ishida式の屋久島の旅 - 宮之浦岳〜永田岳縦走編A
2009年9月19日(土)〜30日(水) 9月26日(土) 宮之浦岳〜永田岳縦走の後半は花山歩道。
9月26日(土) 鹿ノ沢小屋--永田岳(往復)--鹿ノ沢--花山歩道--林道登山口--県道・大川の滝(バス)安房 早朝、再び永田岳を登り返して淀川登山口に戻る地元の三人連れパーティーが出発後、自分も後を追うようにと軽い朝食をとっていると、おばさんたちは「私らも花山歩道に下ることにします。」と宣言。 昨日から根掘り葉掘り聞かれたが、本当に計画を安易に変更して大丈夫なの?と心配に。とはいえ、地図は持っているし、登山経験も30年以上あるということなので、こちらの知っている情報はバスの時間含めて説明。無事を祈る(^^; その後、一眼レフやシュラフ・マット以外は持参するためパッキングし、日の出前に永田岳往復に向かって登ります。 (昨日の天気がどうしても満足できなかったので(^^ゞ) 天候は晴れ、日の出の時間には間に合いませんが、徐々に明けてゆく空と朝もやにかかる「影永田岳」も見られてちょっと嬉しい。 先行パーティが手を振って励ましてくれたお陰で楽しく永田岳に到着。 (彼&彼女たちがいなかったら、多分もう一度永田岳の往復は考えなかったと思うので、感謝感激です。) 山頂からの朝日に輝く風景は最高! 永田の祠の位置を教えてもらったら、大岩の下に大空間の岩屋が広がっていてびっくり。祠は永田の集落を見下ろして鎮座しています。 手前は大きく垂直に切れ落ちた断崖と深い谷が続きます。地図によると、この辺りの谷をを「神様のクボ」と呼ぶようですが、まさに神が宿りそうな光景です。 そろそろ永田岳ともさよなら。 もう一度三人の方にお礼を言って別れ、鹿ノ沢へ向けて三度目のダイブ。 ちゃんとした朝ごはんを食べ、室内の掃除を済ませて小屋を後にしたのは9時過ぎで、ちょっと遅すぎ?(山頂で遊びすぎ)。 窪地になった鹿ノ沢からは15分ほどの登りで花山歩道の尾根に出ます。 ここからは時折り南の方向に展望が開けますが、ほとんどは樹林の中になります。 いよいよ次のハイライト、「原生自然環境保全地域」の周縁部を通る山道となります。 ピンクテープはしっかり付いていますが、踏み跡は思った以上に薄く、経験の浅い登山者には絶対お勧めしないコースです。また、展望の開ける場所や明確なピークがないため、地形図上で自分の位置を把握するのも困難です。 しかし、杉に限らず、他の観光コースなら名前が付きそうな巨樹が至る所に群生し、さながら「巨人の森」の様相で、素晴らしい景観が楽しめます。 また、ほとんど海岸線までの下りとなるため、亜高山帯から暖地性の照葉樹林までの植生の移り変わりが感じられます。 暫くは深い森の中を進みますが、周囲はますます巨木が多く、まさに巨人の森に迷い込んだかのような錯覚すら覚えます。 「木の種類は知らなくても、すぐにわかりますよ。」と言われたとおり、「ハリギリの巨木」は圧倒的な存在感で出迎えてくれました。 花山広場に出ると、水場を示すピンクテープにしたがって意図せず水場に降りてしまいました。 三人の方に聞いたときには、花山広場の水場(綺麗でお勧め)というのはコースから少し外れたところだと聞いたのになんで水場に出ちゃったのか暫し??? 真面目に戻って見回すと、ちゃんと正しい方向にピンクテープがありました。 花山広場を過ぎてから栗生の集落が見える「カスミ谷展望台(表示なし)」までの間は現在位置がはっきりと判らないため終点への到達予想時刻が判断しにくい状況です。 15:15のバスに乗るためには13:00頃には林道に出たいところです。 そのくせ「お、ザトウムシ発見!」とかいって撮影にいそしんだりして…これでバスに乗り遅れたら後悔しそう。 高度を下げるに従って、周辺の植生は、何となく自宅周辺の海岸沿いの照葉樹林にそっくりとなってきましたね。周辺ではツクツクボウシの鳴き声も聞こえます。 亜熱帯のイメージ通りの木性シダ「ヒカゲヘゴ」。(左) こちらも代表選手の「クワズイモ」。(右) 途中で地図を確認すると、どうやら余裕で一安心。結局途中でおばさん達(聞くと、1時間半ほど先に出発していたらしい)に追いつき追い越して、40分以上バスを待つほどの余裕でした(^^) のんびりバスに揺られて安房へ戻りました。 余裕で県道へ。大川の滝バス停へ。(左) 人工皮膚(^^)の下に水脹れが。(右) 宿に戻り、夕方外でK氏と電話していると、なんと鹿児島に渡ったはずのT君が登場。 どうせ一泊するなら、鹿児島ではなくてこっちの宿のほうが楽しいに決まってるということで舞い戻ったそうです。 レンタカーも借りているそうなので、明日の朝まで延長してもらって(^^;みんなの足として調達。総勢7人で深夜の永田いなか浜へウミガメウォッチング。 (そこでの思い出はみんなの胸の中にしっかり刻まれてるはず) --------------------------当日の行程-------------------------- 鹿ノ沢避難小屋5:45--6:35永田岳7:20--8:00小避難小屋9:10--10:00大石展望台 --10:30ハリギリの巨木--11:05花山広場11:15--13:05カスミ谷展望台--13:20林道 --14:25県道--14:35大川の滝バス停15:15-(バス)-16:15安房
まだ日の出前、白み始めた西の空。
東の稜線上の雲に朝日が。朝焼けの空にローソク岩のシルエット。
日の出とともに西の海面には「影永田岳」が現れる。
山頂付近で朝食中のヤクシカ。
朝日に輝く山頂エリア。
朝日を浴びながら山頂に立ちました。
東側から見た山頂の大岩。(左) 大ギャップから見た永田の海岸。(右)
宮之浦岳から高塚山に続く稜線。
雲海の向こうに愛子岳(左側)。
岩の上に怪人登場?影絵で遊ぶ三人。
山頂から西を望む。笹と岩のコントラストがまぶしい。(左)
大岩下の空洞に永田集落の嶽信仰の祠。(左) 祠から永田集落を望む。(右)
日も高くなりました。(左) 鹿ノ沢避難小屋に戻り、本格的朝食。(右)
永田岳を宮之浦岳から見たときの概念図(9/22撮影の写真)
「原生自然環境保全地域」の表示。(左) 一箇所だけ宮之浦岳が見える。(右)
尾根に立つ白骨樹。(左) 様々な姿の巨樹が現れます。(右)
数少ないランドマーク「大石展望台」(表示は無いです)。(左) 原生自然環境保全地域を望む。(右)
巨樹の群れ。(左) せめぎあう杉とヤマグルマ(?)。(右)
樹種は詳しくなくてもすぐ判る「ハリギリの巨木」。
周辺はまるで「巨人の森」。
根際を接した異なる木が異様な樹形を呈します。(左・右)
花山広場から。(左) 脇道に入ったところの綺麗な水場。(右)
水場の倒木を覆う苔。(左) たまには登場。一眼レフはずっとザックの中(^^;(右)
カスミ谷展望台から栗生の集落が左端に見える。(左) オオタニワタリが現れ亜熱帯に。(右)
しかし、あせる気持ちとは裏腹に林道に出たのが13:15で、その後2時間の林道歩きを考えてかなり巻き巻きで下ります。(そのうえ、下山方向が登りになっているため方向を勘違いして10分ほどロス(^^;)。
しかし、長時間の歩行でこれまでもイマイチだった右足の拇指球の内側がかなりやられてしまいました(>o<)縄文杉トレッキングのトロッコ軌道歩きを考慮して、今回はクッション性の良い中敷きに変えたのが失敗だったようで、中敷きと靴の境い目に段差が出来てしまったのが敗因のようです。
海へ帰った赤ちゃん。30年後にはきっと帰ってきてね。(左) 孵化後の産卵床。(右)