ishida式の恵那山登山
2008年5月4日(日) 残雪の恵那山へ行って来ました。

昨年から考えていた2008年のゴールデンウィークの予定は、一泊で山に行くつもりでした。

 

ところが、例年通りなら4/29〜5/6の間は休日と予想していたのですが、蓋を開けてみれば今年の休日は4/29、5/3〜6ということになりました。
できれば4/29〜5/2の間に出かけたいと思っていたのが、あてが外れました。

 

とはいえ、天候を予測しつつ(非常手段で1日くらいは有給休暇も辞さず(^^;のつもりで)準備をしていたのですが、どうも不安定な天候で上手くいきませんでした。

第一候補は一泊で南ア鳳凰三山、泊まりが無理なら第二候補として恵那山と考えていましたので、天候と相談した結果、5/4(日)「恵那山」(黒井沢コース)に決定しました。

 

今回も、ちょっとでもお安く(一人だし)行こうという事で、高速道路も「ETC割引」を駆使して(?)走行。

林道走行も考慮してEVERYちゃん(4WDの軽商用車)でお出掛け。

 

音羽蒲郡IC〜中津川IC 103.2Km 2450円→1450円(軽自動車・深夜割引あり)

ETC深夜割引は現在40%OFFとなっています。

自宅を3:00発(途中ちょっと買出し)音羽蒲郡ICを3:40通過、東海環状経由で中央道に入り4:40頃中津川IC、川上(かおれ)5:00、黒井沢林道終点5:20

 

以前にK氏と行った時は林道も荒れていてかなり大変だったのですが、現在は12Km程のうちの最後の2Km程が未舗装なだけで、後はすべて舗装されていました。(よくよく調べてみると、前回は1993年4月11日…15年も前でした)

 

 

登山口横のポストに登山届を提出し、朝食を摂った後、6:00に登山口を出発します。

登山口のゲートが閉まっていますが、両側に登山者用の四角い出入り口がありますので、くぐって入ります。
暫くはほぼ平坦な林道歩きが続き、樹林帯の中に入ると黒井沢避難小屋の前に出ます。

 

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登山口で登山届を提出して出発(左)ほぼ平坦な道を40分ほどで黒井沢避難小屋(右)


避難小屋前から登山道は沢から離れ、左手の山腹をジグザグに登ります。

ひとしきり登った後、道は平坦になり、しばらく進むと再び沢に近付くため右下から沢音が聞こえてきます。

沢を渡ると、今度は右手(左岸)の斜面を登って源流部に近付きます。
この辺りからミズナラなどの巨木が目立つようになり豊かな林相を思わせ、新緑の頃はさぞかし綺麗なのでしょうね。

 

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沢の周囲には巨木が目立ちます(左)沢の源頭部は平坦な地形(右)


上部では沢も伏流となり、枯れ沢となった中を進むと前方の視界が開けて野熊の池へ続く平坦路となります。今回はこの周辺から所々残雪が見られました。

途中、左手に可愛らしい「野熊の池避難小屋」があります。
この周辺は東西から緩やかな山体が合わさった複雑な地形で、船窪状の地形も見られます。

そのまま進むと程なく「野熊の池」前のベンチのある広場に出ます。

「野熊の池」は山上には珍しく、綺麗な水をたたえた可愛らしい池ですので、汚さないようにしましょう。

 

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透明な水をたたえた野熊の池

 

登山口からここまで約90分でしたが、登りで踵の辺りが擦れて痛かったのでバンドエイドを貼り付けます。(私の足は、踵の上辺りに出っ張りがあって、どの靴でも必ず擦れるんです)

が、少し我慢をしすぎたようで、貼った後も痛いまま…気になった時点ですぐ対策すれば良かったです。

 

野熊の池を過ぎると道はカラマツの植林地の中へ入り、再びジグザグの登り道となります。

積雪で上から押されたクマザサが登山道を塞いでいるうえに朝露で濡れている状態で、やや歩きにくい部分もあります。

 

カラマツ林を進むと、カラマツ越しに東側に連なる山塊が見えてきます。

 

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東側の県境に連なる山々が木の間越しに見えます(左)この辺りからまとまった残雪も(右)

 

更に登り切ったところで視界が開け、手前に伊那谷をはさんで南アルプスが雄大な姿をあらわします。(鞍部の西側には恵那山と広河原コースの通る尾根がちらっと見えます)

東側には大川入山へと続く県境の稜線に島の谷山、恩田大川入山、三階山が山稜を広げています。

しかし、残念ながらこのルートからは私の好きな大川入山は見えないようです。(大川入山からは恵那山が見えます)

このあたりは、東濃アルパインクラブの足立様主宰の@恵那山のホームページを参考にさせて頂きました。知らなかったら多分、三階山の右に見える三角形の山が大川入山だと勘違いしたと思います。

 

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県境の山々をはさんで左と奥が長野、右が岐阜(左)伊那谷を隔てて南アルプスの山々(右)

 

更に開けた斜面を進むと北に中央アルプス、南には中津川(の源流)をはさんで鯉子山〜焼山の稜線の展望が開けます。さらに進行方向には恵那山の姿も。

実は黒井沢コースでは、恵那山全体を見渡せる場所がないんです…

 

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北に中央アルプス(左)中津川をはさんだ対面の山。中央左寄りが黒井沢登山口周辺(右)

 

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稜線周辺は立ち枯れたツガが目立つ(左)いよいよ姿をあらわした恵那山山頂(右)

 

1992mピーク手前でロングスパッツを装着して巻き道に備えます。

目立たない1992mピークを過ぎて少し下ると巻き道に入ります。

積雪期は稜線伝いに直接山頂に向かう「冬道」がありますが、無雪期はササ藪になっています。(現在は広河原コースが稜線を通っているため、ほんの少し藪漕ぎするだけのようですが、また今度の機会に…)
逆に、積雪期の巻き道は雪が深くてコースが判り難いため、直登したほうが安全だと、前回K氏と登った際に熟練者の方から聞きました。
(この点は自分自身の目では確認できていませんので悪しからず)

 

ピークを過ぎてすぐに、「水場ヲ経テ山頂小屋ニ至ル 約60分」の表示板があります。

巻き道に入ると樹林帯も深く、一気に残雪の量が増えます。

ここからは登山道の傾斜は緩いのですが、残雪を踏み抜いて体力を消耗しないように注意します。

南に延びる大きな支尾根を越えて(「山頂まで1Km」の看板あり)暫く行くと水場がありますが、今回は(たぶん)看板も雪に埋まっているようで、雪の下に水音がするだけでした。

帰りに補給することにして、先に進みます。

踏み後はそれなりに付いていますが、下ばかりに気を取られてルートを外れないように注意します。赤テープを目印に、常に次のテープの存在を確認しながら行くのが基本です。

木の間越しに見える空が低くなって、傾斜が緩くなってくると頂上避難小屋に着きます。
ここで午前10時ちょっと前だったので、ちょうどコースタイム通りでした(^^;

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残雪の多い巻き道(左)山頂避難小屋に到着(右)

 

ここまで、黒井沢コースのトップを切って登ってきたにもかかわらず、小屋周辺は人が一杯います。聞いてみると「広河原駐車場を7:30出発しました。駐車場は満車でした。」という人もいて、黒井沢コースの距離の長さと、人気の差に今更ながら驚き。

多くの人の足元が「スパッツ無し」で、ビショビショなのにもっと驚き…!?

 

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大岩の上から東を望む。中央右寄りが聖岳。手前右側の尾根が広河原ルート。

 

避難小屋裏の大岩に登ってひとしきり風景を楽しんだ後に山頂に向かいます。

しかし、気が付くと南から不穏な雲が巻き上がってきています。

10分ほどで2189.8m三角点のある山頂に到着。

山頂は平坦なのでもともと展望は利きませんが、以前は無かったヤグラが出来ていたため、これ幸いと登ってみました。

しかし、巻き上がってきた雲で展望はほとんど無くなっていました。

(天候が良くても展望が利くのかどうかは疑問ですが)

団体がヤグラの真下に陣取ってお食事中で、滴を垂らして文句を言われてもなんなので、早々に退散。その団体、ストックやザックもその辺にばっちらけ(三河弁)で、マナーがなってな〜い!

別のグループの方に記念写真をお願いして早々に避難小屋のほうへ戻ります。

もう一度大岩に登ってみると、かなりガスが巻いてきて「もやもや」に…そろそろ展望も期待できそうにありません。

 

もう一つ、今回は「三角点のある山頂」以外に、「恵那山の最高地点」というのもチェックしたいポイントでした。

地図上では、避難小屋をはさんだ反対側に「2191m」という最高地点があり、地図によってはこちらを山頂としています。(「カシミール」で見ても2191m地点を山頂としています。)

小屋の裏から北西を目指して進むと、社が二つ現れますが、二つ目の社のある地点が(特に看板などはありませんが)「2191m」とのことです。

 

↑地図を見て疑問に思っていたのですが、前述の@恵那山を見て疑問が解けました。

 

見ている間にも、神坂峠方面から5〜6人のパーティー(やはり足元ビショビショ)が来ましたが、何のリアクションも無く通過していきました。

既に周辺はガスに包まれていたため、展望の良し悪しは判りませんが、周辺は小屋の裏手から一段高くなっており、全体になだらかで広い(三角点のある)山頂よりも展望が良さそうなのが見て取れます。

(帰宅後、「カシミール」で展望をシミュレートしてみると、確かに良さそうでした。)

また次回の楽しみにとっておきたいと思います(^^)

 

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山頂で記念写真。スパッツのゴムが緩んで下がってるのはご愛嬌(左) 最高地点にある神明社(右)

 

その後、11:00頃に下山の途につき、水場の下で昼食の為に大休止。

しかし、木の根元やら岩陰などを覗き込んでも、伏流水となって流れている水にはアクセスできません。

ラーメンを作るのには真水が不足(^^;なので、仕方なくシェラカップで雪を掘って溶かすことにします。
(煮沸するので問題ないですが、木屑などのゴミや味に関してはちょっと保証範囲外)

ラーメンとコーヒー+オレオ(好きなんです)でお食事を済ませた頃、元気な若い人が現れて、「水場はここですか?」ときかれました。(けっこう他にも通る人にきかれた)

「そうですが、埋まってます。」と答えると、あちこち覗き込んだ後で「ここから水が見えるんで掘ってみます。」と言いながら、コッヘルでどんどん掘り始めて数分…「出てきましたよ〜。良かったらどうですか?」とのこと。

お言葉に甘えて、雪を溶かした水は捨てて(^^;ポリタンクに補給させて頂きました。

 

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水場下の斜面でお昼の休憩(左) 1992mピーク付近からガスの晴れ間に広河原コースの尾根(右)

 

ところで、黒井沢からのトップを切って登頂した後、下山にかかると(食事中も含め)どんどん人が登ってきます。実は黒井沢コースもけっこう人気?

しかし!山頂周辺で見た人たちの80%はスパッツを着けていなかったのと同じく、黒井沢から登って来る人たちも殆どの人はスパッツなし。そのうえ多くの人は雪上歩行に慣れてないらしく、ズボズボと雪を踏み抜いたりストックに頼りすぎて支えを失って転んだりする姿を食事中だけでも多数見掛けました。

さらに、ストックのバスケットを外しちゃってる人、サポートタイツに短パン姿の人、果ては運動靴の人など、この時期の2000m級の山が解ってない人が多すぎるんでは??

下山途中、状況を見て引き返している親子連れの方(賢明な判断でした)にも会いましたが、多くの登山者の方も自分の装備とコースの状況を考え合わせて判断すべきと思いますけど…。山は逃げたりしませんので、無理があったら今回は断念して、時期を変えるか装備をもっとしっかりして再チャレンジしたほうが無難だと思います。

あと、時間的に遅いスケジュールの人が多すぎですね。

単純に今日の天候に限って言っても、私より後に黒井沢コースを登ってきた人の大半は稜線に出た時点でガスが巻いていて景色は楽しめなかったのではないでしょうか?

 

教訓:早起きは三文の得!

 

教訓になってない(^^; ちゃんと真水も必要な量は汲んでおきましょうね。(影の声)

 

昼食を終えたあとは往路を戻ります。

下りや平坦路では踵の痛みは気になりませんが、ガスのため景色も見えず、さすがに単調になってきてしまいましたね。

新緑の季節以降なら、展望は犠牲になる代りに多くの花や昆虫などに出会えて楽しそうには違いありません。

 

野熊の池まで下って小休止の後、登山口まで戻ったのが15:20でした。

駐車場周辺には多数の車があふれていました。(タクシーも3台ほど待機)

 

帰路は

15:35 黒井沢登山口発

16:00 中津川IC(途中恵那峡SAでおトイレ休憩、給油)

中央道は故障車のため渋滞で30分ほどロス。東海環状、東名はいつものスキー帰りよりも空いているくらいでした。ガソリン高騰のおり、皆さんお出掛けを控えたの?

18:00頃 岡崎IC(高速走行90Km、通勤割引のため1150円也)

19:00 自宅着(総走行距離 322Km)

となりました。