編笠山登山
2009年6月7日(日) 新人夏山合宿思い出の編笠山に行って来ました。


 

6月7日(日)は結婚記念日です。
6月6日(土)に登山し、7日は奥さんと食事でもと考えていたのですが、急遽(^^;7日に二人で登山し、帰りに甲府に寄って長女と晩御飯を食べる計画に変更!(次女は留守番…m(_ _)m)


土曜日のうちにコース選定と奥さんの分まで準備完了しておきました。(こういう時だけ積極的)
目的地は八ヶ岳のほぼ南端に位置する「編笠山」にしました。
登り3時間半程度と、行程的にも十分に余裕があるかなとも思いますが、標高差は1000m以上あるので手応えも十分あると思います。


実は編笠山には結構強い印象があります。
高校時代、初めての山岳部夏合宿が八ヶ岳の縦走で、最後の宿泊地が編笠山と権現岳(ギボシ)との鞍部にある青年小屋でした。
しかし、青年小屋には宿泊したんですが、その時は編笠山には登らずに下山したのでした。
他の部員の一部は青年小屋到着後に山頂往復しましたが、私たちのグループは○○で○○していたため行きませんでした。
(よくよく聞くと、K氏も登っていないとか)
権現岳を越えて青年小屋に下る途中から見た編笠山は非常にたおやかな姿で、岩に覆われた独特の景観が印象に残っていました。
その後、近所に行く度に編笠山に対する印象が蘇り、心の隅に引っ掛かったままでした。
今年のシーズンに入った当初は、5月頃に権現岳とセットで日帰りしようかなと思っていたのですが、今回は奥さんも同行ということで編笠山だけを目指すことに決定しました。

 

午前3時に起床し、昨夜奥さんが準備しておいてくれた朝食をとり、音羽蒲郡ICから高速道路に乗って登山口の小淵沢を目指します。
恵那峡SAで休憩兼給油、途中、早朝の雨の後の諏訪湖SAで諏訪湖を眺めつつ最後のトイレ休憩。小淵沢ICから登山口のある観音平を目指します。
観音平までは道も良く、アクセス抜群でした。
が、観音平駐車場の手前の駐車スペースで登山の準備をしている人たちを発見。
「駐車場は一杯って事?」と思いつつ駐車場に向かうと、やはり満車でした。
先ほどの駐車スペースまで戻ります。

 

昨日は悪天候だったために日曜日に登山者が集中したのか、もともと人気の山だからなのでしょうか。
少し戻った駐車スペースに向かうと、ちょうど1台の車が出て行くところでした。
2台分は止められそうなくらい空きが出来たので、もう1台入れるように寄せて止めます。
(すぐにもう1台入ってきました)
軽く身支度を整え、上の駐車場まで歩いてからもう一度朝食をとります。
その間にもひっきりなしに車が入ってきてはUターンしていきます。
意外と近県のナンバープレートの人も多かったりして、朝の天候を見て急に思い立ったのかしら?

  

R0015692.jpg - 50,244Bytes R0015694.jpg - 45,382Bytes 
駐車場から見た編笠山。(左) 7:40登山口を出発。明るい雑木林の遊歩道。(右)

食事も終わり、今回は当初の予定よりもやや早く出発できました。
歩き始めは平坦な遊歩道で、ちょうどツツジが満開の見頃です。
少しづつ傾斜がきつくなってくると、周囲は針葉樹が多くなってきますが背の低い笹の林床は明るくて気持ちの良い森林浴コースといった感じです。
周りに岩が現れだし、右側が谷に向かって切れ落ちた地形になってくると本格的な登りに入ります。
左手で笹を踏み分けるような足音がしたので見ると、メスの鹿が跳ねて行きました。
高度を上げながら振り返ると、木の間から富士山が姿を現してきます。
更に進むと日当たりの良い開けた場所に出たところが雲海展望台です。
南東方向が開け、富士山が綺麗に見えます。
ここまで約1時間ほどですので、ほぼコースタイム通りでした。


R0015707.jpg - 58,571Bytes PICT0016.jpg - 40,330Bytes
樹間から富士山が見えて嬉しい。(左) 雲海展望台から見る富士山。(右)

 

雲海展望台から先、周囲は徐々に湿度の高い亜高山帯の林相を呈してきます。
しかし、周囲の木が切り倒されているだけでなく、鹿による食害で樹皮の剥がされた木が目立つようになります。
以前、ヤマケイで読んだ気がしますが、八ヶ岳周辺でも鹿による樹木や高山植物への食害が深刻化しているようです。
登山道も岩が多くなってきたのと、岩だらけの登山道を避ける形で踏み跡が交錯しているためだんだん歩きにくくなってきました。
時々真新しい看板が現れますが、全体としては現在位置や次の目標ポイントまでの時間や距離の表示のほとんど無いコースです。
(ここに限った話ではありませんが、ちゃんと自分の現在位置がわかるように地図は持参しましょうね)
雲海展望台から更に1時間弱で「押手川」に到着です。
樹林帯の中に川が流れていますが、飲用には適さないようですね。


PICT0027.jpg - 69,541Bytes R0015813.jpg - 44,544Bytes
ちょっと重そうな看板。(左) 鹿による食害で樹皮の剥がされた木が目立つ。(右)

PICT0032.jpg - 38,972Bytes PICT0048.jpg - 68,448Bytes
釜無川の谷を挟んで甲斐駒ケ岳。雲が湧いてきてしまいました(左)  樹林帯に残雪(右)

 

登山道はここから編笠山を直登するルートと、山腹を巻きながら青年小屋に向かうルートに分かれます。
当初は直登コースを取る予定でしたが、昼ご飯の前に約1時間20分ほどの急傾斜を延々登るのはちょっと奥さんにも酷な感じです。
多少時間は余分に掛かっても、青年小屋を経由し、お昼ご飯をとってから編笠山の山頂を目指すことにしました。
青年小屋方向に進むと、再び南側の展望が開ける場所に出ましたが、ガスが巻いてきているために南アルプス方面の展望は殆ど無くなってしまっていました。
更に進むと、道はいったん緩やかに下り、権現岳方面が少しづつ見えてきました。
登山道脇にはわずかながら残雪も現れてきました。
更に先の樹間に空が見え始めると青年小屋に向かって緩やかに登った先で編笠山の姿を見ることが出来ます。
そこから青年小屋はすぐです。

 

PICT0053.jpg - 61,011Bytes R0015709.jpg - 59,628Bytes
緩く下りながら沢を越えるところで編笠山。(左) 青年小屋のすぐ手前でやっと全貌が見えます。(右)

PICT0060.jpg - 50,894Bytes R0015726.jpg - 50,084Bytes
記憶通りの青年小屋。(左) 小屋の前から見るギボシと権現岳(右)

PICT0063.jpg - 72,788Bytes

権現岳と権現小屋。右下にわずかに残雪。

 

青年小屋の建つ鞍部は広々としていて、東にギボシと権現岳、南西に編笠山を望む気持ちの良い場所です。
青年小屋の外観も(何故か)33年前の記憶のままに感じます。
道中、多くの登山者と会いましたが、殆どは押手川から直登コースを取っているためか、小屋の周囲は意外に空いています。
登山道脇の、「いかにも編笠山」という感じの岩の積み重なった場所に荷物を広げ、奥さんと二人で少し早めの昼食タイムにします。
本日のメニューはクリームパンとレタスのサンドイッチ、アルファ米のきのこ御飯にごぼう入り牛肉しぐれです。
お湯を沸かしてアルファ米を戻しつつ、先にパンのほうを食べて時間をつぶしました。
きのこ御飯に濃い目の味付けの牛肉しぐれがけっこう合うんです。

R0015728.jpg - 55,649Bytes R0015730.jpg - 46,300Bytes
アルファ米のキノコ御飯2食分。(左) おかずには濃い味の牛肉しぐれごぼう入り(右) 

R0015735.jpg - 56,802Bytes R0015736.jpg - 44,667Bytes
結構いけます。(左) 御飯を食べると元気が出る奥さん。景色も良くてより美味しい。(右)

おなかも満腹したところで、ぽかぽか陽気で岩の上に寝転んだらすぐにでも夢の世界に入っていけそう…という誘惑には負けずに、とりあえず一人でギボシ方面に登って編笠山の全容を眺めに行きました。
少し登って振り返ると、33年前に眺めたときの印象通りの編笠山がその名の通りの優美な姿を見せてくれました。
特にギボシ方面から見たときの、盆地を背景にした編笠山の姿は美しいものだと感慨を新たにしました。
上から奥さんに愛のシグナルを送るも、距離が遠すぎるのか無反応のようです。こっちからも良く見えんけど。
(実は岩の上で「トカゲ」になっていたため、私の行動は全く見ていなかったようです。)

R0015756.jpg - 84,099Bytes

ギボシ方面に少し登って見た編笠山の優美な姿。

奥さんの元に戻り、今度は編笠山の山頂を経由して下山するルートを取ります。
小屋前から大きな岩のごろごろした登山道を行きます。
途中わずかに草付きの斜面が現れたあとはハイマツと矮小化したツガ、シャクナゲなどの中を進みます。
岩の陰になった部分にはわずかに残雪も現れます。
地図上では南斜面の直登コースに比べれば傾斜は緩いと思われますが、それでも山頂に真っ直ぐ向かうためそれなりの急傾斜です。

R0015769.jpg - 51,631Bytes PICT0076.jpg - 58,488Bytes
お腹も満足したところでゴロゴロした岩を伝って編笠山山頂に向います。


R0015773.jpg - 51,063Bytes PICT0091.jpg - 50,395Bytes
ギボシの左肩に赤岳が見えてきました。(左) ハイマツの間の急斜面を登ります。(右)


最後に徐々に傾斜が緩くなって樹林が切れると広々とした編笠山の山頂に飛び出します。
石のごろごろした山頂は360度の眺望が開ける抜群の展望地です。
しかし、湿度の高さと上昇気流のために南アルプス方面の稜線は雲に隠れてしまっています。
とはいえ、他のグループの方も「天気も展望も両方良くないとっていうのは贅沢だよね」と話していましたので、これはこれで良しとしましょう。

PICT0095.jpg - 54,583Bytes R0015790.jpg - 54,820Bytes
やったー!絶景の独り占め。(左) 二等三角点標柱。奥に八ヶ岳の主峰たち。(右)


R0015795.jpg - 61,570Bytes
八ヶ岳南部の主峰たち。峰ノ松目、天狗岳、阿弥陀岳、横岳、赤岳、ギボシ、権現岳。

 

山頂で再びのんびりした後は、南斜面を押手川に直接下るコースをとります。
なんて言いながら下山してゆく人たちにつられて下りにかかってよく考えると、どうも西寄りに富士見高原に向かうルートのように見えます。
眼下の左寄りには観音平の駐車場も見えているし、そういえば山頂に出てすぐ「押手川・観音平」の看板があった(^^;
人様のお尻につられて確認を怠ってしまいました…
それにしても、富士見高原へのコースの看板って、なんだか全く役に立ってないような気がします。
気を取り直してコースを修正、押手川に向かうルートを進むと、しょっぱなから急な傾斜の下りが続きます。
落石を起こさないように慎重に進みます。
樹林帯に入るまでは小淵沢方面の展望も楽しめます。見通しがよければ富士山も見えるはずですが、そちらの方向には雲が湧いています。

 

R0015796.jpg - 43,050Bytes R0015797.jpg - 47,173Bytes
三角点の前から下るコースは富士見高原方面。(左) 観音平には駐車場(見えます)目指して下る。(右)

 

R0015801.jpg - 41,836Bytes R0015802.jpg - 41,881Bytes R0015804.jpg - 44,338Bytes
初めは岩がゴロゴロ。(左) 急な下りが続きます。(中) 梯子も1箇所あります。(右)

樹林帯の中に入って徐々に傾斜が緩み、左手が平坦になってくると押手川の分岐に着きました。
急な下りでちょっと張ってきた太腿のストレッチをしておきます。
押手川から先は往路と同じため、風景にも見覚えがあり傾斜も緩いため快適に進みます。
登りではたくさんの登山者と会いましたが、下山時は時間的にやや遅いためか、あまり人に会うことも無くのんびり(でも、たまに後ろから追い付かれて道を譲りつつ)歩きます。

R0015810.jpg - 45,092Bytes R0015814.jpg - 44,583Bytes
急な下りの後、しっかりストレッチ?(左) 観音平手前、だいぶ太陽が傾いてきました。(右)

雲海展望台から下は更に傾斜も緩くてハイキング気分。でも、当初の予定よりもだいぶ遅い時間となってしまいました。
最後に遊歩道を抜けて駐車場に戻ると、駐車場はがらがらに空いた状態でした(^^)
車を取りに歩き、駐車場まで奥さんをお迎え。
小淵沢IC手前の道の駅で休憩。この後、甲府まで行って長女と晩御飯の予定なので、温泉に入るのはオミットすることにしました。
中央道を甲府昭和ICまで走り、甲府市内で長女をピックアップしてお食事。
長女と別れた後、東名高速富士ICを目指して走ります。
道路は空いていて予想時間通りに富士IC〜浜松IC〜自宅に帰着できました。
でも、日曜日の帰宅としてはちょっと遅いカモ(^^;

結婚記念日にかこつけて、奥さんと二人で行った編笠山は懐かしさと好展望で好印象。
ついでに長女とも食事が出来て十分満足な山行でした。(土曜日なら尚のこと良かったけど)

-------後日談---------

翌日、仕事から帰ると奥さんから報告。
「久しぶりに履くせいか、靴のフィット感がイマイチで足が動く気がするな〜なんだか靴底も固いし…」と思っていたそうです。

で、今日になって靴を洗っていたら、靴の中に中敷がセットされていないことに気付いたそうです(^^;
本来の中敷自体は靴とはまったく別の下駄箱の棚に入っていたようです。
私が靴の準備をしたときに気付かなかったのが原因ですが、普段自転車がパンクしていても気付かない奥さんの大らかさに更に磨きがかかったような気も…(^^)

 

-------------------------------今回の行程-------------------------------


豊橋(自宅)3:40〜4:10音羽蒲郡IC〜恵那峡SA(休憩、給油)〜諏訪湖SA〜小淵沢IC〜7:05観音平

 

観音平7:40〜8:35雲海展望台8:45〜9:35押手川9:45〜11:15青年小屋12:55〜13:30編笠山
編笠山14:00〜15:20押手川15:30〜16:10雲海展望台〜16:50観音平

 

観音平17:10〜17:20道の駅小淵沢17:40〜17:45小淵沢IC〜甲府昭和IC〜18:20甲府19:50〜21:00富士IC〜21:15由比PA21:30〜22:20浜松IC〜11:05豊橋(自宅)

クリックして大きな画像を表示
CYOUKAN_AMIGASA_T.JPG - 56,382BYTES

カシミールで撮影した鳥瞰図