ishida式の 大川入山 登山
2023年12月8日(金)
暖冬続きですが、この日も霧氷には期待できないことが行く前から予想された…(^^;

2023年は春から腰痛だのバイクで側溝へ突入だのといったアクシデントに見舞われ、夏は記録的な酷暑ということもあって、登山は(今年も)低調でした。
奥さんの強い希望で体力作りには励んできましたが、結局のところ「トレーニング」や「自然観察」的に近場の山へ行くことはあっても、登山目的で山へ行くのは2月以来ということもあって体力測定も兼ねて決行しました。

目的地は10回以上行っていて勝手知ったる山といっても良い「大川入山(1908m)」ということにしましたが、予定日の12月8日は前日時点で「天気予報的には確実に好天に恵まれるものの気温や気圧配置的には霧氷はちょっと期待薄かなあ…」という予想です。
でも、雪も少ないこの時期のうちに体力測定も兼ねてよく知った山に1回は登っておきたいよね。

前日のうちに各種装備もチェックして準備しておき、当日は午前3時に起床して軽い朝食をとって出発、買い出しを済ませて第1目的地の「道の駅 信州平谷」を目指します。
道中は遅い車に引っ掛かってしまうこともほとんどなく快調に走って道の駅に着くと、気温は−4℃と低めで、周囲には霜がびっしり、周囲には昨日のものらしき降雪の痕跡があります。
とはいえ、晴天で無風の未明の気温がこれだと、予想通り山の気温はあまり下がっていない感じ…
道の駅で追加の朝食と用足しして、ガラ空きの治部坂街道を登って治部坂峠に到着です。
車内で靴の履き替えなどをしている最中に後続の車が2台立て続けに到着し、一人はさっさと出発していったようです。
自分の方も追加でゼリーを吸いこんだりラジオ体操をしてから、おもむろに出発です。

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「道の駅 信州平谷」では気温−4℃、細い月もクリアに見えた。(左) 登山口には前日の雪が見えます。(右)

昨日の雪がわずかに残る道を歩いて登山口に至りいよいよ登山開始ですが、水場の橋を渡った所で沢を見ても周囲には氷のかけらさえなく、やはり気温があまり下がらなかったことがうかがえます。
いつもながら針葉樹の根がうるさい斜面を直登して尾根筋に出ると目指す「大川入山」が見え始めますが、やはり予想通り着氷はほとんどない様子です。
おそらく昨日の霧氷の残りだと思われるものが局所的に白く見えているようです。

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山頂域にはわずかな霧氷の名残りが見えた。

うっすらと積もった新雪の上には先行した人の足跡だけが残っていますが、痩せ尾根の急斜面などでも足の置き場が適切で、けっこう山慣れた人のように感じる。
尾根のひと登りで最初のチェックポイント「横岳(1574m)」に到着ですが、最近の鍛錬のお陰かゆっくり目のペース配分のお陰か、とりあえず今のところは息も上がることなく登れているかな。

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登山口から1時間ほどで「横岳」に到着。(左) 今のところ快調?(右)

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尾根筋に出ると、ほとんど土は露出していません。

横岳を過ぎると南側の展望も開け、緩やかに起伏を繰り返す尾根道は明るくて気持ちよく歩けます。
横岳から先はほとんど土を踏むことなく歩けるのも気持ちが良いですが、今日の天気と予想気温では下山時にはかなり融けてしまいそう…
まっさらな新雪の上にはいろいろな動物の足跡が残っていて、「これはテンでこれはリス、こっちはネズミかな?」なんて予想しながら楽しめました。

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ちょっと粒状感のある新雪にはアニマルトラックが多数。これは「ホンドリス」のようでした。

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カラマツ越しに見える「大川入山」はまだ遠い(^^;

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木の間から見える「大川入山」が次第に大きくなってきた。

最低鞍部の手前の「あと2km」看板を見た後で大きく上り下りし、最低鞍部(昔は「舞鶴のコル」と看板があった)を過ぎると、いよいよ標高差270mほどの登りが待っています。

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最低鞍部付近から来た道を振り返る。

最低鞍部から登り始めてすぐ、「あと1Km」看板の手前で先行していた女性が下って来るのと出会いました。
ishidaより20分ほど前に出発したと思うのに、もう山頂を往復してきたって…ishidaのペースではここから山頂まで30分以上は掛かると思うし、やっぱりishidaのペースって一般的な人よりかなり遅かったのかしら…(^^;
ここからもうひと登りで山頂直下の笹原ですが、「早くしないと霧氷が落ちちゃいますね」なんて言われて、二重に焦る気持ちが湧いてしまうのがishidaのいけない所ですね(^^;;

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最低鞍部から登り始めて最初の展望ポイントでは東側の展望が開ける。

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光岳から南に続く南アルプス最南部の山々が見える。

鞍部から登り始めて最初の展望ポイントに達し、東に広がる遮る物の無い南アルプス最南部の尾根を見渡して写真を撮っていると、さらに後続の人が追い付いてきました。
見たところ、どう見てもishidaよりも年上の先輩的年齢の方のようでしたが、道を譲って後についていくと、どんどん離れていってしまいました…やっぱりishidaのペースって(^^;;;;;;
山腹を少し巻くようにして登ると、いよいよカラマツ林を抜けて山頂域の広々とした笹原が見渡せる場所に飛び出します。
すぐ先では先ほどの先輩も写真撮影にいそしんでいました。

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やっと山頂直下の笹原に出ました(^^)

笹原の灌木に付着しているのはやはり昨日の霧氷の残りのようですが、それも暖かな日差しにどんどん溶けて落下し始めているようです。
緑の笹原に立つ灌木に霧氷が付着した、いわゆる「羊さんの群れ」は見られませんが、今日は好天に恵まれて笹原の緑も眩しいし、うっすら積もった新雪を踏んで歩くのも気持ちが良いよね。

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ま大川入山の南西に位置する1796.8m標高点ピーク。笹原の緑が眩しい。

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振り返ると南部の山々の山並みもイイね。

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ちゃんと「霧氷」でしょ。

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針葉樹の立ち枯れには霧氷がびっしり。

霧氷が発生していると写真撮影で歩みが遅くなる場所ですが、今日はそれほどペースダウンすることもなく山頂に到達、駐車場からはちょうど3時間だったのでishida式ではペース的にはそこそこ、昨年同時期よりはずっと早めの到着でしたけど…
(帰宅後に「YAMAP」なんかの登山記録を見ると、一般的には山頂まで3時間前後が多く、早い人で2時間くらいだった…でも、人と比べちゃイカンよね)

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歩き始めてちょうど3時間で山頂に到着。

「大川入山」の山頂は周辺の山よりも頭一つ高くてほぼ独立峰的な地形で、本来ならほぼ360度の展望があってもおかしくない地形です。
しかし、近年は北側の灌木も背が高くなってしまい、以前のように山頂に居ながらにして展望を楽しむことは出来なくなってしまいました。
それでも、山頂から少し西に向かうと、「恵那山」や「恩田大川入山」「中央アルプス」、遠くは「白山」や「御嶽」「乗鞍岳」「穂高連峰」「南アルプス」「八ヶ岳」「蓼科山」といった峰々を眺めることが可能です。
意外にこれを知らない人も多くて、山頂でUターンして「思ったよりも展望が無い山だな」なんていう感想を持つ人もいるようでもったいない(^^;
今日はほとんど無風のため、南側には暖められた地表の大気が上層の冷気によって抑え込まれる逆転層が形成されているため何となくもやっとしていますが、北側はすっきりとしてシーイングの良い状況になっていて、どこまでも続く山々のスカイラインがくっきり見えます。

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山頂から見下ろす1796.8m標高点ピーク。

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ちょっと西側へ下った斜面から見る「恵那山」。右手前は「恩田大川入山」で、左肩には「白山」も見える。

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「恵那山」と左奥の「白山」のアップ。

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尾根の向こうに「御嶽」「乗鞍岳」「穂高連峰」。手前には「富士見台」と「南木曽岳」も見えている。

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伊那谷を隔てて見る「南アルプス」と「八ヶ岳」「蓼科山」。

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飯田市街の向こうに「仙丈ケ岳」。

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南アルプスの重鎮たち。左から「北岳」「間ノ岳」「農鳥岳」「塩見岳」「荒川岳」。

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山頂西側の鞍部。風が抜けるため霧氷の発達が顕著。

山頂の西側のくるに下ると、すぐ先の小ピークから下ってきた先ほどの先輩と出会い、今日の天候や気象予報について話しが盛り上がり、いつの間にか1時間20分ほど立ち話をしてしまいました。
岐阜県在住でishidaより9歳年上のその方はもともと山形県の出身で、東海地方の山だけでなく東北の山や気象予報サイトなどにも詳しく、楽しい情報交換をさせていただきました(^^)

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だんだん陽射しが昼っぽくなってきました。南アルプス南部の3000m峰「荒川岳」「赤石岳」「聖岳」。

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「上河内岳」(左)の右側の尾根から「富士山」がちょっとだけ顔を出している。

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遠く見える「八ヶ岳」と「北八ツ」をアップに。「蓼科山」の左には「浅間山」も見える。

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すっかり昼の陽射しになって、真っ白な雪が眩しい。「荒川岳」「赤石岳」「聖岳」。

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初登場の「中央アルプス」。

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山頂に戻りながら見る1796.8mピーク。空には逆転層による境界線がくっきり。

下山してゆく先輩を見送り、時間もいつの間にかお昼近くなってしまったのでこの辺りで昼食にしようかどうか思案していると、山頂kら西側斜面に向かってくる後続の単独行の方二人の姿も見えてきました。
自分は山頂まで戻りましたが、山頂ではちょっと風が出てきて肌寒いような気もして、少し下ったあたりでお昼にすることにしようかなということにして、ゆっくり下り始めます。

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上矢作風力発電所「風の森」と、靄の底に沈む三河の山々。

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愛知県最高峰の「茶臼山」と、左側に浜松市街の「アクトタワー」も見える。

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笹原の下端と奥三河の山々。

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横岳へと続く尾根。中央奥が「茶臼山」です。

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南アルプスの雪稜ともお別れ。まだ富士山も辛うじて見える(^^)

山頂から直下の笹原を過ぎ、最後にもう一度大川入山や南アルプスの雪稜群にお別れをしつつお昼ご飯スペースを探すうち、先ほどお別れした先輩が昼食をとっているのも追い抜いてどんどん下っていってしまいました(^^;
最低鞍部を過ぎ、ちょっと気分が下がる登りを過ぎた辺りでやっと昼食(結局、今回も準備していたコンロと水は使わず)です。
昼食をとった後はダラダラと登り下りを繰り返しますが、東〜南向きの斜面では春のような陽射しのため雪もすっかり融けてしまい、上着を着ていると暑いくらいの陽気となっています。

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帰路はなんだか春のような陽射し。(左) 西・北向きの斜面にはまだ雪が残る。(右)

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横岳手前の尾根ではすっかり地面が露出。(左) 既にスタッドレスに履き替え済み(^^)のエブリちゃん。(右)

何となく帰路では今回も「体力使い切った」感(^^;もありますが、とりあえず勝手知ったる山での体力測定ではまずまずの結果かなあ。

今回の大川入山では、山で出会った人は4人、足跡を見ると後続で登ってきて山頂でUターンしていったため姿を見ていない人が1人いたようで、自分を含めて6人の登山者がいたようですね。

駐車場に戻り、時間的には渋滞前に市街地を抜けられそうなので、今日も温泉はオミットして真っ直ぐ帰ることにします。
念のためストレッチだけは入念にしておき、自宅直近のお食事ポイントへ向けてエブリちゃんを走らせました。

自宅3:35 --- 買い出し 3:47 --- 5:48 道の駅 6:05 --- 6:12 治部坂峠駐車場(往路106km)
駐車場 6:40 --- 登山口 6:46 --- 8:05 尾根道 --- 7:48 横岳 --- 8:34 あと2km看板 --- 8:56 最低鞍部 --- 9:04 あと1km看板 --- 9:18 笹原 --- 9:40 山頂〜西ピークetc. 11:45 --- 12:16 あと1km看板 --- 12:29 昼食 12:43 --- 12:56 あと2km看板 --- 13:31 横岳 --- 14:13 登山口 --- 14:17 駐車場
駐車場 14:30 --- 16:51 晩飯 17:36 --- 17:44 自宅(復路105km 往復211km)