スイフトスポーツ 
2007年式 チャンピオンシップイエロー(セットオプション付き)

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8年8ヶ月お付き合いしてきたアルテッツァととうとう涙のお別れ。
それなりのメンテナンスや自分好みのセットアップもしてきたので、内外ともまだまだ好調でした。
(次に買う方、ラッキーですよ。大切に乗ってね!)とはいえ、やはりもともとはコンパクトで軽い車が好みで、もっと軽快感の高いコンパクトスポーツ(スポーツカーじゃないです)への買い替えを模索しました。

ちなみに、条件は積載性よりもスポーティな操縦性。特にステアリング切り始めのだるいのはイヤ。
雑誌などの評価でよくある「スポーティだが総合バランスでは〇○の方が商品の総合力で云々…」みたいな話はある意味ナンセンス。
クルマに求めるものは人それぞれなので、その人の求めるプライオリティがどこにあって、それに合致するかどうかが肝心です。(特に趣味の優占度の高いのクルマは)
スポーティでシャープながらリニアリティがあって破綻のない操縦性が希望です。
ただし、市販の商品なので、求めるものに対する費用対効果は非常に重要です。
ishidaの場合は、はっきり言って「高級さ」や「豪華さ」は不要ですが、シートなどを含めて「機能性」の高さは求めます。
あと、(多少跳ねても良いけど)5人家族なので、合法的に5人乗車可能なことは必須です。

2007年中盤時点での候補車は
本命:スイフトスポーツ…操縦性や趣味性の高さは抜群。唯一排気量が1.6Lの税金面、後部座席と荷台の狭さはネック?
対抗馬1:コルトバージョンR…ターボ武装で最もハイパワー。高出力を受け止めるシャシーも強化されていて速さは一番か?雑誌の評価ではシャープさに欠ける?また、対抗馬の中では車重が最も重く、価格は最も高い。
対抗馬2:デミオSPORT…ちょうど新型にモデルチェンジ。格好は前のほうが賢こそう。好燃費と最近のMAZDA車のDNAである軽快な走りに期待だが、趣味性が低いか?
対抗馬3:フィット1.5S…もうすぐ新型にチェンジ。やっとホンダもMTに力を入れてきたか?高いスペースユーティリティとホンダ的なシャープさや運動性の高さは期待できる。一度は乗りたいホンダ車。
対抗馬4:ヴィッツ1.5RS…イメージ的にはもっさりしてますが、走りは高バランスとの評価。ただ、初代(の途中)からRSグレードに5MTが選べるのは感心だが、どう考えても力が入ってない雰囲気満々…そのうえセンターメーターは最悪で、趣味性やシャープさは期待薄。
番外:シビックType−R…一度は乗りたいType-R。でも、良くも悪くも完全にサーキット走行優先仕様なうえに車体サイズも大きすぎて高価格。USA仕様にあるような普通のエンジンに6MT/LSD付きのType-Sみたいなのが欲しい!

で、本命と対抗馬1に絞ってDラーへ。まずは三菱見てから、乗ってから。
と思って奥さんと出掛けると、Dラーには試乗車も現車もなし。「試乗車は県内のどこかにはありますが」とか…探そうとする気配もなし。
そのうえ「査定や見積もりは如何でしょうか?」とも言わない気合いの入ってない対応にがっかり。
アニマル浜口氏に連絡しようかと思ったが、とりあえずカタログだけを貰ってスズキ販売店へ。
実際にはスイフトスポーツの試乗は既に自分は何度か体験済み(^^)。
愛車の査定の間に奥さんと再度試乗も体験。助手席の奥さんの印象も宜しいようです。

で、見積もりをもらい、価格交渉は次回ということで自宅に戻ってからコルトのカタログを見たら「コルトって4人乗り」だということが判明。うーむ、クルマのイメージは「ガンダムチック」とか言われている割には男っぽくて良いかなと思っていたのに…。
ここで対抗馬のコルトは落選決定。

ここからはスイフトスポーツ一本で価格交渉ですが、面倒くさいので「目一杯の金額提示」と「オーディオ取り付け」「ETC再セットアップ」で了解しました。
ただ、スイフトスポーツって「インテリジェントキーレススタートシステム」っていうやつが標準で、てっきり発信機は2個ついてるものだと勘違いしていました。実際はキーレスの発信機1個+スペアキー(イモビ付き)2個でした。
発信機もサービスで付けてもらえば良かった…。

お盆休み前に契約したものの、2007年7月の中越沖地震の影響が心配されました。
ところが、盆明けには「8月27日には登録できますよ〜。」とのお返事。
慌ててアルテッツァとのお別れドライブ、部品の取り外しなどを行いました。
そして、2007年8月29日にスイフトスポーツが納車されました。

エクステリア

SWIFT_0253.JPG - 63,128BYTES「軽自動車メーカー」からの脱却を図った世界戦略車として開発されただけあって、けっこう気合を入れてデザインしたと思われますが、個性的でかなり成功していると思います。
スイフトスポーツ専用の前後バンパー形状は、個人的にはノーマル素イフトのほうが好みだなあと思っていましたが、これはこれで「全く違う車に見える」くらいインパクトがあり、見慣れると格好良く思えてきました。

空力も考慮したと自慢しているだけあって、バンパー下側の造形もなかなか凝っています。
ただし、立派に見えるバンパー両サイドのインレット状の部分(フォグランプのはまっている所)はダミーです(^^;

このクラスとしては珍しく、Fピラーは「ヒドゥンピラー」(ドアサッシがピラーを覆っているため、外からピラーが見えないタイプ)となっています。
また、ドアサッシ上部はルーフまで回り込んだ独特の処理となっています。
ishidaはサイドバイザーを付けていないので、雨の日に窓を開けると水滴が車内に流れ込んできます(^^;

インテリア

SWIFT_0233.JPG - 61,547BYTESこのクラスのクルマに高級感を求めてはいけません(^^)が、必要にして十分な機能性と真面目なパッケージングが基本です。(変てこな女子供向けのギミックや見た目だけの装備は不要) 
ト○タ車の同クラスに比べればチープ感は無いと思うしね(^^)
ishidaに言わせると「出た!ト○タのミュージックプレイヤー」みたいなのは車の本質から外れてます。メーカーの良識を疑っちゃう。あ、スイフトと関係無い方向に行ってました…(^^ゞ

スイフトの場合、内装の雰囲気はチープ過ぎることも無くて好印象ですが、広々感を狙ったのかダッシュボード自体が遠くて低いイメージです。
開放感がある半面、センター部の操作系はやや遠く感じます。

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レンズの遠近感ではなく、実際にダッシュボードの左右は前に向かってラウンドしています。

シートはOPのスズキ製レカロですが、前車で付けていたSRVよりタイトなサイズになっていて、座面の据わりはよく感じます。ただ、お尻の敏感な部分にクッションの切れ目があり、気になる時もあります。
試乗の際に座ったノーマルシートに比べると、ずっと固めで減衰が強くて好印象です。(これは人によって毀誉褒貶様々のようです)

シート位置が高めなため、ペダルを「上から踏む」感じのポジションとなり、ヒール&トウはとてもやりにくく感じます。
ブレーキのサーボもやっぱり強過ぎかな?もうちょっと踏力で微妙にコントロールするタイプのほうが好みです。

あと、そう感じる方が多いようですが「ハンドルの位置が遠い」感じです。ペダル位置でシートスライドを合わせると、どうしてもステアリングが遠めになってしまいます。(ishidaはシートバックは起こし気味に乗る方だと思いますが)
逆に、点検の代車で乗った「事務兄」はびっくりするくらいポジションが決まって羨ましかった。

操作上で気になるのはスイフトスポーツ専用デザインのステアリングで、下側センターに樹脂の部分があることです。
表面自体も滑りやすく、そこを触ると操作感が悪く感じます。
エアコンはフルオートタイプを謳っていますが、意図的に操作しようとすると操作のロジックが全く理解できません。

と、くどくど書いてますが、総じて機能的に問題は無く気に入ってます。
インパネやドア周辺からガタガタミシミシビリビリ音がするのはいろいろな掲示板で言われていますし、点検の時などに色々やってもらいましたが収まっていません。まあ安い車なので目くじら立てるのはやめました。
ただし、足回りからの異音は歩道を歩く人が振り返るくらいの「明らかな異音」だったので、対策してもらいました。
(実際には最初にFサスのアーム部、その後再発してスタビライザーブッシュとスプリングシート部に対策部品投入)

あと、操縦性や操作性には関係無いですが、スイフトスポーツには標準でインパネに「燃費計」が装備されています。
「燃費の計算が楽かな」くらいに思っていましたが、実際に燃費を表示させながら走ってみると、思った以上に賢い走りが出来、省エネにつながることが判りました。

エンジン・パワートレーン

SWIFT_0024.JPG - 74,901BYTESマイナーチェンジ後のモデルは、最高出力/回転数は従来通り125PS/6800rpmのままですが、許容回転数が7000rpmから7500rpmまで高められています。

従来大きくとっていた安全マージンを削ったのか製造管理上の公差を厳しくしたのかは不明ですが、もともと二輪車の技術を注入して作られたのが自慢のエンジンでもあり、十分なマージンをもっている様です。 

ベースのエンジンは素イフトにも積まれているM15という1500ccの実用エンジンで、110PS/6000rpm(許容回転数は6800rpm)というものですが、これをストロークアップして1600ccとし、さらに高回転を可能にする専用アイテムを盛り込んだものです。

写真の「SUZUKI」のロゴ入りカバーはゴムブッシュではめ込んであるだけなので、簡単に手で外れます。
実際、排気量100ccアップしたうえで高回転化した割りに110PS→125PSって全然大したことない気もしますが…。
ただ「高回転化に適した形状と高強度の鍛造ピストン」「ピストンオイルジェットクーリング」「ガス軟窒化処理コンロッド」「内面硬球処理インテークマニホールド」「銅鉛合金コンロッドメタル」などのアイテムだけでなく、随所に二輪の技術が生かされているとのこと。
ちなみに、「VVT(可変バルブタイミング)」って、高回転化と排ガス規制クリアと低速トルク確保の為には切っても切り離せないものです。(高回転化を狙ったバルブタイミングでは、低回転での吹き抜けなどでトルク低下するだけでなく、排ガス浄化が難しい)

で、肝心のエンジンフィーリングですが、「たいへん素晴らしい」です。
(が、パワーや高回転の伸び切り感はやや拍子抜けな感じもある…)
ロングストロークなだけあって、必要十分な低速トルクもありますが、4000rpmあたりから上は更にトルクが上乗せになるだけでなく、なかなか官能的な音を奏でます。
エンジンブロックやクランクシャフトの精度や剛性が高いだけでなく、エンジンマウントや受け止めるボディの剛性もあってか、非常に回転バランスが良く感じます。
FF車ですから、エンジンブロックと一緒にトランスミッションもエンジンルームにぶら下がって(?)います。この辺の支持剛性が弱いと、パワートレーン全体が不必要に動いて変速時のフィーリングが悪くなるものですが、このあたりも良い仕事してるようです。

逆に、クランクの支持ややコンロッドなど、エンジンの回転バランスが良くないエンジンを高剛性マウントやシャシーに積んだ場合、気分の悪い騒音やハンドルに伝わる振動(特にFFの場合にありがち)が避けられません。
エンジンと支持構造のバランスが良いのが体感的にソリッドで気持ちのいいフィーリングを生んでいると考えられます。

ちなみに、世間的にはエンジンの振動をボディやステアリングに伝えない為、柔らかめのエンジンマウントを使う傾向が強いかと思われます。シフトチェンジ時のフィーリングはATの場合だと電制スロットルや点火時期制御でエンジンの無駄な動きやシフトショックを軽減する手もありますから…それはそれで大変と思いますけど。
(最近よく運転するトヨタの某FF高級ミニバンの場合、殆どパワートレーンの存在を感じさせないくらい絶縁されてます。しかし、そこそこのステアリングインフォメーションはあり、速度が変わってもリニアな安定感もあって、それはそれで凄いなと感心しちゃいます。運転が楽しい車ではありませんが…って、当たり前でした。ついつい求めてしまうワタシ(^^;)

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マフラーを含めた「音」についても、最新の「心理音響評価」技術が生かされているとのことで、大きすぎず、雑味のない「クリアな良い音」となっていると思います。(音響評価というと、ちょっと仕事のことを思い出して複雑…悩まされてます(^^;)
ちなみに前車のアルテッツアの場合は正反対で、車内で聞く音はうるさいだけで良い音ではなかった。そのうえノーマルマフラーはトルクの谷で酷く割れた音が混じるという世間の酷評を浴びており、担当者はかなりつらい思いをされたのでは…(途中の改良で対策されたらしい)
う、これもなんとなく身につまされる…。

外観ではスポーツ専用のちょっとおごった2本出しマフラー。
見た目はまあまあですね。量産車なので、バンパーとのクリアランスは大きめですが(^^)
このマフラーを収める為に、アンダーフロアは専用となっており、スペアタイヤの収納スペースがなくなったために「パンク修理キット(コンプレッサー含む)」が装備されています。

ところで、下からマフラーをのぞくとこんな感じですが、サビサビのマフラーステーがいかにもスズキ的…。(購入後1.5ヶ月後の写真です。)エブリイちゃんのFドライブシャフトも1ヵ月後にはサビサビだった。SWIFT_0068.JPG - 64,755BYTES
機能上問題ないと考えているらしいけど、これで10年後でも本当に大丈夫だと思ってるんですかねぇ?

トヨタ車でもサスペンションアームの端面などは削りっぱなしですぐにサビサビだったり、ブレーキキャリパーのブリーダーキャップは2年後にはみんな千切れてましたけどね。(二輪車だったら10年経っても使えるのが当たり前)…あ、またトヨタの悪口が…。