ナガレトゲヒシバッタ 

直翅(バッタ)目 ヒシバッタ科  体長16mm前後

nagaretogehisibatta_P1155777.jpg - 113,536Bytes
前胸背板は全体に平板で、中央稜線はあまり盛り上がらない。

nagaretogehisibatta_P6037173.jpg - 82,867Bytes
体側がこげ茶色で白っぽい斑が特徴的。

nagaretogehisibatta_P5262541.jpg - 102,721Bytes
全体が濃褐色の個体もいました。

nagaretogehisibatta_P5305326.jpg - 73,567Bytes
この個体はオスですが、メスより小柄ながら前胸背板はすごく長い。

nagaretogehisibatta_P6026337.jpg - 65,024Bytes
翅は前胸背板の中にしまわれています。でも飛び立つのは早い(^^)

nagaretogehisibatta_P6026362.jpg - 78,566Bytes

nagaretogehisibatta_P6026326.jpg - 94,908Bytes
交尾中のペア。

nagaretogehisibatta_P6026331.jpg - 82,754Bytes
水辺の岩の上で群れていることが多い。

nagaretogehisibatta_P6026333.jpg - 86,671Bytes
これはまだ前胸背板の短い幼虫。

本種は八重山諸島に生息し、主に渓流や周辺の岩場・湿った登山道などで見られます。
現地では1年中見られ、個体数も非常に多くて最も普通に見られるバッタの一つです。

本州に生息する近縁な「トゲヒシバッタ」に比べてやや小型で、体色はこげ茶色の傾向が強くてそこに細かな白い斑模様が入るのが特徴的です。
前胸部に側角を持ち、長く伸びた前胸背板の後端を翅端が越えないのは共通の特徴です。
また、両種とも「湿地に生息する」という習性は同じですが、本種の行動を見ていると岩や地面の表面に生えている藻類などを主な食物としているためのようです。

前述のように、本種の生息環境では生息数はとても多く、渓流の岩の上に多数が群れていたりするのもよく見掛けました。
特に本種の場合は「飛翔して逃げる」傾向が強く感じましたが、近付くと次々に足元から飛び立って少し先に着地する様子が「ハンミョウ」のように見えてしまうので紛らわしいだけでなく、他の生き物を撮影しようとして接近中に周囲にいる本種が飛び立つことで対象の生き物が警戒したり逃げてしまったりという困った事態が多発します(^^;
特によく似た環境に棲む「ヒメヤツボシハンミョウ」の撮影時にはちょっと困ってしまうケースも多かったです。(それも良い思い出…?)