カタナクチイシアブ
双翅目 ムシヒキアブ科 約17mm
口吻の形状は日本刀のようです。
見た感じは「イッシキイシアブ」「ヒメキンイシアブ」に似ています。
こちらはメス。口吻の形の特徴がよく判る。
メスの口吻もちゃんと日本刀の形をしています。腹端に赤っぽい卵らしいものが見える。
倒木の苔の隙間に産卵するメス。
この個体も腹端に赤っぽい卵のようなものが見える。
この場所はちょっと産卵に向いていないようで、この後飛び去ってゆきました。
------------------ 2024.1.7 追記・画像追加 --------------- 自然度の高い山地で見られる中型のイシアブの仲間です。 名前のように、口吻が日本刀のように先端が尖って反り上がっているのが特徴です。 ------------------ 2009年8月 一部訂正・写真追加 --------------- 2009年8月にカタナクチイシアブが産卵しているのに出会いました。 マガリケムシヒキが産卵管を立ち木の枝の隙間に差し込んでいるのを見たことがありますが、カタナクチイシアブの場合は倒木の隙間などに産卵するということのようです。 同時に、これまでカタナクチイシアブのメスだと思っていたものは別種であることが判ったので、写真を入れ替えました。
真っ黒い体の下面には白毛が生え、腹節の境界あたりに回り込んでいるため、腹部が白黒の虎縞に見えます。
サイズ感も含めて全体的には「イッシキイシアブ」のメスに似ていますが、本種はオス・メス共に体の上面には金毛は生えていません。
前年は同所的に「コムライシアブ」が多く見られたのですが、一年後に同じ場所へ出掛けた際には少し時期がずれていたせいか、この年は本種が多く見られました。
どちらも出現時期は意外に短く、短期間で主役を入れ替わってしまうためでしょうか?
何故か苔の生えた倒木にご執心で、飛び去ってもすぐに戻って来ます。
写真撮影には好都合で、そっと近付いて撮影していると腹端を曲げて苔や木の隙間に差し込む仕草が見られました。
帰宅後に写真で見ると、腹端に赤っぽい卵のようなものが見えました。
ムシヒキアブは幼虫も捕食性とのことですから、彼らの場合は樹皮下や腐朽木内に住む昆虫などを捕食していると思われます。
(これまで掲載していたものは「イッシキイシアブ」のメスだと思われます。)