キマダラカメムシ

半翅目 カメムシ科  体長23mm前後

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体長は23mmほどと大型で、投影面積も大きい印象。

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全体のイメージは「クサギカメムシ」に似ている。

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2023年秋には自宅でも発見。

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越冬個体。他のカメムシと同様「紅葉」して、全体に赤茶色っぽく変化している。

クサギカメムシ」を大きくしてやや派手な色合いにしたような印象で、ヨコヅナサシガメ(サシガメ科)やアカギカメムシ(キンカメムシ科)、オオヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)などの大型カメムシほどではありませんが、20mmを超える体長はカメムシ科の中では最大級の部類といえます。

Facebookでの友達の皆さんによる投稿では愛知県や岐阜県では現在はわりと普通に見られるとのことですがishidaはこれまで見たことがなく、2023年の1月になって初めて豊橋市内で確認しました。(愛知県では2011年の名古屋での確認が初のようです。)

ここからはWikipediaの受け売りですが、本種はもともと中国か東南アジアが原産の外来種だといわれており、近年は関東以北まで分布を広げているとのことです。
近代的分類学の創始者であるリンネの弟子であったツンベルグ(「ハンミョウ(ナミハンミョウ)」の新種記載者としても有名で、環境活動家のグレタさんと同姓)によって新種記載されたのは1783年であり、ちょっと不思議なことに長崎県出島において採集された個体をタイプ標本としているそうです。
当時は出島では既に普通に見られたとのことで、貿易船によって大陸の原産地から移入されたもののようですが、その後も九州の一部でのみ見られるだけで日本各地に広がることはなく、21世紀になって急速に日本国内で分布を広げているようです。

こういう現象を簡単に「地球温暖化の影響」とばかりも言えないと思いますし、Wikipediaの記載でも「主にソメイヨシノやハナミズキなどの街路樹でよく見られる」とあるように経済活動やモノの移動に伴って分布域を広げているということだと思います。
実際に見たのもハナミズキが多く植栽された公園の敷地内で、山地よりも平地(特に市街地周辺)を中心に生息しているためにこれまでishidaの活動範囲とあまり重なっておらず、実際に出会う機会がなかったというだけなのかもしれません。
(同じく外来種の「ヨコヅナサシガメ」も同じような生息状況にあると思います。)
とはいえ、2023年の秋にはとうとうishidaの自宅でも発見しました…(^^;
越冬個体を見ると黄色の模様が赤茶色っぽくなっており、程度の差はありますが他のカメムシのように低温期には全体的に赤っぽく「紅葉」するようです。