ishida式の荒島岳登山
2010年5月1日(土) 残雪の1500m級の山は早春の気温が低い時期のほうが良かったかも…

GWですから、当初の計画は「一泊の山行」でした。
候補は「八ヶ岳・行者小屋テント泊の硫黄岳・赤岳」か「白山山系を上小池から三ノ峰(避難小屋泊)、状況を見て別山往復」でした。
最終的に目的地を三ノ峰と決定。雪の状況によっては三ノ峰日帰り、避難小屋泊、別山往復のパターンを考えていました。
勝原〜上小池間の林道は鳩ヶ湯から先は4月30日夕方開通予定とのことでしたので、出発日は5月1日(土)の早朝としました。
(本当はGW前半の4月30日出発としたかったが、鳩ヶ湯からの林道歩きはパスしたかったので…)
念のため4月30日に福井県の道路管理事務所に確認の電話をすると、
「本日から鳩ヶ湯までは通行可能ですが、その先は雪と落石のため5月一杯は通行止めの予定です。」とのこと…。

急遽予定を変更して、「@能郷谷から林道歩きで能郷白山」「A荒島岳」「B大日ヶ岳」をチョイス、@が無理そうならA、その後気分が乗ったら一泊してBをこなそうというプランとしました。しかし、よく考えるとGWにわざわざ近場の日帰り?
せっかく日程を1日遅らせたのに…という気持ちもありましたが、元気があれば連続登山も良いかなという気持ちに切り替えて大型ザックから小型ザックに荷物を詰め替え。更にエブリちゃんの荷台でのお泊り(^^)の準備もします。
自宅には3パターンの行動計画を書き置き。

 

5月1日のAM3:00起床、いつも通りに軽く朝食後に出発、途中で買出しして4:00に音羽蒲郡ICに着くと、「音羽〜岡崎間渋滞17km」の表示が。
慌ててUターンして(国道1号線は避けて)岡崎ICまで下道を走ります。
いきなりのタイムロスで、状況の良く分からない能郷へのアプローチは断念。
(能郷への手前に「薄墨桜」があり、ちょうど見頃なのも交通状況的に不安です。)
目的地を「荒島岳」とし、雨上がりの東海北陸自動車道の白鳥ICから油坂道路へと向かいます。
朝日に輝く油坂の頭が白く見えるのは、標高の高い所では未明の雨が雪だったためだと思われます。

トンネルを抜け、まだ路肩に雪の残る国道156号線を下って登山口のある「勝原(かどはら)スキー場」を目指します。
「道中もあまり車に会わないところを見ると、意外にも山はすいてるかも。」という期待が甘い見通しだったということは、駐車場に入って分かりました。
既に20台くらいの車が停まっています。それも群馬や栃木、岩手などの遠くのナンバーが目立ちます。やっぱりゴールデンウィークですね。
登山前の朝食を摂って身支度をととのえている間にも続々車が入ってきます。

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トイレの背後のゲレンデを登ります。(左)  ゲレンデトップから経ヶ岳を望む。(右)

 

スキー場のリフトの脇をまっすぐ上り、リフト終点から迂回コース(?)をジグザグに登ってゲレンデトップに至ります。
既に使われていないのか、ゲレンデトップには解体されたリフトの支柱が倒れています。
ここからが登山道の始まりになりますが、未明の雨と雪解けでぬかるんで歩きにくい状態です。
後ろから登ってきた方が長靴だったのは、この状態を知っていたということですね。
登山道に入り、春の陽気でここまででずいぶん汗をかいたのでハイドレーションから飲物を補給しようとして気をとられていたら、木の根で滑って脇の茂みに倒れ込んでしまいました。
(幸いにも手をついただけで済み、泥んこは免れました。)
その先も、ぬかるんだ登山道に気を使って進みます。

 

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ゲレンデトップからの稜線。荒島岳は左奥に隠れている。(左) 周囲はブナ林になります。(右)

 

足元は気になりますが周辺はブナの森となり、芽吹き前の明るい森を楽しめます。
周囲ではイワウチワの群落が可憐な花を咲かせ、木々の切れ間から白山や経ヶ岳も望めます。。
登山道が途中で新しいコースに付け替えられているのは、百名山人気のため多くの登山者が訪れ、侵食が進んでいるためのようです。

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気持ちの良いブナ林の尾根。(左)  おどろおどろしい樹形のブナ。(右)

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経ヶ岳、赤兎山、白山、別山などが姿を現します。

いったん傾斜を増した登山道は尾根をたどり、傾斜が緩くなると谷の向こうに荒島岳が姿を現しました。
少しだけ下りになると、右手に残雪に覆われた斜面が現れます。
ここから急な傾斜を登ると、荒島岳を正面に望む小ピーク「しゃくなげ平」に到着し、いよいよ山頂に向かう主稜線を進みます。

 

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樹間から荒島岳が見えるようになります。(左) 傾斜も緩くて楽ちん。(右)

 

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いよいよ荒島岳の本峰が近付く。(左) 少し下ると雪の斜面が現れました。(右)

 

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見事な樹形です。(左) 雪に耐えて曲がったブナたち。(右)

 

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しゃくなげ平に到着。(左) ここから主稜線を鞍部に向けて下ります。(右)


いったん鞍部に向けて少し下った後、「もちが壁」と呼ばれる急な斜面に取り付きます。
足元は濡れているだけでなく足場も悪く残雪も混じってくるため、慎重に進みます。

 

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もちが壁手前の鞍部。(左) いよいよ本峰への登りにかかります。(右)

 

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雪の斜面から別山、野伏ヶ岳方向。(左) ところどころに見事なブナ。(右)

 

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もちが壁から振り返ると小荒島岳としゃくなげ平。(左) 未明の雪が積もっています。(右)

 

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当初はあっち(上小池から別山)の予定でした。(左) 経ヶ岳も良い姿ですね。(右)

 

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前荒島のピークから中荒島、更に奥が荒島岳山頂。(左) 中荒島から前荒島。背後は経ヶ岳。(右)

 

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今回はぬかるみに苦しめられます。(左) 山頂手前の最後の斜面。(右)

 

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山頂直下から偽のピークたちを望む。

難所を過ぎて手前の小ピーク(前荒島)を越えると残雪の量も更に多くなります。
山頂に至るまでにはさらに偽のピーク(中荒島)を越え、雪の斜面を登るとひょっこりと山頂に出ました。
ここまで7人の下山者とすれ違い、35人ほどを追い抜いてきましたが、山頂には6人ほどの先行の登山者の方がみえました。
混雑する前に山頂に到達できて一安心、360度の展望を楽しみます。

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未明の雪で綺麗になった山頂の雪原。

 

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春とはいえ、残雪豊富な越美国境の山々。

 

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まだ混雑前の山頂。(左) 今回はポーズを変えてみました?(右)

 

しばらくすると、さっき追い越してきたツアー団体が到着、一気に騒がしく(?)なってきました。
関西からの百名山ツアーで、25人(+ガイド1名)のツアーだそうです。
ガイドさんが「11:20に下山します。」と指示していたので、途中でかち合うのも嫌なのでその前に下山開始

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団体さんが到着して一気に騒々しくなる。(左) 次々に後続の登山者が登ってきます。(右)

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雪庇の名残り。(左) 山頂部は急傾斜の斜面が続いています。(右)

ここまで抜いてきた人たちも続々到着、山頂直下ではゲレンデトップで最初に抜いた人たちともすれ違いましたが、更に次々と登ってくる人たちとすれ違います。
途中で会った人に「学生さんの団体も登ってきていますよ。」と聞きましたが、幸いにも学生さんたちはしゃくなげ平で休憩中でした。

山頂で「あれが能郷白山ですか?」と聞かれたご夫婦もここで休憩中だったので、地図で確認した結果をお知らせ(^^;
群馬から来たとのことで、大野市で宿泊後に明日登る山として能郷白山も候補に入れているとのことでした。
大野からの国道157号線は冬季通行止めとは知らなかったそうで、昨日までに調べた道路状況などを(ちょっと知ったかぶりで?)説明。ご無事で安全で楽しい登山をお祈りしてます

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シャクナゲ平から本峰。手前の二つのピークが判ります。(左) 小荒島岳への尾根道。(右)
 

 

ここから、小荒島岳からの本峰の眺めを期待して寄り道することにします。
本峰に向かう登山道とはうって変わって殆ど人の歩いていないルートを辿って小荒島岳を目指します。
残雪と倒木に行く手を阻まれるので、残雪上にルートをずらしたらずいぶん歩きやすく、残雪の中に立つブナの間を快調に進みます。

 

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目指すはあちらの小荒島岳。(左) 春の息吹ですね。(右)


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ブナ越しに振り返る荒島岳のシルエット。(左) 雪で倒された木で歩きにくい尾根。(右)


ややもったいない気分で高度を下げ、登山道が南側を巻くようになると程なく小荒島岳への分岐が現れ、ひと登りで木のない開けた山頂に出ました。
ここからは期待通り、荒島岳本峰が均整の取れた姿を見せています。
滋賀県からみえたというご夫婦と写真の撮りっこ。

 

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見晴らしの良い小荒島岳の山頂から見る荒島岳は均整の取れた姿です。

 

人気のなくなったピークで景色を眺めながらの昼食をとりましたが、その後は誰とも会わずに静かな山頂に大満足です。
しゃくなげ平方向に戻る途中で単独行の方一人とすれ違っただけで、殆どの登山者はしゃくなげ平からまっすぐ下山して行ったようですね。もったいない。

 

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奥さんには「にょろにょろの大群に出会った」と説明しました(^^)

 

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シャクナゲ平のピークは巻いてしまいます。(左) あちらがしゃくなげ平方向。(右)

 

行きにもったいないなと思ったしゃくなげ平までの登りをオミットし、雪の着いた斜面を写真を撮りながらトラバースし、しゃくなげ平下の登山道に合流しました。
※雪がある時期限定です、急な斜面もトラバースするので安易に真似しないでください。

ここからは、陽の射し込んだ明るいブナの森を楽しみつつ、尻餅をつかない様に慎重に下ります。
(これまで会った多くの人が、ザックのボトムや本物のボトムを泥で汚しているのを見ました。)
団体さんが下った後のせいかぬかるみもずいぶん練られた(?)ようで、より粘度を増しただけでなく、これでもかというくらい滑った跡が連続しています。

 

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荒島岳とはそろそろお別れ。(左) 登山道脇に咲くイワウチワ。(右)

やっとゲレンデトップに到着してぬかるみから解放されました。
しかし、ここからは岩ゴロの固い斜面の下りが疲れた足の裏に堪えます。
最後のリフト脇の斜面を下ってエブリちゃんの待つ駐車場に到着です。

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ゲレンデトップの解体されたリフト。(左) 駐車場の車もかなり減りました。(右)

時間も早いので、ふもとからの荒島岳の姿を楽しむべく、大野平野に向けて下ります。
田植え前の代かきの始まった水田からの荒島岳の姿は、登った後だとよけいに良い感じですね。
(本当は大野市外に近いほうが、よりピラミダルに見えると思います。)

お腹一杯な気分で、何となく家に帰りたくなったので、今日は泊まらずに帰宅することにしました。

 

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大野の平野から見る荒島岳。(左) 「道の駅九頭竜」は越美北線終着駅を兼ねています。(右)


道の駅九頭竜で休憩して、荷台のベッド(^^)で寝転がってしばし身体を休めます。
いつもだったら殆どノンストップで自宅へとひた走るのに…連休ですからね(^^)
でも、連休だけあって、思っていた以上に車の往来が激しく、道の駅も喧騒に包まれています。
だんだん周囲が静かになってきて、起き上がってみると回りは閑散…もう6時近い時間でした。

 

駅向かいの喫茶店でお食事後、車の通りの無くなった国道158号線を白鳥へと向かいます。
途中で給油するため国道を行き、郡上八幡で給油後に東海北陸自動車道〜東海環状道〜東名自動車道へと向かいます。

高速では連休のためか運転マナーの判っていない車が追い越し車線をのんびり巡航しているのが目立ちますが、道自体は空いていて順調。
そのうえ、驚いたことに、9時頃の豊田JCTでは全く渋滞なし。早朝渋滞していたのがウソみたい。
午後10時前には自宅に到着できました。

 

コース図はこちら(カシミールで生成)

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--------------------------------本日の行程--------------------------------

 

自宅3:30〜音羽蒲郡IC(Uターン)4:00〜岡崎IC4:30〜白鳥IC〜油坂トンネル〜勝原スキー場7:00


駐車場7:45--8:15ゲレンデトップ--9:25小鞍部--9:45シャクナゲ平--10:35荒島岳山頂10:50--

 

--11:35しゃくなげ平11:50--12:20小荒島岳13:10--13:50しゃくなげ平下合流--

 

--14:35ゲレンデトップ--14:55駐車場


     
駐車場15:20--15:30大野市塚原周辺15:45--16:15道の駅九頭竜18:30--白鳥--20:00郡上八幡IC--

 

--音羽蒲郡IC--21:50自宅 (総走行距離500Km)