サキシマキノボリトカゲ

爬虫網 トカゲ目 キノボリトカゲ科  体長約250mm

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木の幹にこのように止まっていることも多い。

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見付けた中では最も鮮やかな緑色だった個体。

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これは西表島の遊歩道脇で見た個体。壁の色に合わせて体色が茶褐色に変化している(?)

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左がオスで右がメス?特にメスは首の後ろの鋸歯状の鱗は目立たない。

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喉袋を広げて警戒ポーズ?のオス個体。

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ナイトツアーで見かけた、脱皮途中の個体。

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枝と一体化して就寝中の小型個体。眼を閉じているところがなんだか可愛い。

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シダの上でお眠み中。お腹が膨らんでいるのは産卵間近なんでしょうか?蚊が3匹とまって吸血中…。

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コンクリートの縁石上で見付けた小型の個体。とても隠蔽的です。

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こちらはやや青みがかった体色が綺麗でした。

---------------------- 2023.11 画像及び記載を追加 --------------------

宮古島、石垣島、西表島などの先島諸島に分布するキノボリトカゲの仲間です。
奄美・沖縄諸島に棲む「
オキナワキノボリトカゲ」と近縁ですが、全体的に小型であったり、首の背面にある鋸歯状の鱗が小さいなどの特徴があります。

石垣島では森林に普通に生息しており、2019年の石垣島遠征では海岸以外の森では目にする機会も多くありました。

オスの体色が緑色で鮮やかなものを見掛けることが多い「オキナワキノボリトカゲ」に比べ、全体に褐色がかったくすんだ色合いのものが多いように感じますが、実際には「アマガエル」などほど顕著ではなくても周辺環境や気分(?)によって体色が変化するように見えるので、単にそういう環境でよく見ているだけかもしれません。

「オキナワキノボリトカゲ」同様に、樹上だけでなく地上でも活動し、主に昆虫などを捕食するようです。
また、小型の個体はやはり地上で見かけることが多くありましたが、ナイトツアーに出掛けた先では木の枝やシダなどの上で枝になりきって眠っている姿が多数見られました。
(不思議なことに、沖縄本島では「オキナワキノボリトカゲ」が夜間にこのようにしている姿を見た記憶がありません…習性に差があるのかどうかは未確認です。)
また、特に小型の個体の場合は鼻先がとても短いため、何だか「カエル顔」に見えて何となくユーモラスな表情に見えます。

2019年の石垣島遠征では石垣島に滞在して日帰りで西表島に出掛けたのですが、2022年の八重山遠征では西表島に7泊・石垣島で7泊して生き物観察(と梅雨時の亜熱帯の森?)を楽しみました。
その際に特に「西表島の小型両生類・爬虫類はとても用心深くて、接近するとすぐ逃げてしまう」という印象を強く感じました。
両島に生息する本種も、「イリオモテヤマネコ」が高次捕食者として存在する西表島ではより臆病で用心深いものが生き残ることで、島全体として種の傾向が変わっているのではないかと思います。
以前にネットの記事で読んで中で、沖縄本島の「ハナサキガエル」がマングースの捕食圧によって「よりビビりの遺伝子」を持つものが生き残ることで、全体的に危険を察知するとすぐに逃げる傾向が強くなっているとの研究結果があるとのことです。