OLYMPUS OM-D E-M1 MarkU  (その2:使用編)

【 OLYMPUS E−M1 MarkU 12‐40o・F2.8 PRO キット 】

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※2020.02.15追記
予想通り、2月12日に新型「OM-D E-M1 MarkV」が発表になりましたね。
スペック的には新画像処理エンジンの搭載、「E-M1X」で搭載された機能の追加といった良く言えば「正常進化」、悪く言えば「驚くほど変わっていない」という印象です。
時の経過に合わせた進化は当たり前と思うけど、これくらいの機能アップは「E-M5 MarkV」あたりに搭載されてもよかったんではないんでしょうか。
ファインダーの画素数についても高画素化は見送られ、処理速度との兼ね合いがあるとは言っても、SONY α9などのように表示速度と高画素を両立したものもあるしね…(値段は大きな開きがあるけど)

無印のE-M1に対して画質的に大きな不満があったわけではないのですが、Panasonic G9を導入したことでやや見劣り感があるのは否めません。
ただ、E-M1導入当初でも後発のE-M5 MarkUに対しては画質的にもやや(精神的な物も含む)ビハインドがあったことは確かです。
また、E-M1だけでなくミラーレス特有の遅延やシャッターチャンスへの対応にも少々不満はありました。
実際にはその辺の解消だけでなく、単なる物欲も加わってのMarkUへの移行だったのも確かです(^^;
写真家の湊和雄さんのHPでは本機の特徴の一つである「プロキャプチャーモード」を活かした作品が多く紹介されており(G9の機能でも同じようなことができますが)高速なオートフォーカスと相まって、かなり食指を動かされました…人の影響を受けやすいのもishida式の特徴です(^^;;;;

前にも書いたとおりセンサーサイズの制約もあるので、時の流れによるデバイスや制御の性能向上以外の飛び道具はないとは思いますが、逆にそれなりの画質向上+AFや操作的なレスポンス向上に対する期待値は大きいものがありました
…と、ここまで書いてみたものの、今のところは画質云々を言うほどの作例がないため、今回の記事は「使用編」としました。

E-M1では、いわゆる「縦位置対応のアルカスイス対応L型ブラケット」というものをずっと使用しており、カメラの底部に装着することでグリップ部の高さ方向も稼げることが利点となっていました
MarkUの導入にあたっても、グリップが大型化しているといっても三脚への取り付けの利便性が高いため、同じようなものを導入することが前提だったのですが、事前に探しても一種類しか見当たりませんでした。
おなじみAmazonでの商品にも(ブランドは違っても)売られているものは一種類だけで、そのうえ「ガタがある」とか「三脚ねじ穴がない」などと、評価もあまり芳しくありません。
G9同様にグリップストラップも使用したかったので、当面は手持ちの「SANWAYFOTO DP-39R」(クランプ部が正方形のため、縦でも横でもクランプ可能・ストラップホール付きのアルカスイス互換のシュープレート)を使用することにしましたが、この組み合わせだと電池蓋のラインぎりぎりとなって、電池蓋を開くときにストラップが干渉して邪魔なんです。

で、困った時のe-bay頼みではないですが、e-bayでL型ブラケットを探すと前述のAmazonで出品されているものの(ブランドは違うが出所は同じと思われる)改良版が販売されています。
実際には「三脚ねじ穴を追加しただけ」のものですが、値段もAmazonよりずっと安い(最安はほぼ半額でした)ので、思わず「ポチ」してしまいました。

やってきたものを装着してみると、「ガタがある」という評価の原因はよく判りました(^^;。
E-M1に限らず、カメラの三脚座の部分はリブなどで凸が形成されていますが、この製品は底を平面で受ける形状となっています。
本来ならそこを金属の平面で受ける場合は回り止めか滑り止めが必要なところが、このブラケットの場合はそのような配慮が全くありません。
E-M1で使用していた二種類のものは、一種は三脚座の凸部の受け部は凹となっており、さらには滑り止めのゴムが配置されていて、もう一種は平面で受ける構造ですが、ボディ側の底部に勘合して回転しないようになっていましたが、今回購入したものは、そのどちらも有効に配慮されていません。(何となく底部の外周で勘合しそうに見えるが、クリアランスが大きすぎてガタついてしまう)
カメラ本体はグリップ側にバッテリーグリップ取付時の回り止めピンが勘合する穴があるので、せめてそのくらい追加すればいいのに…切削だけでできる、コスト最優先の造りですね。

それに、事前に判っていたことですが、縦位置用のブラケット部との干渉でバリアングルモニターの可動範囲が制約されてしまいます。(無印のE-M1は上下チルト式だったので干渉なしだった。)
微妙に不便なので、やっぱりここは普段は取り外して使うのが正解のようですね。

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既にいろいろ後加工済みの姿ですが…e-bayで購入した無印のブラケット。

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三脚ねじ穴が追加されている以外には特に変更なしと思われます。(有ると無いとではだいぶ違うけど)

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三脚ねじ周囲のリブに対して平面で当たるのに滑り止め構造も回り止めピンもありません。

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判ってたことですが、端子類へのアクセスは可能でも、縦位置側のブラケットはモニターの可動域を制限してしまう。

また、これも事前に判っていたことですが、電池蓋は本来は90°以上開くのですが、このブラケットを取り付けるとヒンジ位置との関係でブラケット側と干渉して電池蓋が完全に開かないという問題があります。
(電池の取り出し自体はできるんですが、やっぱりやりにくいです。)
実際、電池の大型化に伴う変更で、電池蓋がスイングする範囲を避けてやる必要があるなど、ブラケットを製作するうえで色々な制約が生まれているのは確かですね。
干渉する部分ははっきり言って要らない形状でもあるので、追加工して削ってしまえばよさそう。

あと、以前使っていたものはグリップ側にストラップがかけられるようになっていたんですが、そういう配慮も無いので、前述の電池蓋の干渉対策と一緒にストラップ取り付けができるように追加工しました。
見た目はちょっとダサくなってしまいましたが、使い勝手は向上…これもishida式ですね(^^;

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電池蓋干渉部(赤線で示した部分)はもうちょっと削ったほうが良かったかな…。

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三脚にはこんな感じで取り付け。

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こんな感じでグリップストラップも取り付けします。(ネックストラップも併用)

アルカスイス互換の三脚へ取り付ける際の利便性に加えて、グリップ部が下側に延長されることでのホールディングの向上が期待でした。
前述のような対応を加えたうえで、40-150o F2.8 PROを装着して持ち出してみましたが、もともとE-M1に対してグリップが上下・前後に大型化しているため「小指余り」は無かったのですが、手のひらの下(小指側)で支える部分が広がったため、望遠レンズを使用しても疲労感は軽減されています。

で、いつもの夕日撮影に持ち出してみた印象では、画質的な向上についてははっきり言ってよくわかりませんでしたが、フォーカスの速さについては実感できました。
特にワイドフォーカスエリアでの撮影では「迷いなく」「高速に」フォーカスすることと、シャッターのレスポンスの良さが印象的に感じます。(G9よりレスポンスが良く感じる??)

しかし、E-M1でも少し気になるレベルだった「光源に対して縦帯が現れる垂直スミアのようなもの」の発生は改善されていないようですね。(センサーはCMOSなのでスミアは起きないはずで、これが光学的なものなのか電子的なものかは不明ですが、放射状ではなく画面に対して垂直に発生するのでセンサ起因か?)

夕日の撮影については発色も含めてG9のほうが圧倒的に好ましい描写に感じますが、G9の場合は明るい光源が入った時のフォーカスエラーとなだらかな階調部の不連続なブロックノイズのようなものが難点となるため、双方とも痛し痒し…。

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高度の高い太陽の場合は顕著に出現する縦帯。

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反射光に対しても同様な現象が起きます。

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高度が下がって光が弱まると収まります。

------- その3 へ続く(?) -------