OLYMPUS OM-D E-M1 MarkU  (その1:導入編)

【 OLYMPUS E−M1 MarkU 12‐40o・F2.8 PRO キット 】

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ええっと、自分でもずいぶんな感じですが…Panasonic G9 PROを導入して1年ほど、2台体制に移行して3年目なんですが、サブに回っていたE-M1が見劣りするというほどではありませんが、G9の満足度とは裏腹なやや不足する部分を補うための機材のリニューアルです。

2015年7月に禁断のマウント変更に踏み切って「OLYMPUS OM-D E-M1(12-40mmレンズキット)」を購入したのがマイクロフォーサーズシステム導入の始まりでした。
結果的にはシステムの小型化とレンズ資産の肥大化(?)もありますが、MFTへの乗り換え自体は成功したと感じています。(α77のシステムもまだ持っていますが、ほぼ使用してない状況です)

当時、E-M1も2013年10月の発売からすでに2年近くたってからの購入でしたが、今回もE-M1 MarkU発売の2016年11月から数えて約3年後の導入となりました
そろそろE-M1 MarkVの声も聞こえてきそうでしたが、E-M5 MarkVの下剋上での登場を待っていたものの、実際の発売が思いのほか遅かった&期待と違ったこともあって、遅ればせながらE-M1 MarkUの導入を決めました。(今思えば2019年9月末までのキャッシュバックキャンペーンに合わせて導入すればよかったともの後悔もあったけど、年末のお買い得感とどちらが…という思いも相克しての決断でした。)
それにしても、価格下落が続くPanasonic G9 PROのお買い得感に比べると、E-M1 MarkUの強気の価格設定と相変わらずの値崩れの少なさは特筆ものですね。

OM-D E-M1(12‐40o/F2.8 PROレンズキット)は2015年7月に導入した時点で151822円(価格.comの最安値)+代引き手数料1610円で購入したものです。
E-M1+PROレンズのシステムがいくら防塵防滴・タフネス設計だからといってishidaは基本的に精密機器を手荒に取り扱わない人なので、ボディには使用感はあるものの元箱と純正部品も揃っており、これといった傷や擦れもなく、レンズに至っては傷どころか光学系にも塵一つありません。(ついでに購入特典で貰ったバッテリーグリップ付き)
結果的にはカメラのキタムラでの査定はABランク認定とはいえ期待ほどの下取り価格になりませんでしたが、ネット価格をにらみつつE−M1の下取りとの差額目標をクリアできたので、追い金が少なくなるE-M1(12-40レンズキット)→E−M1 MarkU(12‐40レンズキット)という、変則的な入れ替えとなりました。
ちょうど当日からキタムラの店頭価格も改訂されてお求め安くなっていたのも幸いでした。

最終的に、価格.comの12/27最安値\172187に対してキタムラ価格175110−5000(なんでも下取り)=\170110をベースとして、E-M1+12-40o/F2.8+HLD-7の下取り査定額が\57110となり、170110−57110=\113000ということで、目標の追い金\120000を下回りました。
(しかし、よく考えると4年ちょっとで−10万円って、年間2.5万円を償却している計算になるんだけどちょっと金銭感覚が麻痺している気もするね…)

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やってきました、E-M1 MarkU。レンズキットでの購入なので12-40/F2.8 PROも新調。

E-M1の正常進化版として価格も(個人的見解ですが)大幅アップしている割りにちょっと残念なのはEVFの画素数がE-M1同等の236漫画素なところ。
センサーは新世代、画像処理エンジンもリニューアルされて画質的には進化しているのは時の流れ相当と捉えると、E-M1やG9 PROに対するアドバンテージは色々な意味で「スピード」だけなのかもしれません…
より強力になったボディ内手振れ補正能力を生かしたM.ZUIKOレンズとの組み合わせや各種マウントアダプタ経由での他マウントレンズの使用についてはかなり期待をしていますが、使い勝手や画質については使い込んでいく中で確認していきたいと思います。

前述のように、E-M1の購入時も、後発のE-M5 MarkUのほうが一部の性能・画質的に下克上だったので、比較のためにE-M5 MarkVの登場を待っていたのですが、逆にE-M5 MarkUに対して外装や電池がややグレードダウンされつつ、E-M1 MarkUに対する下克上をあえて控えたかのような仕様だったのが残念…結局E-M1 MarkUの購入に舵を切りました。

ところで、「見てはいけない購入後の価格.com♪」というのがishidaの心中の鉄則ですが、ついつい見てしまうのが人情ですよね。
で、年明け以降も下落が続いて、最安で17万円を切りつつ平均価格も急降下中…MarkVの出現が近付いて更なる価格下落がある模様で、ちょっと買い時を誤ったかも(^^;;;

なんて書いていたら、デジカメinfoなどの情報からの受け売りですが、2020年の2月に新型のカメラが発表されるというのがどうやらE−M1 MarkVのようです。
ということは、今回はE-M1 MarkVが先行したE-M1Xの技術を使い、E-M1Xに対して下剋上という意味ね(^^;
ちょっと不満な「EVFの画素数」はきっと改善してくるな…

----------2020.02.14追記-------------
2020年2月12日にE-M1 MarkVが発表になりました。
EVFの画素数は処理速度の制約か、236漫画素のままで変化なし。外観も、AFエリア移動用のジョイスティックが追加になった以外はほぼ変化なし?(縦位置グリップまで共用)
これならMarkUユーザーもそれほど悔しくないかもしれませんが、3年以上経っての新型が本当にこれでいいの?
しかし、新型の発表前からずっと下落が続いていたMarkUの価格は、年末の購入時より1.5万円以上お買い得に。
完全に買い時を間違いましたね…(^^;;;

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先代に比べ、ややボディの厚みが増し、グリップも前後だけでなく上下に大きくなっています。

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ボディ前面上部がややスラントしているため、全体的にスクエアなE-M1と印象が違います。

グリップは大型化していますが、ボタン配置などの操作系には大きな違いはなくて違和感がない半面、背面の十字キーなどの抑揚の無さは若干改善レベルで、操作性が向上しているとも言えませんね。
E-M1よりもグリップは上方向に長くなって、深さも含めて大型化しているため、グリップ時の手のひら小指側の余りはまだありますが、グリップ感自体は向上しています。(さらにishida式の改善策を検討中)

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グイリップ前面が上側に延び、前後の厚みも増しているのが判ります。

十字キーの周囲が盛り上げてあるのはブラインドタッチでの認識性は良くなったといえますが、背面モニターがバリアングル化されたための指掛かりの掘り込みができたせいで、再生ボタンが押しづらい位置に追いやられているのはちょっと不満。
あと、ファインダー横のファンクションレバーの向きが逆になって、AEL/AFLボタンが押しやすくなっている反面、切り替え時の操作感が悪くなっているのは痛し痒し。(ishidaはレバーにAF/MF切り替え・ボタンに親指AFを割り当てているため、けっこう使用頻度が高い)

E-M1では側面にあった右肩の吊り環の位置が上面に移動しているのは微妙な感じを受けますが、デュアルになったSDカードスロットに追いやられたのか、それともカードスロット蓋の開閉時やグリップ時にストラップが邪魔にならないように配慮した結果なんでしょうか。(開封時には、吊り環が当たって後ダイヤルに傷が付かないように保護シートが貼られていた)

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E-M1で「MENU」ボタンの隣にあった再生ボタンが、指掛かり用の掘り込みに追いやられて右下へ移動。

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三脚ねじ穴が変なところに…電池蓋も前側ヒンジに変更。

オリンパスといえばフィルムカメラ時代から培ってきた「防塵防滴性能」、特にOM-Dシリーズ(の上級機)は、他社製のカメラに対して防塵防滴性能については圧倒的にアドバンテージがあるという印象です。
(仕事柄、昔のフィルムカメラは分解調査したこともありましたが、自分のカメラでそんなことはしませんけど、外部からでも電池蓋やスロットカバーなどを見れば、設計意図は判るよね)
E-M1でも、上記のポイントは他社製の上級機などよりも設計的クライテリアが高く、IPX等級はとっていなくても同等レベルに近いシーリング構成がされていました。(だからといって良い子は精密な電子機器を水には浸けないでね(^^;;;;;)
しかし、E-M1 MarkUを見ると、防塵防滴性能に差があるかどうかは別として、電池蓋とスロットカバーに関しては明らかにグレードを落としているのを感じてびっくり…

他社製のカメラで良くあるような単なるラビリンスで水滴の侵入を避けて「防塵防滴に配慮した」と謳っている程度の物ではありませんが、以前はゴム製のパッキンが平面的に当たるようになっていた部分が、発泡ウレタン的なパッキン+リブでの挟み込み構成になっているところを見ると、耐久性も含めてE−M1に比べてやや不安感を感じる造りですね。
店頭で見る限りではC社やN社でも、電池蓋やスロットカバーを見るともっと簡便なシーリングしかしていないものも多いので、性能的には劣っているとは思わないですけど、なんだかE-M1に対して格落ち感を感じる…(実力はE-M1と同等なんだとは思うし、Panasonic G9 PROよりは平面的で単純な形状になっています)
形状がやや複雑で平面的に受けられないからこの素材にしているのかしら?

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ややお手軽感の漂うスロット部のシーリング構造。ほんとにこれで耐久性あるの?

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電池蓋のシーリングも同素材。形状も平面ではなくちょっと複雑。

電池に関しては、E-M1 MarkUで新採用された「BLH-1」という1720mAhの大容量タイプとなっており、撮影枚数的にはCIPA基準で440枚(E-M1はBLN-1(1220mAh)で350枚)となっています。
しかしこのBLH-1はE-M1 MarkUとE-M1Xで使用しているだけで、ishidaの好きな(?)低価格で(できるだけ高品質の)互換電池のセレクションがとても少ないようです。
発売から時間がたっているにもかかわらず、安価なものの多くは電池残量の%表示に未対応なうえにカメラから「純正電池を使ってね」という警告まで発せられるとか…。
そういうことのなさそうな、フル互換を謳っていてデュアル充電対応の充電器付きの物を試しに購入しましたが、フル互換ではない物の倍くらいの価格(それでも純正の半額以下…(^^;)でした。

そういえば、E-M1のレンズキットに付属していた「12-40o/F2.8 PRO」のレンズキャップは、中央のつまみでしか着脱操作ができなかったのですが、新しいキットに付属したものは普通に外周からも操作できるように改善されていました。
以前の物は見た目は高級感があるのに操作性は良くなくて「カメラを使ったことがない人が設計したのか?」と思うくらいだったけど、やっと普通になったっていうことですね。
「40-150o/F2.8 PRO」では既に初めから改善されたものが付属していましたし、こういうところも地味に改善していく姿勢は立派ですね…あ、また身につまされる気がしてきた。

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E-M1のBLN-1とMarkU用BLH-1(どちらも互換品)です。(左) レンズキャップは地味に改良。(右)

それにしても、年末年始のお休みも全くと言って良いほど試写してないので、本格的なシーズン到来前に人間の慣らし運転をしておかなければ…(^^;。

------- その2 へ続く -------