アシダカグモ 

アシダカグモ科  体長25mm前後

asidakagumo_0289.jpg - 143,290Bytes
やや明るい体色で頭胸部に黒いハートのあるオス。

asidakagumo_0291.jpg - 155,018Bytes

asidakagumo_130865.jpg - 133,845Bytes
老成して背甲の毛が抜けているオス。地色は茶色だったのね…

asidakagumo_0771.jpg - 140,441Bytes
全体にがっちりしているメス。
写真のタイルは一辺が92mmです。

asidakagumo_0745.jpg - 99,741Bytes
本種は口元が白いのが特徴。

東海地方の木造の民家なら多分どこの家庭にもいらっしゃる「あの」おっきな蜘蛛のことで、この辺りで見られるクモの中では最大種です。
元々は亜熱帯起源のこのクモは、人家を住処として利用することで分布を広げてきたとか。言ってみればゴキブリみたいな…?
分布を北に広げているものの、関東地方以北にはまだほとんど進出していないそうです。

結構、ご家庭では嫌がられる生き物の代表という気もしますが、ゴキブリの天敵でもあり、人間には直接的・間接的にも害はないことを考えると見た目だけでそんなに嫌わなくても…と言いたいですね。
我が家では同じ家に暮らす同居人として認めて、奥さんもそれぞれ「大きい子」とか「小さい子」、「男の子」「女の子」と呼んで、(おっかなびっくりですが)見守っています。

徘徊性のクモなので、雄・雌ともに展肢長は極端に大きさは違いませんが、体付きは雌の方が大きくがっしりして、特に腹部を含めた体長は雌の方がかなり大きく、雄には背甲部にハート形(?)の黒い模様があることで見分けは容易です。

夏に生まれた子グモは幼体のままで冬を越し、翌年の夏に成熟します。
成体でもさらに越冬していることから、少なくとも足掛け3年程度は生きるようです。

雌は卵を産むと糸で紡いだモナカのような形の卵のうに収めて持ち運びます。
家の中にだいたいの縄張りを持って、その範囲で移動しているようです。一部屋一匹…?
夜行性で、子供の頃、夜中に顔の上を歩かれたことがあったっけ…。

彼らは体が大きいだけに、結構しっかりしたうんちをします。よく壁際に落ちていて、まるで鳥の糞みたい。(実際、尿酸の白が分離していて成分も似ているのでしょうね)

彼らに限らず、徘徊性のクモ達も糸を出す能力を持っていて、歩き回る時も必ずしおり糸を出して命綱としていますよね。
しかし、さすがにアシダカグモの大人の体重を支えるのは無理なのか?アシダカグモは危険を感じるとよく落下します。
良く見ると、実際には一応糸を出して「軟着陸」をはかっていますが、成体は糸を伝って登ることは無いようです。

徘徊性なのに、夜行性で目は申し訳のように小さくて、ハナグモのように虫の集まる場所で待ち伏せるでもなく、歩き回る時の足音も大きいのはかなり不利では?
音や振動にはかなり敏感で、虫の通り道で待ち伏せるタイプの狩りをしているみたいです。

屋外には「コアシダカグモ」というやや小型の種類がいますが、基本的に屋内には入って来る事は無いようです。(アシダカグモの居ない関東より北では屋内にもいるとかも聞いたことがありますが…)
本種は口元(というか、背甲の前面の鋏角の付け根)が白いことが特徴です。