ヒメハブ

爬虫網 有鱗目 クサリヘビ科  体長約800mm

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林道上で警戒して平べったくなっているところ。

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やや鼻先が上向きに尖っているのは水辺への適応?

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正面から見ると「両眼視」できることが判る。眼の内側のピット器官もよく見える。

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夜の林道で会ったこの個体はちょっと活動的で、この後素早く逃げて行った。

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もうちょっと顔を見せてほしいとお願いしましたが、全く動いてくれません(^^;

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これは警戒の態勢ですね。

奄美群島と沖縄諸島に生息する小型の毒蛇で、本土の「マムシ」に相当する生態的な地位にあるものと思われます。
一見した印象も「ちょっと太めのマムシ」というふうに見えます。
夜行性で、同じく沖縄に生息する「ハブ」に比べるとずっと小型で、より水辺に近い環境に生息するようです。

カエルなどの獲物を探して水中に入ることも多いようで、そのためか鼻先が尖った先に近いところに鼻孔が開いています。
また、本種の属するクサリヘビ科の蛇は眼と鼻孔の間に「ピット器官」という、赤外線を感知する器官を持ち、夜間でも獲物の位置を知ることが出来るとのことです。
(逆に、ハブの咬傷を避けるためには「肌を露出させない」ということが言われるのはそのためです。)

蛇類については沖縄遠征3回目の2018年春になって、初めて遭遇しました。
実際に本種を見たのもやんばる地域の林道でしたが、すぐ近くの沢沿いで盛んにカエルが鳴いている方向へ向かっている途中…という感じでした。
現地の言葉で寝ぼすけを意味する「にーぶやー」とも呼ばれるのも、あまり活動的でも攻撃的でもないことから来ているようです。
写真の個体も、灯りで照らしてもフラッシュを焚いても動くことがなく、そっと車でまたぐように通過しても全く同じ姿勢のままでした。

---------------------- 2023.11 画像と記載を追加しました -------------------

コロナ禍明けを待って敢行した2023年春の沖縄遠征では、夜の部ではけっこう多くの個体を見ることができましたが、やはり見掛けるのは沢沿いか河原のような水辺周辺のみでした。
積極的に動いている(逃げていった)のを見たのは1回きりで、他の機会では接近しても全く動くことはなく、やはり本土のマムシと比べても随分おとなしいなあという印象でした。
2023年の遠征時に何度か散策に同行頂いた沖縄在住のUさんに伺ったところでも、気付かずに尻尾を踏みつけるなどしない限り攻撃してくることはないそうです。
しかし、ある個体に出会ったときには、LEDライトの明かりを向けたところ、飛び上がるような動きを何度か見せ、予想外の反応でちょっと驚きました。(もちろん安全な距離はとっていますよ(^^))