ホソマダラシリアゲ 

シリアゲムシ目 シリアゲムシ科  約13mm

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立派な交尾器を持ったオス

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背面から見ると腹部が見えないためカゲロウのように見える

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メスの腹部は太目だが先細で、先端に二股の器官があります
 

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ホソマダラシリアゲは、東三河の山地では4月頃から見られます。
湿り気の多い山地の水辺などに多いようです。
当初、翅の模様に多様性があるプライアシリアゲと勘違いしていましたが、本種のほうが全体に繊細で分布も愛知・長野・石川県から西に分布するとのことで、けっこう局地的です。

ヤマトシリアゲ(ベッコウシリアゲ)などに対して、全体に小型で華奢なイメージです。
また、前種が翅を平らに畳むのに対し、ホソマダラシリアゲは脈翅目(ウスバケゲロウなど)のように屋根形に畳みます。
そのため、実際には「お尻を上げている」状態は翅に隠れてよく見えませんし、そもそも腹端を高々と上げているところは見たことがありません。

ベッコウシリアゲの派手な色合いと比べても「渋め」ではありますが、とても綺麗な昆虫だと思います。

どちらかというと色彩変異はないと思っていたのですが、鼻筋の暗色の部分が濃いものや、斑紋の濃さの違うものも見られるため、個体差もしくは季節型があるのかもしれません。

-------------------------- 2019年4月追記 -------------------------------

交尾中のペアに出会ったところ、オスは白っぽい唾液様のものを吐き出してメスに与え、メスがそれを食べている間に交尾に至るようです。
ヤマトシリアゲ類やホシシリアゲ類のオスように、メスが逃げないように挟み込むための「背器官」は持っていないことが判ります。

また、東海地方の標高の高いところで見られる鼻筋だけでなく、面全体が真っ黒くて腹部末端節も黒、翅の斑紋が全体に太くて濃いものは「ミヤケシリアゲ」という別種のようです。(茶臼山では両種とも見られるため特に紛らわしい)

 

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交尾中のペア。左がオスで、右がメス。

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オス(左)が吐き出した分泌物を食べるメス(右)。

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