ishida式の南沢山・横川山登山
2017年12月20日(水)
1シーズン振りと言って良いくらい久し振りの単独行…(^^;。お馴染みの山にスノーハイクです。

少し込み入った仕事のカタがついたので、急に思い立ってお休みをいただくことにしました。

天気も良さそうだし、いつでもOKなように準備は概ねしてあるので、天気予報を確認してお馴染みの「南沢山・横川山」に、今シーズン初のスノーハイクに出掛けることにしました。

前日はちゃんと(?)20時までお仕事をして帰宅、準備を済ませておきました。
目覚ましで起きられなかったら、そのまま休養日にしてしまうかも…(^^;と思いましたが、ちゃんと起きることができました。

 

AM3:00に起床して軽い食事をして自宅を出発、直近のコンビニで買出しし、北上します。
見上げると素晴らしい星空ですが、思ったよりも寒くない?。

しかし、新城では-3℃、稲武で-8℃、平谷では-10℃と、順調に(?)低温となってきました。

稲武の先で大型トラック2台に追い付いた以外は全く車と出会わず(平日ってこんな感じなんですかね)、平谷の道の駅でトイレ休憩し、登山口にはAM6:20到着です。

駐車場で左折するとき、沢筋から南に見える山が白っぽくなっているのが見え、GPV予報で確認した気象条件どおり霧氷の発生があったようで期待が膨らみます。

 

買いこんで来た朝食をとり、久々に履く冬靴とスパッツ装着に手間取ったうえに、何故かGARMINのGPSが起動せず、何回も確認したりしているうちに朝日が昇ってしまいました(^^;

 

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登山口の駐車場の様子。(左) 思った以上に雪は少なめ。(右)

 

登山口周辺の雪の量はとても少なく、駐車場も本格的な除雪をされた様子もありません。

先週末らしき車の轍や足跡の上に昨日降ったらしき新雪がふんわりと覆っている程度で、笹に着いた雪もあまりうるさくなさそう。

今日のところはアイゼンもスノーシューも装着せずに歩き出すことにし、快晴の空、朝日を浴びながら徐々に体のウォームアップも兼ねてゆっくり登ってゆきます。
昨シーズンはあったんだっけ?と思う、「ACHI 7 SUMMITS」の真新しい看板が至るところでお出迎えです。
明るい森から杉の植林地に入ると、これまでの先行者の足跡はウサギやテンばかりでしたが、急に大きな足跡が加わります…これってクマさんが今朝歩いたんだよね。
既に普通ならクマも冬眠の季節ですが、冬眠しそびれたのか、そもそも寝たり起きたりするクマの冬眠状態だと南の地域ではけっこう冬も活動するのかしら?

とりあえず大きな声で「森のクマさん」を歌いながら歩きましょう。

しばらくすると、クマの足跡は下の斜面のほうに下っていきました。

 

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昨年はあったんだっけ?阿智7サミットの道標。(左) 先行者はいないと思ったらクマさんが…(右)

 

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これは途中で見えた、清内路峠北側の1474.9mピーク。霧氷来てます!

 

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最初の急登に差し掛かります。(左) ishidaの心象風景?もだえてます。(右)

 

木々の間からは、清内路峠をはさんだ北側に続く稜線のピーク(1474.9m)が霧氷で真っ白になっているのも確認できます。
とはいえ、水蒸気の量が十分でなかったのか霧氷帯が部分的かつかなり高いところにある様子なので、この先の中間点ピークで霧氷が現れるか、さらにその先の山頂周辺で現れるか、ちょっと微妙な感じです。
登山道の雪は少なめ、急斜面の木組みやステップが見える程度の量で、適度に締まっているためアイゼン無しでも全く支障なし。
中間点手前で次々現れる急斜面をこなし、息が上がったところでやっと中間点、すぐ先のピークで給水を兼ねてザックを下します。
残念ながらここまで来ても梢には着氷は見られません

 

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南沢山との中間点。(左) 沢コース分岐の先での雪面の結晶は「樹霜」かな。(右)

 

沢コース分岐のある鞍部を過ぎると周辺の雪が増え、雪面にも昇華した水分から成長した「樹霜」のような結晶が付着しているのが判ります。
ここからは尾根の東側をトラバースするように進みますが、徐々に高度を上げてゆくといよいよ木々の梢に白く輝く霧氷が出現し、一気に真っ白な霧氷帯に突入っ!
写真撮影のために立ち止まることも多くなって、とたんにペースも落ち気味に…(^^;

 

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いよいよ霧氷帯に突入っ!

 

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これは「樹霜」が枝に着いたもの?

 

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南に連なる尾根も真っ白に見えます。左奥が「横川山」。

 

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いつ見ても見飽きない、まるで花が咲いたかのような霧氷を纏った木々。(右・左)

 

しかし、好天の日差しもあって儚い霧氷ですから、ゆっくり沢山の写真を撮りたい気持ちと横川山に向けて先も急がなければという気持ちが相克します。
中間点からの派生尾根を過ぎて南面が開けると、木々の間から真っ白く着氷した南沢山の東斜面と横川山、恵那山なども見えるし、午前中の早いうちに行かないと霧氷が落ちてしまいそうだと思うと、ますます気が急いてしまうishidaです。

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言葉は不要?(上・左・右)

 

最後の支尾根を越えて緩やかに登ると見慣れた風景が広がって、南沢山の広い山頂部に飛び出しました。
濃密で湿度の高い大気が吹き付ける山頂部の木々は、ここまでとは全く違う全方位着氷した「砂糖菓子」のような様相を呈しています。
西面が開けた山頂部では常時北西風が吹き付けるために、標高のわりにこの様な霧氷が発達しやすいロケーションになっています。

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素晴らしい霧氷を見上げてばかりで、ついつい口が開き気味。(左) 山頂域になると「砂糖菓子の木」が出現。(右)

 

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素晴らしい景色に、ここまでの苦労を忘れます(^^)

 

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霧氷の木々の向こうに横川山と恵那山。 

 

しかし、南沢山の台地上の笹原はほとんど笹が露出した状態で、スノーシューで歩くことはできません。
この冬は近年になく冬の到来が早くて日本海側や東北では一足早い豪雪の便りでしたが、中部山岳より南の太平洋側では例年通り(?)雪は少ないようです。
それでも、あちこち歩きまわることも想定してスノーシューを装着して横川山を目指します。

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南沢山の台地上からの御嶽。

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登山道から窪地に入ったところのカラマツもびっしりと霧氷を纏っています。

これまでほとんど歩いたことがなかった正規の登山道をたどり、木々をくぐって台地の端まで来ると、正面には霧氷で真っ白なカラマツを従えた横川山が全貌を現します。
大気の流れの具合か、横川山の北斜面は素晴らしい着氷となっています。
しかし、時間も9時を回ったので太陽の位置が正面に近くなっていることもあって、逆光に輝く霧氷を纏った木々が素晴らしいのですが、低い位置の太陽からの直射光がまともに入射してしまう角度なので写真を撮るのには少々光線が厳しい(@o@)
それに、やはり雪が少なくて笹がほとんど露出しているので、写真を撮りやすい台地の端っこには行けない状態ですね。
少し笹を踏み分けて東側の窪地のほうに入ってみると、笹のなびいている方向にはまだ歩き易いんですが、戻ろうとすると笹の向きが逆ザヤになってスノーシューの足上げが苦しい(^^;;;;

 

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台地から見た横川山の北斜面。時間とともに半逆光の光線になってきました。

 

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横川山の斜面、違った角度で(^^)。(左) 立ち枯れ木に発達した「エビの尻尾」。(右)

 

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振り返って見る台地。笹は全て露出しています。

 

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最低鞍部付近から見上げる横川山。

 

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白骨樹の向こうに阿寺山系の小秀山。

 

今回は大人しく登山道をたどって、最低鞍部から崩壊地の縁まで登って立ち枯れ木群を見上げていると、後方からチリンチリンと熊鈴の音が聞こえてきました。
今日は平日ということもあり、まさか他の登山者はいないなと思っていたのに、後続の登山者二人が台地の外れから最低鞍部近くまで迫ってきていました。
後続に追い付かれると何となくプレッシャーを感じてしまうのがishidaの心の弱い(?)ところですが、よく見ると後続のお二人さんも盛んに写真撮影している様子なので、まあ近付いたら被写体になってもらおうくらいの気持ちで…(^^;

 

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こちらも「エビの尻尾」。(左) よく似た構図が多い(^^;;;;。(右)

 

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白骨樹越しに御嶽も顔を出します。

 

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横川山に取り付いて振り返る南沢山の台地。

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台地の向こうに中央アルプス(南駒ケ岳)も顔を出します。

 

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霧氷の木々の向こうに南アルプス。

 

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南アルプスをちょっとだけアップに。左から北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、荒川岳。

 

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崩壊地上の立ち枯れ。(左) 立ち枯れ木越しに見る中央アルプス。(右)

 

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南沢山の台地の全貌と中央アルプス。左手に南木曽岳、遠景に穂高。

 

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左から御嶽、乗鞍、穂高。

 

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横川山への最後の登りでお出迎えしてくれる着氷した木々。

 

そんなこんなで、最後の登りをちょっと息を切らせながらもクリアし、横川山の山頂に到達しました。
ほどなく後続のカップルが到着し、ごあいさつ。
岐阜県可児市からみえたお二人さん、昨日今日がお休みだったので、天気が良さそうな今日を選んで登山に来たそうです。
Ishidaのお節介なおしゃべりに少し付き合ってもらって聞いたところ、岐阜県ならスノーハイクに適した良い山がいっぱいあるんでは?と思いましたが、雪がありすぎても大変なので…とのことです(^^)

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山頂直下から見る南沢山へと連なる尾根の霧氷帯。

 

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白山の本体は雲で裾だけしか見えず。阿寺山系から御嶽、乗鞍、穂高。

 

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横川山山頂から富士見台、恵那山。

 

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南アルプス北部の巨人たち。左から北岳、間ノ岳、農鳥岳。

 

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南アルプス南部の巨人たち。左から荒川岳、赤石岳、聖岳、上河内岳。

 


南アルプス方面のパノラマ。(スクロールしてご覧ください)

 

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東尾根のカラマツ(左) 縞状の霧氷帯と中央アルプス。(右)

 

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霧氷越しに中央アルプスが見えるアングルを色々と探して笹の中へ(^^;

 

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霧氷越しに中央アルプスもう一丁!

 

今日は風も控えめですが、山頂の笹も埋まっていないのでお昼ご飯に適した場所もなさそうなので、ひとしきり写真を撮って南沢山方面に戻ってお昼ご飯にしようと思います。
少し笹原に入って中央アルプスと前景がきれいに入る場所を探した後、お二人さんが下って行ったあとを追うように南沢山方面に向かって戻りました。
ちょうど正午近く、南沢山の山頂部手前の陽射しが暖かくて風の避けられる場所を選んでお昼ご飯にしました。

 

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少しうなだれ始めた霧氷を前景に南アルプスの主要峰を収めてみました。

 

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楽しそうなお二人さんを見送る。(左) エビの尻尾はまだまだ健在?(右)

 

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このシーズン限定の霧氷の白と笹原の緑のコントラスト、いつ見てもいいね。

 

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逆光に輝く立ち枯れ木群も格好良し。

 

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再び振り返る横川山北斜面の霧氷。

 

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木々の下の雪の多くは落下した霧氷の堆積です。(左) 南沢山とお別れ。後は中津川市街と笠置山。(右)

 

横川山から南沢山に戻りながら、ちょうど正午近くに南沢山の山頂部手前の陽射しが暖かくて風の避けられる場所を選んでお昼ご飯にしました。
朝は十分な(?)低温でしたが、昼になって思ったよりも気温が上がったようで、陽射しがあれば体感温度も0℃前後と、ほとんどポカポカ陽気に感じるくらい。
(陽射しが当たっても雪は乾燥しているので、実際の気温は-2〜3℃くらいなんでしょうか?)
脱いだスノーシューを日向に立てておけば、黒いカラーが幸いして(?)ほとんど雪は落ちてしまいました。

 

お昼も済ませ、スノーシューやカメラ(大)もしまい込んで身軽になり、砂糖菓子以外の優しい着氷がすっかり落ちてしまった林を縫って下山します。
スノーシューも何も装着せずに下山したのは、もしかしたら初めてだったかも(^^;
急斜面も足の運びが楽で、思った以上に軽快に下ることができました。

 

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すっかり霧氷が落ちて、まるで春山のような陽気。(左・右)

 

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いつものヤドリギ。(左) 無事下山です。(右)

 

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ふるさと村自然園の道路。(左) 昼神温泉の赤橋。実は鉄橋だったのね。(右)


登山口に戻り軽く片付け、管理棟に駐車料金をお支払いして、お馴染みの昼神温泉を目指してGo!
しかし、「阿智の里 ひるがみ」に着弾したところ、無情にも玄関前に「休館中」との立て看板が…
仕方がないので、自宅に晩御飯の準備をお願いする電話を入れ、一路自宅へ…

ハスラーちゃんを思い切り良く走らせ、途中給油しながらも2時間20分ほどで自宅へ到着できました。
お風呂に入れなかったため、ちょっと余分に疲れたかも、ですね。
しかし、平日の登山は山だけでなく、行き帰りの道中も含めて気分よくて快適でした(^^)

 

--------------------- 今回の行程 ---------------------

 

自宅 3:30〜(買い物)〜稲武ルート〜5:35 平谷道の駅 5:50〜6:20 ふるさと村自然園 登山口
 
ふるさと村自然園 登山口 7:20---7:55 ランドマークツリー ---8:30 中間点ピーク 8:35---8:46霧氷帯

 

---9:35 南沢山山頂 9:50---10:25最低鞍部 ---10:55 横川山山頂
 
横川山山頂 11:25---11:55 昼食 12:34---12:40 南沢山山頂 ---13:20 中間点---13:35 ランドマークツリー

 

---13:50 登山口
 
登山口 14:00〜14:20 阿知の里ひるがみ(休館日!?) 〜津具ルート〜16:00 新城(給油) 16:10〜16:50 自宅
 
走行距離 276.3q (往路:143.7q 復路:132.6q)