マルズヤセバエの一種

双翅目 マルズヤセバエ科  約12mm

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「背中かいーの」の仕草?身だしなみも入念です。

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普通は暗い林床での出会いのため、数少ない自然光下での写真です。

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この体勢だとメスは羽ばたくことが出来ず、飛べないと思われます。

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オスは腹部腹面側にある「接合鉗子」という器官でメスの産卵管を挟んで固定している。

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同種(&同性?)間ではお互いに牽制しあっているようでした。

沖縄本島北部のやんばるで多く見かけた「マルズヤセバエ」の一種と思われる、スマートで変わった体形のハエの仲間です。
中脚と後脚が非常に長く、前脚をいつも前に伸ばした独特の姿勢でクワズイモの葉上などに止まっているのを多く見かけました。

東海地方の山地では、前脚の先端が白く、中脚と後脚の腿節や脛節に横縞模様のある「マエジロアシナガヤセバエ」やその近縁種が見られますが、本種はこれといって特徴的な模様はありません。
クワズイモの葉上などで定位し、前脚を振り振りして周辺の同種間で牽制しあったり、何らかのディスプレイをしているように見えます。

オスはメスよりやや小型で、腹部後端より少し前寄りの腹面側にサスマタ状の「接合鉗子」という器官をもっており、この器官を使ってメスの産卵管の付け根を挟みこんで固定して交尾します。
また、一般的なハエは、交尾の体勢のまま飛ぶのが普通と思いますが、本種のオスは中脚と後脚でメスの翅をまたぐように固定し、飛べないようにしている様子です。
(上の交尾しているペアの写真参照)

種名がちょっとややこしいのですが、近縁種の場合で科名は「マルズヤセバエ科」なのに、「マエジロアシナガヤセバエ」なんていう和名がついたものがいますが、アシナガヤセバエってつくと「ナガズヤセバエ科」に属する「ホシアシナガヤセバエ」などと混同してしまいそう…

生活史や幼虫の生態などについては特に記載がなく、よく判りません。