前週の富士見台スノーシューハイクの天候は今ひとつでしたが、雪も豊富な今シーズンにスノーシューを楽しもうと決意しました。 前回レンタルしたクラスのものでは下りのグリップが心許無く、全方位グリップを謳い、ヒールリフターも装備したものということで、モンタニアで取り寄せをお願いしたのは「MSR ライトニングアッセント」です。
週末の天気予報をみて目的地は長野県南部方面ということにし、前回のつながりで「南沢山」に登ることにしました。 翌日にはスキーの約束もあるので、ちょっと軽めの山なのも選択のポイントです。 以前ネットで調べた際にも、冬は樹氷が綺麗だとのことで期待もします。
前日に準備を済ませ、翌日の早朝には一路登山口の清内路・ふるさと村自然園に向けてエブリちゃんを走らせます。 (ガソリン入れといてくれた奥さんに感謝) 道中の国道には先週の雪がそのまま残って凍結しているほどで、県境付近の気温は-10℃以下を示しています。 場所によっては4WD+スタッドレスのエブリちゃんでも不安感を覚えるほど。
国道からふるさと村自然園に向かう道に分かれると、道路はまるでスキー場の様相です。 道を左に曲がると「尾根コース登山口」、直進が「沢コース登山口」との表示があり、迷わず左折(^^; 幸いにも、登山口の駐車場までは(4WDでないと不安なレベルですが)除雪されていて助かりました。
人っ子一人いないふるさと村自然園の駐車場にエブリちゃんを滑り(?)込ませます。 軽く腹ごしらえ(コレは大事ですね)をして、登山の準備をします。 駐車場のすぐ脇に登山道の入り口があり、駐車場からずっと雪がある状態であるのがわかります。 まずはスノーシューはザックにくくりつけて出発します。
今日のお供はエブリちゃん。左が登山口。(左) まずはスノーシューは担いで登ります。(右)
低温のため空気は澄んでいます。(左) 途中でスノーシューを装着。(右)
大きな立ち枯れ木。(左) 尾根では新雪も多くなります。(右)
登山道の足跡も全て新雪に隠され、その上に一番乗りの足跡を残しながら進むのは良い気持ちですね。 登り始めると遊歩道らしき分岐がいくつか現れますが、稜線に向かう道はよく踏まれていて迷うことはありません。 15分ほど歩いても、登山道自体もずっと新雪に覆われ、雪の量も多いことからスノーシューを装着することにしました。 ライトニングアッセントのポジロックATバインディングと呼ぶ固定方式は片足4本のベルトで構成されているため、装着は意外に面倒です。 特に今年(2011年)のモデルの、余ったベルトを固定用のピンに挿し込むという作業は非常に操作性が悪く感じます。 (寒い中、固くなったバンドをグローブをはめたままでピンに挿し込むのは至難の業です。) もちろん、締め付けた後のフィット感や軽さ、自慢のグリップは良い感じです。 登りの傾斜に対しても、ヒールリフターのお陰でかなり楽チンなのも嬉しいだけでなく、爪先の爪が適度に食い込んでグリップを増してくれます。 ただし、やはり男性用で20cmある幅の広さがトレースの幅よりも広くなってしまい、曲がった場所や踏み跡の深い場所では取り回しの悪さも感じます。 (希望では女性用の18cm幅で長さが25インチのものがあれば、そちらを取り寄せてもらえるように頼んでいたが、在庫がありませんでした。)
尾根に出ると自然林が良い気持ち。(左)
急な下りの先の尾根コース分岐付近。(右)
登山道が稜線に出ると、西風の強い場所では新雪が吹き溜まっていてトレースが消えている箇所も現れますが、スノーシューの浮力に頼ってぐいぐい?進みます。 急傾斜を登っていったん小さなピークを超えると、今度は急な下りが現れました。 ここで初めて急な下りを体感してみると、やっぱりスノーシューの弱点は急下降であることが再認識できました(^^; やや前荷重で歩かないと、360°トラクションを謳ったライトニングアッセントといえどもしっかりグリップしません。 しかし、足の甲にかかる圧迫も大きくてかなり歩きにくい状態といえます。 安全な場所なら、逆に後ろ荷重でグリセードしてしまったほうが楽チンでした。 とはいえ、若かりし頃よりもバランス感や足首周りの筋力が落ちているので注意が必要ですね〜。(前回借りたものよりグリセードしたときの安定感はある感じですが)
そんなこんなで、歩いている途中、ザックに取り付けてあった三脚(今回初登場のタムラック
Zipshot)が無くなっているのに気が付きました。 ガーン!また落し物!?何のために持ってきたのかよー判らん。自分の不注意さにがっかり。 帰りに回収できるのを期して先に進みます。
小ピークから急下降した鞍部に案内看板があり、ここが「沢コース」との合流点のようです。 このシーズンに沢コースを通る人はいないと思いましたが、やはり踏み跡は全くありませんでした。 ここからコースは稜線の東寄りを巻くように着けられているため、前に見える急斜面を登ることはなくて少しほっとしました。 しばらくは葉の落ちた雑木林の斜面が続き、気持ちよく歩けます。 徐々に上りながら前方が開けてくると右手が開けた笹原となり、樹間に時折り見えていた富士見台方面が見渡せます。 しかし、頭上の雪雲がどんどん濃くなってきて、南沢山山頂手前で南の展望が開ける頃には視界は利かなくなってしまいました。
見上げると青空がまぶしい。(右)
後ろは横川峠への尾根。(左) 振り返ると綺麗な青空。(右)
しかし、行く手は不穏な雪雲に覆われています。(左) 横川山、富士見台方面はガスの中…(右)
そして、前方が広い雪原になると、あまり山頂らしくない南沢山の山頂に出ました。 激しく吹きつける西風のせいで、この周辺の稜線は西側に広い笹原が広がっているのですが、今日は頭上の雪雲のせいで周辺の山の展望は限られています。 天候と積雪の状態によっては横川山まで足を伸ばそうと思っていたのですが、(下界はけっこう晴れているにもかかわらず)稜線の天候は風雪もかなりあり、新雪もかなり積もってトレースも完全に埋まっている状況です。 今日のところはまだ昼前ですがここまでとします。 とりあえず、スノーシューの威力を体感するために(?)雪原を歩き回って写真撮影にいそしみます。 今日は霧氷も見られるのではないかという淡い期待もありましたが天候の変化が意外に遅かったようで、ほとんど見られませんでした。 逆に今日の天気からすると、実は明日のほうが期待できそうな様子でしょうか。
2週連続のホワイトアウトにちょっとがっかり。(左) 山頂らしくない南沢山の山頂。(右)
着雪した針葉樹はモンスターというよりゴーストか?(左・右)
稜線の木々はたっぷり着雪しています。
ちょこっと霧氷。(左) ishidaのトレース。一箇所沈没(?)してます。(右)
雪原の向こうに中央道と馬籠の街が見えます。
下界は晴れ、頭上は激しい風雪です。(左・右)
稜線にかかっている雲より下には、恵那山トンネル手前の中央道や馬篭の街、中津川市街辺りが見えています。 雪の季節限定の広い雪原を楽しんだ後は、風も強いので山頂での昼食はやめ、早々に下山にかかります。
かなり吹き溜まっていて、踏み抜くと膝上まで埋まります。(左) そろそろ山頂ともお別れ。(右)
雪を纏った針葉樹。(左) ちょっとメタボな感じ?(右)
傾斜の緩いところでは下りでも十分な操作性で快調に歩けます。 標高を下げてくると雲の下に周囲の景色が見えてきて、先週と同じように稜線に雪雲がかかった状態がやや恨めしく感じます。
三脚が無いことに気付いた地点から先は、周りに三脚が落ちてないかを気にしながら進みます。 途中、尾根通しで何気なく真っ直ぐ下ったら、途中で「奥の駐車場」へ向かうらしきトレースのほうへ向かってしまい、もう一度登り返して戻りました。 (自分の足跡どおりに帰らないと落し物も見落としてしまうのに、ついついショートカットのつもりで進んでしまいました(^^;) しかし、無情にも何の収穫もなく駐車場が近付いてきます。 新雪の多さに喜んでいたのと裏腹に、今度は新雪の多さ(それとも注意力不足?)で落し物の三脚は見つからず終いでした。 返す返すも、自分の不注意さにがっかりです。
雪の状態と週末の天候次第ですが、出来れば今シーズン中にあと何回かは南沢山を目指す必要がありそうですね。
ちょっとしょんぼり気分で店仕舞いし、少し下った「峠の本陣」(昔はバイクツーリングの際によく立ち寄った)でちょっと遅いお昼をいただき、昼神温泉でお風呂に入って帰ります。 ちなみに昼神温泉には2週連続で立ち寄りましたが、乾燥肌のishidaにはとってもいい感じで気に入りました。 そういえば、いつも春〜秋にかけて立ち寄ることはあっても、冬に立ち寄るのは今シーズンが初めてだったね。
帰りの道中、愛知県に入っても気温は氷点下が続き、今シーズンの気温の低さを実感します。
今回も阿智の里「ひるがみ」で入浴して帰ります。
------------------------------- 今回の行程 --------------------------------
自宅5:10〜稲武〜治部坂峠〜ふるさと自然村登山口7:30
登山口8:10--8:30スノーシュー装着8:45--9:25中間点--9:30沢コース分岐--10:35南沢山山頂
山頂周辺周遊--11:50山頂発--13:00中間点--13:50登山口
登山口14:20〜峠の本陣(昼食)〜阿智の里「ひるがみ」(入浴)15:30〜治部坂峠〜稲武〜自宅18:25
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