ishida式の富士見台登山
2021年11月5日(金)
2018年の春以降は登山に出掛けていませんでした。久々に「山に登る」のが目的のお出掛け。

2018年以降は全く山に行っていなかったかというとそういう訳ではなく、茶臼山とか湖西連峰、渥美半島の山などには出掛けていたし、石垣島では於茂登岳(沖縄県最高峰)にも登っています。
でもそれはishidaの中では「写真撮影」や「体力作り」が目的で、装備も含めて山に登るのが目的の「登山」とは思っていませんでした。
もちろんそういう場合でも山用のウェアーを着用し、軽登山靴を履いて出掛けていますが、いわゆる「重登山靴」(これはもう死語?)の範疇にある「SCARPA シャルモGTX」(3シーズン用)や「BOREAL パミール」(冬用)といった靴の出番はありませんでした。
それでも2021年の2月以降は「毎日土曜日(明日も日曜日)」となる予定だったので、「仕事の心配事とかから解放されて、毎日ウォーキングしたり毎週近場の山でトレーニングできるかな」なんて思っていたのですが、想定外の「COVID-19」の世界的なパンデミック(いわゆる「コロナ禍」)の真っただ中で、お出掛けすることもままならない状態となってしまいました。
といってもそれは単なる言い訳で、そもそもishidaという人間は地道に努力ができない人なので、毎日ウォーキングなんて無理だった…(^^;
コロナ感染防止のためのお出掛け自粛・裏山伐採の重労働・夏の猛暑・その後の長雨等々のマイナス要因(言い訳も含めていますが…)があったのと、裏山伐採などで足底筋膜炎・腱鞘炎などを発症したため奥さんとのウォーキングやジョギングも中断してしまい、思ったように体を動かしていない日々が続いてしまいました。
コロナの感染状況については
オリンピックが過ぎての感染爆発の第五波以降はやっと感染状況も改善、自分も家族も2回目のワクチン接種も終えることができたので、ここはひとつ体力測定も兼ねて馴染みのある山に出掛けることで、以前とのペースの違いや疲れ具合をみてやろうという趣旨+紅葉の便りにお応えしようということで目的地を選定したのが「富士見台」でした。
(実際には前日に出掛けようと思って準備しましたが、より天気の安定しそうな11月5日に変更しました。)

当日はAM3:30には起床、夜勤帰りのの次女に会ってから軽く朝食をとりAM4:00発、直近のコンビニで食料調達しながら、先日スタッドレスに履き替えたばかりのエブリちゃんを駆って目的地へ向かいます。
まずまず快調に走って平屋の道の駅(手前の標識の表示気温は−1℃)でトイレ休憩、白み始めた空を見ながら峠越えして登山口にAM6:35着弾、そそくさと準備してAM6:55に歩行開始しました。
神坂神社からの登山ルートは、距離が短い代わりに傾斜が急な「カラマツコース」と、傾斜は緩いが林道歩きが長い「ブナコース」がありますが、今日のところは以前と同じ「ブナコース」から登ります。
今回は32Lサイズのザックを使用しましたが、調理用のガスコンロと水1L、ハイドレーションの飲料1Lと行動食と昼ご飯、防寒着と雨具、カメラなんかも含めて登山自体が久々のなまった体ではちょっと肩に堪える重量になっている気がする…

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林道を歩いていると、樹間から上河内岳と聖岳が見えた。

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落石防護ネットで辛うじて止まっている岩。(左) 林道を30分歩いて登山道に入ります。(右)

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杉の植林地の急斜面を登ります。(左) 傾斜が緩んで尾根筋に出ると広葉樹の森になります。(右)

林道から登山道に取り付くとのっけから急斜面の登りが続きますが、とりあえず久しぶりなので細かくスタンスを刻んで一定のペースを守って登ることを心掛けます。
とりあえず桟道を過ぎて尾根筋に出れば傾斜も緩くなるのを知っているので焦らないよう自分に言い聞かせながら、単調で暗い杉の植林地を過ぎると尾根筋に出て、周囲も広葉樹やカラマツが多くなって傾斜も緩くなりってくると人心地がつきます。

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分岐手前の崩壊地の端から神坂峠側の尾根。(左) 「カラマツコース」との分岐。(右)

崩壊地の先で「カラマツコース」側の登山道と合流し、東斜面のカラマツ林の中をゆるゆると登って尾根の西斜面側に出ると自然林となり、いよいよこのルートの特徴的な(ishidaが個人的に好きな)風景が楽しめるようになります。

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久々に登場!還暦を迎えておじいちゃんに見える(^^; (左) 東向きの斜面はカラマツ林が続く。(右)

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園原川流域側の谷は自然林が多い。

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恵那山への「神坂峠ルート」が通る通称「千両山」。カラマツの紅葉と笹原のコントラストが大好物。

恵那山の登山ルートの一つである「神坂峠コース」にある通称「千両山」と呼ばれるピークの笹原の尾根とカラマツと常緑樹が鮮やかなコントラストを見せており、これは朝のうちの射光となる時間帯にしか楽しめないishidaの大好きな風景の一つです。
谷と尾根を緩やかに巻いてゆく登山道周辺の木々も鮮やかな色付きを見せるものから、既に葉を落としているものなど、様々な姿を見せて見飽きません。

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周辺は変化に富んだ景観、向こうには「パノラマルート」の尾根と背後に恵那山。

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既に葉は落ちていますが、真っ赤なナナカマドの実も青空に映えます。

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神坂峠と富士見台の間にある「双コブ山」(と勝手に呼んでいる)ピークのたおやかな姿も好き。

尾根や谷を周る毎に変化する景色と体力不足の体に優しい(^^)緩やかな登山道を進むと、ここまでの疲れは忘れてしまいそう…なんて現金なワタシ。

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更に尾根を回り込むと、この先登る予定の「神坂山」が見えてきます。

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「千両山」と「パノラマルート」の尾根。右端が「神坂峠」。

最後の尾根を回り込むといったん道は針葉樹林の中となり、ほどなく「萬岳荘」の前に出ます。
テラスの上に今日初めて出会う二人連れの登山者が休憩しているのが見え、ご挨拶。
自分は持参したパンと飲み物で2回目の朝食をとり、お二人さんを見送った後で登山道をちょっと戻って「神坂山」経由でのルートをとります。
ひと登りで樹林帯を抜けて笹原の斜面に出ると「双コブ山」が大きく見え、神坂峠から恵那山に至る尾根や、恩田大川入山など愛知県境に連なる南信の山々もひとつながりに見えてきます。
更に登って鞍部に出れば北方向の視界も開け、中央アルプスや北アルプス、乗鞍から御岳も見えてきて、実際の標高は1600〜1700mと大したことが無くても、展望は十分にアルペンムードを醸し出しています。

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「双コブ山」の北峰。

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「双コブ山」の南峰。

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「双コブ山」の全貌。こちらから見ると実はかなり大きさに差があるんです。

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神坂山の登りから見る恵那山はバランスよく見える。

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この後目指す富士見台のピーク(右側が最高地点)。ピークに向けて登る今日の先頭の(?)登山者が見える。

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後ろの岩が神坂山のピークです。笹は胸辺りまである。(左)山頂の岩田石。(右)

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岩田石に登って山頂の木の間から北を見ると中央アルプス。

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中央アルプスの左には乗鞍。

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乗鞍のお隣りは御岳。

神坂山の山頂を後にして暗部まで下り緩やかな起伏を越えてゆく道中で振り返ると、小さくなってゆく神坂山の背後から南アルプスの峰々が全貌を現します。
その先の鞍部で萬岳荘から直接登ってくるルートと合流し、鞍部にはかわいらしい神坂小屋(避難小屋)が2棟建っています。
そこから目の前の斜面を登ってゆくと、やっと富士見台への主稜線に到達です。

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富士見台への尾根をたどると、神坂山の背後には伊那谷を隔てた南アルプスのスカイラインが現れます。

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南アルプス北部の仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳。(左) 南アルプス中部の孤立峰の塩見岳。(右)

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南アルプス北部の3000m峰群。右から農鳥岳、間ノ岳、北岳。

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南アルプス南部の3000m峰群。右から聖岳、赤石岳、荒川岳。

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緑の笹原と針葉樹の向こうに中央アルプスのコントラストも良いです。

富士見台への主稜線に出れば後は緩やかに登るだけでいよいよ富士見台のピークに到達です。
山頂からは360°の展望が開け、今日最高の展望が楽しめます(^^)
でも今日は遠くの雲に隠されて穂高連邦や白山周辺の尾根は見えませんでした。(鈴鹿山脈はうっすらと見えた)

歩行時間のほうは、7時に歩き始めて山頂に10時45分到着ということで歩き始めから神坂山経由で3時間45分かかっているということになり、実は以前の富士見台登山(2012年11月3日)では同じルートで3時間弱だったのに比べると、かなりペースが遅かったということね…(^^;;;;;;;;

それに前回は6時ちょっとすぎに登山開始して9時に山頂に到達していたため先行の登山者は一人だけでしたが、今回は出発・到着時間ともに前回よりも遅かったため、ヘブンス側からゴンドラとマイクロバスを乗り継いできた観光客の先頭もすでに山頂に到達しているようでした。

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南アルプスの雪と紅葉に前山の紅葉と笹原の緑も加えて三段紅葉と言って良いよね。

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南アルプスの塩見岳から鋸岳まで。これも三段紅葉と言って良いよね。

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富士見台のピークから北を見ると、笹原の尾根の先にお馴染みの横川山・南沢山。遠景に御岳と乗鞍。

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御岳のアップ。

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もう一度中央アルプスの主峰群。

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高原状の南沢山の向こうは針葉樹に覆われて冬でも真っ黒な南木曽岳。背後の北アルプスは雲で隠れている。

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西側は中津川の街と笠置山。右奥には能郷白山とかも見えている。

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八ヶ岳の主峰群も見えました。

山頂で展望を楽しんだ後は尾根を南に下って避雷針のあるピーク(神坂峠から見ると富士見台のピークと勘違いしやすい)に立ち寄った後は神坂小屋前から南に向かい、すぐ先の鞍部から直接萬岳荘に下ります。
時間帯的にはヘブンスからマイクロバスでやってくる人たちがどんどん到着しているようで、すれ違う軽装の人たちが多くなります。
マイクロバスの止まっている賑やかな萬岳荘前を過ぎて神坂神社への登山道方面の森に入ると一気に喧騒は遠のきます。

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山頂を後にして、来た道を戻ります。この辺りだと、恵那山がひときわ大きく見える。

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避雷針ピークから、鞍部の神坂小屋とさっき立ち寄った神坂山。

登山道をしばらく進んで広くなった日当たりの良い場所で今日最初の大休止をとってお昼ご飯にしますが、何となく面倒くさかったのでパンと飲み物の昼食だけにしてコンロを使うのは止めにしておきました。(調理用の水1Lとコンロは何のために…(^^;)

昼食後は再び谷と尾根を回り込んで変化する風景を(午前中とも光の様子が違うので)楽しみつつ歩きますが、久しぶりの堅い靴底に足の裏がだんだん痛くなってきた気がします。

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双コブ山の姿もこれで見納め。

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まだまだ正午を回ったくらいの時間なので、陽射しもうららかです。

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分岐の先の崩壊地に立ち寄り。午前中は暗かった谷間に陽射しが入っています。

カラマツ林を緩やかに下って往路で歩いた「ブナコース」と「カラマツコース」との分岐に到着。
少し先の崩壊地から神坂峠側の尾根のピークとお別れしてから分岐に戻り、復路は歩行距離が半分だが傾斜がきつい「カラマツコース」へと進みます。
コース名は「カラマツコース」ですが、カラマツ林はすぐに終わってそれ以降はほとんど広葉樹林と杉の植林地が交互に現れるようになります。

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高度を下げてゆくと広葉樹の森は紅葉真っ盛り。

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写真では判り辛いけど急傾斜が続きます。(左) やっと神坂神社に到達です。(右)

なまった脚と痛む足裏に優しくない急傾斜と岩の多い山道にちょっとうんざりしてきますが、下の方に園原川の瀬音が聞こえるようになれば林道出会い、神坂神社はもうすぐそこです。
神社まで下って車に戻るとishidaのエブリちゃん以外に6台の車が停まっており、平日にもかかわらず季節的には好適ということと新聞報道などの影響で思ったより登山者が多かったんですね。
そそくさと片付けを済ませ、昼神温泉までまっしぐら。

いつもより疲れた感じでしたが、お馴染みの「阿智の里 ひるがみ」で貸し切り状態でのんびり入浴できてスッキリ・お肌スベスベで帰路につきます。
時間的にはちょうど豊川の河川敷で夕陽を見ることが出来て、またまたお馴染みの「珈琲の店 らんぷ」で「バーグ焼きカレー」を食して帰宅しました。

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終始うららかな天気でした。(左) お馴染みの温泉に立ち寄り。(右)

--------------------------------- 本日の行程 -----------------------------------------

自宅 4:00 〜 買い出し・R257・R153経由 〜 5:57 平谷 6:05 〜 6:35 神坂神社 (130Km) 

駐車場 7:00 --- 7:30 登山道取り付き --- 8:15 分岐 --- 8:50 池の平

--- 9:22 萬岳荘(軽食) 9:34 --- 9:54 神坂山山頂 10:05 --- 10:26 神坂小屋分岐

--- 10:40 富士見台山頂 10:50 --- 10:57 避雷針ピーク --- 11:00 神坂小屋分岐

11:15 萬岳荘--- 11:40 昼食 12:00 --- 12:30 分岐 --- 13:16 林道 --- 13:20 駐車場

駐車場 13:28 〜 13:43 阿智の里 ひるがみ 14:36 〜 16:36 三上橋 16:50

〜 16:52 珈琲の店 らんぷや(晩飯) 17:40 〜 18:30 自宅 (265Km)