今回は鹿児島から予約でAM5:00に頼んでおいたタクシーで淀川登山口へ向かいます。
途中、一軒屋さんが予約しておいてくれたお弁当(朝・昼)を受け取りながら淀川登山口を目指します。
淀川登山口では、連休のためか既に駐車場が一杯で、Uターンして路駐が始まっている状況です。朝食後にトイレを済ませ、念のため「携帯トイレ」(連休中のみ販売・登山口に回収ブースが設置されている)を購入。
登山口から淀川小屋までは小アップダウンが続きます。早朝の雨でしっとり濡れた森に朝日が輝きます。

登山口から出発!後ろは携帯トイレ回収箱。

すっくと立つ大木がお出迎え。(左) 奇怪な樹形の木。(右)
淀川小屋はログハウス風の大きな避難小屋ですが、周辺が湿り気の多い土地のためか何となく暗くてじめじめした印象です。(内部は清潔だが、利用者はかなり多いようです。)
休憩を兼ねて美しいと噂の淀川の流れを見に行きます。
確かに噂に違わぬ美しさで、心が洗われた?

立派な造りの淀川避難小屋。

心洗われる淀川の流れ。
淀川小屋から先、登りにかかると林相は更に豊かで見応えがあります。

大きいながらも若いエネルギーを感じる杉。(左) ツガの枯れ木に別の命が宿る。(右)

大きく躍動する生命。

たおやかな高盤岳の全容。
道は尾根に向かって登りとなり、稜線に出ると左手に「高盤岳」が見え始め、山頂の「トーフ岩」が奇観を呈しています。
本当に豆腐を包丁で切ったみたいに並んでいますね。

高盤岳山頂の奇岩「トーフ岩」。(左) 周辺の山にも奇岩が多い。(右)
小ピークに達すると、展望地への枝道が右手に現れます。展望地からはこれから進む方向にそびえる「黒味岳」が綺麗に見えます。
そこから少し下ると「小花之江河」、更に先には「花之江河」の二つの(南限の)高層湿原が待っています。

黒味岳(最高点は左側)。

小花之江河。(左) 小花之江河の白骨樹(まだ生きてる)。(右)

花之江河から見る黒味岳。(左) 人間の思惑とは関係なく湿原の草を食むヤクシカ。(右)

花之江河には小さな池溏もある。(右・左)
ただ、どちらの湿原でもヤクシカが湿原の植物を芝刈り機のように食べてしまっています。かつて木道が整備される前は登山者の踏みつけによる荒廃が心配されていましたが、現在は鹿による選択圧が植生に大きな影響をあたえているようです。
(鹿に罪はありませんが、何だか複雑な気持ち。)
花之江河から先、道は黒味岳の東を巻くようになり、黒味岳への登山路を分けた後、暫く行くと一旦急な岩場(ロープ有り)を下り、更に一枚岩の窪みを登って投石湿原に至り、もう暫くの登りで「投石平」に出ます。
前方に「投石岳」、振り返ると「黒味岳」が雄大に見えます。
平らな大岩が点在していてちょうど良い休憩地点ですが、黒味岳と投石岳に挟まれた鞍部を風が吹き抜ける地形のためか、ここだけ非常に風が強くて困ってしまうくらいです。
大岩の上には数個の丸い穴が開いた場所があります。これは何?人為的なものか、それとも落雷などによって穿たれたものでしょうか?(いくら広い場所の真ん中とはいえ、両側に山もあるし、落雷というのも変?)

投石平の大岩から投石岳。

大岩の上の丸い窪み。(左) 投石平の先、ビバークに使えそうな投石岩屋の大岩。(右)
投石岳の左にはいよいよ「宮之浦岳」と「永田岳」が見え、ここからは初めて海も見えます。
登山道は投石平から先は斜面を巻くように進み、直接ピークを踏むことなく「宮之浦岳」の方向へ進みます。

振り返って見た投石平と黒味岳。
途中の稜線には小湿原も見られ、笹原の中の大岩と合わせて独特の景観を見せます。

小楊子山、永田岳、宮之浦岳。

前方に姿を現した安房岳。


周辺には大岩がゴロゴロ。(左) 奇岩の連なりに見飽きません。(右)

いよいよ宮之浦岳への登路が見えてくる。

稜線に見られる小湿原。(左) 綺麗な水をたたえた泉。(右)

翁岳と栗生岳の鞍部から翁岳を振り返る。

登りにかかると翁岳らしい姿を見せます。(左) 尾根の向こうは海。種子島が見えます。(右)

本当に見飽きません。(^^)
翁岳の脇を巻いて登りに差し掛かって後ろを振り返ると、翁岳がやっとそれらしい独特の姿を見せています。

巨岩を縫って上ります。

栗生岳のピークへ。(今日最初のピーク)

栗生岳を越えて最後の登りにかかります。

もう山頂目前。(左) 自然に笑みがこぼれます?(右)

ついに来ました憧れの宮之浦岳山頂。
最後に「栗生岳」のピークや偽ピークをやり過ごせば、九州最高峰「宮之浦岳」の山頂です。
山頂からは正面に「永田岳」が雄大な姿を見せます。しかし、次回「宮之浦岳」から「永田岳」へと縦走する際には、両ピークの間の鞍部はかなりの標高差を登下降しないといけないということも実感しました。

宮之浦岳山頂からの永田岳。次回はここを登り返すの…

永田岳、素晴らしい山容です。

初めは硫黄島と思っていたトカラ列島がうっすら。

こちらが硫黄島。
宮之浦岳山頂でのんびり昼食をとり、その後は往路を戻ります。
翁岳を過ぎて振り返ると、午後の雲が「宮之浦岳」山頂を隠していました。


ガスに霞む翁岳。(左) 同じく安房岳。(右)
行程的には予想通りの時間に戻れそうなので、一安心。
しかし、ぼんやりしていて花之江河の木道の隙間に右足を落として深い水溜りの中にドボン!スパッツと防水のお陰で大事には至りませんでしたが、湿原に対しての申し訳なさと恥ずかしさ、ついでにぶつけた膝の痛みで顔が赤くなった(^^;
最近、こういうミスが多い気がするのはやはり脳細胞の減少が原因か?

帰り道、再び清冽な淀川の流れで心を洗います。(左・右)
淀川小屋手前の淀川でもう一度(心を)洗って帰ります。
16:00に登山口に戻ると、もう予約していた朝のタクシー運転手さんが待ってくれていて、すぐに下山できました。
往復のタクシーの運転手さんは、子供の頃に兄弟の手伝いで夏休み中はずっと小杉谷で過ごしていたそうで、自然や生き物などにも詳しくて道中とても話が盛り上がりました。
一軒屋さんに戻った後は、明日はもうここをチェックアウトすることになるので、入浴後に荷物の片付けや荷造り。ついでにレンタカーの手配も…と思ったのですが、いろいろ電話しても一杯のようです。ここは困った時の「観光案内所」。電話でお願いしたら、早速見付けてもらえました。やっぱり「使える」観光案内所ですね(^^)
レンタカー受け取り後、ずっと行きたかった近所の「みち草」でお食事。
期待の「黒豚とんかつ定食」は皆既日食の騒ぎの後、問屋さんの事情で入らなくなってしまったとかで、普通の鹿児島産の豚肉を使った「とんかつ定食」になっていた。
しかし、お店のご主人の請け合った通り、めちゃくちゃ美味かった。
おまけに生姜焼きまでついてボリューム満点!で、お値段も\1600とリーズナブル。
今回の旅では何でもかんでも大当たり、(霧島温泉での日帰り温泉以外は)ハズレは無しですね。