ishida式の南木曽岳登山
2009年12月13日(日) 展望の良さと雪に期待していたが、積雪にはちょっと早い?

今回の目的地は、夏の間に1度行っておこうと思っていて果たしていなかった長野県の妻籠宿に程近い「南木曽岳」としました。
山頂周辺は「山頂庭園」と呼ばれる景観と、中央アルプスの展望が期待です。


普段のお仕事の日とは打って変わって早起き(^^;して、自宅を3:30に出発、4:00に東名高速・音羽蒲郡IC〜東海環状道経由で中央道・中津川ICに5:00、国道19号で妻籠まで行き、国道256号に入って南木曽温泉に5:30着。(あまりにも早すぎたので、国道脇の駐車場で星を眺めながら朝食をとりました。)
晴れた空の下、気温は0度を示し、星空が綺麗です。ふたご座流星群が活動期のはずですが、残念ながら流星は見えず。

あららぎキャンプ場入り口から林道をたどって「南木曽岳登山口」を目指します。
キャンプ場を過ぎると道は更に狭くなりますが、今日のところは凍結や積雪はありません。
左手に登山者用駐車場が現れたので駐車、100m先に避難小屋・トイレありとの表示だったので、ヘッドランプを点けてトイレに向かいました。
行ってみると、避難小屋の前にも駐車場がありました(^^)トイレの後で車ごと移動。
まだ登山者の車は1台も見えません。

そろそろ東の空も白み始めたので、準備を始めます。
今回は雪も予想していたので、装備がかなり着膨れしていますが、12本爪アイゼンは不要かしら?
軽アイゼンのみ持参とします。

 

登山靴は今回卸したての4シーズン用重(おも)登山靴、ボリエール「パミール」です。久しぶりに履く1kg越えの登山靴にやや不安?
靴紐の締め直しも考えて必要になるまでスパッツは装着しないことにして歩き始めます。
林道のゲートから一旦自然観察路に入り、少しショートカットして再び林道に出ます。
花崗岩起源の白い砂利に覆われた林道は岩や雨溝なども無くフラットで歩きやすい状態です。
15分ほどで「金時の産湯池」が現れ、すぐ先が登山道入り口です。

 

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林道ゲート前の駐車場から出発。(左) 15分ほどで林道と登山道の分岐に到着。(右)

 

登山道に入って暫くは明るい落葉樹の林が続きます。このシーズンの雑木林は明るく、落ち葉のクッションが気持ち良くて大好きです。
行く手には南木曽岳の山頂部が朝日に輝いています。

程なく登りコースと下りコースの分岐点が現れます。
南木曽岳は花崗岩を主体とした山体で、侵食により非常に急峻な山容を呈しています。
山頂を経て摩利支天展望台を巡って下山する「時計回り」方向に歩くようにコース設定されているようです。

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登りルートと下りルートの分岐点(左) 金時の岩屋。(右)

指示通りに時計回りのコースを取ると、道は枯れ沢を辿って「金時の岩屋」を望んだ後に「喉の滝」へと進み、その後は一旦傾斜のゆるい巻き道となります。
針葉樹の林に入ってしばらくすると尾根道となり、急な傾斜を登ります。
周辺は木曽五木の一つである「コウヤマキ」の群生地です。

 

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急斜面にコウヤマキの群生。(左) 第2の鎖場上部から見た恵那山。(右)


高度を上げるに従って、背後には雪を抱いた恵那山も見えてきます。
第一の鎖場を過ぎて更に急傾斜を登ると周囲が開け、ベンチのある第二の鎖場に出ます。

尾根道を大きな岩が覆い、左側を巻くように鎖がかかっていますが、右手に桟道が掛けれられているので、そちらを行きます。
しかし、ここまでとは違って樹林が開けているため桟道に霜が降りていてとっても滑ります。
ここまでも、多数の木の階段や梯子がありますが、土地柄か高級な(?)固い木で出来ている様で、長持ちする反面とても固くて滑りやすい印象です。
鎖場の上部に出ると南側の視界が開けて恵那山や富士見台がきれいに見えてきます。
東側は谷を挟んで下山ルート側の尾根が急峻な姿を見せています。
尖っているのが「摩利支天」のピークかしら?対岸のピークが目の高さになってくると先の斜面に「カブト岩」らしき大岩が現れ、山頂は近いようです。

 

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向こうに見えるのがカブト岩?(左) 岩の上から急な斜面を見下ろす。(右)

 

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マッターホーンの「リーフパイ」発見(^^)!
 豊橋ローカルなお菓子。


行く手が開けて傾斜が緩くなり、白骨化した枯れ木が現れてくると南木曽岳山頂はすぐでした。
しかし、ちょっと期待していた雪はここまで全くありませんでした。
看板と石碑、二等三角点のある山頂は見晴らしはありませんが、南面から恵那山が見えました。
山頂のすぐ先に南木曽嶽大神を祀る祠があり、西側の見晴台の大岩からは御岳、乗鞍、穂高連峰がきれいに見えます。

 

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見晴しの無い南木曽岳山頂(左) 山頂の石碑の裏から南側を見下ろす。(右)

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南木曽嶽大神を祀る祠。(左) 西側の開けた見晴台から御岳。(右)

そして、先に進むといよいよ広々とした笹に覆われた山頂庭園が現れます。
笹原の向こうには中央アルプスの峰々が勢揃い。登山道の霜柱をざくざく踏みしめて歩くのも良い気持ちです。
手前のやや窪地になったところに可愛らしい避難小屋があります。
避難小屋にしては珍しく窓が大きくて明るく、内部は意外に広くてきれいです。
(ただし、水場は近くには無いようです)。

 

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白骨樹が目立つ山頂部。(左) 北東方向にいよいよ中央アルプスが。(右)

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避難小屋と中央アルプスの山々。

 

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ガス巻く山頂周辺。(左) 小屋を後にして、霜の着いた笹を分けて展望地へ。(右)

 

避難小屋を後にして北側の高台にある展望地で大休止にします。
御岳、乗鞍、穂高、中央アルプスから摺古木山など南部の山々、恵那山までが一望できます。
お湯を沸かしてスープも作って暖を取っていると、今日初めて会う登山者である単独行の方が登場。
岐阜県からみえた私よりやや年長と思われるその方は私が慣れない登山靴のお直し&写真撮影込みで2時間かかった登りは1時間半だったそうです(^^;
ついでに御岳の左側に白山がちらっと見えるのも教えてもらいました。
(山頂すぐの見晴台からはもう少し良く見えたそうです。)
岐阜県のお勧めの山なども教えてもらいました。次は野郷白山か川上岳に行ってみたいですね。

 

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再び御岳。(左) のんびりしているうちにだいぶ雲が切れました。(右)


そんなこんなで太陽の位置も高くなってきて光線の加減も変わり、雲も流れたため山の風景も刻々と変わって見飽きませんでしたが、そろそろ下山の準備に入ります。
単独行の方とお別れし、下山ルートに向かいます…が、のんびり写真撮影にいそしんでいるうちにその方のほうが先行して下山して行きました(^^;

 

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展望地を後にし、山頂方向を振り返る。(左) 岩と白骨樹のオブジェ。(右)

 

途中下山道から分かれ、上から見えたもう一つの避難小屋らしきものを偵察。
額付川の源流部に小さな湿地があり、小さな小屋と水場がありましたが、個人所有のものなのかな?すでに使用可能な状態ではないようです。
再び下山道に戻り、少し登ると山頂庭園を見渡せる場所があり、展望地に登山者が到着したのが見えました。
少し進むと「摩利支天展望台」の分岐に着きます。

 

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水場の分岐から振り返って見る岩峰。(左) 少し登ると東側が開けます。(右)

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摩利支天近くから臨む山頂部。

 

展望台は分岐からすぐで、大岩によじ登ると南面が切れ落ちた断崖になっており、南側の展望が開けます。
まだ靴が馴染んでいないせいか、それともトレーニング不足のせいか?ザックを背負ったまま大岩の上に立つと足がガクガクしてしまいました。(ただ怖いだけかしら)

 

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東には南アルプスも見えます。(左) 摩利支天展望台の大岩の上から恵那山。(右)

 

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摩利支天展望台から東には摺古木山。(左) 摩利支天の碑。(右)

分岐に戻って進み、沢を渡ると本格的な下りとなります。
ここから先は岩場と梯子の連続で非常に歩きにくい道が続きます。
途中にも展望台があり、南木曽岳の山頂と、さっき立った「摩利支天展望台」の大岩がそそり立っているのが見えます。

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急傾斜の下山道には再びコウヤマキの林。(左) 左が山頂、右が摩利支天展望台の大岩。(右)

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コウヤマキの美林が続きます。(左) 額付川源流の谷を挟んで登りコースの尾根と山頂。(右)

更に下山道は急傾斜と木の根によって歩きにくい状態が続きます。
崩壊地の縁を通過して暫くして道は尾根から離れ、傾斜を緩くしながら沢に下ると登山道との分岐に到着しました。

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まだまだ続く急傾斜の下山道。(左) 高度を下げると広葉樹が増えます。(中) やっと分岐に到着。(右)

分岐から先は明るい雑木林の中の緩い傾斜の道となりほっとします。
ここから登山口(林道との出合い)はすぐです。

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何だかHな感じ…。(左) 振り返ると山頂部(摩利支天)が見えます。(右)

林道をのんびり歩いて駐車場に戻ったのが13:00少し前でした。
帰路、国道256号線を少し下ったところの蕎麦屋さんで昼食、外を見ると南木曽岳の全貌が見えました。
やはり、一度登った後に見る山の姿は、それまで以上に印象に残るものですね。