ババヤスデの一種

大顎亜門 倍脚(ヤスデ)網 オビヤスデ目 ババヤスデ科 約60mm

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身体を伸ばした時と縮めた時でだいぶ長さが変わります。

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「ヤスデ」は姿形から「ムカデ」の親戚のように思われがちですが、類縁的にはまったく別の生き物です。
大きな違いは、ヤスデは「倍脚(ヤスデ)網」に属し、「一体節当たり二対(4本)」の脚を持っているところです。(対して「ムカデ」は「唇脚(ムカデ)網」で、脚は「一体節当たり一対(2本)」です。)

さて、写真のヤスデは豊川市北部の山地の樹林内で見たものです。
体長60mmほどあり、ほとんど国産最大クラスに達するサイズと思われます。
先を歩いていた方が見つけて教えてくれましたが、ここ数年通っていて初めて見ました。

ネットで検索しても見当たらず、図鑑でも種類については「ババヤスデ科」であろうというところまでしか判りませんでした。
愛知県野外教育センターのHP内に同じヤスデの写真が載っているのは見つけましたが、種類不明となっていました。

------------------------------ 2021.10 追記・写真追加 ------------------------------

日常的に見掛けることはありませんが決して珍しいというわけではなくて、本来は夜行性であることが目にしない理由の一つだと思われます。
早朝や雨上がりなどに森林を歩くと、意外にも(?)大小さまざまな本種か似たものたちにけっこう出会うことが判りました。
全てが同種かどうかは良く判りませんが、頭部を除いて尾節までの背甲のある体節が20節あることと全体の形態から、すべてババヤスデ科の近縁種であろうと思います。
8年に1回大発生して、線路に大量に侵入・通過した列車に轢かれると、体内の油分によって列車の走行を困難にしてしまうという「キシャヤスデ」も同じグループのものだそうです。

最近見たものは最大で80mm近く、ちょっと派手めな色合いもあって、知らない人が見たら「でかいムカデだ!」と思うかもしれませんが、落ち葉などを食べる平和主義者です。
ただ、多くのヤスデは危険を感じると身を守るために臭い液体を分泌します。
本種もそうなのかどうかは試していません…(^^;

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これまでに見た中の最大個体。伸びるとだいたい80mm近くあった。

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体節毎に2対(4本)の歩脚があるのが判り易い。

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非常に鮮やかな体色の35mm程の個体。これは「オビババヤスデ」?

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ちょっと全体にくすんだ感じの40mm程の個体。これはいわゆる「キシャヤスデ」?