ishida式の上臈岩登山(?)
2021年11月19日(金)
奥三河エリアの山を「登山」の対象と見ていませんでしたが、今後は認識を改めます…(?)

2018年以降の休止期間をはさんで2021年の冬には登山を再開しようと考え、自転車や近郊のウォーキング、生き物撮影などに精を出しつつ、2021年11月5日の「富士見台」を登山再開の前哨戦として位置付けました
結果としては、とりあえず予想していた体力不足ははっきりしたもののペース配分さえ考えれば日帰り程度なら何とかなりそうな目途は立ったかしら?

北風の季節となって土地柄的にも自転車で走るにはなかなか厳しい代わりに、低山を歩いても暑くないし季節的には紅葉も見られるよね…ということで、学生時代にはお馴染みの奥三河の山もいろいろ行ってみようかと計画。
このエリアは中央構造線の運動とそれに関連する1400万年前の「設楽火山」の活動により、特徴的な地質と景観が生み出され、この地域を代表する松脂岩の岩壁(鳳来寺山や棚山)、溶結凝灰岩の巨岩や大岩壁(上臈岩や雨宿り岩、大島川流域)、流紋岩や安山岩の岩脈(湯谷の馬の背岩や鳳来湖岩脈群)とそれに伴う数々の滝などの見どころも多くあります。

目的地としてつい先日にチャリポタで訪問した鳳来寺山とか、学生時代に一番よく行った棚山、明神山、宇連山なども長らくご無沙汰で候補にあげましたが、今回はこれまで行ったことの無い「上臈岩(じょうろういわ)」を目的地にしました。
40年ほど前に当時付き合い始めた彼女との初デートで鳳来湖へ行き、上臈岩をバックに写真を撮ったのがとても印象に残る思い出です。(当時の彼女は今はishidaの奥さんです)

登山休止期間の前に先輩のすがぴさんが上臈岩の上を巡るルートを歩いたのを聞いて自分も行ってみようと思っていたのが、休止期間を挟んでやっと実現です。
実はつい先日にもすがぴさんのFBで訪問のレポートがあったのにも後押しを受けました…真似しんぼのishidaです…(^^;

当日は普段よりちょっとだけ早起きし、新しい登山etc.のお供として遣わされたエブリちゃん(DOHCターボ・4WD・5MTの商用車)を登山口がある「愛知県民の森」まで走らせます。
駐車場には先着の登山者らしき車が停まっていますがまだ車中で待機中(?)のようで、後続の車も到着しますが、そそくさと準備して一番手で出発しました。

まずは整備された未舗装の車道を不動滝の先のキャンプファイヤー場まで進み、不動沢の堰堤を渡って第2キャンプファイヤー場奥の「中尾根ルート」の登り口から登山開始です。

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尾根に出ると岩尾根が続きます。(左) 急な階段を上ると大野方面の展望が開ける。(右)

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尾根合流点先の展望地から鳳来寺山。

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学生時代のフィールドの一つの宇連山。

尾根筋は岩が多くて急な個所もありますが、次第に背後の展望が開けてくると気持ちの良い尾根道になります。
尾根をしばらくアップダウンすると、最後に急な登りとなって「東尾根ルート」との合流点になり、その先の岩場を登ると展望地の大岩と東屋があります。

東尾根に合流してからは展望はあまりありませんが、適度なアップダウンや岩場が続いて飽きさせませんね。
最後に大きく下降・登高した先で尾根が左に曲がるところで「北尾根」の分岐になりますが、目的の「上臈岩ルート」はそのまま北に向かう尾根筋をたどります。
ここまでのルート自体は学生時代に宇連山から県民の森へ下る際のバリエーションとして歩いた記憶がありますが、この先の「上臈岩ルート」は当時は開かれてなくて、割りと近年になってバリエーションルートとして開かれたもののようです。

しばらく北に向けて尾根をたどり、尾根が東向きになって下りになった先からが「上臈岩」を巡る回廊の入り口になります。
まずやせた岩場を通過する「馬の背」(この名前の岩場は周辺に何か所かあるので注意)を過ぎ、要所要所にある立派な案内板によれば、その先は主に南側のエリアと北側のエリア、更にそれらをつなぐルートで概略右側に倒れたハート形のような形の「上(天)道」周回路があり、さらに上臈岩の下まで下って基部を周回する「下道」の周回路があるとのことです。
「下道」は急な登下降で標高差もあり、周回には2時間ほど必要とあるので今回はオミットすることとし、まずは「上(天)道」を反時計回りに巡ることにします。

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ちゃんと地形図にオーバーレイした案内図が分岐ごとに掲示されています。感謝!

まずはルート上の最初に現れる「裂石」ですが、1.5m程の幅で垂直に割れた大岩が張り出しており、裂け目に沿って先端に行くのも瀬戸際感があって既にちょっと怖いかも…(^^;
足下はスパッと切れて100mくらい垂直に見えます。
その先の回廊も、片流れになっている岩の先が切れ落ちている個所の通過などもあってスリリングな場所が続きます。
今日も登山靴はビブラムソールで爪先には岩場向きの「Climbing Zone」を持つ「SCARPA シャルモGTX」なので岩場でのグリップに問題はありませんが、若かったころは高いところは平気(というより大好き)だったにもかかわらず、不安定な場所では足首がグラグラする昨今ではちょっと怖い気持ちも湧いてきますね…(^^;;;;;;;;;;;;

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「裂石」から、ここまでたどってきた尾根筋を遠望。

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「裂石」から「奥の上臈」へと続く回廊。奥は宇連ダム。 (左) 「奥の上臈」から「上臈」。(右)


「奥の上臈」から「上臈」(上下にスクロールできます)

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いよいよ「上臈岩」の核心部の「上臈」へ。すぐ北側に「間の上臈」とその奥に秀麗な「中の上臈」を望む。

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「上臈」の先端に立つishida。思ったより高度感や瀬戸際感が出ない…(^^)

核心部の「上臈」の先端部へはトラロープのかかった岩場の下降で到達しますが、先端まで行くと想像以上の高度感の絶景が待っています。
とりあえずここで記念写真を撮ってやろうというだけのために持参した三脚をセットし、好き放題に記念撮影したつもりですが、足場と腕前の問題でイマイチ高度感が伝わらないカモ…(^^;

「上臈」の先端から北を見ると、「間(あい)の上臈」「上臈谷」を挟んで「中の上臈」の迫力ある姿が見えて、奥三河随一の絶景が感動的にさえ感じます。


「上臈」の先端から北を見る。(上下にスクロールできます。)


「上臈」の先端から北を見る。(左右にスクロールできます。)

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「間の上臈」から北側の「中の上臈」を望む。背後は「明神山」。(左) さっき記念写真を撮った「上臈」の先端部。

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「上臈谷」を回り込みます。先に見える岩間から先は奈落の底(?)

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「中の上臈」へと進むと南側に「間の上臈」と「上臈」が見えてくる。

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バイパスルートを通って「間の上臈」に立ち寄ってから更に北に進むと、浸食された先が垂直に落ち込む「上臈谷」を通過し、東に向かって大きく張り出した「中の上臈」へと続きます。
「間の上臈」の壁面と「上臈谷の」ギャップを挟んで、さっき記念写真を撮った「上臈」の北面がよく見えますが、その直下はかなりオーバーハングして切れ落ちているのが判りますね。

しばらくすると「上臈」の上部から人の声が聞こえたなと思って眺めていると上部の段差部分に二人の人影が見え、盛んに若者言葉で「やべー!やべー!」と言い合っています。
岩単体では写真に撮ってもスケール感が判りづらいので、彼らが「上臈」の瀬戸際(ishidaが記念写真を撮った場所)まで下りてきたところを撮ってやろうと待ち構えていましたが、結局それ以上は下りてきてくれませんでした。

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「中の上臈」から「上臈」を望む。上の矢印の所に人影が見えるが、先端(下の矢印)までは来ず。

「中の上臈」から更に北へ進んだ「下の上臈」頂部は適度に広くて平坦なスペースが休憩にちょうど良いロケーションで、ちょっと行動食などをとりながら大休止します。
その後もバイパスルートを別のシニアな感じの二人連れらしい人声が通過していきましたが、「下の上臈」へは巡って来ず、結局は上臈エリアで他の人と会うことはありませんでした。

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「中の上臈」から見た「ペンギン岩」と「下の上臈」。(左) 「下の上臈」から見た「中の上臈」。(右)

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「外の上臈」から「下の上臈」。(左) 「外の上臈」の先端でちょっと瀬戸際感を出してみた。(右)

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「外の上臈」から鳳来湖の最奥部を望む。

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「下の上臈」も垂直に切れ落ちています。(左) 「亀顔石」が最後の訪問ポイント。(右)

その後は「兜岩」「下の上臈」「外の上臈」「亀顔石」を巡って今回の「上臈岩上道ルート」の締めくくりとしました。
今回は時間と体力的に「下道」までは周れませんでしたが、次回はそちらも巡ってみたいですね。

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今回のルート全体。(左) 上臈岩エリアの拡大。(右) ログ上の総歩行距離は10Km でした。

復路は東尾根途中の展望ピークの東屋で昼食、東尾根・中尾根分岐を中尾根方面に下ってすぐの分岐から沢沿いに下りましたが、思ったよりも浮石が多くて歩きづらく、往路と同じくそのまま中尾根を下った方が良かったかも…遊歩道から先は一般の紅葉狩りの観光客に紛れて駐車場まで紅葉も楽しみながら歩きました。
下山中には東尾根でトレランの若いカップルと先輩年齢の単独の方、赤木沢沿いで若いカップルとすれ違いました。(ただし、目的地は不明)

尾根歩きも岩場が多かっただけでなく上臈岩周回路での急な登下降も多かったためか、意外にも前回の「富士見台登山」よりも体力的には疲れました…(^^;;;;;;;

--------------------------------- 本日の行程 -----------------------------------------

自宅 5:50 〜 買い出し・R151経由 〜 7:00 愛知県民の森駐車場 (51Km) 

駐車場 7:10 --- 7:25 中尾根登山道取り付き --- 8:20 東尾根分岐 (展望岩・東屋)

--- 8:40 北尾根分岐(上臈岩分岐) --- 9:00 馬の背 --- 9:15 裂岩 9:25

--- 9:30 中の上臈 9:52 --- 9:57 間の上臈 --- 10:10 中の上臈 10:20

--- 10:30 下の上臈 10:47 --- 10:52 外の上臈 11:00 --- 11:05 亀顔石 

--- 11:13 馬の背 --- 11:38 北尾根分岐 --- 11:55 東尾根分岐 (東屋で昼食)

東屋 12:10 --- 12:17 赤木沢分岐 --- 12:38 登山口 --- 13:10 駐車場

愛知県民の森駐車場 13:15 〜 R151経由 〜 14:25 自宅 (100Km)