青年小屋の建つ鞍部は広々としていて、東にギボシと権現岳、南西に編笠山を望む気持ちの良い場所です。 青年小屋の外観も(何故か)33年前の記憶のままに感じます。 道中、多くの登山者と会いましたが、殆どは押手川から直登コースを取っているためか、小屋の周囲は意外に空いています。 登山道脇の、「いかにも編笠山」という感じの岩の積み重なった場所に荷物を広げ、奥さんと二人で少し早めの昼食タイムにします。 本日のメニューはクリームパンとレタスのサンドイッチ、アルファ米のきのこ御飯にごぼう入り牛肉しぐれです。 お湯を沸かしてアルファ米を戻しつつ、先にパンのほうを食べて時間をつぶしました。 きのこ御飯に濃い目の味付けの牛肉しぐれがけっこう合うんです。
アルファ米のキノコ御飯2食分。(左) おかずには濃い味の牛肉しぐれごぼう入り(右)
結構いけます。(左) 御飯を食べると元気が出る奥さん。景色も良くてより美味しい。(右)
おなかも満腹したところで、ぽかぽか陽気で岩の上に寝転んだらすぐにでも夢の世界に入っていけそう…という誘惑には負けずに、とりあえず一人でギボシ方面に登って編笠山の全容を眺めに行きました。 少し登って振り返ると、33年前に眺めたときの印象通りの編笠山がその名の通りの優美な姿を見せてくれました。 特にギボシ方面から見たときの、盆地を背景にした編笠山の姿は美しいものだと感慨を新たにしました。 上から奥さんに愛のシグナルを送るも、距離が遠すぎるのか無反応のようです。こっちからも良く見えんけど。 (実は岩の上で「トカゲ」になっていたため、私の行動は全く見ていなかったようです。)
ギボシ方面に少し登って見た編笠山の優美な姿。
奥さんの元に戻り、今度は編笠山の山頂を経由して下山するルートを取ります。 小屋前から大きな岩のごろごろした登山道を行きます。 途中わずかに草付きの斜面が現れたあとはハイマツと矮小化したツガ、シャクナゲなどの中を進みます。 岩の陰になった部分にはわずかに残雪も現れます。 地図上では南斜面の直登コースに比べれば傾斜は緩いと思われますが、それでも山頂に真っ直ぐ向かうためそれなりの急傾斜です。
お腹も満足したところでゴロゴロした岩を伝って編笠山山頂に向います。
ギボシの左肩に赤岳が見えてきました。(左) ハイマツの間の急斜面を登ります。(右)
最後に徐々に傾斜が緩くなって樹林が切れると広々とした編笠山の山頂に飛び出します。 石のごろごろした山頂は360度の眺望が開ける抜群の展望地です。 しかし、湿度の高さと上昇気流のために南アルプス方面の稜線は雲に隠れてしまっています。 とはいえ、他のグループの方も「天気も展望も両方良くないとっていうのは贅沢だよね」と話していましたので、これはこれで良しとしましょう。
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