ishida式の立山登山
2009年7月19日(日)〜20日(月) 高校時代の山岳部仲間3人で立山へ行って来ました。

 

----------------------------2009年7月19日(日)----------------------------

 

今回は室堂の山小屋に泊まって立山を登る計画で、行動自体はほぼ日帰りの行程な上に小屋どまりとあって荷物は少なめ。

よはいえ、つい1週間前に北海道のトムラウシ岳での悪天候による大量遭難が起きたばかりですので、天候悪化には十分留意(いつもしてはいますが)して、装備も万全を期しておきます。

日程的には、土曜日の夜にK氏の知り合いの別荘に前泊させて頂き、余裕を持って富山入りする計画でした。

しかし19日(日)は終日天候不順の予報のため、まずは富山観光(?)後に室堂入りしておき、20日の天候回復に賭けることにしました

 

しかし、午後に室堂ターミナルに着くと、かなり激しい風雨となっていました。

雨の弱まった頃を見計らって室堂山荘まで大急ぎ…のつもりが視界不良の中、間違って自然保護センター方向へ行ってしまいました。

気付いて戻ろうと思ったら、センターの方が出てきてわざわざ注意してくれました(^^;ちょっと恥ずかしい気持ち。

 

室堂山荘に到着し、雨具を乾かそうと思って入った山荘の乾燥室では雨具や下着(^^;の花が咲いていました。干す場所を探すのに一苦労(^^;

しかし室堂山荘、山小屋なのに下手な旅館よりもお風呂が立派で驚いた。(さらに、個室泊の人が浴衣を着ているのを見て更にびっくり…立地上は実は旅館なのかな?)

同室の方は2年生の息子さんを連れたお父さんで、悪天候のため連泊して回復を待っているとのことでした。よくよく聞くと、息子さんはウチの長女と同じ名前だった(^^)

そのうえ、ちびっ子ながら登山経験も豊富なようです。

 

早めに床につくと、隣室のおばさんたちの話し声がうるさくてなかなか寝付かれず…

 

----------------------------2009年7月20日(月)----------------------------

 

やっとうつらうつらし始めて眠りの浅いところへ、更に翌朝AM3:40頃から早発ちの団体が廊下をどたどた歩き回って大声で話しながら準備を始めたため、思わずドアを開けて「うるさい!」と怒鳴ってしまいました。(普段は温厚です)

でも、寝付き抜群のK氏はishidaの大声で初めて目覚めたそうです。ごめん(^^;

 

しかし、天候は予報どおり(?)回復。

今日の立山縦走(の予定)は期待できそうですね。

朝食後、そそくさと準備してAM6:30には出発しました。

 

寝不足のせいか、傾斜は大した事無いのにやけに息切れする気もしますが、一ノ越山荘前までは余裕で到着。

途中、4回ほど雪渓のトラバースがあります。しかし昨夜の荒天のせいもあって気温は氷点下まで下がらなかったようで、特に危険はありませんでした。

(例年、好天の場合は凍結もあるので朝の時間帯は要注意)

 

R0016204.jpg - 43,573Bytes R0016206.jpg - 50,832Bytes
やや冷たい風の中、出発!(左) お約束の「ああっ!滑る〜。」って、ウソです。(右)

 

R0016210.jpg - 42,687Bytes R0016221.jpg - 47,372Bytes

一ノ越まで4回ほど雪渓を横断(左) 浄土山に朝日が当たり始めます。(右)


一ノ越に到着すると、反対側の展望が開け、八ヶ岳、富士山、南アルプス、餓鬼岳と燕岳、遠くには槍や穂高、笠ヶ岳(こっちから見るとずいぶん尖っているのでK氏に言われても信じられなかった)も見えます。

振り返ると、室堂と背後の大日岳が朝日に照らされて輝いていました。

 

R0016230.jpg - 54,963Bytes
朝日に映える室堂と大日岳。背後の日本海側は雲海の下。

 

休憩の後、目の前にそびえる岩屑だらけの急斜面を登ります。

登るのにしたがって一ノ越山荘の屋根が足下に見え、高度感があります。

昨年縦走したときは剣沢からだったのでこのルートは下りに使いましたが、今回のように人が少ない早朝に登りに使うほうが良さそうです。

 

写真を撮りながらのんびりしたペースで登って三ノ越に到着です。

ここからは傾斜も緩くなり、山頂は間近です。

 

R0016232.jpg - 56,005Bytes R0016238.jpg - 44,901Bytes

急な登山道を登りますが、浮石が多く注意。(左) 背後に浄土山。(右)

 

三ノ越までくると、浄土山と竜王岳の背後に薬師岳、五色ヶ原、遠くに白山と御岳、乗鞍も見えてきました。本当に昨日までの荒天がウソのようです。

 

R0016249.jpg - 54,837Bytes R0016244.jpg - 53,035Bytes
三ノ越に到着、雄山山頂はもうすぐ。(左) 竜王岳の背後から五色ヶ原、薬師岳が見えてきます。(右)

 

R0016254.jpg - 55,872Bytes
北アルプス南部から八ヶ岳、富士山、南アルプス、乗鞍、御岳、白山まで見えます。

 

三ノ越から先は岩も安定し、傾斜も緩いため快適です。

ひと頑張りで雄山の三角点(2992m)のある山頂広場に到着です。

ただし、実際の雄山の最高地点(3003m)は神社の神域の中なので、三角点がある場所は最高地点ではありません。

祈祷料を払って雄山神社の祠まで登り、登山の安全を祈祷してもらいました。

 

R0016264.jpg - 45,217Bytes R0016263.jpg - 51,026Bytes
三角点前から見た雄山山頂。(左) 山頂から黒部側。針ノ木岳と遠くに浅間山。(右)

 

のんびりしている間に同室だった親子連れの方も到着しました。息子さんは小学2年生にして3000m峰を制覇ってことですね。

 


 

R0016270.jpg - 60,267Bytes 
雄山山頂からの真砂岳、別山、剣岳。左奥は毛勝山。

 

R0016272.jpg - 61,955Bytes
雄山山頂からの室堂と大日岳。日本海側はずっと雲海。

展望を十分に堪能し、食料も補給して次の目的地である大汝山(立山最高峰3015m)を目指して出発です。(と言っても15分ほどですが。)

昨年はガスの中で展望は無かったのですが、今日は遮る物の無い360度の展望が楽しめました。

R0016284.jpg - 56,258Bytes R0016290.jpg - 43,325Bytes
雄山から大汝山を目指す。(左) 大汝山山頂。調子に乗って剣岳を隠しちゃいました。(右)

 

天候・時間の状況によっては大汝山から往路を戻ることも考えていましたが、天候も良いうえに時間的にも十分余裕があることから、当初の予定通りに富士ノ折立を経由して大走りを下るコースを行くことにしました。

大汝山から「富士ノ折立(2999m)」までは目と鼻の先ですが、一般のコースは山頂手前の鞍部から、そのまま真砂岳方面に下ってしまいます。

鞍部のすぐ先から足場の悪い不安定な踏み跡をたどって富士ノ折立のピークに到達します。

 

R0016292.jpg - 52,158Bytes R0016302.jpg - 44,752Bytes
ピークから見る黒四ダムと黒部湖。(左) 思い思いのポーズで記念撮影。後ろは大汝山。(右)

 

R0016303.jpg - 75,328Bytes

 万年雪を抱く広大な内蔵助カール。

 

R0016314.jpg - 42,855Bytes R0016317.jpg - 47,197Bytes
鞍部に向けて下ります。(左) カールの東に針ノ木、鹿島槍、五竜、白馬三山(右)

 

富士ノ折立から真砂岳との鞍部へ向う下りは、浮き石の多い急斜面です。

すれ違いにも気を使いつつ下ります。

大量の雪を抱えた雄大な内蔵助カールも、今年は何となく雪の量が少ないようです。

コースは真砂岳のピークを経由する稜線ルートと、山頂の西を巻くトラバースルートに分かれるため、今回は大走りに向かうトラバースルートをとります。

分岐から尾根を下る「大走り」は、岩屑の積み重なった不安定な箇所もあって「上級コース」とされていますが、ここに限った話ではなく実際には「立山全体が上級向き」と感じます。

 

大走りを下りながら主稜線を振り返ると、稜線に虹が掛かっていました。薄雲の水滴によるものですが、太陽の下に現れるタイプのこの現象はかなり珍しい?

 

R0016325.jpg - 44,338Bytes R0016328.jpg - 44,343Bytes
アラレちゃん?(キーンとは言ってませんでした。)(左) 稜線に虹がかかりました。(右)

 

 

大走りの下部は雪渓と接しており、若い競技スキーヤーたちがポールを立てて練習に励んでいるのが見えます。

雪渓と登山道が交錯する辺りは傾斜も緩く、下部は賽の河原と呼ばれる扇状地が広がった地形となっているため、ルートを見失わないように注意して進みます。

そして、最後に渡渉が2箇所(^^)。水量は少なかったため、飛び石伝いに越えました。

雷鳥坂と野営場の分岐に架かる橋を渡って野営場の管理棟で休憩&おトイレタイムにします。

R0016335.jpg - 54,042Bytes R0016349.jpg - 43,648Bytes

雷鳥沢方面に向けて快調に下ります。(左) 雷鳥沢の橋を渡ります。(右)


雷鳥沢の野営場からは再び登りとなり、ここまで出ちょっとグロッキー気味のTT氏から弱音(ToT)が出てきました。そのうえ、知らない人の後について歩いて行っちゃうし(^^;

とりあえず、雷鳥荘の前まで行って昼食タイムとします。

(途中で食料を食べ尽くしたK氏は雷鳥荘でお食事)

さらに、食事中にどんどん雲が切れてきて、風景は「絵葉書」のような情景になってきました。

 

ここはパノラマ写真の出番ですね!左右にスクロールしてご覧ください。

 

 

やったー!三度目にして(^^)すっきり晴れた青空の下での立山の情景を拝むことが出来ました。

昼食後、K氏とTT氏は室堂山荘にデポしてある荷物を回収に向かい、ishidaはのんびりと写真を撮りながら遅れて進みました。

(せっかくなので、ちょっと寄り道して「みくりが池」にも立ち寄ってしまいました。)

二人の執拗な携帯コールにも気付かず室堂山荘前でようやく合流、そのままバスターミナルの雑踏に向けて進みます。

それにしても、バスターミナル周辺の観光客の多さには毎度のことながら驚かされます。

R0016408.jpg - 55,246Bytes R0016440.jpg - 60,052Bytes
緑と礫の斜面のコントラストが映える真砂岳(左) 青い空をバックに立山。(右)

R0016465.jpg - 87,738Bytes
みどりが池に映り込む立山。

R0016470.jpg - 43,854Bytes R0016479.jpg - 59,397Bytes
再び真砂岳(左)と立山(右)

R0016480.jpg - 66,746Bytes R0016493.jpg - 47,707Bytes
立山とお別れして雑踏の中へと向かう(左) 何だか好きなのケーブルカー(右)

ちょうど臨時便のバスに乗ることが出来たため、待ち時間も少なく下山の途につき、快晴の空の下に見える立山連峰、剣岳、大日岳にお別れします。

(弥陀ヶ原より下は雲の中でした。)

 

立山駅から車で立山町の「グリーンパーク吉峰」へと向かい、温泉で汗を流してのんびりと疲れを取ります。風呂上りに食堂で食べた「ラベンダーソフトクリーム」はおいしかった(^o^)

 

その後、立山ICから高速道路に乗り、一路愛知県を目指します。しかし、すぐに電光掲示板には「東海北陸道 飛騨清見〜白鳥間渋滞20km」の文字が…

(実は今回初めて後部座席で寝ていたため、それほど渋滞を意識しませんでしたが…すまん>運転手のK氏。)

 

-------------------------------当日(7/20)の行程-------------------------------

 

6:30 室堂山荘発-----7:10 一ノ越山荘前 7:25-----7:55 三ノ越 8:05-----8:20 雄山山頂 9:15-----9:30 大汝山山頂 9:40-----9:57 富士ノ折立山頂 10:05-----10:27 大走り分岐
11:00 大走り下部 11:10-----11:45 雷鳥沢分岐-----11:55 雷鳥沢野営場 12:05-----
12:25 雷鳥荘 12:50-----13:05 みくりが池〜みどりが池 13:20-----13:25 室堂山荘-----
13:35 室堂ターミナル 13:50〜〜〜14:30 美女平 14:40〜〜〜14:50 立山駅