ishida式の富士登山Part2
2007年9月9日(日) また富士山へ行って来ました。

 

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濃いガスの中、富士宮口五合目を出発

 

前回、登山経験豊富なはずなのに高校卒業以来一度も3000mを突破していない山仲間のK氏の念願の「日本最高峰初チャレンジ」兼、登山経験の無い友人M氏の「日本男児なら一度は行かなきゃ富士山頂」ということで、7月1日に計画しました。

(いつも計画立案はK氏にお任せですが(^^;)

ところが、M氏は当日お祝い事のため参加できず、K氏と私の2名での決行となりました。

 

今回は、いよいよM氏の「日本男児なら一度は行かなきゃ富士山頂(前哨戦)」ということで、9月9日(日)に決行となりました。

今回の目標は「八合目で富士山でしか体験できない高度を体感する(?)」ことです。

(ただし、富士宮口からのコースは観光登山シーズンは8月一杯で終了していますので、山小屋も閉まっています。)

 

 

当日は、台風一過とはいえ南岸に前線が停滞しているため天候は不順で、下界では時折雨の天気です。
富士川から見る富士山は、五合目以上は雲の中といった状態でした。

 

富士山スカイラインを登り、富士宮ルート新五合目に到着すると、思った以上の車の多さ(といっても下段の駐車場はガラガラですが)に驚きつつ、AM9:30 まずは目標3000m突破を目指して「元祖七合目」へ向かいます。

参考に、五合目で下山してきた方に聞くと「真っ白な景色の中、凍えてました」とのこと。

 

 

 

風は西風で、時折激しく吹きつけてきますので、体温の低下による体力の消耗に気を付けつつ登ります。

今回は日焼け対策はばっちり!の予定でしたが、今のところ必要ないですね。

新七合目付近まで登ると、時折りガスが切れて宝永山が見えます。

 

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時々雲が切れると宝永山が見えました。


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特にハプニングやドラマも無く順調に新七合目に到着(左)。元祖7合目で3000mを突破(右)。

 

登山初体験のM氏、体力の不安を主張していた割には順調に高度を上げていきます。
高山病の兆候も今のところ無しです。

今回、K氏の日本伝統のお帽子が下山してきた外国人に好評でした。

見た目は「ウケ狙い」のようですが、実は通気性・日焼け対策ともに優れた日本の伝統が生きているようです。でもやっぱり見た目はお笑い系(^^)

「次回は皆でお揃いに」という案も浮上。え?M氏は三度笠も持ってるって…私は編笠?

 

 

 

今回も3000m級の酸素の薄さを体感し、特に登り始めの新六合目〜元祖七合目間は距離が長いためきつく感じる部分ですね。

元祖七合目で3000m突破の次は、今回の目標地点、八合目を目指します。

ここからは岩場も多くなり、岩山風の景観で足元も不安定になります。

もともと、自然保護の観点から「アンチストック派」の私も、ここからは買ったばかりのストックをご使用(^^;。

岩場での体重移動の際、体がぶれにくくてけっこう良いかも。

でも、基本的には私は富士山以外では使わないと思いますが…
 

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やっぱり高度が上がると辛いけど八合目に到着(左) 雲が切れた隙に記念撮影。向こうはAndy氏(右)

 

新五合目から新七合目までが約1時間、新7合目から元祖7合目が30分ほど。(休憩時間は含んでいません)

さらに元祖7合目から概ね30分ほどで目的地の八合目に到着です。

時間もちょうどお昼をまわったところなので、昼食の時間となりました。

やはり、時折りガスが切れると箱根方面や伊豆方面には巨大な積乱雲が湧きあがっている様子が見えます。

 

ここでドキュメンタリーフォトグラファー(の卵:自称)のAndy氏と遭遇。
K氏のスタイルが目に留まったようで、写真を取らせて頂戴とのことでした。

彼のウェブサイトの PHOTO BLOG に当日の富士登山の様子が紹介されています。

こちら→http://www.photosensibility.com/

残念ながら、K氏の写真は(ちょうどガスが巻いてきたところだったので)お顔が真っ暗になってしまったため掲載できませんでしたとのことです。うーん、残念。

ひとしきり食欲を満たしたところで、ここからは「御殿場口コース」へトラバースし、宝永火口を目指します。

宝永火口のダイナミックな風景を期待しています。

 

 

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宝永山の裾を移動する雲とその影

 

八合目から東方向に向かうトラバースコースを通って御殿場口コースに移動すると、まるで貸し切りコースのように人影の無い状態でした。

御殿場口コース七合目からの下りは、通称「大砂走り」と呼ばれ、宝永の噴火で堆積した細かな火山礫に覆われた登山道です。(通常は、下山路を「大砂走り」と呼ぶようです。)

ザクザクと足がめり込むため、走るというより飛ぶように下ることも出来、膝への負担も少ないため下山路にむいています。靴の中に石が入らないように対策は必要ですよ(^^)

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七合目直下から御殿場方面への視界が開ける。

 


下山路をたどっていくと、宝永山の姿と寄生火山の「二ツ塚」が姿を現わします。

 

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須走方面の稜線は非常に滑らか(左) 宝永山の裾から姿を現わす二ツ塚(右)

 

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姿を見せてきた宝永山(左) 宝永噴火の新しい噴出物で砂漠のような下山路。下は御殿場登山口(右)

 

砂礫の下山路を軽快に下り宝永火口の縁まで来ると、そこには想像以上に迫力のある宝永火口の姿を見渡すことが出来ました。

 

景色を楽しみつつ、宝永山のピークに向かいます。
宝永年間の噴火によりえぐられた巨大な火口と、真新しい噴出物に覆われた周辺の景色は、まるで月面か火星の風景のようです。

 

富士山は巨大な成層火山ですが、実際には最も古い「古御岳火山」と「古富士火山」と現在の富士山の三つの火山が折り重なって形成されています。

宝永山の周辺に見られる赤い岩の正体は、宝永の噴火(1707年、ちょうど300年前ですね)の際に地下から押し上げられた古富士火山の山体の一部といわれています。

新石器時代の大規模な火山活動の名残りである「関東ローム層」は、古富士火山の噴火によって堆積したものです。関東ローム層も赤岩も、鉄分を含んだ赤い色は共通ですね。

また、御殿場口登山道から御殿場市の方向に向かって広がる平坦でなだらかな地形は、弥生時代に山体が大規模に崩壊した泥流によって形成されたそうです。

 

で、お約束の(?)宝永火口のパノラマ写真を作ってみました。

巨大な噴火口の迫力が今一つ伝わりませんね…

 

ひとしきり宝永山から火口の眺めを楽しんだ後、火口を横切って六合目へ向かいます。

 

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まるで火星か月面のような風景(左) 火口壁をバックにポーズ。いつの間にか天気は好天?(右)

 

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火口を越えて6合目へ向かう(左) 六合目に着いたら何故か俄雨、すぐ止みました(右)

 

六合目の小屋に着くと、M氏は速攻で泡立つ液体の補給(?)に走ったようです。

休憩中に本格的に雨が降り始め、「え〜、あと15分のためにカッパですか?」と思っているうちに止みました。


ということで、今回は感触掴みの為の登山と考えていたものの、砂走りの軽快な下りの一部と宝永火口の雄大な景色も楽しめ、充実感もありました。

 

次回の富士登山は、また来年(^^;

 

お帰りは、富士宮市内の「富嶽温泉 花の湯」でご入浴。六合目で入手した割引券は「1日コースでないと使えません」とのことで、1時間コースで1000円(土日料金)なり。だったら次回からは前に行った「天母の湯」にしましょう。天然温泉ではないけど、1時間入浴コース400円也です。

 

今回の行程は

東名高速道路 磐田IC〜富士川SA(スマートIC) 通勤割引圏内でご利用(^^)

ただし、スマートICの利用はETC専用で、なおかつSAに入る手前にあります。
SAを利用したい場合、一旦ICで一般道に下り、道の駅から入ったほうが良い様です。

今回は一般道に下りたあと富士川沿いに少しさかのぼり、松野の交差点を右折して富士宮市街経由で富士山スカイラインへ。このコースだと、松野からは一本道で富士山スカイラインまで道なりで行けて便利ですね。

帰りは富士川SA下り方向からは高速道路には入れないため、清水まで一般道で行き、清水IC〜浜松IC(またまた通勤割引圏内でご利用)

で帰宅しました。