タマヤスデの一種

大顎亜門 倍脚(ヤスデ)網 タマヤスデ目 タマヤスデ科 約6mm

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歩いている姿はどう見てもダンゴムシ。

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体の末端(左側)は単純な構造です。触角も違う…。

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体の下にあるため、脚の数とか良く見えません。

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色々調べると、胴体のうちの前と後ろのそれぞれ3節ほどは脚は一対のようです。

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綺麗にまん丸くなり、頭部まで尾節で隠して完璧な守りの態勢です。

「ヤスデ」は姿形から「ムカデ」の親戚のように思われがちですが、類縁的にはまったく別の生き物です。
大きな違いは、ヤスデは「倍脚(ヤスデ)網」に属し、「一体節当たり二対(4本)」の脚を持っているところです。(対して「ムカデ」は「唇脚(ムカデ)網」で、脚は「一体節当たり一対(2本)」です。)

写真は「タマヤスデ」の仲間ですがどう見ても「ダンゴムシ」のように見えますね。
ダンゴムシは甲殻綱ワラジムシ目に属していて、エビやカニの親戚で、類縁的にはやはりかけ離れています。
実際に屋外でタマヤスデを見ても、ほとんどの人は「ああ、ダンゴムシ」としか感じないと思いますし、危険を感じるとボール状に丸くなるところまでそっくりです。
ただ、頭部を隠さないダンゴムシに対し、タマヤスデは尾節で頭部まで隠しているため、守りの態勢としては一歩進んでいます。(完全にほおっかむりしてしまっているともいえます)

ひと目で見てわかる違いは、体節の後端部で、単純に一節で終わっていたら「タマヤスデ」、複雑に分かれていたら「ダンゴムシ」です。

イラストレーターのI田先生のイラストを更新し、体の構造の違いを判り易くしました。
ヤスデもダンゴムシも節足動物であり、「体が体節構造になっていて、外骨格を持っている」「前に頭部や口があって後ろに排泄孔がある筒形の生き物」というところは同じです。
甲殻類に属するダンゴムシは、エビやカニに比べて頭部以外の体節の融合が進んでいないため、胴体の体節毎に脚が一対(2本)あり、胴体の後ろには機能分化した「腹部」を持っています。
ダンゴムシの腹部はエビの腹部とよく似た構造になっており、海棲のダンゴムシの仲間である「オオグソクムシ」などは、エビと同様に尾節が鰭の様になっています。
ヤスデの仲間は体節の融合や機能分化は未発達で、頭部の後ろに胴体、胴体の後ろは唐突に尾節で終わっています。
また、前述のように(前と後ろの3節以外は)体節毎に二対(4本)の脚を持っています。

ダンゴムシとの比較です。脚の違いなどが判り易いようにI田先生のイラストを更新しました。
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