ishida式の屋久島の旅 - 縄文杉トレッキング
2009年9月19日(土)〜30日(水) 9月21日はいよいよ縄文杉へ

9月21日(月)
一軒屋(タクシー)荒川登山口--トロッコ終点--縄文杉

--トロッコ終点--荒川登山口(シャトルバス)--屋久杉自然館(タクシー)--一軒屋

前日のうちに準備を済ませておき、AM3:30起床、時間通りAM4:00に頼んでおいたタクシーが到着、空にはオリオン座がすごく綺麗に見えます。タクシーで荒川登山口へ向かうと、早すぎて?荒川三叉路のゲートが開いていなかった。
(予定ではAM4:00に開くはず。ちょっと遅れて軽トラが登場、おばさんが「ごめんねー」と言いながら鍵を開けてくれました。)
おかげで荒川登山口に一等賞で到着。そそくさと出発し、ヘッドランプの明かりを頼りにトロッコ軌道を進みます。

 

早速暗闇の中に、野生動物のものらしき光る二つの点が動いています。予想通り、正体はオスのヤクシカでした。

 

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トロッコのお家を右手に見て出発!(左) もちろんヘッドライトの明りだけが頼り。(右)

 

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暗闇に光る二つの点はヤクシカの目。(左) 小杉谷集落跡。(右)

 

途中でいくつかの鉄橋を渡りますが、中には手摺りの無い場所もあり、ライトで下を照らすとずっと下のほうに川が見えて迫力あります(^^;

軌道の分岐の先で長い橋を渡ると「小杉谷集落跡」に到着です。この時点ではまだ空はやっと少し白み始めた状態で、道はまだ真っ暗。

 

もう暫く進んで、空が明るくなり始めた頃に「楠川別れ」(白谷雲水峡への分岐)を通過、再び橋を渡った先で軌道が分岐している場所に到着すると、なんと休憩している2人連れの先行者に会いました。聞くと、白谷雲水峡から辻峠を越えてきて、新高塚小屋方面へ縦走するそうです。

だいぶ明るくなってきたので、自分たちもここで休憩&朝食時間とします。

その間に、再び後方から4人連れのパーティー他数人が通過していきました。

 

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橋の先で軌道が分岐している所で朝食。(左) 谷が明るくなってきました。(右)

 

休憩地点から暫く進むと右手にトイレが出現。ちょうど良いタイミングなので用を足しておくことにします。

すると、後方から賑やかな大学生くらいの10人ほどの若者の集団がやってきました。

聞くとバスでやってきたそうなので、シャトルバス利用者の先頭が既に到達ということですね。

その後先行したものの、トロッコ道でスピードの上がらないおじさん二人はいつの間にか後方から来た若者たちに追い付かれて途中で抜かれてしまいました。

 

暫く進むと、左手の山の間から朝日に輝く翁岳が見えました。

そこから暫くで、トロッコ軌道の終点に到着です。

 

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朝日に輝く翁岳(左側)。宮之浦岳は右奥に隠れている。

 

少し休憩して、今度は「大株歩道」の登りにかかります。ここからは「登山道」の様相を呈してきますが、一般人も歩き易くかつ山肌にダメージを与えない配慮から、多くは木道になっていますので歩きにくい場所はありません。

しかし、周囲の雰囲気は急に山深い印象となり、翁杉など名前付きの屋久杉が現れます。

大株歩道に入って20分ほどで周囲に背の高い杉を従えたウィルソン株に到着です。

前を歩いていた若者集団と一緒になって株の内部で天頂がハートに見えるポイントを探してワイワイガヤガヤ。

 

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木の階段を登るとウィルソン株が現れました。(左) 内部は大変広い。(右)

 

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皆が写真に撮りたがる例のやつ…若者たちに場所を教えてあげました(^^)。


トロッコ道では後方を若者に脅かされたが、大株歩道からの登山道では「山男」の本領発揮?ウィルソン株以降では先行して引き離しちゃいます。

この辺りの登山道の周囲には様々な姿の大木が異様な樹形を見せます。

 

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木肌の美しいヒメシャラの大木。(左) 縄文杉発見以前はNo.1だった「大王杉」。(右)

 

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杉とヤマグルマの生存競争。(左) あちこちに巨木が現れます。(右)

 

この辺りから、昨日小屋泊まりだったと思しきパーティーが下山してくるのとすれ違います。
途中、大王杉前では記念撮影の順番待ちが…一応並んで他の方たちと写真の撮りっこ。

その後、縄文杉の手前では(朝食中に先行して行った)往復して下山してくるパーティと初めて遭遇。聞くと、縄文杉前はまだまだ空いてるそうです。

 

で、いよいよ待望の縄文杉に到着。やっぱりでかいっっっ!!

保護のため縄文杉に直接触れることは出来ませんが、昔の写真で見たイメージと違って周囲が切り開かれてしまった姿は、やや痛々しさを感じます。

世界遺産登録当時、観光客の利便を図るため?周囲の木を伐採してしまったためにかえって縄文杉にダメージを与えることになってしまったようです。(根回り周辺の踏み付けや、手の届く範囲の樹皮が剥がされてしまったりといった直接の被害も報道されていた記憶があります。)

現在は手前のデッキから眺めるようになっていて、根の周囲には表土流出を防ぐための植樹や粗朶組みがされています。

 

縄文杉を含め、異様な姿をした屋久杉の巨木は、利用価値が少ないために江戸時代に伐採を免れたものだそうです。ウィルソン株の屋久杉は真っ直ぐだったため用材として伐採され、株の周囲の杉はその後に生育したものとのこと。

まだまだ人の少ない縄文杉では写真も撮り放題ですが、ワイドレンズでも全貌は写すことが出来ません。


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これが縄文杉です。(写真2枚を合成しています)

 

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縄文杉に着生する多数の植物。(左) 上部はまるで違う植物?(右)

 

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ちょっと脇からあまり見ないアングルで(^^)

 

縄文杉を見た後は、ついでに高塚小屋(避難小屋)も偵察しに行きました。

縄文杉と小屋との中間には休憩用の東屋もありましたので、お食事や休憩はこちらでどうぞということでしょうね。
高塚小屋のキャパシティは20人くらいでしょうか、思ったより清潔(失礼)な印象です。

また、周囲にはヒメシャラの木が多く、独特の景観です。

 

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小屋の周囲はヒメシャラが多く、独特の景観(右・左とも)

 

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高塚小屋。(左) 本当に様々な樹相が見られて飽きません。(右)


下山にかかると、いよいよ団体さんとのすれ違いが多くなり、道を譲るのに時間がかかります。
連休のため、特に人出が多いようで、ひどい時には全く進めない状況。
登ってきたガイドさんの勧めで、途中から「自然観察路」にエスケープ。それにしても自然観察路、めっちゃ自然…踏み跡薄いです。(ピンクテープは付いている)
お陰でウィルソン株まではすれ違いなく進むことが出来ました。

 

ウィルソン株前では株の内部に入りたい人が長蛇の列。そのうえ、階段を上り切って現れたウィルソン株を見てみんなが立ち止まるため、後続が大渋滞。私らも下れない。

何度も「後ろがつかえてるので前へ進んでくださ〜い。」と声を掛け、やっと通過(^^;

真っ盛りの時間に到着してウィルソン株を見たい人は、出来るだけ帰りに見たほうが良いのではないでしょうか?

 

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帰りに大王杉をもう一度。(左) トロッコ終点に到着。(右)

 

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屋久杉の切り株から再生しつつある森(左)


まだお昼前なので、淡々と荒川登山口を目指して歩きます。

しかし、若いパワーってすごいですね。帰りのトロッコ道を走っている若い人の多さにびっくり。おじさんたちはマイペースで…

 

途中、往路で疑問に思った「近道」を通ってショートカット、先行していたさっきの若者たちを抜いてびっくりさせて遊びつつ、概ね予定通り13:20に登山口に到着です。13:30のシャトルバスに間に合いました。

 

屋久杉自然館からタクシーで一軒屋さんまで戻り、遅めの昼食をとりました(携帯していた行動食を食べただけですが)。

 

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小杉谷の橋を渡ればもうすぐ登山口。(左) 高所恐怖症の方は注意。(右)

 

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下山後、安房から眺める前岳。縄文杉は左奥方向。


今回は下りに時間がかかったため、食事時間含めて予想よりも時間がかかった気がしますが、合計8時間30分の行動時間でした。

 

--------------------------------今回の行程--------------------------------

 

荒川登山口4:50--小杉谷集落跡5:30--6:05軌道分岐(朝食)6:25--7:25軌道終点7:35--

 

--7:55ウィルソン株8:00--8:30大王杉8:35--9:00縄文杉9:15--9:20高塚小屋9:25--

 

--9:30縄文杉--10:50ウィルソン株--11:10軌道終点11:20--12:40小杉谷集落跡12:45--

 

--13:20荒川登山口

 

明るいうちにお風呂やお洗濯なども済ませておき、夜は安房の街中まで出掛けて「萬来軒」で中華料理を食す。
ボリューム満点で餃子も美味しくて満足(^^)

 

明日の「宮之浦岳登山」に備えて早めに床につきます。

 

屋久島の旅-9/22(宮之浦岳登山)