帰ってしまいました。
ちなみに、帰宅後に登山靴のお手入れをしていたら、左足だけ土踏まずの前でよく曲がります。 左のシャンク(靴底が曲がらないように補強する板。この靴は樹脂?)が割れているようでした。 せっかくモンタニアでチューニングしてもらって調子良くなったのに…(ToT)
---------------------二日間の行程------------------------
5月1日(金) 自宅3:25−4:10東名浜松IC−5:10富士IC−5:55精進口6:00−6:25甲府昭和IC付近−7:10夜叉神峠登山口
夜叉神峠登山口8:00〜8:55夜叉神峠小屋9:00〜10:10杖立峠10:25〜11:10山火事跡11:25〜12:15苺平12:35〜12:50辻山14:00〜14:25南御室小屋(テント泊)
5月2日(土) 南御室小屋4:30〜5:55砂払岳6:00〜6:15薬師岳6:25〜7:10観音岳7:25〜8:05最低鞍部〜8:30アカヌケ沢ノ頭〜8:50最低鞍部9:15〜10:05観音岳〜10:35薬師岳10:40〜10:50砂払岳11:10〜11:45南御室小屋12:55〜13:25苺平〜14:00山火事跡〜14:35杖立峠14:50〜15:40夜叉神峠小屋〜16:20夜叉神峠登山口
夜叉神峠登山口16:40−16:50ループ橋17:00−17:30甲府市内18:45−19:00曽根丘陵前(給油・買い物)19:20−20:25富士IC−20:35道の駅富士20:45−(国道1号線バイパス)−浜松−23:05自宅
カシミールで撮影した鳥瞰図(クリックで拡大画像を表示)
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