ishida式の 御池岳 登山
2023年2月6日(日)
平日登山にこだわりすぎて好機を逸した感もありますが、良い山ですね。

2022〜23年の積雪期は日本海側では昨年に引き続き大雪ですが、太平洋側では(1月には2年振りの積雪はあったものの)相変わらずの小雪です。
積雪豊富なエリアを求めて1月11日に出掛けた「霊仙山」でも例年に比べて積雪量は少ないとのことですが、ishidaとしては久々の雪を堪能できました。
しかし、それ以降は高温続きで「伊吹山」や「霊仙山」でも融雪が進んでしまい、地面が露出して白黒斑の「ホルスタイン状態」を呈していたようです。
そして再び1月末の寒波で積雪が復活したのを見計らって、前回で味をしめた鈴鹿方面の山を今度も狙ってみました。

「御池岳」といえば前回の「霊仙山」やお隣りの「藤原岳」と並んで石灰岩地帯特有の地形や「フクジュソウ」などの植生で有名ですが、前回の「霊仙山」から眺めたどっしりとした山容と豊富な積雪にも魅力を感じました。

最高のお天気が予想された2月5日(日)が狙い目だと思ったものの、日曜日の人出と駐車場難なども心配だし、県知事選や娘からの頼まれ事なんかもあったので、決行日は2月6日(月)としました。
天候的には月曜日の午前中は晴れ、午後から次第に雲量が増えて来るという概ね好天の予報だし、ishida的には土曜日からの好天続きで気温の上昇が見込まれる日曜日よりも気温が低下する月曜日のほうが霧氷が多少は期待できるんでは?という予想もしていました。

今回も雪の状況を見て装備が選択できるように「スノーシュー」「12本爪アイゼン」「ワカン」「チェーンスパイク」を持参するように準備しました。
(今回もCompassで登山計画を提出済み)

当日はいつも通りAM3:00に起床して着替えもそこそこに出発、深夜割引の時間に間に合うように音羽蒲郡ICへ向かい、東郷PAで朝ごはん・コンビニで買い出しして目的地を目指します
今回は平均時速100Km/h程度を維持できるようにエブリちゃんを走らせ、彦根IC〜多賀町の国道306号線の鞍掛峠方面の冬季通行止め地点を目指します。
今回は1月末の降雪の影響もあって国道306号線沿線もスキーへの道中の様な景観でしたが、終盤の除雪されていない区間以外は順調で、6:18に国道通行止めゲートに到着できました。
国道306号線は最終集落から先は基本的には通行止めで、登山者のためにゲートは半開されていますが、最終通行止めゲートまでの区間は除雪はされていませんので、クラスト状態の積雪で時々エブリちゃんのお腹をガリガリ擦りながら進みます(^^;
正規の駐車場も無いので、通行止めゲート前でUターンして向きを変え、道路脇の少し広くなった地点に駐車しました。(こういうところも日曜日を避けたい理由の一つなんです…)

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最終集落から先、登山者のために開放はされているが非除雪区間はこんな感じ。

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最終ゲート前の路面は多数の車に踏まれて平坦。

現時点では他の登山者の姿はなく、今日の装備はスノーシューとチェーンスパイクを選択し、ラジオ体操第1の準備運動後に出発です。

国道通行止めゲート前のヘアピンカーブから川沿いの林道を20分ほど歩き、右手の砂防堰堤を越えるようにして登山道に入ります。

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通行止めゲート手前のヘアピンカーブ前から沢沿いの林道へ。

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右手の砂防堰堤を越えて沢を渡る。(左) 暫くは暗い杉林の急登が続きます。(右)

砂防堰堤を越えて沢を渡ると、いきなり杉林の急登の始まりです。
所々地面は露出していますが、標高の低い登山道特有の前日の気温上昇で溶けたシャーベットが再凍結した状態が続いて足の置き場を考えるのも億劫なので、いったん停止してチェーンスパイクを装着しました。(前回の登山で学習していない…(^^;)
暫く登ると行く手が明るくなり、樹木の伐採された第1鉄塔の下を通過、更にその先には並行して走る送電線の第2鉄塔下を通過します。
鉄塔は通常の東京タワー型ではなく、丸パイプを組み合わせて作られた横幅の大きい「お化け鉄塔」で、時節柄か角を生やした鬼のようにも見えますね(^^)
三重県側から鞍掛峠〜鈴ヶ岳の尾根を越えるようにして平行に2幹線の送電線があり、中部電力管内の三重県側と関西電力管内の滋賀県の間にこのような大規模送電線があるのもちょっと不思議ですが、電力会社間で電力融通を行うための幹線なんですかね。
(帰ってから調べてみたらやはりその通りで、北勢町に変電所、東近江市に開閉所がありました。)

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視界が開け、鈴ヶ岳の尾根を越える送電線の下を通る。

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時節柄か、角を生やした鬼に見える(^^)。

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北の霊仙山もきれいに見えました。 

送電線直下は木が刈り払われているため、南西には「鈴ヶ岳」の尾根、北には「霊仙山」や「伊吹山」がひときわ目立つ真っ白な姿を見せてくれます
第2鉄塔を過ぎて再び杉林を辿りますが、程なくして行く手が明るくなってくると鞍掛峠から鈴北岳へと続く稜線に飛び出します。
稜線に出ると周囲は落葉樹の森となり、東側には藤原岳方面の尾根や伊勢湾の海面が光って見えてきます。
さすがに日本海側からの西風が吹き付ける地形だけあって、稜線には小さいながらも雪庇の張り出しが続いているのが見えます。
小雪の今シーズンはまだしも、例年なら降雪直後は雪が多すぎて難儀することは必至ですね。

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稜線に出ると一気に積雪量が増加。

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藤原岳と伊勢湾の海面。

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降雪があればこのように雪庇も出来る。

ここまで暗い杉林を黙々と登って高度を稼ぐ歩荷的な気分だったのが、稜線に出ると落葉樹の林と豊富な積雪のお陰で明るい登山道になり、気分も上向いてくる現金なishidaです。
尾根上のやや傾斜のきつい尾根を登り切ると開けた斜面となり、行く手の尾根の向こうに目指す山域の北端にあたるピーク「鈴北岳」が見えてきます。
振り返ると、背後にはお馴染みの「霊仙山」や「伊吹山」、やや薄暗い逆転層に沈み込んだ「能郷白山」や「白山」なども見渡すことができます。
とはいえ、御池岳方面は山頂まで見渡しても(ちょっとだけは)期待していた霧氷は全く出ていない様子です。

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行く手には細長い「御池岳」の山頂部の一角をなす「鈴北岳」が見えてくる。

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振り返ると北部の「霊仙山」と「伊吹山」。

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「伊吹山」って、特異な姿がインパクト強いです。

展望の開けた尾根から広がる絶景に時を忘れて(?)写真撮影にいそしんでいると、背後から先輩(的年齢の方)が追い付いてきました。
いかにも山慣れた感じの方で、話を聞くと「昨日は霊仙山に登っていて、霧氷がよく出ていた。」「ネットの記事では昨日の御池岳も霧氷がきれいだったようだ。」とのことで、実はこの山域は昨日が霧氷日和だったってことですね(^^;
その方は二日連続で登山されているだけあって脚力はishidaの遥か上をいっているようで、ishidaが立ち止まって写真撮影する間に距離が開いてゆき、後ろ姿はどんどん遠ざかってゆきました。
方やishidaは斜面がきつくなると立ち止まって呼吸を整え(^^;;;;;;
普段なら写真撮影で立ち止まるお陰で他にはほとんど休憩を取らないishidaですが、今日はせっかく景色が良くなったのにもかかわらず何だかいつもより早くエネルギー切れを感じる…

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鈴ヶ岳の西尾根の向こうには琵琶湖上の雲海と比良山系。

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「鈴北岳」がどっしと見える。

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1056m標高点から見ると、先輩はもうあんなところに(^^;

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1056m標高点ピークから北を見る。遠い山は逆転層の靄の中。

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最後の登りにかかって振り返る1056m標高点ピーク。

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ここから先もけっこう傾斜がきつい…先輩の後ろ姿が遠く感じる。

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最後の登りから振り返って見る1056m標高点ピーク。

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遥か下に通行止め中の国道306号が見えた。(左) ちょっとやせ我慢(?)のishidaです。(右)

なだらかな尾根上の高まりの1056m標高点のピークを越えると、鈴北岳への最後の登りになりますが、傾斜はきつくないのになんだか足取りが重く感じます
最後の登りを登り切って、雪がほとんど吹き飛ばされて地面が露出している「鈴北岳(1182m)」の山頂に到着です。

西には急峻な鞍部を隔てて「鈴ヶ岳」と、その向こうには雲海に覆われた琵琶湖が広がり、南には広くて複雑な地形の御池岳の山頂部が広がります。
自分的には勝手に「霊仙山の広い雪原をさらにスケールアップしたような平らな台地が広がっている」とイメージしていましたが、実際にはかなり複雑で凸凹した地形が広がり、全体的に広い凹地の向こう側が最高地点の「御池岳山頂」に向かった高まりになっているんですね。

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やっと「鈴北岳」に到着。雪は風で飛んでしまうのか、ここだけ地面が露出している。

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鈴北岳南側の台地と複雑な地形。

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南東方向が最高地点の「御池岳(1247m)」山頂。

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西隣の「鈴ヶ岳」。背後には琵琶湖上の雲海が広がる。

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よく似た写真が多いですが、北の「霊仙山」と「伊吹山」。

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辿ってきた稜線。遠くに「白山」が逆転層の靄の上に頭を出しているのが見える。

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ここまで登ると「御嶽」や「乗鞍」も靄の上に見えてくる。

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琵琶湖上の雲海と彦根・近江八幡市街、琵琶湖の対岸の比良山系。

鈴北岳の山頂では気温も低めで西風が冷たいためちょっと東側に移動し、小休止しながら足元をチェーンスパイクからスノーシューに転換し、ここから先は広い雪原を自由気ままに歩けるように準備します。(実際には土日に人が歩いた跡だらけで「自由気まま」という感じでもない…?)

尾根伝いに東に向かって歩き出しますが、ここで地形を確認してみると直下の凹地が東に向かって尾根を分断しており、三重県側からの登山道に続いているため山頂から遠ざかってしまうのに気づいてルート修正しました。
いったん「日本庭園」と呼ばれる凹地を進んで石灰岩台地特有のドリーネなどを脇に見つつ、多くの人達に踏まれたルートからは外れるように森の中を辿って(といっても、やっぱり縦横に人が歩いた後がいっぱいあるけど…)山頂方面へ向かうことにします。

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まずは可愛いドリーネ。

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小規模な円錐カルスト的なもの?

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なるべく踏み跡の無い真っ新な雪面を求めて歩きます。

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森の中から鈴北岳を振り返って見る。

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最初は間違ってあっちの尾根へ向かいそうになった(^^)

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こういう開けた場所は、普段は湿地になっているのかな?

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南北に走る尾根には小規模ながら雪庇も。背景は「白山」。

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「白山」をアップで。下界は逆転層の靄の中…

思ったよりも凸凹した複雑な地形の中、森を抜けると広い雪原が広がっていたり、急に視界が開けて遠くの山が見えたりする変化も楽しみながら山頂の方向を目指して進みます。
でも、ここまでは全体的に「カルスト台地」から連想するようなカレンフェルト群などに出会うことはなく、開けた凹地か森に囲まれて展望のない場所が大半でした。
途中で先行していた先輩が山頂方向から来るのに出会いましたが「以前も雪のある時期に見掛けたリス()が見られるかなと思って三重県側の8合目辺りまで行ってきた」とのこと、余裕綽々ですね。
※ペットとして輸入された「チョウセンシマリス」が逸出して野生化してしまったもので、実際にはエゾリスへの遺伝子汚染が懸念される「生態系被害防止外来種」に指定されています。

台地状の地形の中でも御池岳の山頂部だけは南北に幅がやや狭くなっていて、北の展望が開けたなだらかな尾根筋から少し南進すると、落葉樹に囲まれた広場状になった「御池岳山頂(1247m)」にひょっこり到着です。
北と東の展望がありますが、全体になだらかな山容のため思ったほど解放感は無く、山頂標識からさらに少し南に進むと石灰岩台地特有の景観が見渡せる尾根に出ました。

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御池岳(1247m)山頂にひょっこり出ました。

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森に囲まれていますが、北と東の展望はあります。

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山頂よりも南側が少し高まっていて展望は無いので、もうちょっと先へ進みます。

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森を抜けると東〜南〜西の視界が大きく開けます。

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台地の南面はテーブルの端が切れ落ちた急斜面です。背後は伊勢湾と四日市の市街。

小規模なカレンフェルトが見られる尾根からは、東から南側に広がる通称「テーブルランド」と呼ばれる平坦な台地とそのテーブルの端っこにあたるエッジが見渡せます
時間的には10時半を少し回ったくらいですが、お腹もすいてきたのでここで昼食をとることにしてお店を広げます。
スノーシューも脱ぎ、久々に腰を下ろしてバーナーでお湯を沸かしてのんびり昼食をとります。
これまで何度も山行に持参しながらも、準備が面倒だったり時間が押していて食べていなかった「カップヌードル 欧風チーズカレー」とデザートを食して、体の中までほっこりです。

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穏やかな日差しでほっこり。(左) スノーシューの活用法(?)です。(右)

お腹も満たされてお昼寝でもしたいような陽気ですが、南の方向の空にかかっていた薄雲がだんだんと広がってきており、予報通り午後に向けてゆっくり下り坂の気配も濃厚です
せっかくの好条件なので当初予定通りテーブルランドの東の端まで行って戻って来ることにし、荷物を撤収・スノーシューも再装着して先へ進みます。

御池岳山頂から東に向かって緩やかな尾根をたどるとすぐのピークが「奥ノ平(1241m)」です。
広々としたなだらかなピークからは、南東に広がるテーブルランドや、テーブルの縁から南に張り出した「ボタンブチ」と呼ばれる展望地が見渡せます。
北に見える「白山」が逆転層の上に真っ白な姿を浮かび上がらせ、更にはこれまで靄に沈んでいた「北アルプス」や「乗鞍岳」「御岳」、中央アルプスや南アルプスの雪稜が見えてきています。

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最高地点東に連なる「奥ノ平(1241m)」。

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優占しているのは「ミズナラ」かしら?樹形がカッコイイ。

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養老山地とバックには南アルプス〜中央アルプス〜御嶽〜乗鞍岳〜北アルプスと続きく雪稜が浮かぶ。

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白山も靄の上に半身浴です。

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南アルプスの南部と北部の山々の間に「恵那山」も見える。左端は中央アルプス南部。

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奥ノ平から南を見ると、テーブルランドの向こうに鈴鹿南部の山々。南方向はだんだん雲が広がってきました。

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中央右寄りが絶壁から張り出した「ボタンブチ」。

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振り返って見る「北鈴岳」。(帰宅後に写真を拡大して見たら、山頂に休んでいる人が見えた。)

「奥ノ平」の先は全体に緩やかで見晴らしの良い雪原と疎らな林が続き、凹地にはいくつものすり鉢状のドリーネがあるのが見渡せます。
振り返って奥ノ平を見ると、先ほどの「なだらかで女性的」という表情とは違ったいかにも異なる「男性的」な風情にも見えますね。(ジェンダー差別的表現?ですみません)
奥ノ平の先でちょうど藤原登山口から登ってみえた単独行の男性と会いましたが、ishida的には標高差が大きいうえに最後の登り返しがきつそうで敬遠していたルートですが、この時期でも意外にそちらからアプローチする方も多いんですね。

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谷を隔てた藤原岳。

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奥ノ平の東隣りの小ピーク。

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ピークの先にはテーブルランド東端の台地が広がる。一番左が1194m標高点ピーク。

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大小多数のドリーネが点在しています。

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振り返って見る「奥ノ平」は全く違う表情でした。

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あちらこちらにドリーネが点在。

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1194m標高点ピークを越えてテーブルランドの東端へ。

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台地の東端付近から頭陀平(藤原岳側の尾根)の送電鉄塔。

更に東にある1194m標高点を越えてテーブルランドの南端近くに達すると、深い谷を隔てて「藤原岳」が広く見渡せますが、三重県側から見る表情とは全く違う山容です。
テーブルランドの東端から南に面した斜面はカレンフェルトの林立する急峻な傾斜となっており、まさにテーブルの端という感じです。

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テーブルの端に沿って歩いて、急峻な谷を隔てた「藤原岳」の全貌を見る。

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テーブルランドの南面は本当に急傾斜。

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南西面に派生するT字尾根。

テーブルランドの東端から西進し、中央部の平原に入ってドリーネを巡ったり、再びテーブルの端へと移動しながら雪原歩きを楽しみます。

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テーブルランドの平原から奥ノ平。


ドリーネの点在するテーブルランドのど真ん中のパノラマ。(左右にスクロールできます)

南の空の半分くらいが薄雲に覆われてきてしまい、時間帯的にも太陽が南中しているため、写真に撮ると雪原の表情がのっぺりしてしまうのが玉に瑕ですが、緩やかな起伏やすり鉢状のドリーネが散在する中を歩くのも気持ちが良いですね
ドリーネ群を見ながら北西方向へ進むとやや起伏がある場所を越えながらテーブルの縁を進むと、「ボタンブチ」をはじめとする岩壁の縁を眺めながら歩くことができます。

そういえば、雪の上を歩き回る虫がいるのを発見!最初は「セッケイカワゲラだな」と思いましたがちゃんとした翅があるところから「狭義のセッケイカワゲラ(翅がない)類」ではなく、同属の「クロカワゲラの一種」のようでした。

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2連でサイズも大きめのドリーネ。

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平原からやや起伏のある場所を越えます。

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荒々しい岩壁(その1)。

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雪の上で活動するカワゲラ類。

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辿ってきたテーブルの縁。背後には「竜ヶ岳」「釈迦ヶ岳」「御在所岳」が見える。

テーブルの縁に沿っていくつかの高まりを越えると、その先に今回最大規模の岩壁である「ボタンブチ」とお隣りの「天狗鼻」が見えてきます
琵琶湖と近江平野をバックに屹立する岩壁の景観はなかなかの迫力です。

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いくつかの高まりを越えます。

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今日の岩壁(その2)と(その3)「ボタンブチ」とその向こうに「天狗鼻」。

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ボタンブチのアップ。背後は近江平野。


ボタンブチのパノラマ写真。(左右にスクロールできます)

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ボタンブチから見た「天狗鼻」。背後は琵琶湖。ちょうど登山者が到着しました。

ボタンブチまで行って絶景を眺めながらパノラマ撮影に四苦八苦していると、お隣りの「天狗鼻」に今日会う3人目の登山者が到着しました。
ishidaより大幅に若い単独行の女性でしたが、その方も三重県側からの登山だそうです。
この近辺には精通されている様子で、「今年は本当に雪が少ない」とのことでした。

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天狗鼻から見たボタンブチ。こちらからだと何だか迫力がない…

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天狗鼻から西を見る。背景は琵琶湖と彦根市街。

ボタンブチから先は南面の急傾斜を避けるようにしていったん御池岳のピーク方向に向かい、そこからなるべく南寄りの台地の端を選ぶように進みます。
適宜GPSで現在位置を確認しつつ、なるべく大回りで鈴北岳に向かうルート取りをしました。

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御池岳ピークの南を通過。お昼ご飯を食べたのはこのすぐ上辺り。

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なるべく南寄りを通って戻ります。西端に位置するピークが見える。

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他人の踏んだトレースが一切ない雪面。(左) こんな樹形も大好き。(右)

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日本庭園を挟んで北に鈴北岳が見える。

鈴北岳を北に見ながらやや西寄りに進んであまり登り返さずに済むようにコース取りしようと思いましたが、最後は結局日本庭園への分岐三差路まで下ってから鈴北岳まで登り返しました(^^)

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日本庭園への三差路にあるドリーネ。

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鈴北岳まで戻りました。北の空にも薄雲が広がってきましたね。

鈴北岳まで戻ると名残り惜しい気持ちも湧いてきますが、空も全体的に薄雲に覆われ始めてきたことだし、あとは来た道をほぼ下るのみです。
鞍掛峠に続く尾根を下りながら振り返ると、薄雲に覆われた空の下で山全体がモノクロームな感じに見えていてちょっと寂寥感も感じますね。
尾根からの下降点でスノーシューを脱いでチェーンスパイクにチェンジし、まだ凍結した杉林の下の残雪を踏んで車まで戻りました。

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朝とは一転、何となく寂寥感を感じるモノクロームな世界。

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鈴北岳を振り返ると空は薄雲に覆われて真っ白です。

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林道の分岐で履き物を交換。(左) 鉄塔を過ぎれば登山口まであと少し。(右)

車に戻ってみるとすぐ向こうにもう1台の駐車車両があり、帰り支度をしていると単独行の若い男性が下山してきました。
山中では全く姿は見掛けませんでしたが、帰宅したあとで画像確認した時に鈴北岳の山頂で休んでいた人だったみたいですね。

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非除雪区間は帰路でもまだまだガリガリにクラストしていました。

店仕舞いを終え、国道を下って次の目的地「永源寺温泉 八風の湯」を目指します。
この温泉は今回初めて利用しましたが、宿泊施設も備えた立派な温泉で、施設も新しくて快適で(お値段は入浴1300円(平日)・1500円(土日祝)とちょっとお高いのですが)貸し出しの作務衣やタオルも料金に含まれるので、ゆっくりしたい向きにはとても良いですね。

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「永源寺温泉 八風の湯」。平日なのに駐車場も満車に近いくらい人気のようです。

入浴後はあまりゆっくりできないのが残念ですが、再びエブリちゃんをノンストップで走らせ、なんだかスキーに向かう道中のように雪がある(除雪は完璧)状態の石榑峠を越え、員弁の大安IC〜東海環状・湾岸道を経て自宅(付近のお食事処)を目指しました。
時間帯的には通勤時間にかかっていますが、豊明ICを降りてからの23号バイパス豊明ICから知立市西中IC間が渋滞でノロノロだった以外はほぼ順調でした。
蒲郡西ICで一般道、前芝ICから再びバイパスに乗って自宅直近まで来ましたが、目当てのお食事処がちょうどオーダーストップ(^^;、仕方なく次点の中華料理屋さんへ着弾しました。
いつもながらボリューム満点で、登山後とはいえちょっと食べ過ぎだったかも…

----------------------------------- 本日の行程 ---------------------------------------

自宅 3:21 --- 3:50 音羽蒲郡IC --- 4:15 東郷PA(朝食・買出し) 4:45 --- 5:52 彦根IC --- 6:18 国道306号通行止めゲート(往路181.5km)

国道終点 6:52 --- 登山口 7:10 --- 7:25 チェーンスパイク装着 7:30 --- 7:46 第1鉄塔 --- 7:58 第2鉄塔 --- 8:08 稜線分岐 --- 8:54 1056m標高点 --- 9:27 鈴北岳 9:30 --- 9:35 スノーシュー装着 9:41 --- 10:41 御池岳 11:27 --- 11:44 奥ノ平 --- 12:19 1194m標高点 --- 12:34 南東端 --- 13:16 ボタンブチ 13:25 --- 14:20 鈴北岳 14:25 --- 14:38 1056m標高点 --- 14:56 尾根分岐(スノーシュー→チェーンスパイクへ変換) 15:03 --- 15:10 第2鉄塔 --- 15:15 第1鉄塔 --- 15:29 登山口 --- 15:42 国道終点
歩行距離 平面:14.23km 沿面:14.98km 標高差:819m

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本日の行程。(クリックでちょっと大きい画像が開きます)

国道終点16:00 --- 16:43 永源寺温泉 八風の湯 17:33 --- 18:09 大安IC --- 18:42 豊明IC --- 23号バイパス --- 蒲郡西IC --- 20:02 晩飯 20:39 --- 20:43 (復路178.5km 往復360km)

通行料金 【往路】音羽蒲郡IC〜彦根IC:2210円(深夜割) 【復路】大安IC〜豊明IC:1740円