ishida式の焼岳登山
2010年8月7日(土) 家族旅行なのに最後は単独行動で山登りっていうのがishida式?

 

6月に実家の父が入院したため、暫く遠出は控えていました。
7月の後半に退院できたおかげで、8月初週の夏休みは晴れてお出掛け可能に。
休み後半は2泊3日の家族旅行とし、前半に登山を…と計画していたのですが、どうも天候不順。
結局、家族旅行の最終日に上高地から焼岳に登ることにしました。

旅行初日は白川郷の合掌集落を散策し、合掌造りの民宿「伊三郎」さんに宿泊。

豪華な夕食と満天の星空に奥さんも満足(^^)

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白川郷も猛暑でした。丸1日ぶらぶら…。

翌日に上高地に入り、大正池から明神池まで散策して「山のひだや」に宿泊。

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田代池にて。(左) 例年より気温高めとはいえ、水辺は気持ち良い。(右)

最終日は家族と朝食の後に単身、河童橋〜田代橋経由で焼岳を目指しました。
(奥さんと子供たちは終日上高地散策、下山後に沢渡駐車場で合流予定です。)

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朝の焼岳。

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ミーハーに河童橋から穂高連峰。(左) 振り返ると焼岳。(右)

田代橋を過ぎると今までの喧騒は幻のように消え失せ、登山道は静けさに包まれていました。

林道から登山道に入ってゆくと、林相も梓川沿いの攪乱を受けた若い木々とはうって変わって、巨木も姿を現します。

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登山道は気持ちのいい樹林の中を進みます。(左・右)

緩やかに高度を上げてゆくと、次第に若い白樺などの木が目立ってきます。
左手には焼岳の中腹へと伸びる侵食谷が姿を見せ、白々とした崖が山頂方向に向かって爪痕のように伸びています。
崖には焼岳の山体を構成する火砕流の堆積層がはっきり見えます。
(富士山のようなホットスポットに近い成層火山とは異なり、焼岳のような内陸の火山は粘度の高い溶岩と火砕流などの堆積物によって形成されています。)

白々とした崖の向こうに姿を見せる焼岳の姿も、遠目に見るのとは違った荒々しさが感じられます。

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侵食谷を隔てて焼岳の山頂部が見えます。

登山道が傾斜を増し、前方に崖が見えてくると梯子が現れてきます。
急斜面を登って高度を上げてゆくに従い、背後には大正池と霞沢岳が見えてきます。

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背後に霞沢岳と大正池。(左) 最後に長い梯子が現れます。(右)

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梯子の下から振り返る草付きの斜面。(左) 荒々しい山肌を見せる焼岳。(右)

更に崖下の斜面を横切ると登山道最長の梯子が現れ、その先は中尾峠に続くたおやかな尾根筋を辿って行きます。

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梯子を登ると中尾峠に続く斜面が見えます。(左) 火砕流の堆積層がはっきり見える崖。(右)

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山頂に続く尾根は荒々しさを見せます。

気持ちの良い斜面を進むと「新中尾峠」に着き、可愛らしい「焼岳小屋」が建っています。

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稜線近くはたおやかな尾根。(左) 新中尾峠に建つ「焼岳小屋」。(右)

ここから小さな高まりを登って再度下ったところが中尾峠です。
ここまで来たら、これまでの静寂とは正反対に大勢の登山者が行き来しています。
登山者の多くは新穂高(中尾温泉)方面からの往復のようです。

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小さな高まりを越えます。(左) 再び大正池方向が見えます。(右)

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中尾峠に向けて下ります。(左) 焼岳の斜面に取り付いて振り返ると穂高はガスの中。(右)

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上高地の中心部が見えます。(左) 穂高へ続く稜線。手前に焼岳小屋、奥に西穂山荘も見えました。(右)

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上高地から歩いてきたルートを見る。(左) 山頂直下の荒々しい岩壁。(右)

中尾峠から先は、一気に標高差約350mのほとんど草木のない砂礫と岩だらけの急斜面を辿って山頂手前の小鞍部にたどり着きます。
小鞍部から一登りで北峰のピークに立ちます。

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見上げると噴気孔。(左) 南峰は立ち入り禁止。(右)

途中には激しく火山性ガスと蒸気を吹き上げる噴気孔があり、焼岳が活火山であることを思い出させます。

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北峰山頂から中の湯登山道方面。(左) 荒々しく複雑な形状の山頂域。(右)

 

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溶岩が様々な形の岩峰を形作っています。(左) 見えない穂高をバックに。(右)


本来は穂高岳方面の展望が素晴らしいはずの山頂ですが、真昼の上昇気流によるガスで穂高岳は見えません。
稜線の西側に湧き立つガスの合間に西穂山荘が見え、時折り西穂独標のピークも見え隠れしていますが、奥穂高岳や前穂高岳は見えません。
展望は諦め、人の多い鞍部から北峰との中間の鞍部に移動して昼食にします。

 

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ガス湧く稜線。天狗の頭辺りは見えた?(左) 北峰南面の岩壁。(右)

 

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鞍部から見る火口湖。(左) 噴気により真っ白な岩。(右)

 

鞍部から見ると、北峰の隣りにはガスの切れ間から笠ヶ岳らしいピークも見え隠れしていますが、ガスが切れる気配はありません。

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鞍部から見上げる北峰。(左) 火口湖北側の岩壁。(右)

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雲の間に時折り笠ヶ岳?(左) 中の湯方面に下山開始します。(右)


時間もそろそろ午後1時を回る頃になったので、店仕舞いして中の湯へと下山にかかります。
(歩いている人も多く、中の湯から往復するのもポピュラーなようです。)

 

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振り返って見る南峰(左) 同じく北峰。(右)


周囲は気持ちの良い草付きの斜面ですが、足元は岩ゴロで歩きにくいのが玉にキズです。
今回はストックを車に忘れてきてしまったため、ややバランスがとりにくく感じます。
やはり足腰の筋力が弱っている昨今、少なくとも下山時にはストックが有効なのが良く判りました。(お陰で筋力が落ちているのがすごく良く判った?)

 

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周辺の斜面は草付きで気持ち良い。(左) しばらく進むと新中の湯ルートとの分岐。(右)

 

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霞沢岳が綺麗に見えます。(左)  山頂方向を振り返って見る。左奥が北峰。(右)

 

見晴らしの良い斜面を下ると、標高差の少ない「新中の湯ルート」と旧来からの「中の湯ルート」(釜トンネル前に下る)の分岐が現れます。
今回はバスで沢渡駐車場に戻るため、左手の「中の湯ルート」側に進みます。
中の湯側から入る人の多くは駐車場のある「新」のルートをとるようで、ここから先は一気に人が少なくなりました。

ここから先はえぐれた沢状の道となり、ますます歩きにくくなってきます。

しかし、この辺りからは焼岳の山体の向こうから穂高連峰が姿を現してくれました。

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やったー!奥穂高岳、前穂高岳、明神岳が現れました。

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小湿地から振り返る焼岳。(左) ブナの森に入ると傾斜は急に。(右)

更に沢状の道を下って暫く行くと、林に囲まれた小さな湿地を過ぎて樹林帯の中に入ります。

暫くは展望も無く暗い森を進みますが、高度を下げるに従ってブナなどの広葉樹の森に移り変わってきます。

傾斜は急ですが、石ころの無い気持ちの良い登山道をどんどん下り、ガードフェンスのある小沢を過ぎると下の方には道路が見えてきます。

 

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釜トンネル前の道路を倒木から守るガードフェンス。(左) バス停はバスの右に見えます。(右)

 

さらに沢を渡って釜トンネル前の道路に飛び出しました。

釜トンネルの信号とバス停は目の前でした(^^)

 

バス停で奥さんに到着の電話を入れていると、バスもすぐに到着。
定期バスは15:13の予定ですが休日のためどんどん増発しているそうで、このバスは新島々駅に向かう便でしたが沢渡で下ろしてもらえるということで、15:00には車中の人に(^^)

 

沢渡駐車場でゆっくり着替え、アイスも食べてのんびりしていたところへ家族も到着(^^)
足湯で疲れをほぐして帰りました。

 

--------------------------------本日の行程--------------------------------

 

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明神(山のひだや)7:30--8:50登山口--10:10大梯子--10:30焼岳小屋10:40--10:55中尾峠11:00

 

--11:50山頂直下鞍部--11:55焼岳北峰山頂12:05--12:15北峰-南峰間鞍部13:05--13:35分岐

 

--13:55小湿地--14:55中の湯登山口--15:00中の湯バス停