サワガニ

節足動物門 エビ網 エビ目(十脚目) サワガニ科  甲幅20〜30mm

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雨上がりの地上を歩く個体。右利きのハサミが大きいオスです。

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左右のハサミの大きさが等しく、ふんどしが幅広なのはメス。

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全体的に丸みがあって滑らかな背甲です。

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腹に稚ガニを抱えたメス。

本州、四国、九州に分布する純淡水性のカニで、主に山地の渓流やその周辺で見られます。
雨上がりなどは地上を歩いていることも多く、必ずしも水中にいるわけではありません。

背甲の表面は全体的に滑らかで艶があって形状も丸みを帯びており、よくイメージするカニの甲羅の側面のトンガリ(眼窩外歯・前側縁歯)のようなものはなく、眼窩の横から後方へ続く前側縁は甲羅の内側に回りこんでいません。

オスはどちらかのハサミ脚が大きく、メスは左右の大きさが等しいのが一般的ですが、オスでも若齢期にハサミや脚を失った場合は再生した脚は小さめとなるため、はさみの大きさだけでは性別の絶対的な判別は困難かもしれません。

サワガニ科の最も特徴的なところは、大形の卵をメスが腹部に抱えて保護し、稚ガニが直接孵化することです。
さらには、母ガニは一定期間はそのまま子供をお腹に抱えて保護するため、孵化後の生存率も高いと思われます。
それによって、他のカニのように産卵と幼生期を海に依存することなく陸上で生活史を完結させる事ができます。
それは、生活に適した環境さえあれば狭い範囲で世代を重ねることが出来る反面、広い範囲に移動することができないために地域間で分断されたり、環境の変化や開発によって生息環境が破壊されてしまうと地域的な絶滅につながりやすいともいえます。
実際、九州では分断による分化が進んでいるともいわれていますし、琉球諸島では島ごとに種が異なるケースが多くあります。