ishida式の恵那山登山 2008Part4
2008年12月31日(水) 一年の締めくくり、恵那山へ。

年末のお休みには今年最後の登山を…と考えていました。

で、今回もお気に入りの恵那山。

 

12/30の夜に気圧の谷が通過し、12/31は冬型の気圧配置が強まるとの予報から、12/29のスキー疲れも何のその(?)、中一日の大晦日に決行としました。
スキーの時に高速道路から見た恵那山は、雪の量もかなり増えているようでしたから、けっこう本格的な雪歩きとなりそうです。わくわく…。

しかし奥さんはかなり呆れ顔…そういえば大掃除もしてないし。

 

AM3:00頃には起床、4:00に出発、途中で給油・食料調達して阿智村の広河原登山口を目指しました。

 

快調に飛ばしたものの、長野県境付近では道路に積雪が現れたため、急速にペースダウン(^^;、しかし、いつものように治部坂峠よりも北ではほとんど雪を見ることはありませんでした。

昼神温泉を通過して国道を離れて園原へと向かう道中、稜線上に霧氷帯が見えるのを確認。

「おお、あれは県境尾根付近だな」などとよそ見をしていたら、カーブを曲がらずに真っ直ぐにわき道に飛び込んでしまいました。安全運転(^^;;;;;;;;;

 

最後の民家を過ぎて林道に入ると、既に一部が根雪と化した雪の上にわずかに新雪が覆った状態で、1台だけ先行車のタイヤ痕がありました。

そして、駐車場に到着したときには先行者の方は既に出発した後のようでした。

前回よりも到着時間が遅いため、大急ぎで朝食と準備を済ませて出発します。

 

出発時には日の出の時間を過ぎていたため、稜線上の霧氷帯に朝日が当たっているのが見えます。林道はほぼ全面に積雪があり、一部は氷結しています。

 

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1716m尾根上部と県境尾根は霧氷で真っ白。(左) 対岸の林道と神坂峠側の尾根。(右)

 

広河原登山口で登山届けを提出し、吊り橋を渡って対岸の登山道に入ります。

ここからのジグザグの登りでは運動量の増加とともに暑さでムレムレとなってきたので、上着を脱ぎました。

前回同様、対岸の神坂峠方面の山は笹原に霧氷の着いた木々が朝日に白く輝いています。

カラマツの植林地に入ると、やはり周囲の樹冠に着いた霧氷が朝日でキラキラと輝いています。
クリスマスのイルミネーションが大流行の昨今ですが、そんなものよりもずっと素晴らしい自然の景観ですね。

 

調子に乗って上ばかり見上げて写真撮影していると、後方から熊鈴を鳴らしながら登って来る方が近付いてきました。

ダブルストックでかなり速いペースのようだったので、道を譲って先行してもらったら、あっという間に姿が見えなくなってしまいました。(私よりも年長だったと思いますが…)

 

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まるでクリスマスイルミネーションのように輝くカラマツ林

 

落葉したカラマツ林に朝日が差し込んで、これまで来たときと印象とはまるで違って明るい雰囲気の看板ピーク周辺の様子も良い感じです。

看板を過ぎると明るい尾根となって、お約束の青空に立つダケカンバ越しに恵那山本体が姿を現してきます。

 

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落葉で明るい雰囲気の看板ピーク周辺。(左) 尾根に出ると着氷したダケカンバのお出迎え。(右)

 

だらだらと立ち止まっては写真撮影にいそしんでいるので、特に休憩は無しで先に進むと、背後に雪を被った南アルプスと伊那谷が見えてきます。

やや大気中の湿度が高いためか青く霞んでいますが、これはこれで空気遠近法の絵画的です。
また、この時期は季節限定で1716m標高点の尾根から恵那山山頂部(三角点山頂から、西の最高地点まで)を一望することができます。

 

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霧氷で真っ白になった恵那山本峰(右奥方向)

 

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霧氷は前回以上に真っ白。(左) この頃からハイドレーションチューブが凍り始めました。(右)

 

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前回と比較して、新雪は少なくて霧氷は多いようです。

 

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霧氷で花の咲いたようなカラマツ越しに南アルプス


稜線に出ると西からの風は非常に冷たく、前回のようにハイドレーションチューブの飲料が凍ってしまわないように注意…と思っている矢先に、すぐにシャーベット状に凍結してしまいました。

肩ベルトと体の間に挟んで溶かしながら進みますが、残念ながら(T_T)ザックから肩までの部分で凍結してしまったので、その先は飲めませんでした。

これからは、凍結防止のチューブを被せるか、飲んだ後は空気を吹き込んでチューブ内の飲料を空にしてやるなどの工夫が必要ですね。

(普段の日帰り登山に使用しているオスプレーSwitchシリーズは、バックカントリースキーなどに対応したザックで、凍結防止のために肩ベルト内にチューブを通す構造になっています。)

 

どちらにしろ、予想していたにもかかわらず対策不十分(冬季はハイドレーションを諦めたほうが正解だった)で、反省。後は、予備としてザック内に1リットルの水を確保していますので良しとします。

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長野県側は積雪はかなり少なめ。


前回の11月22日に比べ、さすがに稜線上の気温はかなり低めで、特に尾根のやせた部分では西風が強く吹き付けてきます。

雪は新雪フカフカではなくサクサク&キュッキュという感じで乾燥していて、クラストはしていない状態です。(一部、日当たりの良い斜面ではザクっとした感触もあり)

どちらかというと、霧氷の落ちたものの堆積の比率が高いように見えます。

 

雪が乾燥しているため、急な斜面では「つぼ足」でも足場が悪くてやや歩きにくい状態に、今回はやや疲れ気味…そういえばスキーから中一日だし。
しかし、よくよく見ると、先行の方(二名分)の足跡のうちの一つには何時の間にかアイゼンの爪跡が見えます。

ここは変な痩せ我慢(?)は止めて、体力の消耗を少しでも抑えるために自分もアイゼンを装着することにしました。

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見覚えのある木も霧氷の花をまとっています。(左) 県境尾根への手前でアイゼン装着。(右)

今回は7月に東京へ出張した折りに、さかいやスポーツで購入したサレワのチタン製セミワンタッチ12本爪を初めて使用。

これも機会があれば試用したかったのでちょうど良かったですね。

さかいやのネットショップで見て「これはお安い!」と思ったが、買おうかどうしようか迷っているうちに売り切れの表示となってガッカリ。

出張ついでに水道橋のお店に寄ったら、店頭にはぶら下がっていたので即購入(^^)したもの。在庫が少なくなったので、ネット上では売り切れにしていたとのこと。

しかし、雪団子が着きにくいと言われるチタンアイゼン(純正でもアンチスノープレートは用意されていない)は、実際どうよ?っていうのも確認したいところです。

 

装着は(ステップインほどではないと思いますが)グローブをしたままでも簡便で、装着感も剛性があって良いです。何より、軽さがうれしい(^^)。

恥ずかしながら「年を取ったら体力は金で買え!」「技術の無さは道具でカバー」ですね。

出歯があるのはお邪魔かと思っていましたが、以前から使用していた8本爪(出歯無し)に比べて、ちょっとした傾斜でもフロントポイントで立ち込めるため楽です。

ただし、靴の嵩が高くなるだけでなく、出歯の分足が大きく(前が長く)なるために慣れるまでは注意が必要ですね。

 

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今回初使用のチタンアイゼン。(左) アイゼンのお陰で楽ちんに。(左) 県境尾根に到着。(右)

 

急に(気分も?)楽になって県境分岐手前の急斜面も何のその、無事に県境分岐に到着しました。

ここからは、木々の下枝や下生えのドウダンなどの枝までびっしりと霧氷が着いています。

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県境分岐の立ち枯れ木。(左) 山頂稜線では下生えまで霧氷がびっしり。(右)

県境分岐に着いて写真など撮っていると、先行の方が下山してくるのに会いました。

帰りに温泉に寄りたいとのことで、今日営業していそうな場所を聞かれましたが、うーん、よくわかんないです。昼神温泉なら確実かと…

 

ここからは傾斜も緩くなって、もう一頑張りで山頂三角点です。

(と言いつつ、ここからが意外に遠く感じるんですけど)

途中、もうお一人の方とすれ違いました。

スノーシューを持っておられたので、今日は使う場面はありましたか?と聞くと、やはり使ってはいないとのことでした。(自分も念のためかんじきを持ってきましたが、無用の長物?)

その方は今回が初めての恵那山だそうですが、素晴らしい景色を小屋裏から堪能できたとのことで、楽しんで頂けて良かった。

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三角点広場に到着してセルフ撮影。(左) 山頂周辺の(プチ)モンスターたち。(右)

で、ちょうどお昼ちょっと前に三角点広場に到着しました。

写真撮影もそこそこに(?)お昼ごはんのため、避難小屋前まで移動します。

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広々した山頂の庭園風の風景

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山頂避難小屋。やはり新雪はほとんど無し(左) 年越しそば(緑のたぬき…)の準備。(右)

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ちょっと質素なお昼ごはん。(左) 今日の小屋裏の大岩の様子。(右)

小屋前でお昼の準備を始めると、あっと驚き!買出しした食料を全て車にお忘れ…。
(最小限の予備食と非常食は持っていますが。)
今年の締めくくりも、やっぱり忘れ物ですか。やはり最近の脳細胞の減少が原因かしら。

とはいえ、今年の無事とお楽しみに感謝しつつ年越しそばをいただきました。
今頃お家でも年越しそばをいただいている時間です。
一家の主が不在ですみませんねぇ…。(これも今年を象徴している?)

食事のあと、空身で神明社まで往復します。
先行のお二人はこちらまでは来ていない様で、新雪でトレースの消えたルートを歩いて神明社に着くと、反対側から来たらしい登山者の方と遭遇(^^)。
神坂峠ルートから登ってみえたとのことで、大檜駐車場辺りまで車で入り、鳥越峠経由で登ってこられたそうです。

北側はやや雲があって、御嶽はちょっと雲がかかった状態、穂高や白山は見えませんでした。
やや霞んでいるとはいえ、社会活動が止まって大気中の浮遊粉塵が少ないためか、今日も南側は海まで見えました。

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小屋裏の展望ポイントから三角点方向。(左) 神明社前。(右)

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神明社から南を望む。今日も海とishida家が見えます(^^)

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神明社から前宮分岐方向。(左) しっかり発達した樹氷。(右)

避難小屋に戻って帰り支度をしていると、先ほどの方が空身で三角点のほうへと歩いて行かれます。自分も支度を済ませて三角点広場へ。
ちょうど、標柱にカメラを置いてセルフポートレート中だったので、いつものように写真撮影を買って出てシャッターを切ります(^^)
写真好きの方のようで、カメラケースの代りにクッション付きの巾着型ケースに電池消耗を抑えるための使い捨てカイロを入れて使用しているとのことです。
なるほど、これは真似しちゃいましょう(^^;

年末恒例のお別れの挨拶をして、やっと下山にかかります。
奥さんには「なるべく明るいうちに帰宅するように行動予定」と告げてきたにもかかわらず、どう考えても夕餉には間に合いそうもない時間となってしまいました。
とりあえず大急ぎでアイゼンを効かせて快調に(?)下ります。トレースを避けて雪だまりのなかで雪を蹴散らして進んでも、低温と乾燥のため全く靴やアイゼンに着雪しません。

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下山中に見ると、富士見台も既に霧氷は落ちた様子。

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看板ピーク手前で。低温のため全く着雪がありません(左) 西日射す看板ピーク。(右)

西日の射す看板ピークに到着したところで、アイゼンは外します。今回は湿った雪ではなかったため、チタンアイゼンは本当に雪団子が着きにくいのか、はっきり判りませんでしたね。
そういえば時間がなくて、せっかく持ってきた「スーパーかんじき」も試すことができませんでした。また次回(次は春?)にでも試してみたいと思います。
カラマツの植林地に入ると、恵那山の稜線に太陽が姿を消してゆきます。
ああ、もう夕方といえる時間帯で、周辺も暗くなってきて寂しいな…と思ったら、サングラスを掛けたままでした。外したらまだ明るかった(^^;

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太陽は稜線の向こうに姿を消す。(左) 駐車場に一人佇むエブリちゃん。(左) 安全に固定。(右)

結局、15:50に登山口、16:15に駐車場着でした。
林道でも、昇華により雪は減っていましたが、まるでついさっき歩いたかのように朝の足跡がくっきり残っていました。(自分を入れて3人分でした)
車に戻って登山靴を脱いでみると、まったく土の上を歩かなかったために出掛ける前よりきれい(?)なくらいの状態でした。
ザックの雪も、掃えば全て落ちてしまいました。冬は装備が汚れなくて良いですね。
そのままザックをリアシートに座らせて、シートベルトのチャイルドシート固定機能を使ってしっかり安全に固定します。

そして、大急ぎで(夕食の時間に間に合わせるべく)エブリちゃんを走らせて帰宅の途に。
途中、奥さんに電話で遅延のお詫びをしつつ宴は先に始めてもらっていいよと伝えます。
(しゃぶしゃぶだけど…お父さんが帰る前にうどんは入れないでね)
結果、なんとか家族の食事中には帰着しました。

今回は時間短縮(になるかどうか判りませんでしたが)のために、折元ICから茶臼山高原道路も通ってみましたが、入った途端に普通に雪道(^^;…12/29のきそふくしまスキーでもこんなに雪は踏まんかったのに。
道中も、何故か治部坂高原や平谷高原、茶臼山などのスキー場に行った帰りのファミリーカーが目に付きます。
帰った後で奥さんに「なんで大晦日にわざわざ平谷高原とかにスキーに行くのか良く判らんね〜。リフト券がタダとか、なんか特典でもあるのかね?」と言うと、「大晦日に登山に行く人とどっちが?」と笑われた…。

----------------------------この日の行程---------------------------

4:00自宅発〜(豊橋〜新城〜田口〜津具〜折元峠〜根羽〜治部坂峠〜昼神温泉〜園原)〜6:50駐車場着(約135km)

7:40駐車場発〜8:05広河原登山口〜9:25看板ピーク〜途中でアイゼン装着〜11:15県境分岐〜12:00山頂(三角点広場)12:1012:17避難小屋前(昼食)13:0013:15神明社(最高地点)13:2512:30避難小屋前13:5514:00三角点広場〜14:25県境分岐15:05看板ピーク15:1515:45広河原登山口16:10駐車場

16:20駐車場発〜(園原〜昼神温泉〜治部坂峠〜根羽〜折元峠〜茶臼山高原道路〜名倉〜田口〜新城〜豊橋)〜18:40自宅着(約142km)