ishida式の富士見台登山
2012年11月3日(土) 好天の予報で急に山に行きたくなって。

先週の10月28日(日)の岐阜基地航空祭は当日のみ雨、前後は素晴らしい好天でした。
今週の週末は好天が続くとの予報に(木曜日には腰痛の症状が出ていたにもかかわらず)、金曜日に急遽決めた富士見台登山でした。

例によって前夜は寝付かれず、11月3日の午前3時前には起床、20分後には自宅を出発していました。
明るい月明かりの中、今回のお供のスイフトを走らせて山越えです。
稲武では外気温計が−1℃を表示、平谷では−5℃という冷え込みです。
ホントかなと思ったが、平屋の道の駅に停まって車外に出たら、まるでスキーに向かう道中のような寒さでした(^^;
(平谷は標高の高い盆地なので、いつも特別寒いんです。)
順調に治部坂峠、寒原峠を越え、園原を目指します。
中央道園原ICを越えて右折、しばらく行くと登山口の神坂神社前に到着です。
きれいに整備された駐車場には先客の車が2台停まっていますが、日の出前なのでまだ仮眠中のようです。
軽く腹ごしらえを済ませ、白み始めた空に浮かぶ南アルプスの稜線を背にして登山開始です。
(といっても、神社の脇を登るとすぐに林道に出て、そのままゲート前まで林道を歩きます)
途中で日の出を迎え、南アルプスの稜線から差す朝日を浴びて元気が出ました。


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白み始めた空に、赤石岳と聖岳のシルエット。(左) 林道を行く途中、朝日が顔を出します。(右)

 

ゲート脇を通り抜けると、いよいよ登山道の入り口です。
初めは杉林を縫ってジグザグに高度を稼ぎ、尾根上に出ると周囲は落葉樹の森になります。
低い位置から差し込む朝の日差しを浴びた木々が輝いて見え、木の間越しに神坂峠へ続く稜線が朝日に白く光って見えます。


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恩田大川入山。手前の尾根に「ヘブンスそのはら」のロープウェイ。(左) ちょっとコワイ?桟道。(左)

 

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良い感じに色付いています。(左) 富士見台方面の笹原は真っ白。(左)

 

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尾根筋に近付くとカラマツ林。(左) 神坂峠は左端の鞍部です。(右)

 

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崩壊地から。谷はまだ翳っています。(左) 林道のある尾根。奥は恵那山。(左)

 

尾根沿いは落ち葉を踏みながらの快適な道となり、右手に朝日の差す広葉樹の黄葉、左手に神坂峠へ続く尾根を眺めながら歩きます。
木の間越しに見える富士見台方面の笹原は、笹に着いた霜に朝日が当たり始めて真っ白に見えますね。
大きな崩壊地の上端に差し掛かると、園原川の源流の谷を挟んだ稜線が一望できる絶景地でした。
すぐに小さな鞍部で分岐に差し掛かり、左手に進みます。


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朝日に輝くカラマツの黄葉。(左) モミジの赤もアクセントを添えます。(右)

尾根の東面の斜面を緩やかに登るようになり、周囲のカラマツ林に朝日が差し込んで気持ちのいい道になります。
再び尾根の稜線を越えるように進むと、笹原とダケカンバが現れ、池の平の看板を見た先で道は大きくV字にターンし、開けた斜面を進みます。

 

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登山道も霜で真っ白。(左) 葉を落としたダケカンバ。(右)

 

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いよいよ行く手の稜線(右手が神坂山のピーク?)が近付きます。

 

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笹原に霜が降りて真っ白。(左) 儚い霜の造形美。(右)

 

斜面をトラバースするように進む見晴らしの良い道になり、周辺の笹には霜がびっしりと着いています。
その霜も、太陽の光が当たり始めるそばからどんどん融けてゆきます。
再び支尾根を越える箇所に、昔の放牧の名残りの階段とゲートがあります。
(富士見台周辺が肉牛の放牧地だったため、古いガイドブックなどでは「ゲートを開けて通った後、必ずしっかり閉めるように。」といった注意書きがあった記憶があります。)

 

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東側から眺める神坂山へ続く尾根。

 

杉林を抜けると針葉樹の混じった樹林となり、登山道も岩ゴロが増え、森を抜けたと思ったら目の前が萬岳荘でした。
萬岳荘の裏手で右に折れるコースを取って、ストレートに神坂山に向かいます。
左に小さな小屋を見ながら暗い樹林を少しだけ登ると、右手に神坂山を望む笹原に出ます。


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神坂山の斜面から見る神坂峠側の尾根の背後に恵那山が見えてきます。

 

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神坂山の斜面から見る富士見台。

 

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恵那山の姿も大きくなってきます。

 

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神坂峠と恵那山への縦走路。

 

笹原を少し登り、北側の展望が開けると中央アルプスや乗鞍岳が姿を現しました。
登山道には霧氷の落下による堆積が始まっていて、そろそろ冬の訪れを感じます。
笹原の中、富士見台との分岐を右に進んだピークが神坂山の山頂で、山頂には「岩田石」と彫られた三角形の岩があります。


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山頂付近には霧氷の堆積。(左) 岩田石と彫られた岩。(右)

 

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山頂からの南アルプス南部。光岳、池口岳。

 

しかし、神坂山の山頂は笹原に潅木が混じっているために思いほか展望はよくありませんでした。
展望を求めて笹原を東に進もうと思っけど、霜が融けてきているためズボンがびしょびしょになりそうだったので止めました(^^;
西に目を転じると、富士見台から神坂峠に続く笹原の尾根、更に恵那山へと延びる尾根が見渡せます。
早朝は霜で真っ白だった笹原も、お日様が当たる場所ではすっかり元の色に戻っています。

 

ところで、神坂山へ登っている途中で萬岳荘から富士見台へ続く鞍部に赤いジャケットの人影が見えましたが、現在神坂山の山頂から富士見台のピークを眺めると今度は別人と思しき黒っぽい人影が見えます。神坂峠からの登山者でしょうか?とりあえず、今日の一番乗りは逃してしまったみたい(^^;
再び来た道を少し戻り、分岐を神坂小屋方面へと直進します。

 

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初登場です。天気が良くてにんまり。(左) 南アルプス北部の山々。(右)

 

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広い笹原が続きます。振り返って見る神坂山。(左) 
大好きな恵那山。(右)

 

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富士見台の尾根は笹とツガのコントラストが綺麗。

 

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朝日と山襞を染める黄葉のコントラストがすてき!

 

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大きく裾を広げる安平路山と背後の中央アルプス。

 

背の低い笹しかない緩やかな尾根上の気持ちの良いコースを進むと、小さなケルンと落雷による犠牲者の慰霊碑の前を通過し、少し下ったところが神坂小屋です。ここでメインコースと合流。
もう一登りで稜線に出ると左に避雷針ピークを見て、右に折れると富士見台のピークに続く緩やかな登りになります。

 

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避雷針ピーク。(左) こちらが富士見台のピーク。(右)

 

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まだまだ霜で白い笹原と恵那山。右肩は霧氷で真っ白。


富士見台ピークの直前で下ってくる単独行の方(さっき見た黒い人影の人ね)と会いました。
「ちょっと靄ってきてるけど、南沢山まで行きますか?」と聞かれましたが、この時点では「どうしようかな〜」とお返事しておきました(^^;
実際、今回は新兵器のGPS(Garmin eTrex20)をお供にしてきたので、南沢山までのルートを記録したい気持ちもありましが、富士見台の山頂に着いてのんびりしたら何だかほんわかした気分になってきて…今日は

ここまでで良いかなっていう気に(^^;;;;なっちゃいました。


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山頂からの御岳、乗鞍、穂高。手前はお馴染みの横川山です。

 

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霜の着いた下草と恵那山。(左) 南木曽岳。(右)

 

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中津川の街を見下ろします。境界線は逆転層のため。

 

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山頂はまだまだ霜の着いた下草で真っ白。(左) まだまだ山頂独り占め中。(右)

 

富士見台自体は1739mと、標高の高い山ではありませんが360度の展望は良好で、間近には恵那山、東に南アルプス(今日は池口岳、光岳〜甲斐駒、鋸岳まで)、八ヶ岳、北には中央アルプス、北アルプス(穂高、乗鞍)、御岳が望めます。
ただ、気温は低いのですが風も弱いせいか、下界に逆転層(地表の大気が温められ、上空の冷気との間で層を成す状態)が形成されているようです。
そのため、東濃の山や鈴鹿山系、伊吹山などは靄の中に沈んでしまって見ることはできません。
しかし、まだ朝の日差しで周辺の山々の山ひだがくっきりと浮かび上がり、周囲の黄葉とも相まってとっても良い景色です。
山頂から少し北へ進み、広い笹原と北へ伸びる南沢山への縦走路を眺めます。
時間もたっぷりあるので(遅い朝ごはんか早い昼ごはんか微妙ですが)軽くお食事にします。

食事中に、神坂神社からと思われるカップルが到着、暫くすると三々五々に到着する人が現れ始めました。
山座同定などを尋ねられたりした方たちとお話していると、どうやらロープウェイとマイクロバスを乗り継いで上がってきたらしき軽装の人たちが続々登場。
そろそろ山頂も込み合いはじめそうなので、神坂峠方向へ下ることにします。

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仙丈、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、荒川岳。

 

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神坂山へ続く笹原。背後右寄りは蛇峠山。(左) 登ってくる人が急増。(右)

 

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中央アルプスともお別れ。

 

神坂小屋を過ぎ、萬岳荘との分岐から稜線伝いに進む踏み跡を辿ってゆくことにします。
少し登ると、赤いジャケットの方が「ラジコングライダー」を飛ばしているのに遭遇、さっき上から見えたのはラジコングライダーの会の方だったようです。
今日は中津川側からの風が弱く、上手く飛んでくれないようだとのこと。

更になだらかな尾根を天辺まで行くと踏み跡は薄くなり、笹に着いた霜でパンツもびしょびしょになってしまいました。
とりあえず、ここは諦めて萬岳荘まで下ることにしました。
途中、上から見ると目立ったトラバースする踏み跡も見てみましたが、実際には笹がかなり被さっていて最近あまり踏まれていない様子。

 

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神坂峠側のピークから振り返る神坂山への尾根。右下に続く道は萬岳荘への道。

 

 

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グライダーを飛ばしたところをパチリ。(左) 青い天辺と笹のコントラスト。(右)

 

萬岳荘に向けて下ってゆくと、どんどん登ってくる観光客とすれ違い、小屋の前は多くの自動車、マイクロバス、観光客でごった返しています。
天気も良いし、ヘブンスそのはらの広告がちょうど今週の新聞に載ったこともあり、ロープウェイ利用の人出も今週がピークでしょうか?

何となく登山装備の自分のほうが場違いな雰囲気がして、こそこそと裏手に廻ってもと来たコースを下山します。

 

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帰路、再び神坂山を裏側?から。(左) 朝とは全く雰囲気が違います。(右)

 

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秋真っ盛り。透過光に輝くモミジの紅葉。

 

お日様もだんだんと高くなってきて、谷間まで陽が射し込んで登りとは違った雰囲気も楽しめます。
それにしても、神坂神社からの登山コースって、思った以上に良いのに登山者は少ないんだなあと思っていると、下山時にはかなりの数の人たちとすれ違います。
やっぱり季節柄もあって、人気があるんですね。

 

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お日様の射すカラマツ林は気持ち良い。

 

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様々な色合いを見せてくれます。(左・右)

 

下山時は、途中の分岐から「カラマツコース」側へ進みます。
(登ってきた「ブナコース」側へちょっとだけ行って、崩壊地の上からの眺めを楽しんでおきます。)
黄葉したカラマツ林にお日様が射し込み、素敵なお散歩コース的なシチュエーションを楽しみつつ、その先は急斜面の急降下もあります。

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朝は真っ暗だった谷にも日差しが。(左・右)

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黄葉が目にまぶしい林道の斜面。

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分岐から「カラマツコース」へ。(左) 気持ちの良い尾根道。この後急降下(^^;(右)

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普段濁っているishidaの心も澄んでくる気がします。(左・右)

でも、こちらの「カラマツコース」に入ったら、急に人に会わなくなったようです。
急斜面にジグザグにつけられた道を下ってゆくと、登ってきた登山者の若いカップルと会い「神社のすぐ上から登ってきたんですけど、分岐はまだ先ですか?」と聞かれました。
あんまりにも人に会わないんで心配だったのかも。自分は下りで15〜20分くらいだったような…頑張って下さいね。

植林地を通過すると、園原の人家や高速道路、その向こうに網掛山や南アルプスが見えてきます。

あと少しで林道かなと思うと、すぐ下に神社の屋根が見えました。

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植林地の上から園原の集落と網掛山。(左) そろそろ林道が近い。(右)

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恵那山トンネルの排気塔と網掛山。(左) 神社にお礼のお参り。(右)

このコースの林道からの取り付き点は神社のすぐ上側にあり、登るときには神社の左の斜面を登って林道に出たので、取り付きを通り過ぎていたので気が付かなかったのでした。

靴を履き替え、出発時に寄らなかった神社に立ち寄って(好天のお礼も兼ねて)お参りしておきます。

ちょうどお昼をまわった時間ですが、さっき中途半端に食べたこともあってお腹も空いてないし、先にお風呂にしましょう。
車を走らせ(途中で駒つなぎの桜も見て)お気に入りの「阿智の里 ひるがみ」へ向かいます。食堂でお昼をいただいても良いし…(^^;
気持ちよくお風呂に浸かり、しっかりストレッチして食堂に向かうとあらショック、もう食堂は営業終了していました。
天気も良いので向かいの阿智川の河原に降り、携帯していた(奥さんが買っておいてくれた)カップラーメンを戴きました。

 

午後2時に昼神温泉を出発し、国道をのんびり走って4時45分に自宅に到着でした。

 

---------------------------------本日の行程-----------------------------------------

 

自宅 3:25 〜 買い出し・R257・R153経由〜 5:45 神坂神社前駐車場

 

駐車場 6:08 --- 6:35 登山道取り付き --- 7:12 分岐点 --- 7:30 池の平 --- 7:45 千本立(旧放牧ゲート)

--- 8:00 萬岳荘 --- 8:20 神坂山山頂 8:25 --- 8:47 神坂小屋分岐 --- 9:00 富士見台山頂 

 

山頂 9:38 --- 10:05 お隣ピーク --- 10:10 萬岳荘分岐 --- 10:25 萬岳荘 --- 10:40 千本立(旧放牧ゲート)

--- 10:55 池の平 --- 10:15 分岐点 --- 12:05 林道出会 --- 12:10 駐車場

 

駐車場 12:25 〜 駒繋ぎの桜 〜 12:45 阿智の里 ひるがみ 14:00 〜 16:45 自宅 

 

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今回は、GPS(Garmin eTrex20)のトラックを落としてみました。