ishida式の三方分山(ハイキング)的な…
2013年3月9日(土) 富士山西麓の山へ。登山というより甲府往還ついでにハイキング的な…?

3月の第一週はスキーイベントと決まっていて、その翌週は天候さえ良ければ越美国境周辺の山、狙いは「野伏ヶ岳」と考えていました。
しかし、北日本が激しい吹雪に見舞われた第一週に比べ、太平洋側では(相変わらず北日本では風雪の被害が続いているのとは裏腹に)第二週には春のような陽気になっています。

中部地方では5月並みの気温上昇となったことから、雪崩の危険性も考慮して「野伏ヶ岳」への山行は延期とし、せっかくなので甲府から帰省する長女をお迎えに行きながら近郊の山でも歩いてやろうと考えました。
今回は時間の制約もあるので、お手軽に富士山の展望が楽しめそうな「三方分山」を目的地に決定しました。
普段はあまり登山の対象と考えていなかった山ですが、冬場の展望はそれなりに良さそうです。
(昨年の夏には精進湖からパノラマ台まで行ったことはありましたが、それはishida式に言うと登山ではなかったからレポートしてないのね…)

 

土曜日の朝、出勤する(今年から社会人の)次女を見送ったあとでのんびり出発し、精進湖湖畔の駐車場に滑り込んだのが午前十一時でした。
これがもう「登山」の時間ではないですね〜。そそくさと準備して歩き始めます。
女坂峠へと向かう道すがらは、旧中山往還の宿場町的な役割もあったのか古い町並みが残っていますが、空き家も目立ちます。


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集落入り口にある案内看板。(左)  この先、集落を過ぎると山道らしくなります。(右)

 

最終の民家を過ぎると石仏や供養塔が現れ、登山ポストの先から山道になります。
登山ポストには昔懐かしい(?)2006年の平成の大合併によって分割・合併して村名が消えた「上九一色村」の文字が見えます。
村は地形的にも御坂山地で南北に分断されていたため北部は甲府市、南部の精進・本栖・富士ヶ嶺は富士河口湖町となっています。

 

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市町村合併で消えてしまった上九一色村の名前が懐かしい。(左) 佇む馬頭観音。(右)

 

旧街道の名残らしき石積みの残る道は沢沿いの急斜面を進み、沢を離れてからは眼下に精進湖を望みつつ緩やかな登りになります。
尾根の向こうに富士山が見え隠れし、尾根に向かってひと登りすると「阿難坂(女坂)峠」の表示のある辻に出ました。
  

 

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明るい雑木林を行きます。(左)  峠の手前から見る「三方分山」の山頂。(右)

 

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阿難坂(女坂)峠の標識。(左) 峠から北方向には御坂山地北部方面も見えます。(右)

 

尾根伝いに左手に行く方向は「三方分山1500m」、右手は「五湖山3000m」、真直ぐ峠を下る方向には「上九一色村古関」とあります。
右手側の看板に「10分 展望地 急登」と落書き(^^;されていたので、モノは試しに行ってみることにしました。
少し進むと登山道に雪が現れ、雪の上には先行者の足跡と自転車のタイヤ跡が確認できます。
その先、登山道は確かに急登になっていますが、傾斜よりも中途半端に凍った圧雪が残っていてとっても歩き難い(^^;;

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登山道に雪が現れます。(左)  御坂山地北部の尾根の向こうに甲府盆地や甲武信ヶ岳方面も。(右)

上りきったところに単独の男性と自転車が現れました。
期待通りに、尖ったピークの上からは(少し手前の尾根に隠されてはいますが)富士山の展望が楽しめます。

 

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小ピークから精進湖と登山口、向こうはパノラマ台、竜ヶ岳、雨ヶ岳などが望めます。

 

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女坂峠を隔てた三方分山。(左)  三方分山の右肩に鳳凰三山。(右)

 

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お待ちかねの富士山の展望です。

 

眼下には精進湖、北東に連なる王岳への稜線、南西〜南に連なる三方分山からパノラマ台へ連なる尾根と竜ヶ岳、雨ヶ岳とタカデッキ(毛無山は隠れて見えず?)、北には茅ヶ岳、金峰山、国師ヶ岳なども見えています。
南アルプスは三方分山に隠されていますが、鳳凰三山や南部の山並み(ちょっと同定できず)は確認できます。
自転車だけでなく山道具もかなりしっかりした装備をされた単独行の方と話してみると、王ヶ岳まで行くつもりだったが手前の尾根から下ることにしようかとのこと。
マニアックなカメラをお持ちだったので、カメラの話でも(実はお持ちのカメラも意外にカブってる(^^))盛り上がって、ついつい長話で引き止めてしまいました。

 

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王岳へと伸びる尾根。奥の尖ったピークが王岳。(左)  女坂峠に戻りました。(右)

 

自転車の男性とお別れし、自分は女坂峠まで戻って三方分山を目指します。
先ほどのピークから見たとおり、山頂手前のピークはかなり急斜面で、暑さと相まって息が上がります。
でも、葉を落とした雑木林は下草も無くて明るい雰囲気で、樹林越しに富士山も望めて気持ちの良いコースですね。

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傾斜は急ですが、葉を落とした木々の向こうに富士山。(左) 枯れてもなお存在感のある古木。(右)

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山頂手前で傾斜が緩んで明るい登山道は気持ちが良いです。

下山してくる二人連れの方とすれ違い、傾斜が緩んできたら山頂はもうすぐです。
カラマツに囲まれた広場のような山頂は周囲の展望はほとんどありませんが、山梨県の山の常で「富士山の方向だけ」刈り払われて見通しが利きます。
春霞で少し霞んでいますが、足元に精進湖、青木ヶ原の樹海の向こうに大室山を抱いた富士山(いわゆる「子抱き富士」)が望めます。
到着はお昼をだいぶ回ってしまいましたが、温かい日差しが気持ちよいここでお昼ご飯にします。
ついでに家族やすがぴさんにも富士山の写真をメール送信(^^;

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カラマツに囲まれた「三方分山」の山頂。(左) 富士山の展望良し。(右)

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富士山と寄生火山の大室山。

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山梨県で富士山が見える山の常で、富士山方面だけ刈り払われています。

のんびりしすぎると娘を連れて帰るのを忘れてしまいそうなので(^^;食事が終わったところで精進峠方向に向けて尾根を進みます。
遠目に見た三方分山は二重山稜のように見えただけあって、山頂から暫くは緩やかな尾根を行き、小さなピークを越えるまでは気持ちの良い稜線漫歩が楽しめます。

 

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木の間越しに富士山を眺めて稜線漫歩。(左) あのピークを越えた先は急降下。(右)

小ピークを越えると急降下となって一気に標高を下げますが、樹木越しに西側の展望が開ける場所では南アルプスも見えます。

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精進峠手前からの精進湖と富士山の展望。

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子抱き富士のバランスが一番良い位置ですね。

 

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精進峠にある有名な「ハノフマロ」の看板(^^)。(左) 峠から精進湖へは急降下。(右)

 

その後の小さな登下降を過ぎると精進峠へ着き、パノラマ台への尾根道から分岐して精進湖湖畔に向けての急斜面を下ります。
(この周辺は山のスケールの割りに急斜面が多いコースですね(^^;)

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沢筋にはまだまだ雪が残ります。(左) 湖畔近くでも日陰には積雪が残る。(右)

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旅館裏の車庫。粗相をする不届き者が多いんでしょうか?(左) 湖畔の県営駐車場前に出ます。(右)

雑木林から杉の植林地を縫うように進むと砂防堰堤に出て、左岸側を巻いて越えます。
もう少し進むと旅館街の建物が現れ、湖畔の県営駐車場のすぐ脇に出ました。
ここからは精進湖越しの富士山を楽しみながらエブリちゃんの待つ駐車場までのんびり歩きました。

それにしても、標高900mほどあるこの辺りでさえ気温は15℃以上ありそうで、まるでGWの里山歩きのようでしたね。

 

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精進湖畔からの子抱き富士。


季節柄の黄砂に加えてPM2.5などと色々喧しい昨今ですが、中部山岳で遮られるためか、この地方の大気の透明度はほぼ「春霞」程度といえそうだったお陰で眺望も楽しめ、「やっぱり富士山の見える山っていいな。」と実感しました。