オオヒキガエル

両生網 無尾目 ヒキガエル科  体長約150mm

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渓流に鎮座する大型の個体は体長150oくらいあった。目と鼓膜の後ろの膨らんだ部分が毒腺。

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なんだか本当に「悪そう」な顔付き。

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体色が明るい褐色の個体。

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林道の側溝にいた個体。指先は黒くて硬そう。

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本種の幼体。一見したところ、見慣れない模様のあるカエルだなと思いましたが…。

生態系に大きな悪影響を与える外来種なので、掲載は迷いましたが…
移入された小笠原諸島や石垣島では、生態系に悪影響を与えるほど大繁栄しています。
もともとはサトウキビ畑などの害虫駆除の目的で人為的に導入されたそうですが、大型なうえに乾燥にも強く、体内に非常に強い毒を持つため、天敵のいない移入先では非常に猛威を振るう「侵略的外来生物」の代表選手のようになっています。
ハブに対するマングースの導入なども同じことが言えますが、そもそも本来の「生物農薬」的な役に立っているのかどうかも疑問なのに、世界各地で思った以上に移入が進んでいったのは何故なんでしょう??
目の後ろの膨らんだ部分が毒腺ですが、Wikipediaによると実際には体全体が毒性を持っているため卵やオタマジャクシでも毒性があり、そのせいで飲料水が汚染されてしまったケースまであるとのことです。

本種はたいへんな大食漢なうえに成長も速いようで、昆虫やエビ・カニなどの甲殻類、小型の爬虫類や哺乳類まで捕食するそうです。
体の皮は厚くていかにも乾燥に強そうなだけでなく、乾燥した地面に対する適応か、手足の指先はまるで「蹄」のように黒く硬くなっているようです。
なんだか短足で寸胴なプロポーションが人の赤ん坊のようにも見えなくもなくて、顔つきもいかにも「ワルそう」に見えて、何となく嫌な感じ…というのは人間の勝手な感情でしょうかね。

石垣島でishida式の「1人ナイトツアー」に出掛けた際にも、道中のサトウキビ畑周辺、幹線道路上や林道、山中の渓流などにまで多くの本種が見られました。

昼間のうちに出掛けた渓流で「カニの住処の穴があるので、夜にはサワガニやヤマガニがウジャウジャかも(^^)」なんて思って夜にもう一度出掛けたら、カニの姿はなくて渓流の河原に巨大なオオヒキガエルが鎮座しているのを見てがっかり…
小型の個体は独特の模様があり、初めて見たときには「おお!珍しいカエル発見っ!」と思ったら、本種の子供でした。