ishida式の一切経山・東吾妻山登山
2011年8月5日(金) 自然に南下?吾妻連峰の東端へ

-----------------みちのく一人旅の「月山登山」の続きです。----------------

米沢の朝も快適な目覚めです。
日の出前の空は快晴で、次の目的地は昨日立てた予定通りに「磐梯吾妻スカイライン浄土平から一切経山、東吾妻山」とします。

ホテルを6時頃出発し、途中のコンビニでお買い物を済ませて一路、福島県を目指します。
福島市から磐梯吾妻スカイラインに入ると「無料開放中」の看板が…福島の有料道路は現在無料開放中なんですね。
途中でも車は1台しか出会わず、晴れた空に向かってどんどん高度を上げます。

浄土平が近付くと、前方が開けて「吾妻小富士」や「一切経山」が真っ青な空を背景にして現れました。ヤッター!!今日はイタダキ!


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噴煙を上げる一切経山の噴気孔。(左) 吾妻小富士。(右)

 

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福島の街は雲海の下。(左) しかし東吾妻山にはガスが。(右)

 

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浄土平の湿原から一切経山の噴気孔を見上げる。(山頂はもっと奥)

 

5台ほどしか駐車していない駐車場(ここも無料開放中)に入り、朝食をとっていると東吾妻山の頭の上にガスがかかってきました。
あわてて出発しますがガスの回りは早く、高度を上げるにつれて東吾妻山と吾妻小富士はどんどんガスに隠れていくようです…(ToT)
とはいっても、一切経山は健在ですし、流れも早いのでずっと隠れたままではないでしょうという期待も持ちつつ登ります。

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吾妻小富士にもガスがかかり始めました。

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ガスの噴出が盛んなため、噴気孔近くを通る登山道は通行禁止中。

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酢ヶ平のT字路を右に曲がって酢ヶ平避難小屋の方向へ。

 

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山頂に続く広い斜面の向こうに吾妻小富士…雲海が上がってきて見えません。

 

高度を上げていったん平坦になった先は「酢ヶ平」の湿原で、手前のT字路を右に曲がって酢ヶ平避難小屋を経由して一切経山の斜面に取り付きます。
一切経山はいくつかの饅頭のような高まりの集合で、なかなかピークは姿を見せません。
浄土平側から巻き込んだガスが展望をさえぎっていますが、目指す一切経山にはガスがかかっておらず、まあるい高まりの天辺に大きな石の塚が築かれています。
これもケルンというよりは経塚のような宗教的な遺構なんでしょうか?塚の中には意味の良く判らない「空気大感謝塔」とか「万邦平和生存感謝」とか書かれた標柱が立っています。

 

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一切経山山頂の石の塚。(左) 実は帽子は鳥海山で失くしました。(右)

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一切経山の北側には吸い込まれるような青い水をたたえた「魔女の瞳(五色沼)」。

山頂には先客のご夫妻がいて「もう少し前まで行くときれいな景色ですよ。」と教わったので山頂を少しだけ北向きに進むと、なだらかな斜面に隠れていたコバルトブルーの湖面が姿を現しました。
これが「魔女の瞳」と呼ばれる「五色沼」ですね。
西から流れるガスと下界の雲海で期待していた360度の展望は叶いませんでしたが、この「五色沼」の景観だけでも嬉しいほどの素晴らしい景観です。

この先、自分と同じコースで東吾妻山まで歩く予定のご夫妻(東京の青梅市から来られ、二日前に月山にも登っているそうです。)と、付いたり離れたりしながら行くことになりました。

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酢ヶ平避難小屋に下る途中から振り返る一切経山の山頂(中央)。

 

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酢ヶ平避難小屋を眼下に、酢ヶ平と鎌沼。

 

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東吾妻山は姿を見せそうで、見えない。

 

一切経山の山頂を後にし、来た道を酢ヶ平の分岐まで戻り、鎌沼方面に歩くと再びガスが切れて東吾妻山が見えたり隠れたりします。
酢ヶ平の湿原はその名の通り酸性度が強いのか、全体に赤みの強い色彩がまるで秋の草紅葉のような景観を見せています。


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酢ヶ平から見る一切経山の噴気孔のある側の高まり。(山頂は左奥)

 

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それにしても、地面の酸性度が高いせいでしょうか?まるで草紅葉。

 

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酢ヶ平から見る前大巓。

 

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鎌沼から対岸の東吾妻山方向を見る。

 

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姥ヶ原から鎌沼を見下ろす。

 

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時々「ちょっとだけよ」という感じで姿を見せる東吾妻山。

 

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アングルを変えて(^^)東吾妻山(左) 姥ヶ原の十字路で来た道を振り返る。(右)

 

鎌沼のほとりを歩き、いったん少し登った先の台地が「姥ヶ原」で、道は十字路になっています。
そのまま真っ直ぐ「東吾妻山」への道をとると、樹林帯のなかを暫く登った先で樹木が風衝樹形を見せ始めると山頂に飛び出します。
しかし、360度の展望は得られず、時々鎌沼が青い湖面を見せてくれるのがせめてもの救いかしら?
少し遅れて先程のご夫妻が到着し、写真を撮ったり山の話をしたりで盛り上がりました。
またどこかの山で会いたいなと思わせるお二人とはここでお別れ、鎌沼方面に下山されるのを見送って、自分は当初の予定通り西側の展望台から景場平〜鳥子平を経由して浄土平に戻るコースを選択しました。


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東吾妻山から鎌沼。(左) 東吾妻山山頂からお別れ。(右) 

 

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東吾妻山西側の展望台。磐梯山や桧原湖の眺めが良いらしい(T^T)。(左) 東吾妻山山頂方向。(右)

 

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展望の無い樹林帯を下ります。(左) 景場平で。転倒のダメージで何となく笑顔が暗い?。(右)

 

しかし、結果はガスや小雨に悩まされただけで、あまり楽しい山歩きにはなりませんでした(^^;
そのうえ、前日までの雨と朝露で濡れた登山道の下りは滑りやすく、つるっと滑って尻餅をついた拍子に木の根が突き出した部分に左の太ももを思いっきり強打(>_<)!
おまけに腰骨もどこかにぶつけたのか痛みます。
ここからはおっかなびっくり、へっぴり腰で下って浄土平を目指しますが、景場平と鳥子平の湿原以外はずっと展望もなく、何だか暗い気持ちで兎平キャンプ場まで戻りました。


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景場平の池塘。

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鳥子平の池塘。

 

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ウッディな吾妻小屋。

 

道中で見た山小屋の「吾妻小屋」はウッディでとっても雰囲気の良い建物でした。
この辺りからは吾妻小富士もよく見え、いつの間にか空も晴れ渡っています。
背後の東吾妻山にはまだ雲が被っており、わざわざ雲の中へ向かって歩いていたようでがっかり。
桶沼にも立ち寄り、浄土平に戻ってちょっと遅いお昼ご飯にしました。

 

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浄土平の湿原から東吾妻山。

 

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吾妻小富士への登りから浄土平と東吾妻山。

 

その後に「吾妻小富士」に登ってゆくと、上から「お疲れ様〜」の優しい声が…見ると、先程のご夫妻がちょうど下ってきました(^^)
東吾妻山から下山するときにはどんどんガスが切れてきて、吾妻小富士もよく見えたそうです。(自分もそうすれば良かった。つくづく自分の判断ミスが悔やまれるなあ。)
お二人とは、この先のお互いの登山の無事を祈ってお別れしました。

吾妻小富士のお鉢を廻り、福島の街や浄土平、一切経山、東吾妻山を眺めて締めくくりとしましょう。

 

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吾妻小富士の噴火口の縁を歩きます。

 

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吾妻小富士から一切経山(山頂は中央右寄り)。

 

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阿武隈川が流れる福島の市街。中央左寄りが「信夫山」。

 

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吾妻小富士の噴火口を見下ろす。まるで富士山のお鉢みたい。

 

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お鉢を時計回りに巡りました。

 

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この景色も、一切経山の上から見たかった…。

 

さて、今日のお宿はどうしようか、今後の行動(先程の転倒による打ち身も暗い影を落としていますが)も含めて思案。
出来れば周辺の豊富な温泉の中でも、山の一軒宿、静かな秘湯(?)なんかが希望。
で、ナビに打ち込んだ先は「赤湯温泉」…どんなところ?

 

メインの道路から凸凹道を下った先に現れたのは、山の一軒宿「赤湯温泉 好山荘」。
期待通りの山の一軒宿だけど、外観はちょっと雰囲気無いなあ。周りも工事現場みたいだし(^^;。
でも、鄙びた湯治宿のようで、飛び込みの男一人旅でも気安く泊めて頂け、お値段もリーズナブル。

波打った廊下、ちょっと饐えた臭いの客室…なんていうのが気になる人はちょっと苦手かも。

自分としてはお湯も含めて気に入りました。

 

つい先月までは、避難生活の人たちを受け入れていたそうですが、今回の震災で建物自体が傾いてしまったそうで、扉には隙間ができたり締まらなくなったりだそうです。

(宿泊した夜も揺れた(^^;;;;;;;;;;)

 

ちなみに、転倒して強打した太腿はけっこうダメージ有り。今後の行動についても考えた方が良いかしら。

 

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本日の晩御飯。(左) 男の太腿でスンマセン。当日のダメージ図。(中) 翌日の状態。(右)