絞りとシャッタースピードって何?
(なかには絞りを可変することの出来ないものや、シャッター速度を可変できないものもありますがそのへんは話題の外にしておきますね。)
コンパクトカメラなどは、絞り兼用レンズシャッターだったりして、絞りとシャッター速度の組み合わせを自由に選ぶことが出来ません。
コンパクトデジカメの場合は、電子シャッターと併用することで自由な組み合わせが出来たり、撮影モード(マクロ、ポートレート、風景など)によって(自由に設定できないながらも)組み合わせが変わるようになっているものもあります。
@絞り値、Av:アパーチャーバリュー
絞り値とはレンズの焦点距離を有効径で割った数値のことです。 AVというと一般的には私の好きなアレですが、写真用語のAvはアパーチャーバリューのことです。 露出計算に使う数値ですが、光学的な難しい定義は省略(^^; 一眼レフなどで絞り値を変更すると、こんなことが起きています。 (I田先生によるイメージ図を別ウィンドウで用意しました。上のリンクか下の画像をクリックしてください。) ただし、実際には絞り開放といっても、(乱反射などを避けるために)レンズの端面いっぱいまで使うようにはなっていません。 本来の絞りの目的は、入射光の調整です。 例えば、あるレンズでのF1.4(絞り値)とは口径比が1/1.4、F2は1/2ということになり、入射する光の量は面積比になるのでそれぞれ1/2と1/4になります。
つまり、絞りを1段絞る毎に、通過する光量は半分になっていくということになります。
Av値というのは、露出計算する場合に使用する値です。 よく、露出モードでAモード(Av)とかSモード(Tv)みたいに書いてあるのはこれです。 Ev=Bv+Sv=Av+Tv みたいな計算になりますが、この辺は写真を撮る場合には直接イメージしませんのので割愛。 …割愛が多い(^^;いろいろと詳しく説明してくれているHPもありますのでそちらをどうぞ。 しかし、絞り値を変えると、入射光量が変化するだけでなく、付随して「被写界深度」も変化します。 絞りを変化させることで、写真を撮るうえでの表現の違いが出てくるわけです。 ここは重要ですので、また別の機会に詳しく述べます。 |
Aシャッタースピード、Tv:タイムバリュー
読んで字の如く、シャッターが開いている時間のことです。 シャッターの形式は「フォーカルプレーン式」とか「絞り兼用レンズシャッター」などが一般的です。 (レンズシャッターっていう言い方は、正式にはシャッター形式とは違いますが、一般名称として…。いわゆる「ビトウィンシャッター」とよぶのが正しい?) デジタルの場合は「CCDシャッター(電子シャッター)」を併用しているものもありますね。 シャッター速度を可変する目的は、やはり入射光の調整です。
当然ながら、シャッター速度が2倍になると、入射する光の総量は半分になります。 専属イラストレーターのI田先生の説明図を別ウィンドウで用意しました。(左のリンクか下の画像をクリックしてください。)
表示と、実際の速度は若干違います。昔の人が表現しやすい数値で決めたからかな(^^;
上の計算式に当てはめた場合、 Ev(露出値)=Bv(被写体の明るさ)+Sv(フィルム感度)…明るさとフィルム感度が決まると適正露出になる露出値が決まる。 Ev=Av+Tv…選べる絞りとシャッター速度の組み合わせが決まる。 という意味になります。
被写体の明るさに対して、フィルムなりイメージセンサなりの感度が決まれば、「適正露出」にするための絞りとシャッター速度の組み合わせが決まるわけです。
「適正露出」とは何かという話も別の機会に。 例えば、明るさがBv5で、ISO感度が100(Sv5)だとEv=10ですから、以下のような組み合わせが可能です。 F32+1秒〜F5.6+1/30秒〜F1.4+1/500秒(開放F値がF1.4、最小絞りがF32の場合)
シャッター速度の差で、一般的には「手ぶれしやすいかどうか」というところが考えられますが、写真を撮るうえで重要なのは表現上「被写体の動き」の差が現れるということです。 シャッタースピードを変えると、写真を撮るうえでの表現の違いが出てくるわけです。 その差はどんなかという話も別の機会に。 |