ハクサンホシシリアゲ 

シリアゲムシ目　シリアゲムシ科 　約１３mm

あまり見かけないオス。交尾器のハサミ部分は短かめ。

拡大部分に棒状の背器官が透けて見えます。

 
触角の付け根が盛り上がっているのが特徴的。

富士山麓で見た個体は斑紋が少なくて翅脈が黒いが別種のニッコウホシシリアゲ？

写真は愛知･長野県境の茶臼山と富士山山麓で見たものです。 当初は、「プライアシリアゲ」と混同していましたが、こちらで間違いに気がついたので、訂正及びこちらを新設しました。 本種は名前のように中部地方の山地に分布するとありますが、文献や図鑑などでも記載が見つからず、資料が少ないため詳しいことはよくわかりません。 多くのシリアゲムシのオスは腹部第三節の背面に「背器官」と呼ぶ突起を持ち、交尾の際には翅と背器官でメスの羽を挟み込んで逃げられないようにするとのことです。 ハクサンホシシリアゲの｢背器官｣は他種とは比較にならないほど長大で、腹部と背器官でメスの翅を挟み込むことができるとのことです。 -------------- 2016.07 オスの「背器官」が見える写真を追加 ------------- 2016年の6月、久し振りにオスを見つけた際に、うまい具合に「背器官」が見える写真を撮影できました。 それにしても、オスを見かける機会が少ないのは、発生の比率に偏りがあるためでしょうか？ 併せて、他のシリアゲムシの｢背器官｣がわかる写真も追加しました。 他種の「背器官」は背甲の後端が突出し、裏面に剛毛のようなものが生えており、対向する第四節の表面にも剛毛か突起のような構造があるように見えます。 ミスジシリアゲでは、交尾しているときに｢背器官｣でメスの翅を実際に挟んでいることが確認できます。 また、ホソマダラシリアゲでは交尾の戦略が違うためか、｢背器官｣自体を持っていないようです。

翅の間から後ろ向きに伸びているのが「背器官」です。

腹部末端のペンチはとっても巨大ですね。

ヤマトシリアゲ。　腹部第三節背面に突起があり、対面にも剛毛のようなものが見える。

交尾中のミスジシリアゲ。オス(奥側)の背器官がメス(手前側)の翅を挟んでいる。

交尾中のホソマダラシリアゲ。そもそも背器官を持っていない。